夜空の武偵   作:トナカイさん

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メリークリスマス。
サンタより、ブラックサンタにお願いしたいです。
ブラック企業とリア充爆発させてください!(切実)


プロローグ4。人質にされました……

祖父と父親の会話を盗み聞きした俺は話を聞いたことを後悔していた。

なんだよ、なんなんだよ。

赤ん坊に何を求めてんだ、あの人達は?

げっそりとした表情に、死んだ魚のような目をしながら母親に抱かれていると。

ホールの壇上に一人の男性が上がった瞬間、ホール内は静寂に包まれた。

 

「ご来場の皆様、本日は私の主催する『美しい日本を作る会』の会合及び、娘の誕生記念パーティーに参加していただき誠にありがとうございます。

娘は無事に1歳を迎えることができまして、これは常日頃の皆様の……」

 

男性が話し始めたが、内容は、主に最近の娘の様子やら、パパと呼んだやら、親バカ的な発言が繰り返された辺りから俺はうたた寝をすることにした。

ぶっちゃけ興味ないし。

他人の家のことよりも、自分のことでいっぱいだからな。

ああ、本当。

あの人外達どうしようか……。

普通の生活を送るには、なんとかしてあの人外達を説得……もしくは物理的に排除しないと、安息の日々を送ることが出来ない気がしてきた。

『生身で弾を弾く人間』を物理的に黙らせるにはどうしたらいいか?

その問いに対する答えなら一つある。

……嫌だが。本当はもの凄く嫌だが。

未来の平穏な普通の生活を送る為に、俺は敢えて彼らの師事を受けようかと思う。

物理で殴って黙らせる為に!

全ては平穏な日常を送る為に!

 

よーし、そうと決まれば頑張るぞー!

 

俺はそんな決意をして母親の腕の中で惰眠をむさぼる。

 

二、三年後から。

二、三年後から頑張るから。

だから今は安眠させてください!

お願いします!

 

 

そんは俺のお願いは叶う______筈もなく、突如、会場内に銃声が響いた。

 

 

「おとなしくしろ! われわれは『日本救世軍』!

死にたくなかったら、全員両手を後ろに回して床に座れ!

誰かと話したり、泣き喚いたり、抵抗するそぶりを見せたら殺す!

抵抗したり、泣き喚く奴は誰だろうと容赦しない。

われわれは本気だ!

われわれの本気を見せるとしよう。

そうだな。そこのお前。

そこの赤ん坊を______連れて来い」

 

銃器片手に入り混んできた人物の数は合計10人。

全員顔をマスクで隠している為、身元はわからない。

手に持っている銃声はおそらくイスラエル製のアサルトライフル。

腰にはナイフらしきものが携帯されている。

男達の中にはアラビア語かなんかか?

発音が英語や中国語とかとは違う。

今の時代だと、前世でいう湾岸戦争とかの辺りかな?

外国語が飛び交う感じから多国籍で結成されているみたいだな。

なんて他人事のように考えていると、男達の一人が俺の母親の前に来て、その腕から俺を強引に引き離した。

母親は必死に抵抗するも、眉間にアサルトライフルを突き付けられて、俺を手放してしまった。

おい! マミー! もうちょい頑張ろうよ⁉︎

 

「われわれは本気だというところを見せよう。

これからわれわれはそこにいるこの国の指導者、内閣総理大臣。風斬颯に要求を行う。

その要求が通らない場合、見せしめとしてこの会場にいる人を順番に殺していく。

まずは、この餓鬼の命を対価にアメリカ合衆国とお前らの国が交わしている思いやり予算の全面凍結。

並びに、日米安保条約の撤回を審議しろ!

期限は三時間。

それが行われない場合……この会場にいる奴らの身の保障はない」

 

無茶苦茶な要求だな。

そんなもん、通るわけないだろ。

日本がアメリカに逆らえるはずないんだから。

内閣総理大臣も大変だよな、こんな馬鹿の相手をしないといけないんだから。

と思っていると、その内閣総理大臣と目が合い。

パチパチパチン、とアイコンタクトされた。

すまんが、全くわからん。

まだマバタギ信号とかは習ってないし、そもそも赤ん坊だし。

俺は普通の人間を目指すただの赤ん坊ですことよ?

俺は内閣総理大臣にテキトーにマバタキを返す。

すると内閣総理大臣の顔が真っ青になっていた。

何故だ?

テキトーにマバタキしただけだぞ?

何故あんな顔をするのか気になる。

 

「……私にはこの国を守る義務がある。

君達の要求には答えられない」

 

「ふむ、われわれの要求を拒否……この赤ん坊を殺してもいいということだな?」

 

「ああ、出来るものならね。

君達では彼に勝つことなんて出来ない。

比嘉の戦力差もわからない可哀想な君達など……

赤ん坊な彼に無残に散らされるといいさ」

 

内閣総理大臣は俺の方を見ながらそう言った。

いや、あの……誰が扇げと言いました?

 

「なっ、き、貴様!

われわれを馬鹿にするとは……死にたいようだな」

 

「馬鹿になどしていないさ……あくまでも事実を言っただけさ」

 

内閣総理大臣は俺に向けてマバタキ信号を送ってきた。

『ほら、お膳立てはしといたから君の力を見せるチャンスだよ?』というかのように。

いや、あの総理……俺。

 

た だ の 赤 ん 坊 な ん で す が⁉︎

 

「くっ、馬鹿にしやがって!

殺せー、赤ん坊をブチ殺してしまえー!!!」

 

キレた男(アサルトライフル付き)が襲ってきた。

 

コマンド

 

 

にげる。→だが、逃げられない!

 

戦う→素手で? 赤ん坊のぷにぷにボディで? どうしろと?

 

アイテム→涎掛け、ポケットに入ってるおしゃぶり。 使えない!

 

必殺→泣く! しかし、何も起こらない……。

 

必殺②→赤ん坊のウルウル瞳攻撃→テロリストには効かなかった。高い耐性を持っているようだ!

 

俺が必死に打開策を考えるも、無情にも。

テロリストの男は俺の額にアサルトライフルを突き付けつけて。

そのトリガーを引いた……。




次回、筋肉無双の始まり、始まり。(予定)

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