城下町のダンデライオン〜長男は魔法使い〜   作:ソール

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第八話 

輝の買い物から 3日が経ち、俺はマジックブックスで、アイギス師匠に調べてもらった事を話してもらった

 

「それで?調べていたというのは?」

 

「あいつはどうやら、『新たな体』を作ろうしているらしい」

 

「新たな体?」

 

「うん」

 

そう、リリスは体は無く、魂だけで動いている存在、アイギス師匠が言うには、魔女は『魔力を宿る体』でなければ、自分の身を手に入れることができないらしい、奴はなんだかの方法で、体を作っているのか、もしくは、アイギス師匠の息子さんの体を乗っ取ろうとしているのかもしれない

 

それよりも

 

 

「それで?なぜ?息子さんは攫われたんです?偉大な魔女であるあなたが、とてもヘマするとは思えません」

 

「いや、私も、油断はしていた」

 

「え?」

 

「というより、息子を助けることができなかった」

 

「どういう意味です?」

 

「話は長いわよ?、構わないかしら?」

 

「ええ」

 

 

****************

 

『アイギスサイド』

 

それは昔のこと

 

私はスペインが私の故郷だった

 

私は普通に生まれ、普通に生活していただけの女だった

 

ところが

 

私は大昔、このスペインでもいた伝説の生き残り。

 

 

魔女だった

 

私の血は代々続く。魔女狩りの死んで行った者たちの血を引く存在だった

 

でも

 

小さい頃の私は、無論そんなこと受け止められなかった。本や伝説で聞くなら、魔女は悪だった

 

市民の災いを起こしたりなど、酷い存在だった。私はそんな存在じゃないと、10歳の時に家出をしてしまった。自分の事が信じられなくなったからだ。

 

ずっと小さい頃から『私は魔女じゃないと』自分に言い聞かせた

 

でも

 

日常生活で魔法が使えた。手に火がついたことだ。これにより私は絶望した。私がみんなを傷つけるんじゃないかと、恐れた

 

しかも、私はその魔女狩りで死んだある魔女の『復讐者』として生まれたと親に言われ、私は親が怖くなり、もう会いたくないと遠い国まで、自分で歩いた

 

多少の魔法の知識を家から盗んだ

 

私の親は知らない間に病気で亡くなり

 

私はそのままどこか安心して暮らせる国を探した

 

だが

 

どこの国も治安が悪くとても暮らせるとこは無かった

 

15歳になってからも、自分の暮らせる家を探した

 

でも、ある日遂に、手持ちの食料がなくなり飢えていた。そして私は飢えて歩けなくなり、アメリカのある海岸で倒れた

 

私は諦めかけていた。『魔女なんて生きられないよね?』と

 

だが

 

『おい!大丈夫か君?』

 

と男の声がした

 

そこで軍服の着た男に助けられた

 

私は食べ物を恵んでもらい、なおかつ泊まる場所も与えてくれた。その場所は米軍基地だった

 

彼は自衛隊だった。私はそんな男に出会い私は自分の事情を話した

 

私が住むところ探している事を

 

そしたら

 

『じゃあ俺と一緒に日本に行かないかい?』

 

と彼は行った

 

彼は日本人だった。アメリカではちょっと米軍の仕事で来ていたらしい

 

すぐに帰るからと、私も一緒に連れてってくれた

 

 

彼の名は、朝比奈・薫と言う

 

薫から、日本に連れてってもらい、ある本屋に着いた。そこが彼の家だった。

 

本屋は昔亡くなる前の親がやっていたらしい

 

そこで

 

私が代わりに、再び本屋を始めた

 

家に居候するわけにもいかず、代わりに私が始めた

 

日本語は本でも乗っていたから、通訳には自信あった

 

私は彼と一緒に住んだ

 

住む場所も無い私を助けてくれた。すごく彼との生活が楽しかった

 

でも

 

私は彼に隠している。自分が魔女だってことを

 

私は正直に彼に話した。彼だけは絶対に嘘はつきたくないと、私は勇気を出し

 

彼に魔女だと言う証拠を見せた。火を起こすなど、物を宙に浮かぶなど、いろんな魔法を使った

 

これで私は魔女だと、薫に知られ、追い出されるはづだった

 

ところが

 

『すごい!!マジで!!魔女なの?』

 

『う、うん』

 

『すごい魔法が本当にあったなんて!!』

 

薫は、恐れるどころか、楽しみと喜びで満ちていた

 

薫はますます、私と一緒にいて欲しいと言われ

 

私は彼の事が好きになった

 

そして時が経ち、薫は私の事を魔女の事を世間に隠すために、自衛隊をやめて、私と一緒に本屋をしていた。

 

薫も私の教えで魔法を覚え、少し程度だけど、覚えた

 

そして

 

私は薫と結婚し、子供を宿した

 

そのまま平和に続くはずだった

 

 

ところが

 

 

私の親が言っていた。復讐をしてほしいと言われた魔女『リリス』が、私の子供が2歳の時に突然わたしの前に現れた

 

『我々の為に動けと』

 

だが、私は断った。『お前のやる事は悪だと』そして奴は去るはずが

 

 

 

 

 

 

奴は私の子供を殺そうとした

 

私は必死で庇おうとしたが

 

 

 

 

夫が庇い、死んでしまった

 

夫は魔法で心臓に穴が開き、次に私の子供を殺そうとしたが、

 

私の子供は魔法が強いと、リリスが気づき、そのまま自分の体として体を乗っ取るはずだった

 

だが、昨日調べたところ

 

薫の魔法で転移させ、私の子供を日本のどこかに逃がしたらしい。

 

リリスはその後、私の息子を捜しまわっていたらしい

 

薫は死んでしまった

 

その後、必死に探した。

 

だが見つからなかった

 

だが

 

 

 

 

私よりも強い魔力をした。真を見つけ、彼なら私の息子を見つけてくれるのではないかと思い

 

私は真に会い。彼なら私の息子を見つけてくれると思ったから

 

私は真に協力した

 

 

『アイギスサイド』

 

 

 

*****************

 

 

 

「そうだったんですか」

 

俺は事情を聞いた。アイギス師匠にそんなことが

 

「それで、息子さんの名前は?」

 

 

(あかり)よ」

 

「燈ですか」

 

「それであなたの事だけど、櫻田家の偽物(・・・・・・)ってなんなの?」

 

 

「それは・・・・・・実は・・・・・・・・・・・・・」

 

「え!?ってことはお前は!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

******************

 

一方、櫻田家ご自宅では

 

「なあ?最近兄貴帰ってくるの遅くね?」

 

修がいきなり、真の事を話す

 

「ええ、最近遅いよね?」

 

「この前会った。兄さんのバイトの店長さん、アイギスさんって人、すごく美人だよね?」

 

「うん、すごく綺麗だった」

 

「まさか、お付き合いしているとか?」

 

「「え!?」」

 

そこで遥の言葉に葵と奏が反応する

 

「ま、まさか、兄さんがそんな・・」

 

「あ、ありえない、何かの間違いよ!!」

 

 

「葵姉さんと奏はすぐに兄貴の事になると反応するな?」

 

「でも、兄妹だから、恋愛はできないけどね」

 

修と遥が言う、この二人は真のことが好きだからだ

 

ま、兄妹だから恋愛は不可能

 

そこへ

 

ガチャと玄関の扉が開く

 

「ただいま」

 

真が今、家に帰って来た

 

「あ、兄さんおかえりなさい、またアイギスさんのところでバイト?」

 

「まあな」

 

「最近遅いけど?そんなに忙しいの?」

 

「ああ、ちょっとな」

 

「兄さん?」

 

「なに?」

 

「どうしたの?顔色悪いよ?」

 

「ああ、少し疲れたんだ。悪いが夕飯はいらない、今日は1日寝かせてくれ」

 

「え!?兄さんまさか熱!?」

 

「いや、そうじゃない。疲れただけなんだ。今日は眠らせてくれ」

 

「わ、わかった」

 

そして俺は部屋に戻ると

 

俺は真っ先に部屋のベットに横たわる

 

なぜ?顔色が悪いのはというと

 

実は、アイギス師匠と話していたことだ。その話がすごく重かったため、聞いて自分がヘトヘトだった

 

だが

 

本当は違う。本当は

 

もっと別なこと、それは後悔にも近い、それは決して魔法でも癒せないものだった

 

そしてもう何も思いたくないと眠った

 

 

***********

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方20:00

 

 

俺はあれから3時間も寝ていた。今は少し起きて、またあることを思う

 

 

俺は実はショックでいる。自分の知らないことを秘密にされ、自分が知らないままで居られるのが嫌だったからだ。でもそうしなければきっと俺はこの生活ともおさらばになるからだ

 

俺が何を悩んで、寝ているのかというと

 

 

それは

 

 

コンコン

 

「ん?はい!」

 

誰かがノックした

 

入って来たのは

 

「オヤジ、おふくろ?」

 

「大丈夫か?真?」

 

「疲れて夕飯もいらないって言うから心配で」

 

オヤジとおふくろだった。さすがに夕飯も食べないでいたら当然だ。

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「そう、何か食べる?食べないでいるわけには」

 

「ああ、いや大丈夫、それよりも何か飲みたい」

 

「そうか、じゃあ下からジュースを持って来るよ」

 

「ああ」

 

そして、俺はジュースを貰い、少し落ち着く

 

「どうしたんだ?何か体調でも悪いのか?」

 

「いや、そうじゃない」

 

「そうか、よかったよ、いきなり夕飯とかいらないって聞いたから、体調が悪いのかと思ったよ」

 

「ああ、悪かった」

 

聞いてみようか、オヤジに

 

 

いや

 

 

「なあ?オヤジ?」

 

「なんだい?」

 

その聞く内容は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は誰なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

「え?」

 

やはりこの反応か、なら

 

「誰なんだ?俺は?」

 

「な、何を言っているんだ?真?お前は私の息子であり、櫻田・真じゃないか?」

 

「本当にか?」

 

「「!?」」

 

「な、なんで、そんなこと言うの?」

 

「変だとは思ったんだよ。俺が選挙を辞退してあっさりOKするし、俺は能力が無いはずなのに、いきなり能力がる魔法を使うしな、それに俺はまったくもって、オヤジやおふくろとも似てないしな」

 

「なにを言っているの?」

 

「あんたらこそいつまで俺の事を隠しているんだよ?総一郎、五月」

 

「「!!??」」

 

やはり、秘密にしてやがったのか

 

「なぜ!それを!」

 

「やはりか、俺は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんた達の息子じゃないんだな?」


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