モテ期と修羅場は同時にやって来るものである   作:藤龍

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妹は大体ブラコンである②

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃ、行ってきまーす」

「行ってきまーす」

「……行ってきます……」

 

 俺、友香、陽菜の順でリビングに居る母さんに向けてそれぞれ言葉を残し、家の外へ出て学校へ向かう。

 

「陽菜さん、なんか元気無いですね」

「だって……いよいよ来ちゃったんだもん……テスト」

 

 陽菜は大きな溜め息を吐きながら、俺達の後ろを小さい歩幅でとぼとぼと歩く。

 彼女のテンションがかつて無いほど低いのは、先ほど彼女が口にした通り、今日から中間テストが始まるからである。

 

「はぁ……嫌だなぁ……学校行きたく無いなぁ……」

 

 いつもは毎日学校が楽しみ! とウザイぐらいテンションが高いのに、テストがあるというだけでここまでテンションが下がるとは……本当こいつの勉強嫌いは底が知れん。

 

「愚痴を言っても何も変わんねーぞ。この一週間勉強してたんだから、しっかりやれよ」

「ううっ……それでも嫌なものは嫌なんだよぉ……」

「全く……たった四日間だ。それが終わったら全部解放されるから頑張れ」

「友くん……うん! 私頑張るよ! テストを乗り切ってみせる!」

「……まあ赤点取ったら補習だけどな」

「……やる気削ぐような事言わないでよ……」

 

 いやむしろ補習しないように頑張るとか、やる気上げろよ。こいつあんだけ勉強して自信無いのか……俺もあんまり人の事は言えんが。

 いくら勉強したとはいえ、本番になったら案外忘れてしまうものだ。俺も正直、勉強した内容の半分は記憶の彼方へ消え去っている。赤点は流石に回避出来るとは思うが……多分結構ギリギリだ。

 

「……友香はどうだ? 今回のテスト」

「やってみなきゃ分かんないよ。多分前と同じぐらいだと思うよ」

 

 友香は陽菜や俺と違い、テストに不安を抱いた様子も無く、余裕そうに爪をいじりながら返事をする。

 流石俺達と違って勉強出来る友香は違うな……その余裕、羨ましい限りだよ。

 

 しかし誰を羨ましいと思っても、今更不安を抱いてももう遅い。俺達に出来る事は今日からのテストに全力を尽くす――ただそれだけだ。

 覚悟を固め、頭の中で今日まで勉強したテスト範囲の内容を思い返しながら、俺は学校へ続く道を黙って歩いた。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

「おはよーっす……」

 

 友香、陽菜と別れ、俺は2年A組の教室へ入る。教室の中には既に数十人程度の生徒が集まっていて、その過半数が席に座り教科書と睨めっこしていた。テスト前の最後の復習――という名の悪足掻きだろう。

 中には余裕がある、もしくはテストを諦めている輩が集まって駄弁っているが、俺はそうはせず最後の悪足掻きの為に席へ直行する。

 

「友希、おはよう」

「おう、おはよう」

 

 席に着くと隣の席の海子が挨拶をしてくるので、適当に挨拶を返しながら鞄の中を探る。そこから本日最初の教科である数学の教科書を取り出し、テスト範囲のページを開き軽く目を通す。

 しばらく集中して、黙って教科書に連なる文字や図形や数式らをざっくりと読み進めていたのだが――

 

「……なんか用か?」

 

 こちらの事を横からジッと見つめる海子の視線が気になり、視線を教科書から海子へと移す。すると海子は慌てたように頬杖をついていた手をテーブルから離し、口を開く。

 

「す、すまない。特に用があった訳じゃ無い……邪魔して悪かった」

「いや別にいいんだけど……それより、海子は教科書見直さないのな」

「ん? ああ……今日の範囲は大体覚えているからな。やれるだけの事はやったからな。あとは自分を信じるだけだ」

 

 何それカッコイイ……俺には一生掛かっても言えないセリフだろうな……やっぱり頭良いって羨ましいわ。

 海子のセリフに思わず呆然として彼女を見つめていると、海子は少し照れ臭そうに視線を逸らしながら席を立つ。

 

「また邪魔しても悪いしな……私は少し席を外しておく。お前は気にせず復習を続けてくれ」

「えっ? いいよわざわざ。今のは視線を感じてちょっと気になっただけだから。隣に居ても気は散らないさ」

「……なら尚更席を外しておく。……何もしてないと、思わずお前に視線が向いてしまうからな」

 

 と、小さくボソッと呟くと、海子は足早に廊下へ出る。俺は彼女が消えた先を暫しボーッと見つめる。

 視線が向いてしまうって……そんな事去り際に言われたらなんか集中出来んのだが。

 だが折角気を使って席を外してくれたのだから、その気遣いを無駄にしてはならないと俺は再び教科書へ目を通し、復習を再開する。

 

 

 そして約十五分後――予鈴のチャイムが鳴り、駄弁っていた生徒達が自分の席に戻る。それとほぼ同時に外に出ていた海子が戻ってきて、少し気まずそうに席へ座る。

 俺はそんな彼女にあえて声は掛けないでおいて、教科書をしまい、何回も暗記しようと頭を回し続ける。

 

 そして予鈴から数分後――教室の扉が開き、ハル先生がプリントの束を片手に教室へ入ってくる。

 

「はーい、皆さんおはようございまーす。今日はいよいよ、待ちに待った中間テストでーす。今日から四日間、皆さんの日々の努力の成果を見せましょー。苦しいと思いますが、めげずに頑張りましょうねー。それじゃあ、テスト前にいくつか注意事項を説明しまーす」

 

 そこからハル先生はテストの際の注意事項や、テスト期間中のスケジュールなどを説明していく。そして話が終わると、ハル先生がテストのプリントを配り始める。

 

「次にチャイムが鳴ったら始めて下さいねー。あ、それまでは裏返しのままですよー」

 

 前から回ってきたプリントを受け取り、一枚抜き取り残りを後ろに回す。ペンケースからシャーペン、消しゴムを取り出し、裏返しのプリントをジッと見つめる。

 いよいよテストだ……不安要素がいくつもあるが、やるだけやってやる。天城や海子達にあんまり差を付けられちゃカッコ悪いからな……なるべく高いとこ目指す! ……目標は真ん中ぐらいかな。

 上位を目指すと言えない弱気な姿勢に我ながら呆れていると――テスト開始を告げるチャイムの音が鳴り響く。

 

「はい、始めて下さーい」

 

 ハル先生の言葉の直後、クラス中からプリントを裏返す音が一斉に響く。

 まさにテストと言った感じの雰囲気に緊張と不安が高まりながらも、俺もプリントを裏返す。

 

 いよいよテストが始まった。赤点を取って無様に補習を受ける事になるのか、高得点を取って胸を張れるのか、真ん中辺りで微妙な気持ちになるのか――全ては、四日後に決まる!

 

 

 

 

 

 そこから四日間、俺の――いや俺達学生の激しい戦いは続いた。

 次々と立ち塞がる難問に頭を悩ませたり、勉強したはずなのに頭からスッポリ抜けている事に苦悶したり、運良く覚えていた問題を解いてスッキリしたり、一日の予定を全て終わって気が楽になった後に、自宅で明日の予習をしなければならない事に心が折れたり――そんな一喜一憂を繰り返す四日間はあっという間に過ぎ去った。

 

 そして全ての教科が終了し、テストから完全に解放された放課後――自宅へ無事帰ってきた俺、そして陽菜は玄関からリビングへ直行し、ソファーへと身を投げた。

 

「終わったぁー……」

 

 と、俺と陽菜は同時に力無く呟く。それがようやくテストが終わったという意味なのか、それとも点数的に終わったという意味なのかは、本人のみぞ知る。ちなみに俺は前者、陽菜は恐らくどっちもだ。

 そんな俺達を見て、パートが休みで家に居た母さんは微笑みながら、キッチンからお茶を持ってやって来る。

 

「フフッ、みんなお疲れ様。はいこれ、冷たいお茶よー」

 

 母さんが持ってきた麦茶を、俺と陽菜はソファーにキッチリと座ってから手を伸ばし、一気に喉へ流し込む。

 

「ふぅ……生き返る……ようやくテストから解放されたよ……生きててよかったぁ……」

「大袈裟だっての……でも、今回は結構難しかったな……一年はどうだった?」

 

 俺達の背後に立って麦茶を飲む友香に問うと、口を拭ってから返答する。

 

「こっちはまあまあかな。出雲もなんだか調子よかったみたい。終わった後清々しい顔してた」

「マジか?」

 

 出雲ちゃん、決して勉強出来るタイプじゃ無かったけど……調子よかったって事は、自信ありなのかな? ……出雲ちゃんに点数抜かれたら、ちょっと悲しいかも。いや、学年違うんだし気にしちゃアカン、うん。

 気を紛らわす為に残った麦茶を一気に飲み干し、ソファーの背もたれにもたれ掛かる。

 

「ところで、みんな今回の手応えはどうだった?」

 

 不意に、母さんがそんな質問を投げ掛けてくる。

 

「私はまあまあ」

「俺は……赤点は避けられたと思う」

「私は……正直自信無いです……」

 

 陽菜はガクッと肩を落とし、どんよりと顔を曇らせる。

 やっぱり終わってたか……テスト二日目辺りから様子おかしいとは思ってたが。

 

「お前……補習大丈夫か?」

「だ、大丈夫だよ! 別に全く分かんなかった訳じゃ無いし、選択肢の問題は全部埋めたから、それがあってれば行けるよ!」

「頭悪い奴の典型だな……」

 

 最後は運頼りってか……でも今回のテスト選択肢問題結構多かった気がするし、もしかしたら赤点は回避出来る可能性があるかもな。

 

「まあ、もうテスト終わったんだから、あんまり気に病んでも仕方無いわよ」

「そうだよ! 香織オバサンの言う通りだよ! テストなんかもう忘れて、楽しもうよ!」

「お前な……言っとくけど、期末とかまだまだテストは定期的にやって来るからな?」

「うぐっ……! それを言ったらおしまいだよ、友くん……」

 

 悲痛な声を出し、陽菜は腰を曲げて正面のテーブルに額をゴツンとぶつける。

 

「はぁ……私も頭良くなりたいな……」

「言っても急に良くなったりしないぞ」

「そんなの分かってるよ……」

 

 小さな声でぶーたれながら体を起こし、その勢いのまま体を逸らす。サイドテールがタラリと逆さまに垂れ、ブラブラと揺れ動く。陽菜はその状態のまま背後に立つ友香を見つめ、話し掛ける。

 

「友香ちゃんって頭良いけどさ、何かいい勉強方法とかあるのかな?」

「別に、これといってありませんよ。ただどっかのお兄ちゃんみたくお馬鹿にはなりたくなかったんで、勉強をひたすら頑張っただけですよ」

 

 ソファーの背もたれの上、俺と陽菜の間辺りに尻を乗せながら、友香はこちらに視線を向ける。

 どっかのお兄ちゃんってそれ俺しか無いじゃん……失礼な妹だな。俺を反面教師にしたってか。

 

「ウフフ……」

 

 すると、不意に母さんが笑い声を漏らし、それに俺達三人は揃って視線を向ける。

 

「どうかしたの?」

「友香、嘘ついちゃ駄目よ?」

「嘘?」

「私はハッキリ覚えてるわよー。友香が昔、『私、お兄ちゃんがお勉強で苦労しないように、賢くなってお兄ちゃんにお勉強教えてあげるんだ!』って、言ってた事」

 

 と、母さんがニコニコしながらそんな事を口にすると、突然友香が背もたれの上から降り、珍しく思いきり赤面しながら大声で叫ぶ。

 

「きゅ、急に変な事言わないでよ!」

「あらあら照れちゃって。あの時の友香真剣そのものだったわよねー」

「だ、だから……!」

 

 母さんのからかうような言葉に、友香はさらに顔を赤くする。反応を見る限り、母さんの言っている事は事実のようだ。

 友香の奴……そんな事言ってたのか。初耳だわ。確かに俺は昔から頭は良くない方だったけども。

 友香の優しさが嬉しいような、そんな昔からお馬鹿と思われてた事が少し悲しいような――そんな複雑な心境を抱いていると、友香は恥ずかしそうに視線をこちらへ向ける。

 

「い、言っとくけど昔の事だから! 今はそんな事考えて無いから!」

「あらぁ? じゃあなんでこないだ私に高校二年生の参考書買ってって頼んだのかしら? 期末テストで友希の手助けする為じゃないの?」

「ち、違うし! 将来の為にってだけで……!」

 

 母さんの追い討ち発言に、友香はさらに動揺を見せる。

 友香がこんなに動揺するとは珍しいな……こういう状況の母さんには適わないんだな、こいつも。

 

「アハハ、友香ちゃん本当に友くんの事大好きだよね! 昔はもっとベッタリだったもんね!」

「そ、その話はもういいでしょう!」

「そうだったわねー。あの頃の友香は何でもお兄ちゃーん、お兄ちゃーんってベタベタしてたものねー」

「だから止めてって!」

 

 昔の話に盛り上がる母さんと陽菜。それに恥ずかしがる友香。その状況に、俺はどういう立ち位置でいればいいのかよく分からず、黙ってその様子を見守った。

 友香がブラコンだってのは自他共に認めている事だが、こうやって第三者に色々言われるとなんかこそばゆいな……友香も自分で言ったり俺に言われるのは気にしないが、誰かに言われたり、俺に隠してる事を言われると普通に照れるんだな。

 

 だが陽菜と母さんはなんだか昔話が楽しくなってきたのか、友香のブラコン話にさらに花を咲かせる。

 

「友香は本当、友希の事になったら心配性になるわよねー。友希が風邪引いたら、治るまで心配で寝れなかったり」

「ああ、そういえば友くんが風邪引いた後は毎回寝不足気味でしたね! あと、昔は友くん達二人で一緒の部屋でしたよね! 私もお泊まりした時とか、よく三人で寝たのもいい思い出だなー」

「ああ、あれね、実は友香がお兄ちゃんと一緒の部屋がいい! って、無理矢理頼んだのよ。きっと友希とずっと一緒に居たかったんでしょうね」

「あ、そうだったんですね!」

「もう……いいでしょこの話は!」

 

 さらに盛り上がる二人に対し、友香はこれまで以上の大声を上げる。それに驚いたように二人は目を丸くして、口を閉じる。

 友香はしばらくそんな二人を睨むと、こちらへ目を向ける。彼女の何とも言い難い眼差しにどう言葉を返したらいいか迷っていると、友香はそのまま何も言わずにリビングから出て行った。

 

「……母さん、陽菜……」

「ちょっと調子に乗り過ぎちゃったかしらねぇ」

「あとで謝らないとですね……でも、おちょくってた訳じゃないよ!」

「俺に言われても困る。まあ、友香も本気で怒ってないよ」

 

 きっとちょっと照れ臭くなっただけだろう。しかし、あんな風に素直に照れる友香は意外に初めてみたかもしれない。……一応ちょっと様子見てみるか。

 母さんと陽菜にちゃんと反省しておくように言っておき、俺は友香の様子を見に二階の友香の部屋へ足を運んだ。

 

「友香ー。居るかー?」

 

 扉をノックして呼び掛けるが、返事は返って来ない。だが、俺は気にせず扉を開く。

 こういう時に無言の場合は、大体はオッケーという事だ。本当に嫌なら入ってくるなとか言うのは長年の付き合いで知っている。まあ、言われた事はほぼ無いが。

 部屋の中へ入ると、ベッドの上にうつ伏せで横になる友香が目に入る。彼女は少し顔を動かし、チラリとこちらへ視線を向ける。その顔はまだほんの少し赤かった。

 

「そんなふてくされんなよ。二人とも悪気は無かったんだから」

「分かってるよ……気にしてない」

 

 嘘つけ――その言葉を心で呟きながら、彼女の近くに腰を下ろす。

 

「しかし、お前があんな風に動揺するなんて意外だな。オープンなブラコンだから、何言われても平気かと思ってたけど」

「……私にだって羞恥心ぐらいあるよ」

「そりゃそうか」

「……変だと思わないの?」

「何が?」

 

 数秒ほど間を空け、友香は言葉を続ける。

 

「その……私がさ、お兄ちゃんに勉強教えてあげるとか……そんな事言ってて。気持ち悪いだとか……思ってないの?」

「なんで?」

「なんでって……それは……」

「お前が生粋のブラコンだってのは分かってんだ。何言われてもそんな事思わねーよ。むしろ嬉しいよ。俺の事そんなに好いててくれて。兄貴冥利に尽きるってもんだ」

 

 そう言ってやると、友香は一瞬ポカンとした顔をする。しかしすぐに柔らかい表情を浮かべ、どことなく安心したような笑い声を出す。

 

「何それ……このシスコン兄貴」

「悪かったな、シスコンで」

 

 ニヤリと口元をつり上げながら、友香の頭を軽く撫でてやる。それに彼女は抵抗する素振りも見せず、小さく笑う。

 

「しっかし……お前が俺に勉強教えてやるとか言ってたとは知らんかったわ」

「お兄ちゃんには昔からお馬鹿臭感じてたから。ま、結局自分の方で手一杯だから教える機会なんて無かったけど。余裕が出来たら教えてあげるよ」

「生意気な奴だな……もしかして、お前しょっちゅう友達と勉強会してんのって、余裕作る為か?」

「……ノーコメント」

 

 ……正解っぽいな。

 

「……もしかして、他にも俺の為になんか隠れてやったりしてんの?」

「隠れてやってるのに教える訳無いじゃん。ていうかそういうの聞くとか気持ち悪いよ?」

 

 つー事はなんかあるんだな、隠れてやってる事。というかサラッと気持ち悪いとか言うなよ……本気じゃ無いのは分かるけどちょっと傷付く。

 

「しかし、どうしてお前はそんなにブラコンに育っちまったのかねぇ」

「さあ? 兄貴がシスコンだからじゃない?」

「その言葉そっくり返すわ。……ま、しっかり節度を守ってくれる分、困る事は無いからいいんだが」

「当たり前じゃん。私はお兄ちゃんとして好きなだけで、男性としてはこれっぽっちも見てないし」

 

 サラッと恥ずかしい事言うな……俺も人の事あんま言えないか。

 

「さて……そろそろ下戻るか。陽菜と母さんが謝ってくれるぞ。豪勢な夕飯でも頼んどけ」

「それお兄ちゃんが豪勢な夕飯食べたいだけでしょ」

「バレたか」

「お兄ちゃんの考えはなんでもお見通しだよ。だって、私はお兄ちゃんの妹だもん」

 

 ベッドから起き上がり、爽やかな笑顔を浮かべながら、得意げに口にする。それに俺は小さな笑い声を返し、友香と共に一階へ降りた。

 

 

 その後、友香は母さんと陽菜から謝罪の言葉を貰い、その時に友香が母さんに頼んだおかげで今日の夕飯がちょっとだけ豪勢になったのだが、それが自分の為か俺の為なのかは――それは彼女だけが知る事だ。

 

 

 

 

 

 

 




 前半はテスト、後半は久しぶりの友香メイン回。
 ブラコン妹とシスコン兄の良き兄妹愛。互いをよく理解している、良い兄妹です。恐らく友香は友希の為になる事なら何でもやると思う。






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