「……出て行ったか。みんな、もういいぞ!」
海子の言葉に、今までまるでお通夜のように静まり返っていた女湯に、再び活気が戻り始める。
少し前まで隣の男湯の人達に、いかがわしい変な想像をさせない為にみんな無表情でジッと湯に浸かっていたが、隣から人の気配が無くなったのをキッカケに、楽しくはしゃぎ始めたのだ。
「全く、余計な手間を掛けさせてくれる」
一人、男湯と女湯を遮る柵の近くで隣の様子を耳で窺っていた海子が、小さく愚痴を呟きながら私達の近くに足を入れる。そのまま彼女の実に健康的な裸体が、湯に吸い込まれるように肩まで沈む。
「どうして覗きなど、くだらん事をするんだか……」
「まあ男ってのはそういう生き物なんだって。しょーがないよ」
海子の隣に居る薫が軽い口調で言う。それに海子は深い溜め息を返す。
「しょうがないで済む問題か。こちらとしては迷惑極まりない。後で灸を据えておかないとな……」
「みっちゃん、厳しいねー。軽い気持ちで許してあげればいいのに」
「そうだよそうだよ。別に実際見られた訳じゃなかったんだしさ」
由利、桜井さんの言葉に海子は呆れたように頭を抱える。
「お前らはお気楽だな……優香も同じ意見か?」
「え? わ、私はどっちでもいいかな……」
突然話を振られた事に驚き、答えが定まっていない状態で口に出してしまう。お陰でなんだか曖昧な答えになってしまったが、海子は「そうか」と言うだけで、それ以上は何も言わずに目を瞑った。
まあ、私も覗きなんてしようとした人達をそう簡単に許そうって気にはなれない。でも、折角の修学旅行なんだから、あんまり気が重くなるような事は起きてほしく無いのも事実だ。
ここは由利の言う通り、軽い気持ちで許してあげるのが、男女両方にとっていい結果な気がする。修学旅行のノリみたなものだろうし、一回ぐらいは見逃してあげてもいいと思う。
が、海子はそういうのが許せないタイプだろうし、多分真島君辺りと会ったら、注意ぐらいするだろう。まあ、それぐらいはしといた方がいいかもしれない。あの真島君だし。
「しかし本当、海子は頭固いねー」
「覗きのような卑劣な行為が気に入らないだけだ」
「ふーん……でも、もし世名なら覗きしても許すんだろう?」
「なっ!? 何を言ってるんだ! 友希が覗きなんてする訳が無いだろう!」
「例えばだよ例えば。で、どうなの?」
と、何故か興味津々……というより、からかっているのだろう。楽しそうな笑みを浮かべながら薫は強引に肩を組む。薫の質問に、海子は答え辛そうに口元を歪め、目を逸らす。
「素直に答えてみろって。寛容に受け入れてやるからさ」
「うっ……だ、大体、私がよくても他の女子達は友希に覗かれるのは嫌だろう! いくらあいつでも、それは許せん事だ!」
「ほー、つまり他に誰も居なかったら許すと? 自分の裸は見られても嫌じゃ無いと?」
「そ、そういう事を、言ってる……訳じゃ……」
「あ、つっかえた。まんざらでも無いんだねー」
由利のいつものおっとり口調から放たれた茶化しに、海子は顔を真っ赤に染め上げて口を閉じる。図星のようだ。
そんな様子な彼女を見ながらふと、もし私ならどう思うだろうなどと考えてしまう。
世名君に覗かれたら……彼は好きな人だし、見られても別に嫌な思いをする訳では無いし、多分許すだろう。けど、絶対に死ぬほど恥ずかしい。だから、覗かれたくは無いかな……も、もしそうなっちゃったら、それはしょうがないけど――
「どしたの優香ちゃん? 顔スッゴく赤いよ?」
不意に掛けられた桜井さんの言葉に、そこで思考が止まる。
ちょっと危なかったかも……もしもう少し考えてたら、変な妄想に入っちゃってたかも……うぅ、顔が余計に熱い。
「もしかして、逆上せちゃった?」
「な、なんでも無いわ……」
「ゆっちゃん、きっと世名君に覗かれた事考えちゃって、恥ずかしくなっちゃったんでしょ?」
と、ほぼ図星な由利の一言に、私は思わず肩を震わせてしまう。
由利、こういう余計な事に対して鋭いんだから……わざわざ口に出して言わなくてもいいのに。
「はー、恋する乙女な二人はお盛んですなぁー」
「へ、変な事を言うな!」
「そうだよ! 別に、いかがわしい事とか考えて無いから!」
「分かってるよ。二人はそういうの考えると、気絶するぐらいのシャイガールだって知ってるから」
大きく口を開きながら、薫は笑う。
大体事実だから言い返せない……言い返す必要も無いんだけれど。
「でも、いつまでも引っ込み思案じゃ恋も進展しねーぞ?」
「そ、そんなのは分かってる……これでも色々頑張っているんだ」
「それも知ってるよ。……いっそ裸見せちまえば世名の奴を口説けんじゃない?」
「な、何を言ってるんだ馬鹿が!」
海子の怒号に、薫は「冗談だよじょーだん」と、笑いながら海子の背中を軽く叩く。
「全くお前は……」
「でも、ぶっちゃけそれが一番の方法でしょ。大抵の男なんて、女の裸見ればイチコロだろうし」
「友くんはそんな人じゃ無いよ! 友くんはちゃんと考えてくれる人だもん!」
と、桜井さんが薫の言葉に反論する。
私も彼女の意見には賛成だ。世名君はそういう感情で、私達の関係に決着を付ける人じゃ無い。そんなふしだらな考えを、彼は持っていない。私は彼のそういうところに惚れたんだから。
「ハハッ、熱論だね。ま、確かに世名はそういう奴か。でも、ちょっとは効果あるんじゃない?」
「お前もしつこいな……そんな事をするつもり、私は無い! 大体、私の貧相な裸なんて見ても、嬉しい訳が無いだろう」
海子は少し物悲しそうに目を細めながら、自分の体を抱える。
「えー、そんな事無いよ! 海子ちゃん凄く綺麗じゃん!」
「そうそう、卑屈な事言ってさ。もっと自分に自信持ちなよ」
「……自信が持てないのは誰のせいだ」
と、 皮肉めいた言葉を呟きながら、海子は薫、そして桜井さんの胸元に視線を向ける。それに私は、深く彼女に同感した。
私達の周りには、如何せんスタイル抜群な女性が多い。そんな彼女達に囲まれていたら、自信なんてもの身に付けたくても身に付かない。どうしても自分と彼女達を比較してしまうから。
私達と同じ平均サイズだが、由利のように興味の無い人も当然居る。でも、私はそこまでお気楽にはなれない。なんだかんだいって、胸というステータスは羨ましい。
薫も海子の言いたい事に察しが付いたのか、どことなく気まずそうに頬を掻きながら目線を逸らす。
「ま、まあ、他人と比べるだけ損だよ損! 世名はそういうの気にしないんだろ?」
「この際友希云々は関係無い……単純に女性として負けている感がするだけだ」
「おぉう、思ったより落ち込みムード……」
完全にネガティブ状態に入ってしまった海子に、薫を含め皆どう声を掛けていいか困惑したように黙る。
私も声を掛けて元気付けてあげたいが、同じく若干ネガティブに入っているので、何を言えばいいかさっぱり分からない。私も出来れば慰めてほしい。
というか、なんだか前にも似たような話をしたような気がするな……確か、夏休みに行った朝倉先輩の別荘で、お風呂に入った時。今回と同じようにスタイルの話になって、その後は――
「――なんだか面白そうーな話してんじゃん。あたしも混ぜてよ!」
別荘の時の事を考えていた、その瞬間――突然海子の背後から声が聞こえ、左右の腕が鞭のように伸び、湯に浸かる彼女の両胸を鷲掴んだ。
「んなっ!?」
「そういう赤裸々トークはあたしの十八番だよ?」
「ほ、法条!? お前いつの間に……というか、なんで私の胸を――ひゃん!」
ビクンッと、海子が言葉を途切らせて体を弾ませる。
目をギュッと瞑り、体をプルプル震わせる海子に気遣うつもりも見せず、突然現れた法条さんはそのまま海子の胸を、まるで風船を割らないよう気を付けるかの如く、優しい手付きで揉む。
「ほうほう……海子っち、着痩せするタイプ? 意外とあるねぇ」
「な、何をしたいんだお前は……! いい加減止め――はうっ!?」
「ほおほお、腰回りもなかなか。こりゃ期待できますなぁ」
「ンッ……! 止、めっ……! グゥ……!」
言うなれば色気全開といった表情で、甘い吐息を噛み殺しながら法条さんから脱出しようと身悶える海子。それを物ともせず、黙々と海子の全身を弄る法条さん。
その光景を皆と呆然としながら見ていると、やがて法条さんが海子から離れる。散々な目にあった海子は、ハァハァと息を切らせながら、温泉の縁に倒れ込む。
「お、お前……なんの、つもり……だ」
「情報収集だよ情報収集。女子のスリーサイズってのは、ある意味トップシークレットだからね。この機会だし、逃す手は無いと思ってね」
「す、スリーサイズって……今ので、分かったのか……?」
「モチ! なんなら答え合わせしてみる?」
と、法条さんはぐったりと倒れる海子の耳元に近寄り、何かを囁く。直後、海子が驚いたように目を丸くする。
「お、ビンゴ?」
「ど、どうして分かったんだ……!?」
「ま、情報屋のスキルみたいなもんですよ。今まで色んなスリーサイズを知ってきたから、見たり触ったりしたら大体分かるんだよねー」
「お前……他の奴にもこんな事をしてきたのか……?」
「いや、せいぜい十五人ぐらいだよ」
結構やってるじゃない――そのツッコミを心の中で放つ。
「それにしても、海子っち全然スタイルいーじゃん。バランスいいし、気にする必要無いと思うよ?」
「よ、余計なお世話だ……」
「ハハッ、まあ元気になったようで何より何より」
「むしろ疲れた……」
未だに少し息が荒れているが、海子はなんとか体勢を戻し、縁に背中から寄り掛かる。
「全く……酷い目にあった」
「ごめんごめん。でも学園の美女達のスリーサイズなんて、凄い貴重な情報だしさ。情報を餌とする私にとっちゃ、逃す訳にはいかないでしょ?」
その為に海子は彼女に全身を揉みくちゃにされたと……随分とはた迷惑な情報収集だこと。……というか、今さらっと美女
その時、私の脳裏に再びあの時の記憶が蘇る。そう、別荘でのあの出来事を。
なんだかデジャヴ……この流れだと、もしかして私達も海子と同じ目にあうんじゃないの?
そう思った私は、そっとその場から離れようと試みる。が、それを遮るかのように、誰かが背後から私を押さえ付けた。
「え!? ゆ、由利!?」
「駄目だよゆっちゃん。今日は修学旅行なんだから、流れに乗っとこう」
「な、何それ!? 修学旅行関係無いでしょ!?」
「おー、さっすが由利っち。それじゃあ、学園のアイドルの赤裸々なデータ、確かめさせてもらいましょーか」
法条さんは両手の指をくねらせながら、こちらに近付く。
「ちょっと、スリーサイズなら教えるから! 私、そういうのは……」
「問答無用! 覚悟ー!」
「待っ――イヤァァァァァ!」
と、いつの日か出した覚えのある私の悲鳴が、露天風呂の上に広がる夜空へと響き渡った。
そして数分後――法条さんから解放された私は、先ほどの海子と同じく温泉の縁に横たわっていた。隣には、私の直後に法条さんの餌食となった桜井さんが、うつ伏せで横たわっていた。
縁に彼女の豊満な胸が当たり、とても柔らかそうに形が変わっているが、今はそんな事すら気にならない。
酷い目にあった……私はこういった事は本当に苦手なのに……思い出したくも無い経験だった。
「いやー、陽菜っちは見た目通り圧巻ですなぁ。そしてゆかっちも、非の打ち所が無い。いやー、いい情報が得られた!」
「……満足したなら、もう二度としないで」
「はいはーい。あ、でも成長したらもう一度確認するかも」
なんだか一気に成長したく無くなった……もうこんな思いは御免だ。
未来に若干の不安を感じながら、まだ少し先の感覚が残る体を起こし、縁に背中を預ける。桜井さんも続けて起き上がり、軽く息を吐く。
「ふぅ……杏子ちゃんったら、容赦無いなぁ」
「まあ、みんなと世名っちの為に傷付けない範囲にしといたから、安心しなよ!」
「なんだそれは……というか、傷付けるレベルまでしようとするな」
「冗談だよ。しかし、ちょっと熱くなっちゃったよ……体冷まそっと」
法条さんは温泉から上がり、縁に座って足をブラブラさせる。彼女のスラリと伸びた白い足が、温泉のお湯にユラユラと波紋を作り上げる。
「……制服着てる時は気付かなかったけど、杏子ちゃん足綺麗だね! スッゴいスラッとしてて真っ白!」
「そう? あたし、自分の体型はあんまり気にしないからなー」
法条さんはお湯から右足を出して、つま先を夜空に向ける。ピンと伸びた足はシンクロの選手のように美しく、女性目線から見てもとても美しい。正直羨ましいレベルだ。
それにじっくり観察してみると、法条さんも全体的にスタイルがいい。腰回りも引き締まってるし、胸は控めとはいえ、非常に綺麗な形をしている。
彼女はゲスの法条とか言われてるせいで、学園の生徒からは恐怖の対象とされているが、もしそんな呼び名が無ければ意外と男性にモテるタイプの人間かもしれない。
「ま、別にスタイルなんてよくても、情報収集する際の特は無いんだけどね」
スッと足を下ろし、再び湯に浸けてブラブラさせる。
「そう? 色仕掛けとか情報吐かせるのに効果的なんじゃない?」
「なかなか刺激的な事言うねー、薫っち。あたしは色仕掛けとかする気は無いよ」
「そうだよね! 杏子ちゃんは裕吾の事が好きたがら、他の子に色仕掛けなんてしないよ!」
と、桜井さんが口にした直後、突然法条さんはブラブラさせていた足を止め、温泉の中に飛び込む。
「ちょお!? な、何言ってんの陽菜っち! そんな簡単にバラさないでよ!」
そのまま桜井さんの頭を掴んで、耳元で顔を赤くしながら叫ぶ。数秒後、桜井さんもしまった、といった風に口を小さく開く。
どうやら、桜井さんは法条さんの秘密をうっかり暴露してしまったようだ。しかも、聞いた限り結構重大な秘密を。
それを聞いた私達は暫しジッと法条さんを見つめる。みんなの視線を受けた法条さんは、口をモゴモゴさせながら目を逸らした。
法条さんが新庄君を……正直彼女とはあんまり深い付き合いは無いからなんとも言えないが、なんというか……
「へー、あっちゃん新庄君の事好きなんだー。いがーい」
と、由利が私の気持ちを代弁する言葉を口にする。その遠慮の無い一言に法条さんは顔を引きつらせ、息を吐いて桜井さんの頭から手を離す。
「もお、陽菜っちの馬鹿ぁ……」
「ご、ごめん……女の子同士だから、油断しちゃってた……でも、みんななら応援してくれるから大丈夫だよ!」
「ま、まあ彼女達なら安心は出来そうだけどさ……」
「安心しなよ! 私は口は固い方だから! なんせ海子の恋の秘密を優香が世名に告るまで黙ってた実績があるから!」
と、薫は自慢気な顔をしながらドンと胸を叩く。
そうだったんだ……初めて聞いた。薫、海子が世名君の事好きなの知ってたんだ。
「私も言わないから安心していーよ。応援するよ、あっちゃん」
「自分の恋愛事情をバラされたくない気持ちは分かる。心配するな。なあ?」
「うん。バラす気なんか無いから」
「みんな……あんがとね」
体を少し縮こませながら、法条さんはペコリと頭を下げる。
法条さんも恋してるんだ……なんだか、ちょっとだけ好感度上がったかも。そういえば私が世名君に告白した後の月曜日に、うっと惜しいぐらい取材受けたっけな……そのせいであの時、世名君に返事聞くの遅れちゃったりしたし。
そのせいで彼女に関してはあまり良い印象は無かったのだが、今の彼女の顔を見て少しだけ好感を持てた。
「よかったね杏子ちゃん! 応援してくれる人が増えたよ! これで百人力だね!」
「……結果オーライではあったけど、陽菜っちが秘密をバラしたって事実は消えないかんね?」
「あれ……? 杏子ちゃん、怒ってる?」
「許しはするけど……お仕置きは受けてもらうかんねー!」
そう叫ぶと、法条さんは素早く桜井さんの背後に移動。両手を彼女の脇に挟み、指を高速で動かし始める。
「うひゃあ!? く、くすぐった……アハハハ!」
「今後簡単に軽口叩けないようにしてやるー! こーちょこちょこちょー!」
「くしゅぐった……アハハハッ! やーめーてー! アハハハッ!」
涙目になりながらも満面の笑顔で笑い声を放つ桜井さん。そんな彼女の体を、法条さんの指が隅々まで這う。
それを見ていると、不意にさっきの感覚を思い出してしまい、全身がゾワッと震える。
やっぱり……彼女にはそんなに好感を抱けないかもしれない。
「ふひぃ……」
しばらくすると、法条さんから解放された桜井さんが少し前と同じように温泉の縁に倒れ込む。
「随分とくずくられたねぇ。見てるこっちがくすぐったくなったよ」
「でも、なんだか楽しそうだったよねー。私達もやってみる?」
「え、遠慮しておく……」
「わ、私も……そ、それより逆上せちゃうし、そろそろ上がろっか! もうすぐD組とE組の番だしさ」
これ以上この流れが続くのは困るので、私はそう言って温泉から出て、そのまま脱衣場へ向かおうとする。それにみんなも続いて温泉から出るが――
「そうだ! 明日の午後の自由行動、みんなはどうするの?」
桜井さんの不意な言葉に、みんな足を止める。
「自由行動か……私達の班は特に決めてないな」
「あたしも特には。スクープでも探しに行こっかなーって考えてるとこ」
「だったらさ、みんなで一緒に行動しない? もちろん、友くん達男性陣も加えて!」
みんなで行動か……確かに、自由行動だから班で行動しなくても問題は無い。
「みんな一緒の方が絶対楽しいもん! どうかな?」
「あたしは賛成かな。人が多いところには、スクープが集まるからねー」
「私も賛成だぜ」
「私もー。ね、ゆっちゃん」
「……うん、構わないよ」
「……では、決まりだな」
「やったぁ! それじゃあ午後はみんなで自由行動だね!」
自由行動か……何はともあれ、世名君と一緒に行動出来るならなんでも嬉しい。少しでも素敵な思い出を作れるように、頑張らないと。
「楽しみだなー、みんなで京都回るの! 杏子ちゃんも、この機会にしっかり裕吾と近付くんだよ?」
「今はいいでしょ、その話! それとも……またお仕置きされたいのかなぁ?」
「ご、ごめんごめん! もう限界だよぉー!」
「はしゃぐのはいいが、長居していると湯冷めするぞ」
海子がはしゃぐ二人に軽く注意しながら、脱衣場へ入る。私もみんなと一緒に、脱衣場へ足を踏み入れた。
今度は女湯サイド。大体前回で孝司が言ってたような内容でした。
なんだか前の別荘でのお風呂回と似た感じになってしまった。引き出しの少ない作者を許して下せぇ。