モテ期と修羅場は同時にやって来るものである   作:藤龍

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恋愛成就は大変である 前編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 修学旅行三日目――今日は恐らく多くの生徒が楽しみにしていたであろう、丸一日の自由行動日である。

 旅館で朝食をいただき、先生達からの軽い注意事項をいくつか聞いてから、みんなグループを作って街に散らばった。

 そして俺も昨日と同じ面子と共に、京都の街に繰り出し、適当にブラブラと歩き回っていた。

 今日は昨日決めた通り、京都の恋愛成就で有名なスポットをいくつか回る予定だ。とはいっても、京都には本当に沢山の恋愛スポットが存在する。

 雑誌なんかにも乗るメジャーな場所から、知る人ぞ知る場所。数え出したらキリが無いだろう。当然、そんな大量にある恋愛スポットを、たった一日で全部回れる訳も無い。なのでいくつかに絞って、ちゃんとしたスケジュールを組み立てなければならないのだが――

 

「……んで、どこ行く?」

 

 どの場所に行くか……現状で全くもって決まっていない。

 本当ならば昨日の内に、陽菜達女性陣が話し合いで場所を決める手筈になっていたのだが、陽菜が赤坂さんとの話に夢中になったり、滝沢がクラスメイトとの卓球にのめり込んだり、法条が修学旅行の夜のスクープを追い掛けたり、川嶋が寝たりして、結局話し合い出来なかったらしい。

 なのでこれからの予定は未定。俺達の自由行動は、完全なる行き当たりばったりになってしまった。

 とりあえず今は、昨日も訪れた商店街をぶらついている。俺達男性陣の後ろから、とぼとぼとついて来る女性陣達の顔は、どこか申し訳無さそうにしている。

 

「ご、ごめんね友くん……思いの外椿ちゃんとの話が盛り上がっちゃって……」

「別に責めたりしないよ。こうなったもんは仕方無い」

「友希の言う通りだ。私達がお前らに声を掛けに行こうとしなかったのも悪い。まさか、忘れているとは思わなかったからな……」

 

 と、海子が苦笑しながら言うと、滝沢があっけらかんと笑いながら頭を掻く。

 

「いやー、なかなか熱い試合になってさー。完全に頭から抜けてたわ」

「全く……」

「ハハハッ……でも、一応海子と天城は軽く話し合ったんだよな?」

「うん。でも、あんまり京都の事は詳しくないし……結局どこに行くか決める前に、消灯時間になっちゃったんだよね」

「そっか……陽菜、なんかオススメとか無いのか?」

 

 問い掛けると、陽菜は腕を組んで首を捻る。

 

「うーん……いっぱいあるけど……どこって言われるとすぐには決まらないなぁ……」

「適当に回ってみたらどうなの?」

「それじゃあグダグダになるだろう。ざっくりでも、予定は立てておかねばならない」

「ふわぁ……そうだよねぇ……あっちゃんや新庄君は、なんかいいプラン思い付かないの?」

 

 と、川嶋はまだ眠気が取れていないのか、小さくあくびをして、目元に浮かんだ水気を拭いながら法条と裕吾にそう問い掛ける。

 

「どうして俺達に聞く」

「だって、二人とも情報屋だから、なんか詳しいかなーって」

「適当だね由利っち……まあ、ここら辺の恋愛に関係する場所は、いくつか知ってるよ。情報まとめたのあるから、見る?」

「……そんなもんまとめてるなんて、意外だな」

「え!? それは、その……あ、あたしも一応女の子ですし! こう言うのには興味あるんですよ、アハハハッ……」

 

 裕吾の言葉に、法条はあからさまに動揺した反応から、わざとらしい笑い声を返す。

 そういえば、あいつもこの修学旅行で裕吾との関係を深めるとかなんとか意気込んでたな……多分、それで恋愛関係の場所に関する情報をまとめたんだろう。

 露骨に裕吾から視線を外しながら、法条はスマホを陽菜に渡す。女性陣はみんな彼女の周りに集まり、スマホを覗き込む。

 

「へぇ……こんなにいっぱいあるんだねぇ、恋愛関係の場所。私も知らない場所がいっぱいある」

「どれどれ……本当だ、結構密集してるんだ」

「聞いた事あるものから、初めて聞くものもあるな……」

「こんなにいっぱいあると、余計に迷っちゃうねー」

「うん……あ、ここなんてどう?」

 

 と、陽菜がスマホの画面を指差しながら、周りのみんなに見せる。

 

「それは……甘味処か」

「うん。ここからも近いし、この後の予定について、ここでゆっくり話さない? 何より、このあんみつ面白そう!」

「えっと……『このお店の特製、ラブラブあんみつを意中の相手にあーんして食べさせれば、恋が叶うかも!』ねぇ……」

「その目は何よ薫っち……言っとくけどこれ雑誌にあったのまんま書いただけだかんね!」

「あ、そうなの。というか、恋が叶うかもって、これあーんして食べさせてる時点で告白してるようなもんじゃん」

「確かにそうだねぇ……まあ、ゆっちゃん達はもう告白済みだし、問題無いよねー。世名君に、あーんって食べさせても」

 

 川嶋のほんわかとしたからかい言葉に、天城と海子が顔を小さく染める。

 

「ま、まあ、そのあんみつはともかく……話し合う為に寄るのは悪くないな」

「そ、そうだね。いつまでも立ち話って訳にもいかないもんね」

「じゃあ、最初はここに寄ろっか。友くん達もいいよね?」

 

 陽菜はスマホから目線を外し、ずっと傍ら女性陣の事を眺めていた俺達に声を掛ける。俺は返答する前に、他の三人に目をやる。裕吾達からは、すぐに承諾の頷きを返ってくる。

 オーケーだけど、興味無いって感じだな……俺はなんだか一波乱ありそうだから乗り気にはなれないが、拒否するほどでも無いか。

 軽く脳内会議を繰り広げてから、俺も陽菜に向けて頷きを返す。

 

「ああ、構わないぞ」

「やった! じゃあ甘味処へレッツゴー!」

 

 今後の予定をしっかり決める為、話し合いをするべくラブラブあんみつとやらがある甘味処へ向かう事に。

 

 商店街から歩く事数十分、目的の甘味処へ到着。早速、みんな揃って中に入る。

 ここも京都らしく和風な店内は、まだ午前中だというのに割と人が居た。どうやらまあまあ人気店らしい。

 とりあえず空いている席へ、俺、天城、海子、陽菜。そして残る女性陣と男性陣という席割りで座り、適当に注文する。

 

「さてと……じゃあ、これからどうするか話し合うか」

 

 品が届くまでの間、この後の予定を決める為に話し合いを開始する。法条から先ほどの恋愛関係の場所をまとめた物を受け取り、それを見ながら話を進める。

 

「しっかし、本当にいっぱいあるな……今日回れるのはせいぜい二、三カ所かな?」

「それぐらいがいいだろうな。ただ、どこを回るか迷うな」

「海子達は、ここ行きたーいってところは無いの? 世名との将来が掛かってんだから、言っとけば?」

 

 俺達の後ろの席に座る滝沢が、席と席を隔てる仕切りからひょこっと顔を出しながら言う。

 

「しょ、将来って……」

「そ、そこまで大層な事では無いだろう。ただの願掛けなんだ。……まあ、効果が大きい場所が望ましい」

「わ、私も出来れば……願掛けとはいえ、やっぱり効果があるって方がいいし……」

 

 と、天城と海子は照れ臭そうにしながら、おちょぼ口で言う。

 俺もその願掛けが俺との恋を実らせる為だと知っているから、なんとなく恥ずかしくなり、目を逸らす。

 今更ながら、不思議な状況だな……彼女達の俺との恋愛成就を願った神社巡りの場所選びに、俺自身も協力するなんて。こんな経験しているのは、きっと俺ぐらいだろうな。

 そんなおかしな状況に、あまり不思議を感じない俺の感覚も、大分変わってきたな――そんな事を思う俺を横目に、彼女達の会議は続く。

 

「効果が大きいところか……杏子ちゃん、なんか知らない?」

 

 陽菜の質問に、滝沢の隣に座る法条もひょこっと顔を出す。

 

「効果が大きい場所ね……なら、個人的に気になってる場所があるんだ」

「へぇ……どこ?」

「えっとね……紅石(こうせき)神社って場所。メジャーって訳じゃ無いけど、効果は絶大だって噂だよ」

「紅石……聞いた事が無いな。それはどんな縁結びの効果がある場所なんだ?」

「その神社の境内に落ちてる石の中に、ハート型の石があるんだって。で、それを見つけて持ち帰ると、恋が叶うんだってさ」

「へぇ……面白そうだね!」

 

 法条の説明に、陽菜が目を輝かせる。天城と海子も少し興味が出たのか、表情を変化させる。

 

「ただ、その境内が結構広い上に、石の数が半端無いらしいよ。噂によると例の石を見つけた人は、数えるぐらいしか居ないとか。四つ葉のクローバー探す方が簡単だとか言われてるんだって」

「そうなんだ……凄い大変そうだね」

「ただ、さっき言った通り効果は絶大で、その石を見つけた人は必ず恋が叶うってレベルらしいよ。現に石を見つけて彼とゴールインしましたって、SNSで呟いてる人も居たしね」

「そんなにか……」

「ちょっと、興味出てきたかも……」

 

 天城と海子は必ず恋が叶うという言葉に魅力を感じたのか、真剣な顔付きで考え込む。

 

「場所もここから近いし、どうする?」

「私は行ってみたい! 宝探しみたいで楽しそうだし、恋も叶うなんてまさに一石二鳥だよ!」

「……私も、行ってみたいかも」

「そうだな……陽菜の言う通り楽しそうではあるし、噂とはいえ、必ず叶うというのはやはり魅力的な内容だ」

 

 彼女達はどうやら、完全にその紅石神社に興味を持ったようだ。

 

「三人娘は行く気満々みたいだけど……世名っちはどう?」

「……別に、俺は構わないよ。みんなは?」

「別に構わないよー。お宝探し、私達でも楽しめそうだしね」

「俺も賛成だ! それなら俺にもメリットがある!」

「孝司君、必死だね……」

「……じゃあ、満場一致で決定って事でいいか?」

 

 最後の確認に、みんな無言で頷く。

 

「じゃあ、最初の目的地はこの紅石神社で決定だな」

「うん! ハートの石探し、楽しみだなぁ!」

「それじゃあ、この調子でどんどん予定を決めて行くか」

「ああ、そうだな。次は――」

「お待たせしましたー。ご注文のお品をお持ちしました」

 

 サクサク次の目的地を決めようとした寸前、店員さんが俺達の下にやって来る。

 

「こちら当店特製、ラブラブあんみつでございます」

 

 と、店員さんがお盆から可愛らしい器に乗ったあんみつを、三つ俺の席に置く。

 これが例のあんみつか……見た目はあんまり普通のあんみつと変わらないな。さくらんぼのヘタがご丁寧にハート型に結ばれてたりするが。というか、なんだかんだ言ってみんな頼んだのね。

 俺がラブラブあんみつを観察してる間に、店員さんは残りの品を全て置いて立ち去り、陽菜が自分の頼んだラブラブあんみつを前に持って行く。

 

「うわぁ、美味しそう……えっと、これをあーんして食べさせればいいんだよね?」

 

 そう呟き、陽菜はスプーンで寒天とあんをすくい、正面に座る俺の前に差し出す。

 

「はい友くん、あーん!」

「い、いきなりかよ……!」

 

 こうなるとは分かってはいたが、いきなり過ぎる陽菜の行動に、思わずたじろぐ。

 

「お、おい! ズルイぞ陽菜!」

「そうよ。わ、私が世名君に食べさせるから!」

 

 するとそれを見ていた天城と海子も、同じようにあんみつをすくい上げ、俺の目の前にスプーンを差し出す。

 

「ほ、ほら友希! 私のを食べろ! あんとみつの割合が絶妙だぞ!」

「わ、私のを食べて! さくらんぼあげるから!」

「むぅ……私が最初に友くんに食べさせようとしたんだから、二人は待っててよ!」

「だからといってそう簡単に引き下がれるか!」

「一番乗りは渡さないから」

 

 と、三人は血気盛んに睨み合いながら、ズイズイと俺の口元に向けてスプーンを伸ばす。ガチャガチャとぶつかり合いながら迫るそれに気圧されながらも、俺は三人を宥めようとする――が。

 

「別に譲ってくれてもいいじゃない。あなたはあんまり強情張らないタイプでしょ?」

「私だってたまにはわがまま言うもん! だって折角の修学旅行だもん!」

「気持ちは分かるが、それは私達も同じなんだ! 簡単には引かないぞ!」

 

 彼女達の言い争いの勢いに負け、何をどうすればいいか分からなかった。

 なんだかいつも以上に激しいなぁ……ラブラブあんみつパワーか? 陽菜も珍しく好戦的だし……どう収拾つけよう。

 

「相変わらず人気者ですなー、世名は」

「ゆっちゃん、みっちゃん、ひっちゃん、頑張れー」

「クソが……俺も女子にああいう風に言い寄られたい! 食べ物を貰いたい!」

「俺さくらんぼ好きじゃ無いからやるよ」

「男から貰っても虚しいわ!」

 

 困る俺を横目に、他のみんなは相変わらず呑気に言葉を発するのみ。完全に第三者目線で楽しんでいる。

 ああ、今日も大変そうだ――心の底からそう思いながら、俺の修学旅行波乱の三日目が、本格的にスタートした。

 

 

 ◆◆◆

 

 

 甘味処での今日の予定決めと、食事をなんとか終えた俺達は、早速次の目的地に選んだ、紅石神社へ向かった。移動時間は大体三十分ぐらい、特に困難も無く俺達は神社に到着した。

 

「ここが紅石神社か……」

 

 それなりの長さがある石段を上がり、鳥居を潜って境内に入ってすぐ、辺りを見回す。

 正面には、本殿らしき物。その近くにはお守りやおみくじを買える売店や、手を洗う水――特に変わった物も無い普通の神社。人も平日だからかまばらで、広さは結構ある。

 そして参道の周りには、地面を埋め尽くす白い小石。この中に例のハート型の石というのがあるのだろう。

 

「確かに、この数から一個を見つけるのは困難かもな」

「でも、言うほどでも無いんじゃない? 広いっちゃ広いけど、ここから全部見える範囲だしさ」

「甘いなー、薫っち。この境内は辺りの林の奥にも続いてるんだよ。多分、今見えてる範囲は全体の三分の一も無いだろうね」

「うおっ、マジですか……」

 

 確かに左右にも鳥居があり、そこから林の中へ続く道が伸びている。あの奥もハート型の石の捜索範囲だとしたら、かなりシンドイだろう。

 

「さてと……どうする? 早速例の石探しを始めるか?」

「あ、その前にそこの売店でお守り買ってもいい?」

 

 と、陽菜は売店をビシッと指差す。

 

「確かに、ここのお守りは恋愛成就に効果があると、法条がまとめた情報にあったな」

「石探しの後だと、疲れて買うの忘れちゃいそうだからさ。先に買っとこうと思って!」

「それもそうかも……多分、ずっと中腰でクタクタになるだろうし」

「そうか……じゃあ、買ってこいよ。俺らは適当に待ってるよ」

「うん! じゃあ海子ちゃん、優香ちゃん、行こ!」

 

 陽菜に天城、そして海子は恋愛成就のお守りを求め、売店へ向かう。それを俺達は適当な場所で待とうと、邪魔にならないところへ移動する。

 

「……どこ行くんだ?」

 

 その時ふと、裕吾がそう言葉を吐いた。それに裕吾の視線の先へ俺も目を向ける。そこには、陽菜達と同じように売店の方へ足を進めようとする、法条の姿があった。

 

「お前もお守り買いに行くのか?」

「え、い、いやその……どんなのが売ってるのか確認しに行くだけだよ! 情報屋として!」

「……そうか。熱心で結構」

 

 と、納得したのかしないのか、それとも興味が無いのか素っ気無い言葉を返し、裕吾は背を向けて歩き出す。

 法条は安心したようにホッと胸を撫で下ろし、駆け足で売店へ向かう。

 あいつ、絶対恋愛成就のお守り買いに行ったな。しかし、なんというか……事情を知ってると、あいつの行動どれもバレバレだな。裕吾の奴って鋭いし、もうバレてるんじゃないか? あいつが裕吾の事好きなの。

 裕吾が彼女の思いに気付いているのか少し気になるが、『法条がお前の事好きだって気付いてる?』なんて質問出来る訳無い。

 仕方無くその問い質したい欲求をグッと抑えて、俺も適当な場所へ移動した。

 

 そのままお守り購入を待つ事数分、無事にお守りを購入し終えた四人が戻って来る。

 

「お待たせー! それじゃあ、石探し始めよっか!」

「参拝はしなくていいのか?」

「私達も無限に金がある訳じゃ無い。そういうのは場所を絞ってするつもりだ。それに、そんなホイホイお祈りをしていたら、効果が薄れそうだ」

「それもそうか。んじゃ、やりますか」

 

 ポケットからスマホを取り出し、時間を確認する。現在の時刻は、正午ちょっと前。さっき甘味処で軽く食事をしたし、昼飯は一時頃で大丈夫だろう。

 

「そうだな……各々この境内で好きなように行動して、大体一時間程度経ったら、ここに集合って事にしよう」

「うん、それがいいね。必ず見つけてみせる、恋を実らせる為にも……!」

「りょーかい! ううぅー、楽しみだなー!」

「絶対見つけてみせる……まずは向こうの林の中から……」

「恋愛成就云々に興味はねーけど、石探しはしてみよっかねー。楽しそうだし!」

「そーだね、やろうやろー」

 

 と、みんなやる気満々な様子を見せる。その内数人は、石探しとは思えないほどガチな雰囲気を醸し出す。

 

「ハハハッ……とりあえず怪我無く、安全第一に行動するよーに!」

「……お前引率の先生みたいだな」

「余計な事言わなくていいわ。以上、解散!」

 

 俺の号令に、みんな一斉に行動を開始する。散り散りに散らばり、ハート型の石を求めて境内を歩き回る。

 全員が集合場所から離れ、俺もこれからどうしようかと、空を見上げながら考える。

 さてと、これからどうしようか……ボーッと待ってるのは退屈だし……俺も、例の石を探してみるかな。恋愛成就の効果がある石を、その恋愛の結末を決定する立場の俺が手にしてもあんまり意味無いと思うが。

 でも、なんかご利益があるかもしれない。それに陽菜では無いが、宝探しみたいでちょっと楽しそうだ。

 

「……よっしゃ! 探してみますか」

 

 陽菜達と同じく、俺もハート型の石を見つける為に、軽く体をほぐしてから、歩き出す。

 こうして恋の行方を左右する……かもしれない宝探しが、幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 




 次回、ハートの石は一体誰の手に渡るのか? どうぞお楽しみに。





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