【完結】ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れない兄になって死にたくなってきた   作:食卓塩准将

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なんか全体的に駆け足気味かもしれません

それでは、始まり始まり


第四病・星に願いを

 

「柏木……園子」

 

 半ば無意識にそう言ってから、しまったと自分の行動に後悔する。 しかしもう遅い、小さい声ではあったものの、園芸部室という狭い空間の中では、しっかりと自分の呟きは二人の耳に伝わってしまった。

 

「え……?」

「ん?」

 

 唐突に自分の名前を呟かれた事に緊張や不信感、怯えなどをない交ぜにしたような表情の柏木園子と、純粋な驚きに染まった表情の悠が俺を見る。

 

「わ、私の名前が、どうかしましたか……?」

「……縁」

「あ、いやっ、ちょっと珍しい苗字だなって思って」

 

 ……我ながら、この言い訳は苦し過ぎないだろうか。 柏木なんて苗字、いや、『なんて』は失礼だが、いずれにせよわざわざ口に出してまで言うほど珍しい苗字でも無いだろうに。 見ろ、二人ともあやしがって──

 

「は……はい、そうですか……?」

「まぁ、僕たちのクラスには居なかったからね、珍しがるのもおかしくないかもしれないけど、聞こえる声で言うのは少し失礼じゃないかな」

 

 ──意外とすんなり受け入れてもらえたみたいだ。 実はけっこう珍しかったりするのだろうか、柏木という苗字は。

 

「それじゃあ気を取り直して、園芸部の活動についてお話して頂けますか?」

「は、はい……分かりましたっ」

 

 まあなんにせよ、二人は納得してくれたのだから良いだろう。 何はともあれ、ここは一旦落ち着こう。

 予想もしない形で柏木園子と対面した事でややパニックに陥ってしまったが、今のマヌケなやり取りで少し脳みそが冷えた、状況を整理しよう。

 

 とは言っても、状況は一言で済む。 『部活回りの〆に園芸部に来たら、柏木園子が居た』それだけの話。 問題は『なぜこの結果を予測出来なかったのか』だ。

 結論から言うと、俺はさっきまで自分の前世の知識、つまりヤンデレCDについての知識を過信していたという事になる。 俺は前世で聴いたヤンデレCDの『野々原渚』『河本綾瀬』『柏木園子』についての記憶と知識があったからこそ、この世界がヤンデレCDの世界だと認識する事が出来た。 CDで聴いた人物の声や印象的な(悪い意味で)セリフ、最終的に主人公に何をしたのかについてまでは覚えていた、だが覚えていたのはそういった『大まかな事』だけだったという事に、俺は気付いては無かった。 『細かい設定』までは覚えていなかったのだ。

 具体的に言えば、CDの主人公はどうやってヒロインと出会ったのか、どういった過程で好意が生まれたのか、部活動(……)や委員会は何をしているのか、など。

 

 考えてみれば、俺は『現実の』綾瀬はともかく、CDで聴いた『河本綾瀬』がどうやって主人公と出会い、どういった過程で恋人同士になったのかを、ろくに覚えていない。 それと同じように柏木園子が園芸部に所属していたという『設定』を、俺はこの状況に陥ってしまうまで忘れていた、たしか、CDでは一瞬チラッと言っただけじゃなかったのだろうか? 言い訳がましいが、そんな細かいセリフまで覚えていられるワケが無い。 これが予測出来なかった原因、『出来なかった』というよりも『出来るはずが無かった』。 

 

 だがここでこのままパニックになってはいけない、それでは身を滅ぼす道に突き進むだけだ。 それに、柏木園子とこうした形で出会ってしまった事、その事自体は好まざる状況ではあるがその実、実際の所はそこまで最悪な状況でも無い事が分かる。

 と言うのも、柏木園子はヤンデレCDにしてもこの世界においても、野々原渚や河本綾瀬と比べて一つだけ、しかし決定的な部分が違うのだ。

 それは、野々原縁との『繋がり』。 『野々原縁と野々原渚』が『兄妹』、『野々原縁と河本綾瀬』が『幼馴染』であるように、自分と彼女達との間には幼い頃から又は生まれた時からの繋がり、『(えん)』と呼べる物がある。

 だが、『野々原縁と柏木園子』の場合は違う。 俺にとっての彼女、彼女にとっての俺は互いに、今日偶然部室で出会い、初めて会話をしたただの同級生に過ぎない。 渚や綾瀬との間にはある繋がり・縁は野々原縁と柏木園子との間には、何一つ存在していない。 それらの事実から絶対的な事が一つ分かる。

 

 それは、柏木園子は野々原縁にデレていないという事。この前渚に問い詰められた時と同じ方則だ。恋愛感情が無ければデレが起きない、デレが無ければヤンデレにはならない、現状柏木園子が俺に対して何か危険な行動をするという可能性は、0なのだ(もっとも渚の場合は、その後のやり取りでデレてない可能性がメッキリ低い事が分かってしまったけれども)。

 ならば後は簡単だ、このまま自然にやり過ごして、柏木園子にとっての野々原縁を部活見学に来たただの同級生という印象で止まらせるだけで良い。 これだけで、明日以降柏木園子との縁は切れて無くなるのだから。

 

「──が、園芸部の主な活動、です。 今は私だけですから、専ら部室の花壇に水やりをするだけですが……」

「はい、とても分かりやすかったです。 丁寧な説明をして頂き、ありがとうございました」

「い、いえ、そんなことは」

「謙遜しなくて良いですよ。 あ、そうだ、モノはついでで、一つお聞きしても?」

「はい。 私で答えられるなら……ですけど」

 

 そうこうしている間に柏木園子の説明は終わり、話題の中心は部の説明から別の話題に移っていった。 始めはオドオドしていた態度も、悠に対してだけはある程度緩和している、悠の丁寧な口調や物腰が警戒心を和らげているんだろう、今この時に限っては羨ましいと思わないが、こいつの誰とでも仲良くなれるという所は美点だと思う。

 

「実は、来月僕の母の誕生日がありまして、年齢は母の名誉の為に伏せますけどね。 それで、誕生日プレゼントの他にもう一つ花をあげたいんです、ですが花に関しては詳しくないので、何をあげれば良いのか、アドバイスを頂きたいのです」

「誕生日にあげる花を……あの、そんな大切な事に私なんかがアドバイスして、いいんですか?」

「ノープロブレム、家の者達に聞いたら母の耳に届くかもしれませんし、親しい友人に聞くにしても、縁にそんな事聞くだけ無駄ですからね」

「ってオイ! 会話の中でさり気なく俺を貶すなよ!?」

「本当だろう? 嘘だというのなら、何か一つでも君の好きな花を言ってみせてくれよ」

「……それは……」

 

 くぅ、何て事を。 ついいつものノリで悠にツッコミしてしまったが、俺が花の知識について乏しいのは確かだ、生物の授業で花の構造とかの学問的な知識は分かってても、種類や花言葉とかの趣味的な知識はサッパリだ。

 それだけじゃなく、先ほど会話に入らずやり過ごすと決めたばかりなのに、いつの間にか話題の中心が俺に移っている!? どんな事だろうと言わないと収拾がつきそうに無い。

 自分の(毎度ながらの)浅はかな行為に辟易しながら、取り敢えず頭の中に浮かんでくる花の名前を口にする。 そう、俺が知っている花は──

 

『──ねぇ、この花の花言葉って何か、知ってる?』

『……分かんないなぁ、瑠依はそういうの詳しいよな。 でも何回も言うけど、僕は花の名前はちっとも分からない』

『えぇ~、これも?』

『はは……ごめんね。 それで答えはなんなの?』

『仕方ないなぁ、この花はね────』

 

 ──不意に、昔の記憶──頸城縁の小学生だった頃の記憶──が脳裏に浮かび上がってきた。

 野々原縁の過去とは違う、いずれ朽ち果てる事に気づきもせず、ただ目の前の幸せをを無作為に享受していただけの日々の一コマ。 懐かしさを覚えるのよりも、胸の奥に締め付けて来るような痛みを与える、大切だった記憶。

 その記憶の中で、頸城縁は自分より一歳年下の少女と居た。 笑顔で話しかける少女は、先日親から貰ったというやたら厚い花の図鑑を手に頸城縁の家に遊びに来て、図鑑にある花の名前や花言葉を言い当てる遊びを頸城縁に半ば無理やりさせたが、全く答えられない彼に対して、不満そうに唇を尖らせながら──でもどこか楽しそうに──頸城縁に色んな花の名前とその花言葉を教えてくれた。

 

 あぁ、そういえば、この時教えて貰った花の殆どは既に忘れてしまったが、二つだけ印象に残って、こうして野々原縁という別人になってでもハッキリ覚えている物があった。

 一つはクローバー、これは花では無いが図鑑に載っていた。 クローバーと言えば幸運を呼ぶ四葉のクローバーが印象的だが、自分が知っているクローバーの花言葉は、『復讐心』。 その他にもクローバーには花言葉があるらしいが、一般的なイメージと離れたこの言葉が、頸城縁には受けが良かったらしい。

 

 そして、もう一つが──

 

「──シオン。 花言葉は『思い出』、それと──」

「『あなたを忘れない』、ですね」

「……そうだな」

 

 俺の答えに、先ほどまでの警戒心が薄れて、どこか感心しているような顔と表情でもう一つの花言葉を言う柏木園子と、またまた純粋に驚きの表情になる悠。 二人を交互に見ながら、悠が興味津々に聞いてくる。

 

「シオン? 初めて聞く花の名前だ。 どんな花なんだい?」

「ええっと、シオンは東アジア原産の花です。 漢字で書く時は『紫』と、草冠のある、学苑や芸苑という時に使う『苑』を『おん』とよんで、『紫苑』です」

「意外と歴史が深いぞ、ほらこの前古典の授業で習ったのあったろ?」

「古典……今昔物語だね」

「そ。 それのどの場面かまでは知らないが、その今昔何たらにも名前が出てるみたいだ」

 

 一度口に出してから、次々と記憶にある限りの知識が浮かび、それを言葉に出した。 どの季節に咲くのか、どんな色をしているか等──所々柏木園子が補足をしてくれながら、俺はシオンだけでなくクローバーについても話した。 たった二つだけだが、話し終えた後の悠は驚きだけではなく、感心した表情で俺を見ていた。

 

「へぇ、本当に花の知識あったんだね、縁は」

「まぁこの二つだけだがな、しかも片方は花と言うより草、雑草だ。言ってから思い知ったが、知識があるなんて言えるレベルじゃとても無い」

「そんな事無いさ、ねぇ柏木さん?」

「はい、紫苑については私よりも詳しかったですし、十分凄いと思います」

「──ッッ!!」

 

 不意に向けられた会話にも怯む事無く、静かで控えめではあったが、今日ここで会ってから一度も見せなかった笑顔を俺に向ける柏木。 その思いも由らない反応、柔らかい笑顔に、柏木園子がどういった人間であるかを分かっている筈なのにもかかわらず、一瞬だけドキっとしてしまった。

 っと、気が付いたらもう完全に話の流れが俺中心になってしまっていた、もしかしたら悠が唐突に母親の話をしだしたのはこれが狙いだったのかもしれない、もしそうだとしたら、完全に今の状況は悠の狙い通り、思う壺状態だ。

 

「そ、そんな事より悠、お前の母親に渡す花についてまだ決まっていないだろ、それを決めろよ」

「ああ、そうだったね、すっかり忘れていたよ」

 

 忘れるなよ、自分の母親だろうが。 やっぱり単なる口実でしか無かったな? 

 

「それでは柏木さん、改めてお願いします」

「はい、それじゃあまずは──」

 

 そのあと、花を選ぶ為に悠の母親の出身や本人の好きな色、その他諸々をヒントにして話し合い、最終的に決まったのが、なんと、

 

「『ゴールドコイン』とは……なんともまぁ、香ばしいまでの……」

「これからの季節に咲く花ですから、調度良いとは思います。 花言葉は『美しい人格』です、けど……」

「ははは……母さんは自分の髪やそれに近い色が好きだからね、それに何よりもその……お金が、好きだから」

 

 うっわあ……それはまた何ともこう、凄い好みで、とはとてもじゃないが言えなかった。 だって言ってる悠自身が一番恥ずかしそうにしていたからだ。 ちなみにゴールドコインとは春から夏に掛けて咲く花で、名前の通り金貨のような色をしているので、そういう名前になっている。 園芸部内にある図鑑から写真を見てみたが、確かにそれらしい花だった。

 

「僕の家系は代々、特に女性が拝金主義でね、『お金で買えないモノは無い』なんて素で考えてる人が多くて……母さんも外から嫁いで来た筈なのに、すっかり綾小路家に染まっちゃって、いや本当に、お恥ずかしい」

「あ、あははは……」

「うん、よく分からんが、ドンマイ」

 

 苦笑いする柏木と、素直に同情する俺。 しかしお金で買えないモノは無い、か……。 もしそんな事本気で考えてる奴と出会ってしまったら、そりゃもう面倒だろうな。 まぁ、そういう奴と接触の機会を持つ事自体まず無いだろうけどさ。

 

 ……

 

 そして、あらかたやる事も済んだので、ようやく俺と悠は部活見学を終える事になった。

 

「それでは柏木さん、今日はありがとうございました」

「どうも、時間を取らせてしまって」

 

 部室を出る前に二人で柏木に礼をする。

 

「いえ、私もこうやって花の話題で誰かとお話しするのは久しぶりだったので、楽しかったです。 でも……」

「でも、どうしました?」

 

 何かを言いかけて口を閉じる柏木に対し、悠が発言を促すようにするが、結局言いかけた事については何にも言わず、柏木園子は最後に──

 

「今日は、本当に嬉しかったです(………………)。 ありがとうございました」

 

 そう、何かを堪えるように静かな笑顔で俺達に言った。

 

 ……

 

「で、今日は、どうだった?」

「どうって、何がさ」

 

 部活巡りも終わり、ここ数日で久しぶりに早めに帰る事が出来たので、俺は渚にメールで連絡をしたあと、今日は習い事までに十分時間があるという悠と一緒に街の繁華街にあるゲームセンターによって遊ぶ事にした。 ちなみに今しているのは二百円で遊べるエアホッケーだ。

 これまでの俺の戦績は中学から数えて182戦中81勝93敗の負け越し。 最近は二人でゲーセンに行くなんてことも減ったのだし、貴重な機会は真剣に遊びたい。

 

「そのままの、意味さ。 入りたいと、思った?」

「別に、なんでそんな事、聞くんだ、よっと!」

 

 今まで悠は、部活巡りの後は自分の感想こそ言いはしても、俺に感想を聞いて来る事は無かった、それがどうして今日だけは聞いてくるのだろうか、しかもゲーセンに向かうまでの道では無く、こうした真剣勝負の最中に。

 

「今日が最後だったしね、それに!」

「おっと危ね……それに、なんだ!!」

 

 自分のゴールに入りそうだった円盤を寸前のところで止めて、言葉を言い切る直後に思いっ切り円盤を右側に向けて打つ。 そうする事で円盤が右の壁にぶつかってから不規則に悠のゴールに向かって飛んでいく。 俺への会話に意識の一部を預けている今の悠には、反応出来まい──そう思っていたのだが、

 

「いや、今日の縁は今までで一番楽しそうだったから、さ!!!!」

「んなッ!? お前何言って──しまった!」

 

 俺の戦略を最初から予期していたかのように悠は円盤の不規則な動きを捉えて、強烈なスマッシュと共に予想外な言葉を俺に飛ばしてきた。 その両方に面喰い、俺は悠の言葉に答えられないのと共に、見事に円盤をゴールに決められてしまった。 それと同時に鳴るゲームの終了音、40対50で、俺の負けになってしまった。

 

「お、お前……ズルいぞ、精神攻撃なんて」

「ふふ、これでまた僕の勝ちスコアが上がったね」

「それもだが、何だよさっき言ったのって、俺が楽しそうだったって?」

 

 悠にまた負けてしまった事は確かに悔しいが、それより看過できない事を言われた。 自分が、よりにもよってこの野々原縁が、柏木園子との会話を楽しんでいただと? 

 

「まあ、まずは席を変えよう、少し疲れた」

 

 学校からここまで歩いて来てそのまま遊んだので、エアホッケーの筐体から離れて、簡易な休憩所の椅子に座りながら話を続ける事になった、個人的にはもう終わりでいいのだが。 俺が空いてる席を見つけて荷物を置いてる間に、悠が二人分の飲み物を持って来る。

 

「言っとくが、俺は別に楽しんでたわけじゃないぞ、お前が花について聞いてきたから答えただけだろうが」

「そうだけど、それを差し引いても今日の縁は今までと違って積極的に話していたんじゃないかな」

「それはっ……まぁそうだったけどさ」

 

 それだって、ひょんなタイミングでセンチメンタルな記憶を思い出した弾みに、ツラツラと言葉が口から零れただけであって、決して柏木園子との会話に楽しさを覚えていたという事では無い、決してだ。

 だがそんな事を悠に言えるはずも無く、ただ否定するだけの俺の言葉に逆に何か感じたのか、手に持った缶ジュースを一口飲んでから、札束の枚数を一枚一枚丁寧に数える時の高利貸しのような目で俺を見据えて言った。

 

「ねぇ縁、君はもしかして、前から柏木さんを知っていたのかい?」

「──へ?」

 

 あ、やばい、コイツなんか感づいてる。いや、まさか俺が前世の記憶思い出した事に気付ける筈は無いだろうし、ただ何となく普通じゃないって事に気付いている、そんな雰囲気だ。

 前世の事については最初の日に渚に言った通り他人には話さない事にしているので、たとえ親友の悠が相手だとしても答えるわけにもいかない。 なので、ここは毎度のように誤魔化してやり過ごす事にする、悪いな悠。

 

「俺が柏木園子を知っているかって? そんなの当たり前だろう」

「……へぇ、それはまた、どうして?」

「バーロー、クラスが違うだけで学年が同じなんだぞ? 名前や顔ぐらい、廊下ですれ違ったり誰かの会話の中でうっかり耳に入ったりして覚えたりするさ。 ただ、園芸部に居たって事は知らなかったってだけだよ」

 

 実際の所、学校ではトイレや移動教室以外は大抵教室にこもっているのでまだ一回もすれ違ったり会話で聴いたりした事は無いのではあるが。 それにしたって、悠が見てない所や時間帯で俺が廊下に出る事はあるんだ、そう簡単に俺の言葉を疑ってかかる事は考えにくい。

 しかし先ほどのエアホッケーの時と同じく、俺の言う事を予測していたかのように悠はすぐさま俺に言い返してきた。

 

「ねぇ縁、嘘を吐く人間の幾つかある特徴の一つに、こんな特徴があるんだ」

「特徴?」

「うん、言われる前に予め言及されそうな事についてそれらしい理由を並べて、相手に言わせないって特徴がね」

「ッッ!」

 

 って、それはまるっきり今の俺の事を指してるじゃないか、なんでそんな知識持ってるんだよお前は! 普通の高校生が持ってなくていい知識だろ──って、そうだコイツ普通とはちょっと違った家庭の子だった。

 今更ながら自分の友人のスペックの高さを再認識しながら次の対策を考える……時間は無いので、取り敢えず頭に浮かんだ言葉でそのまま反論する事にした。

 

「別に、嘘吐きが必ず全員そうだというわけじゃないだろ? お前が言った通り、幾つかある内の一つに過ぎないんだからさ」

「そうだね。 でも、今君は話を逸らすだけでハッキリと否定はしなかった、それは遠回しに肯定しているって事じゃないのかな?」

「ぼ……暴論だろそれ……!」

 

 駄目だ、コイツはもう何を言っても『俺が何か知っている』という考えを覆そうもない。 むしろ俺が否定的な言葉を言う事で一層確信してしまう程だ。

 こうなってはもう仕方がない、ここはもう──

 

「……ま、まぁ? 俺が仮に何かお前に言えない事があったとして、それがなんだとお前は言うつもりだ?」

 

 ──開き直る事にした。

 

「ん……それは」

「無いだろ? 何にも思い浮かばなぁい、それはつまり、疑っても意味が無いって事だ。 違うか?」

 

 実際の所はそんな事が無い事は分かっている。 だがこうして開き直ってしまえば、あとは悠が自分で答えを出さなくちゃいけない事になる。 そうなると、まさか少し普通じゃない洞察力の高い悠であっても、現実的な事しか言えなくなってしまう。 もし仮に、俺が前世の記憶やらヤンデレCDの知識やらを持っている事に気づいて──当然有り得ないが──、それを言って見せた所で逆に馬鹿にされるだけだ。 俺が言うのもなんだが、そんな非現実的な事、言った所でまともに取り合わない事は十分に分かる事だ。

 かと言って、現実的な事を言って見せようにも、先の俺の言葉で説明が済む話であり、それをわざわざ否定しても、三流探偵が当てずっぽうに的外れな人を犯人に指名するようなモノで、やはり何も言えなくなる。

 

 つまり、開き直ってさえしまえば相手に疑いの心を持たせてしまう事になっても、物的証拠さえ無ければずっと秘密を暴かれる事は無いって話だ。 よくドラマで悪者が追い詰められた果てに開き直る事が多いのは、こういった理由からだと思う。 悪者はその後言い逃れのない物的証拠を出されて本当に追い詰められてしまうが、俺にはそんな物ないので完全に大丈夫、縁大勝利という事になる。

 

 それが分かって、悠は少しの間何を言うべきか考えるように黙っていたが、やがて降参するように浅いため息を吐いた。

 

「……分かった、降参だよ縁。 ここで開き直られたらもう僕には言える言葉が少ししかない」

「まだあるのかよ!?」

「あるさ、でもそんな風に無理に聞いて君を不快にはさせたくないからここで止めるよ。 僕は君に嫌な思いをさせたくて聞いたわけじゃ無いからね」

「お、おう。 そりゃどうもありがとよ」

 

 ようやっと追及する気が無くなった事に安堵しながら自分の飲み物を口に運ぶ。 結局悠の疑念は払えなかったままに終わったが、答えには微塵も近づいてないだろうし、取り敢えず今は何部に入るのか決めないとな。

 

「前に言ってた、『このままだと悪くなるけどどうしようも出来ない人』が、もしかしたら柏木さんの事かなと思ったんだけどなぁ」

「…………まぁ、気のせいだろ」

 

 前言撤回、ヒントどころか核心に近い所まで考えていましたこの人、もうやだ恐い。

 

「さ、話も済んだし、さっさと次行こうぜ悠。 俺あのスリルドライヴってのやってみたい」

「うん……そうだね」

 

 ……

 

 その後三十分ほどシューティングゲームやクレーンゲームなどで遊んで、渚と約束した帰る時間に近づいたので、そろそろ帰る事にした。 俺は歩きで帰るのだが、悠はお約束のごとく迎えの車が来た。

 

「それじゃ、今日はこれで……あぁ、縁」

「ん?」

「君は柏木さんとの会話を楽しんでいないと言ったけど、きっと彼女は楽しんでいたと、僕は思うよ」

「またその話か? それもあり得ないって、楽しそうに見えたのはお前が基本フレンドリーな性格だったからだろ? それだけだよ」

「……でもね、縁」

 

 自分の迎えの車に乗って、最後に悠はどこか諭すような口調で、俺に言った。

 

「人は、それだけでは、心の底から『そうだ』と言える理由がないと、『本当に嬉しかった』なんて言えないんだよ?」

 

 ……

 

 帰り道を歩く途中、自分のポケットの中でケータイが小さく振動しているのに気づいた。 すぐにみると、待ち受けに渚からのメールと電話が届いている事が表示されていた、どうやら俺が気づかなかっただけで、さっきから何回も着信していたようだ、マナーモードはこういう事があるから困る。

 取り敢えずメールの受信欄を開いて、渚のメールを見てみる。

 

『お兄ちゃん、今帰ってる途中?』

『おーい、お兄ちゃん? メール見てる?』

『電話も反応ないよ〜? 今どこにいるの?』

『おそ〜い! o(`ω´ )o もうそろそろ約束していた時間だよ!』

『ねぇ、どうしてなんにも返信してくれないの? 今本当に綾小路さんと一緒に遊んでいるの?』

『どうして無視するの? ねぇ、本当はお兄ちゃん、誰か女の人と一緒にいるんじゃないの?』

 

 以上、きっちり五分おきに着信した愛妹からのメールである。

 

「はは、可愛いなぁ」

 

 そう呟きながら、早速一番新しい着信のメールに返信した。

 

『お前はメンヘラか』

 

 メールを送って十秒も経たない間に、再びケータイが振動する。 あ、メールじゃなくて電話だ。

 

「はいもしもし」

『メンヘラじゃないもん! 少し心配性ってだけだもん!』

「おう、それにあと独占欲が強いのを加えても良いと思うぞ、それと少し声下げろ耳痛い」

 

 あ、ごめんなさいと軽く謝ってから、再び渚が少し声を抑えながら電話越しに話す。 やれやれ、通話始まって早速これである。

 

『私、そんな暗い性格じゃないよ、お兄ちゃん!』

「そうか、そう思うのならそうなんだろう、お前の中ではな」

『もう、そんな風に本題を誤魔化さないで』

「はいはい」

 

 若干拗ねたような口調になるのが分かる。 こういう電話越しでもころころ表情が変わるのが分かるのが可愛いところだと思うよ、本当に。

 

『そもそも、お兄ちゃんが私のメール無視するのがいけないんだよ?』

「ああ、それは確かにごめんな。 マナーモードにしてたから気づかなかったんだよ。 今家に向かってる、あと十二、三分もあれば家に着くから」

『そうなんだ、良かった。 じゃあそのまままっすぐ家に帰って来てね』

「そりゃ、そのつもりだけど……」

 

 ふと、渚の電話から渚以外の人の声──というより、音が聞える。 具体的に言うと、量販店などで聞くような、アナウンスやBGMのような物が。

 

「渚、今お前ひょっとしたら、外に居るのか?」

『あ……うん、ナイスボートに居るよ』

 

 ナイスボートは、俺たちの住んでいる地域で一番多くの商品を取り扱っている大型量販店の名前で、家から八分ほど、今俺が歩いている道の先にある。

 

『冷蔵庫みたら明日からの食材が足りなかったから、買いに行ってたの』

「なんだ、それならちょうど俺の進行方向先にあるんだし、買い物手伝うよ」

『い、いいよそんな事しなくて! お兄ちゃんは学校帰りなんだから、そのまままっすぐ帰って?』

「そういうワケにはいかないだろ。 お前、普段から買い物は多めに買うタイプだし、どうせ今も帰りの事考えないで、両手一杯に袋があるんじゃないのか?」

『うっ……それは、そうだけど』

 

 やっぱりだ。 渚のそういうところは母親譲りで、母さんも『納豆が無いわー』とか言って買いに出掛けてから、両手一杯に何袋も持って帰宅して来る事があった。 渚はまだマシな方だが、多く買う癖がある事には変わらない。

 

「今急いでそっちに行くから、ちょっと待ってろ」

『ほ、本当にいいんだよ、私は大丈夫だから──』

「い、い、か、ら。 それとも何か? お前はダサい兄なんかと一緒に買い物したくない、歩きたくない、顔も見たくない非ブラコンなのか? それなら俺も納得して、素直に家に帰る──」

『そ、そんな事無いから!? 私、お兄ちゃんの事嫌いなんて事絶対に無いよ!?』

「ならもう問題無いな。 じゃ、あと五分待ってろ」

『う、うん。 分かった……』

 

 そう言って電話を切ったあと、俺はケータイを無造作にポケットに入れて、早歩きだったのを走るのに変えて、宣言通り急いで渚の元へ向かう。

 店の前に到着すると、ドアのそばで渚が、大きいビニール袋に沢山食材やら生活用品やらを詰めたのを四つほど重そうに持ちながら、俺の来るのを待っていた。 ったく、足りないのは食材だって言ってたくせに、シャンプーの詰め替えや風呂用の洗剤とかも買って、女の子一人が持つ量じゃ無いっての。

 ──と、俺の姿を見つけた渚が、気恥ずかしそうに俺を見た。

 

「ほうら、案の定そんな沢山持ちやがって。 ほら、全部よこせ」

「だ、だめだよそんなの! 重いから!」

「重いから俺が持つんだろ、せっかく来たのに妹の方が重い荷物持つって、俺が居る意味ないだろ」

「う、うぅ……分かった。 でも、全部は駄目! 一つは私が絶対持つからね!」

「はいはい」

 

 これ以上互いにごねてもかえって効率が悪いので、素直に渚に一番軽い袋を持たせた。 春になって長くなった日もようやく沈み、残照がわずかに照らす帰路を二人並んで歩く。 そういえば、朝はほぼ毎日一緒に登校しているが、帰りに一緒なのは珍しい、渚もその事を考えていたのか、視線を向けると目が合い、楽しそうに破顔する。

 

「ごめんねお兄ちゃん、疲れてるのに重い荷物持たせちゃって。 でもありがとう、私嬉しいよ(……)

「……嬉しい、か」

「うん、だってこうして一緒に帰るの、久しぶりだから」

「そうか。 そいつは、良かった」

 

 ──心の底から『そうだ』と言える理由がないと、『本当に嬉しかった』なんて言えないんだよ? 

 別れ際に悠が言った言葉が思い起こされる。 渚は、俺と一緒に帰られる事が嬉しいと言った。 柏木園子もまた、本当に嬉しかったと言っていた。

 もう一度、隣で柔らかく微笑む渚を見る。 俺と一緒に帰られる事が渚にとって『そうだ』と言える『嬉しい』の理由なら、柏木園子は一体、どんな理由で『嬉しい』と言ったのだろうか。

 

 別れ際に見せたあの月のように静かな笑みを思い出しながら、そんな益体も無い事を、つい考えてしまった。

 

 ……

 

 翌日、部活巡りも終わり、悠は急用で放課後さっさと家に帰ってしまい、暇になった俺は、特に学校に残る理由も無いので家に帰って何部に入るのか考える事にしたのだが──

 

「……はぁ、よくこんな数の本、お前一人に任せたよなお前んとこの委員長も」

「いつもはもっと少ないんだよ? 今日はたまたま普段より多いの」

 

 大小、厚さもバラバラな十数冊の本を抱える俺がそう言うと、同じく数冊の本を抱えた、今日も大きいリボンが可愛らしい少女、幼馴染の綾瀬が苦笑しながら答えた。

 鞄に荷物を入れている途中、綾瀬が『ちょっと良い?』と言って十数冊の本を一緒に図書室まで持っていくのを手伝って欲しいと頼んできたのだ。 なんでも、今度校内新聞でこの高校の歴史を記事にするらしいのだが、その資料として使用された本を返していってほしいと、委員長に頼まれたらしい。

 

「にしたって、なぁ……」

「委員長、女性で結構男女関係なくビシバシ働かせる人なんだよね」

「うっへぇ、俺なんか居たら胃に穴が開きそうだな」

「うん、貴方じゃ三日で死んじゃうかも」

「ブラック企業かっ」

 

 下手な部活より忙しいってのは本当らしいな……、マスメディアの闘争は学校という場でも変わらず、という事か。

 

「そういえば、もう何部に入るのかは決めたの?」

「いや、まだ考え中。 なんか悠も俺が選んだ部に入るとか言ってるから、そう簡単に決めらんないんだよな」

「え、綾小路君も入るの!?」

「そうなんだよ、俺も驚いたけど、人生経験の為らしい」

「へぇ……彼にも色々あるんだね」

「そう。 だからこそ、入ってもなぁんにもしない部活に入っちゃったら悠にも悪いからな」

「頑張ってね、縁」

「おう。 頑張るよ、綾瀬」

 

 そう話している内に図書室に着いた。 本は貸出受付の傍にある専用の返却口があって、そこに本を入れればあとは後日、図書委員が本を元々あった場所に片付ける。 かなりの重さと数だから大変だろうけど、是非図書委員には頑張ってもらいたい。

 

「──ふぅ、これでお終い。 手伝ってくれてありがとうね」

「どういたしまして、ちょっと肩こったけどな」

「もう、まだ私も貴方も若いでしょ? でも、お礼に今度夜ご飯ご馳走してあげる」

「えっ」

 

 晩御飯ご馳走してもらうって、かなり死亡フラグのような気がしてならないんだが。CDで渚が本格的にキレたのって確か、主人公が綾瀬に晩御飯ご馳走して貰ったの誤魔化してたからだよな? 

 

「あぁそのな綾瀬、ご馳走してくれるのは嬉し──ありがたいけど、気持ちだけで十分だよ」

「え、どうして? 中華好きだよね?」

「それは、その──ん?」

 

『昨日食材たくさん買って、消費しないと駄目だから』、そう言おうとした直前に、図書室の奥から本が崩れる音と、小さく悲鳴のようなのが聞こえた。

 

「今の本が崩れる音だったよね?」

「図書室で落ちたり崩れたりするのは本だけだしな……ちょっと様子見てみるか?」

「うん、そうしよう? 痛がってる声も聞こえたし……」

 

 俺は野次馬根性的なノリで気になったので、綾瀬は純粋に本を落とした誰かへの心配から、音のした方に行ってみる事にした。 するとそこには──

 

「あ~あ、本上から落としちゃったよコイツ」

「ちょっと何やってんの? もし本に傷ついたら弁償モノじゃん」

「この程度もマトモに出来ないの?」

「そ、その……ごめんなさい。 すぐに片づけるので──」

 

「はぁ? そんなの当たり前じゃん。 そんな事いちいち言わないで、ウザいから」

「ご、ごめんなさい」

 

「ごめんごめん言ってないでさぁ、さっさと片付けたら? ま、謝って来なかったらそれはそれでムカつくケド」

「は、はい。 すぐに片づけますっ……」

 

「こっちは本当は図書委員会の仕事なのに、アンタが自分からやりたいって言うからわざわざやらせてあげてんのに、かえって邪魔になるってなんなの?」

「はい……本当にごめんなさい」

 

 三人の女子生徒が、床に散らばった本を片付けているもう一人の女子生徒を囲んで、乱暴な言葉を吐き出している。 中には片付けている少女の足を小突いて邪魔したりするのもいる。 ──これは、まるで、

 

「ねぇ縁、あれってもしかして──」

「……あぁ」

 

 綾瀬が抑えた声で俺に言う。 そう、今俺たちから少し離れた先で繰り広げられている光景は、どこからどう見ても、一人の女子生徒を三人の女子生徒がいじめているモノであった。 そして、その俺が顔も名前も知らない三人にいじめられているのは、

 

「柏木……園子」

「え、知ってるの?」

「園芸部の部長、昨日会った」

「そ、そうなの──っあ、三人の方、図書室から出ていくみたい」

 

 綾瀬の言う通り、いじめをしていた三人は俺達に気付く事無く、最後まで柏木園子に辛辣な言葉を吐きながら図書室を出て行く。 あとには、沈んだ表情で片づけをする柏木だけが残った。

 三人が完全に居なくなった直後、綾瀬がすぐさま柏木の元に駆け寄った。

 

「あなた、大丈夫!?」

「っ! えっと、貴女は? ……あ」

「……どうも、昨日は世話になりました」

 

 突如駆け寄ってきた綾瀬に困惑し、次いで現れた俺に、見られたくない物を見られたような表情になる柏木。 数瞬固まって、ハッとしたように急いで本を拾って、元あった場所に戻してから、

 

「す、すみません。 へんなところを見せてしまって」

「ううん、そんなことより、柏木さん、あなたさっきの人達に」

「ち、違います! あの人達はなんにも悪くないんです、悪いのは私だけで」

「嘘。 どう見てもあなたに酷い事してるようにしか──」

「わ、私、もう行きます、ごめんなさい」

「あ、柏木さん!?」

 

 綾瀬の言葉が言い終わる前に、柏木が急いで図書室を出て行く。 一瞬俺と目が合い、僅かに頭を下げる。

 

「ど、どういう事……?」

 

 話を無視されて茫然としながら俺を見る綾瀬。 俺はと言うと、柏木園子が出て行った出入り口を眺めながら、数瞬前の彼女の顔を思い浮かべていた。

 一瞬、ほんの一瞬だけしか見えなかったが、自分と目があった時の彼女の目には、涙が溜まっていた。

 

「あ……そうだった」

「どうしたの、縁?」

 

 そうだ、CDでどうやって彼女が主人公に好意を持ったのか、それを思い出した。

 きっかけは、夜の公園で出会った事。 その後、新しいクラスで一緒になった事。 そして──、

 

 いじめられていた彼女を、助けた事だった。

 

 

 

 

 ──to be continued






どうも、食卓塩です。
最近新しい環境や新作ゲームに時間を取ってまた更新が遅くなりました。

それはそうと(おい)、柏木さんがアニメのスクイズにいたら、西園寺さんのお腹をナタでは無くスコップで発掘するんでしょうか? そんな事したら赤ちゃんも一緒にぐちゅっとなって見つからないと思いますね。 いや、柏木さんならそんなことしないで素直に学校の花壇の肥料でしょうかね。

ちなみにクローバーの花言葉は復讐以外にも種類ごとに色々あります。

『約束』
『私を思って』
『私の物になって』

あらら? クローバーってヤンデレ属性じゃないでしょうか?

皆さんも気が向いたら花言葉を調べてみるといいかもしれません、自分の誕生花とその花言葉を調べてどんな花言葉が出て来るか……ちょっと面白そうですね。

それではまた次回に、さよならさよなら

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