モテ期と修羅場は同時にやって来るものである   作:藤龍

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 前回と同じくこのお話も、もしも主人公が本編とは違うヒロインと付き合ったら、というifストーリーです。
 当然ネタバレもあります。それから本編で選んだヒロインとは違うヒロインとイチャイチャしとるので、そういうの嫌だなぁという人はご注意を。


支え合う関係

 

 

 

 

 

 六月下旬――街を鮮やかに彩っていた桜もすっかり散り、夏の暑さが少しずつ近付いて来た。

 

 季節が変わっても、俺の日常はあまり変わらない。

 多くの生徒で賑わう通学路を抜け、校門の先にある校舎に入って靴を履き替え、教室を目指す。

 いつも通りの、変わらない毎日だ。だから当然、教室に入り席に座れば――隣には、決まって彼女が居る。

 

「おはよう、海子」

 

 席に着くと同時に、俺は隣の席に座る彼女へ声を掛ける。

 

「ああ、おはよう友希」

 

 すると彼女――雨里海子は即座にこちらを向いて、微笑みと共に挨拶を返して来た。

 

「今日は少し遅かったな」

「ちょっと寝坊してな。昨日、少し夜更かししたからかな」

 

 言葉の最後で、ついあくびがこぼれる。それを見た海子は、呆れながらもクスリと笑う。

 

「全く、気を付けろよ。体調を崩されたりでもしたら困るぞ」

「別に海子が困る事無いだろ」

「馬鹿。そんな事は無い。……恋人が体調を崩したら、気が気でないだろう」

 

 照れるような口調でそう言うと、海子は口元を手で隠しながら、顔を背けた。

 海子らしい言葉と反応に、俺はつい笑い声がこぼれてしまう。

 

「な、何がおかしい……!」

「ごめんごめん。そうだな、海子を心配させたくないし、気を付けるよ」

「……それで良い」

 

 俺と海子が付き合い始めてもう結構な時間が経つ。

 だが目立った変化は無く、海子は相変わらず照れ屋で恥ずかしがり屋なままで、会話の内容も付き合う前とほぼ変わらない。

 

 正直に言うと、まだ恋人らしく振る舞うのは慣れてないのだ。どうも、距離感というものが掴めない。海子もきっとそうだろう。

 実際、今月の始めは海子の誕生日で、去年と同じく記念にデートをしたが、そこでも特に何か出来た訳でも無く、進展は無かった。海子の方は何やら行動を起こそうとしていた雰囲気はあったが、結局羞恥心に負けて音沙汰無いまま終わったのは、記憶に新しい。

 でも、今はそれで良い。今はこうして他愛ない会話をしいながら、時折恋人らしくする。それぐらいが丁度良いと俺、そしてきっと海子も思っているはずだ。関係を深めるのは、もう少しゆっくりで良い。俺が彼女を好きという気持ちは、変わらないのだから。

 

 

「――ところで友希。お前、勉強はしているか?」

 

 教科書を鞄から机に移していた最中、いつもの調子に戻った海子が不意にそんな事を口にする。

 

「いきなりだな……どうしてそんな事」

「どうしても何も、もうすぐ期末テストだろう?」

「え? ……あー、そういえば、そんな時期だったっけ」

「まさか……忘れていた訳じゃ無いだろうな?」

 

 海子のその問いに、俺は沈黙という肯定を返した。

 

「お前は……去年もそんな調子ではなかったか?」

「返す言葉もございません……海子はしてるのか?」

「当然だ。むしろ毎日勉強漬けだ。教師を志す者として、毎日の勉学を怠る訳にはいかない」

「立派だな海子は……でも、そんなに毎日勉強じゃまいっちゃうだろ? ちゃんと息抜きしてるか?」

「その辺りは心配無い。しっかり休息は取っている。それに……なんだ」

 

 ふと、海子が言葉を詰まらせる。何故か頬が赤く染まっている。

 どうした、と声を掛ける寸前に、海子は続きを口にした。

 

「お、お前とこうして会うだけで、げ、元気を貰えるからな。だから……問題無い」

「…………お、おう、そうか……」

 

 突然のセリフについ困惑気味な反応を返してしまう。

 直後、海子は頭を抱えて机に顔を突っ伏した。恐らく、「また私は余計な事をぉ!」と、悶えているのだろう。

 

 海子は相変わらずだな……でも、そこが彼女の良いところだと、俺は思う。

 こうなった海子には何かしたら、逆にさらに悶える事になる。だから、しばらくそっとしておこう。

 

 彼女が復活するのを待ちながら、机の中を整理する事数分。海子がゆっくりと顔を上げる。

 

「大丈夫か?」

「……問題無い」

 

 どうやら立ち直れたようだ。まだ若干顔が赤いが。

 

 ゴホンッ! と、咳払いを挟んで気を取り直してから、海子は俺との会話を再開する。

 

「ともかくだ! もうテストまで時間が無いんだ。このままではイカンぞ」

「分かってるよ。とりあえず今日からでも勉強始めるよ。まあ、ちょっと不安が大きいけどな」

「……友希。今度の日曜、空いてるか?」

 

 海子が顎に手を添えながら、こちらに真剣な眼差しを向ける。

 

「空いてるけど……人が勉強する宣言した直後にデートのお誘いか?」

「ち、違う! お前に勉強を教えてやると言っているんだ!」

「え? 良いのか? 海子の勉強の邪魔にならないか?」

「その心配はいらない。誰かに教えるのも、良い勉強になる。それにお前も補習で夏休みが潰れるのは嫌だろう? ……私も嫌だしな」

「そうか……じゃあ、お言葉に甘えようかな」

 

 確かに高校最後の夏休みが補習三昧とか、嫌だしな。それに海子との時間も取れなくなる。

 

「では決まりだな。それじゃあ場所は……私の家で良いか?」

「え? ああ、良いけど……」

「なんだその反応は。何か不都合でもあるのか?」

「いや、海子が自分から家に誘うとは思わなくて。何というか……成長したなー、みたいな?」

「なっ……!? 何を言ってるんだお前は! い、言っておくが勉強の為だぞ! その……そういうのでは無いからな!」

「わ、分かってるよ。ほら、視線集まるから落ち着いて」

 

 海子は顔を真っ赤にしながら、「変に意識してしまうでは無いか……」などと小声で呟きながらそっぽを向く。

 

 余計な事言ってしまったかな……とりあえず、またそっとしておくか。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 そして日曜日――約束通り、俺は勉強を教わる為に海子の家にお邪魔した。

 

「来たか。上がってくれ」

 

 昼過ぎに訪ねると、私服姿の海子が出迎えてくれた。青のTシャツにハーフパンツという、健康的なスタイルだった。

 

「そういえば、水樹さんは居ないのか?」

 

 靴を脱いで玄関に上がりながら問うと、海子が階段に向かいながら答える。

 

「ああ、母さんなら知り合いと出掛けている。多分夜までは居ないだろう」

「そっか」

「まあ、居ない方が都合が良い」

「ん? どうしてだ?」

 

 海子の後に続いて階段を上がりながら何気なく聞き返す。すると、海子が階段を上り切ったところで不意に立ち止まり、こちらへ振り返った。

 

「かか、勘違いするなよ!? 都合が良いというのは、その、うるさい人が居なくて集中出来るという意味であって、やましい事は何一つないからな!」

「へ?」

 

 言葉の意味を一瞬理解出来ず、首を傾げる。

 が、数秒後に彼女の言いたい事を理解し、俺の口から自然と「ああ、なるほど」と声がこぼれる。

 

「分かってるよ。今日は勉強教わりに来てるんだから」

「そ、そうか。それなら良い、うん。そうだ、今日はあくまで勉強をだな……」

 

 コクコクと頷きを繰り返しながら、海子は移動を再開する。

 海子は相変わらずだなぁ。多分、彼女としては二人切りの時間を楽しみたいところもあるのだろう。

 俺も出来る事ならそうしてあげたいが、やっぱり勉強も大切だ。悪いが今日はそっちに集中させてもらおう。

 

「友希はそこに座ってくれ」

 

 部屋に辿り着くと、中には既にテーブルと座布団が用意されていた。その上にはノート、飲み物や菓子も準備されていた。

 

「準備万端だな」

「直前で慌てるより良い。さあ、早速だが始めるぞ」

「い、いきなりか」

「時は金なり、だ。それに、早く終われば時間が余るだろう。そしたら、その、なんだ……」

 

 海子が言い辛そうにモゴモゴと口を動かす。

 彼女が何を言いたいかをなんとなく察した俺は、早速座布団の上に座った。

 

「さっさと終わらせて、残りの時間はゆっくりしようか。折角の日曜日だしな」

「そ、そうだな。よし、ではやるか」

 

 どことなく嬉しそうに表情を綻ばせながら、海子は向かい側に腰を下ろす。

 俺も持参したノート類をテーブルの上に広げ、早速向き合う。最初は数学から片付ける事にした。

 

「さて……今回のテスト範囲ってどこまでだっけ?」

「確か、ここから、ここまでだな」

「なるほど……分からなかったら聞いて良いか?」

「その為に一緒に勉強しているのだろう? 遠慮は無用だ、いつでも頼ってくれ」

「助かる。よーっし、やるか」

 

 頬を軽く叩いて、スイッチを入れる。海子も気持ちを切り替えるように深呼吸をして、ノートに向き合う。

 

 それから、俺達は黙々とペンを走らせた。

 海子も勉強をし始めると完全にスイッチが入ったのか、とても集中している様子だった。緊張で手付かずになるかと思ったが、杞憂だったようだ。

 俺も見習って集中せねばと、教科書と睨めっこを続ける。が、しばらくしたところで難問にぶつかり、手が止まる。自力で解いてみようと奮闘するが、どうにも糸口が見つからない。

 

「なあ、海子。早速で悪いけど、教えてもらえるか?」

「ん? ああ、構わんぞ。どこだ?」

「えっと、ここなんだけど……って、そっちからじゃ見にくいか」

「そうだな……私がそっちに移動しよう」

 

 腰を浮かして、滑るように俺の隣に移動して、教科書を覗き込む。

 

「ああ、この問題か。ここはだな――」

 

 それから海子はとても丁寧に、分かりやすく問題の解き方を教えてくれた。

 

 チラリと、海子の方へ視線を向ける。あと少し動けば頬と頬がくっ付きそうな距離に、彼女の顔はあった。

 いつもの彼女なら即座にテンパってしまいそうなものだが、今の彼女はとても真剣な眼差しで、動揺する事無く俺にアドバイスを送ってくれている。本当、何事にも真摯に向き合ってくれるよな、海子は。

 こういうところが彼女の良いところなんだと再確認しながら、俺も再度教科書に向き合う。

 

「――といったところだ。分かったか?」

「ああ。ありがとう海子。お陰で何とかなりそうだ」

「礼には及ばん。また何かあれば言って……」

 

 ふと、海子の言葉が途切れる。

 どうしたのだろうと横を向くと――そこには、目を丸くした、真っ赤な海子の顔があった。

 

「すす、すまない! 勉強を教えるのに夢中で、気が付かなかった! ち、近過ぎたな!」

 

 そう言ってバタバタと元の席に戻る海子。その後は気恥ずかしさを誤魔化すように、彼女は黙々とペンを走らせた。

 遅れて羞恥心が襲って来たようだな……そういうところも、海子らしい。

 

 彼女の可愛らしい反応につい笑みが漏れる。ひとまず彼女の落ち着ける時間を作ってあげようと、俺はトイレに行くふりをして、部屋を出た。

 直後、部屋の中から声にならない声が聞こえて来たが、気にしない事にした。

 

 

 それからしばらく時間を潰してから、部屋に戻る。

 海子はどうやら冷静さを取り戻せたようだった。俺も気を取り直して腰を据えて勉強に取り組んだ。

 

 

 それ以降も海子の手助けを借りつつ、テスト勉強を進めた。

 そして三時になったところで、一旦休憩を取る事に。

 

「ふぅ、流石に向き合いっぱなしだと疲れるな。でも、海子のお陰で順調に進んでるよ」

「それは何よりだ。この調子なら、五時前には終わりそうだな」

「ああ。にしても、本当に海子の教え方は上手いな。流石、教師を志すだけはある」

「大したものではないさ。私なんてまだまだだ。知識も技術も、全くもって足りていない。もっと精進せねば」

「そんな事無いって。海子はきっと、良い教師になれるさ。良い先生が付いてくれて、俺は運が良いな」

「ほ、褒めても何も出んぞ!」

 

 照れ隠しをするように、海子はクッキーを頬張る。

 

「でも実際助かってるよ。俺一人じゃこんなに上手く進まなかった。海子には悪いけど、協力してもらって助かってる」

「悪いなんて事は無い。お前が困ってるなら、私はいくらでも手を貸すさ」

「海子……じゃあ、俺も海子が困ってたら、全力で支える。だから何でも言ってくれよ」

「友希……ああ、そうさせてもらう。こういう支え合う関係というのは、悪くないな」

 

 飲み物の入ったコップを両手で持ちながら、海子は嬉しそうに微笑む。その笑みについ心臓が跳ね上がり、俺は誤魔化しに飲み物を喉に流し込んだ。

 

 

「――さて。そろそろ再開するとしようか。私の方はテスト範囲の粗方終わったが、友希はどうだ?」

「早いな。俺はあと一教科分かな。海子には悪いけど、もう少し付き合ってもらえるか?」

「無論だ。私は私の方で自習している。いつでも相談してくれ」

「自習って、テスト範囲のは粗方終わったんだろ?」

「ああ。だから、大学受験に向けての自習だ」

 

 と、海子は大学受験のお供、赤本を取り出す。

 

「い、今やるのか? テストも控えてるのに、無理し過ぎじゃないか?」

「心配は必要無い。ちゃんと容量を考えてやる。大学受験なんてあっという間だからな」

「頭が下がるなぁ、その精神……」

 

 流石、根っからの頑張り屋だ。俺も頑張らないとな。

 

 休憩時間を終え、俺と海子は勉強を再開。

 大学受験へ向けての自習をする海子の邪魔をなるべくしないように、俺は可能な限り自力で問題を解いていった。

 

 それから約一時間――ようやく、テスト範囲の問題を全て解き終える事が出来た。

 

「終わったぁー! はぁ……疲れたぁ」

 

 解放感に満たされ、強張っていた全身が一気にほぐれる。

 

「思ったより早く終わったな。お疲れ様」

「ああ、どうにかな。これであとはテストを待つのみだ」

「それまでの復習も忘れるなよ? 油断は禁物だ。さて……友希悪い。しばらくの間待っていてもらえるか?」

「ん? なんだ? 海子はまだ自習続けるのか?」

「ああ。区切りの良いところまで行きたいのだが、少々手こずってな。スマン。お前の方はもう終わった訳だし、何ならもう帰っても――」

「良いよ気にしなくて。付き合ってもらったのは俺なんだし、終わるまで待ってるよ」

 

 まあ大学受験の勉強なんて、俺には助力する事が出来ないが。

 

「あ、そうだ。何か飲み物入れてくるよ。今あるの切れてるしさ」

「お前は客人なんだ。そんな事しなくていい」

「そんな事言うなよ。さっき言ってたろ? 俺達は支え合う関係なんだから、気遣いは無用。まあ、これが手助けになるか微妙だけど」

「友希……では、お言葉に甘えよう。リビングにインスタントのココアがあったはずだ。アイスココアにして淹れてもらえるか?」

 

 彼女のオーダーに頷きを返してから、俺は部屋を出る。

 

 それから数分後、注文通りのアイスココアを片手に、俺は海子の部屋に戻る。

 扉を開けると、真剣な表情でノートに向き合う海子が見えた。何やらブツブツと口ずさみながら、ペンを走らせる。

 

 大分集中してるみたいだな。それだけ受験に、教師を目指す事に本気で向き合ってる訳だ。

 なら、俺はそんな彼女を支えるだけだ。頑張る彼女を隣で見たくて、支えたくて俺は彼女と付き合ったのだから。

 

 彼女の気を散らせないように、そっとアイスココアを彼女の傍らに置き、俺は黙って彼女を見守った。

 

 それから数十分。一区切り付いたのか、海子がふぅ、と息を吐いてノートを閉じる。

 

「終わったか?」

「ん? ああ、なんとかな。って、悪い。折角淹れてくれたのに、一切口を付けてないな」

「それだけ集中してたって事だよ。お疲れ様。ゆっくり休めよ」

 

 そうさせてもらうと、海子はアイスココアを一口飲み、暫しボーっとする。

 お疲れみたいだな。そりゃテスト勉強に受験勉強、そして俺の手助けだもんな。疲れない方がおかしい。

 何か労ってやろうかと考えていると、不意に海子が立ち上がる。そのまま俺の隣に移動し、腰を下ろす。

 

「海子?」

「……私は今日、それなりに頑張ったと思う。だからだな――」

 

 そう言って海子はコテンと、俺の肩に頭を預けた。

 

「これぐらいは、甘えても良いだろう……?」

「……もちろん。むしろ、いつでも構わないさ」

 

 俺は彼女の頭を優しく撫でてやる。海子は朱色に染まった顔を隠すように首を竦める。

 

「それだと駄目になってしまいそうだから、控えておく」

「そっか。でも、したい時はいつでも言ってくれよ。俺は海子の彼氏だからさ」

「……ああ」

 

 嬉しそうに囁き、海子はさらに身を寄せる。恥じらった顔を上げ、こちらを見つめる。俺も、その目をジッと見返す。

 自然と、体が動く。海子も俺と同じように体を動かし――やがて、二人の唇が重なった。

 

 躊躇うように、海子はゆっくりと顔を離す。しばらくうっとりとした目で俺を見つめた後、ふいっと照れ臭そうに俯く。

 そんな彼女を俺はそっと抱き寄せ、海子も身を預けるように、ジッとしていた。

 

 これからもこうして、俺は彼女の隣に居る。支えて、時には支えられて。そうして進んで行くんだ。これからも、ずっと。

 

 

 

 




 今回は、海子と恋人になった際のifストーリーです。
 実は、真っ先に思い付いたifストーリー。ラストのシーンは最後、水樹お母さんの襲来でうやむやに終わる予定でしたが、止まるんじゃねぇぞ……と、脳内の何かが囁いたので一気に突き進みました。
 多分、なんだかんだで海子が一番イチャイチャしそうなタイプ。時間より密度が凄い感じ。



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