城下町のダンデライオン〜長男は魔法使い〜   作:ソール

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ヒロインは葵にさせていただきました

一応ですけど


第十一話

体育祭も終わり、6月になり、俺はバイトと魔法の練習を続いている

そろそろ暑い夏が近づいている。この6月から俺は

 

オヤジにあることを頼んでいた

 

 

「朝比奈・燈?」

 

「ああ、その人を探しているんだ」

 

 

 

俺は、アイギス師匠の息子さん

 

朝比奈・燈

 

俺の強力な魔法でしか探す事のできない人

なぜその人と俺の魔力が関係していないとは思えないが、アイギス師匠は『俺の魔法でした見つからない』という言葉を聞いても、俺にはピンとこない、だから魔法だけでなくそれ以外でも探すようにと、オヤジに頼んでいた

 

 

 

「その人ウチのバイトの店長の息子さんなんだ。ある事故で行方不明になったんだけど何か知らないか?」

 

「う〜〜〜〜ん、聞いた事無いな。朝比奈ていう名字は知っているが、燈ていう人は聞いたないな〜」

 

「その人探しているんだ。忙しいところ悪いけど、城の人に頼めないか?」

 

「うん、わかったやってみるよ。ただ何かその人の持ち物は無いのか?何もなしに名前だけじゃあな〜」

 

「ああ、アイギス店長に聞いてみるよ?」

 

「ところで?なんでお前がそんなことを?」

 

「俺はアイギス店長にいろいろ借りがあるんだ。その借りを返したいんだ」

 

「そうか、その人に会って話がしたいな。こんど家に招待してくれないか?」

 

「ああ、明日言ってみるよ」

 

 

 

こうして、しばらく『燈探しは』探す当てのないまま、名前と俺の魔法で探すしかなかった

 

 

だが

 

気になる

 

なぜ?リリスは朝比奈・燈を欲しがる?

というよりなぜ奴は俺が兄妹じゃないってことを知っていた。これは秘密にしてあるはずだ。なのになぜバレた?

 

それにあいつ体が欲しいって言っていたな、つまり朝比奈燈は俺と同じ魔力であって、その同じ魔力にひかれ合うから俺にしか見つからないとでも言うのか?

 

 

俺は正直、アイギス師匠の話や事情は理解できるけど、

 

 

何かおかしい

 

というより、何か秘密にされている感じがする。

いや、昔からか?なぜか俺に関係する事になると、みんな何か隠している(・・・・・)感じがする

 

 

朝比奈燈が父・薫の魔法で転移され、そのまま行方不明

ここまでOKだ

 

 

ただ

 

 

なんでリリスは、この国にいるって(・・・・・・・)ことがわかったんだ?

 

俺はリリスの不思議さに頭を悩んでいた。

そんな悩みを解決しないまま、その日は終えた

 

 

*************************

 

 

次の日

 

 

日曜日、久しぶりの一人

 

俺はやることなく、そのまま一人で街中を歩いていた。

 

葵たちは、選挙に向けていろいろな準備をしていた。その選挙の準備に忙しく、本当ならここで俺の手伝いに入るのだが、みんなは俺の力無しでやりたいと言い出し、さすがに協力しずらくなった。

まあ、でも、あいつらもあいつらなりに成長したんだな、いつまでも俺の力に頼っては行けないと自分に喝をいれたもんだな

 

でも

 

正直俺は頼ってほしかったな、仮にも俺は兄妹じゃないんだからそれでも俺の事を兄としていてくれたのだから、兄として頼って欲しかった

 

だが今日のところは自分の気持ちは押さえてバイトも休みだし、自分の久しぶりの休日を満喫することにしよう

 

 

「さて、急に入った休みとはいえ、どうするか?」

 

映画を見に行くのもいいが、見たい映画が無い、ゲームセンターに行ってもやりたいのは無い。欲しい本を買って家で読もうとしても、バイトで最近面白いの買って読んでいるから無いし

 

ってことは

 

なにもないまま、街中にいるわけだ

 

でも、無い訳でもない。こんな時だからこそ、当ての無い朝比奈・燈を探すチャンスだ

 

と言いたいが、まだアイギス師匠に探し方の魔法を教わってない

 

 

 

つまり

 

 

完璧暇人になってしまったというわけだ

 

 

「はあ〜、マジでどうするか〜、暇なままこの休日を過ごすのもな〜」

 

と独り言を喋っていたら

 

「ん?」

 

誰も通らなそうなビルの隙間から身長的に中学生ぽっい女の子がいかにも悪そうな男二人にナンパされていた

 

『ちょ!離してください!!』

 

『いいじゃんかよ!』

『俺らと遊ぼうぜ!』

 

どうやら俺はとんでもないものを見つけてしまったらしい

 

だが

 

「まあ、暇が省けたからいいかな」

 

とりあえずあいつらを倒して、暇をつぶしますか

 

「おい?そこまでにしとけよ?」

 

「げ!?櫻田真!?」

「おい!なんでこんな有名人がここにいるんだ!?」

 

「なんだ俺有名か?それはともかく、この国は平和だからこんな悪そうな奴いないと思ったが、そうでも無いんだな?」

 

「う!うるせえ!!『魔法の王家』かなんだか知れねえが!ぶっ飛ばしてやる!!」

「よし!!やっちまおうぜ!!」

 

「ふう〜、言ってもわからないみたいだな?」

 

「ふん!『左腕の無い長男』如きに負ける分けないだろ!!」

 

そういって殴り掛かって来るが、

 

「これは魔法を使わなくてもよさそうだな、ふん!」

 

俺は悪い男の殴ったパンチを右手で握って受け止めて、そして

 

「いだだだだあああ!!」

 

俺はその男の拳を強く握り潰す

 

「どうした?もう終わりか?これぐらい強く握れないのか?」

 

「あだだだだだ!!」

 

俺は更にその拳を更に強く握りつぶす、そして

 

「ふん!」

 

「ぐは!」

 

俺はその男の腹に力強く蹴り飛ばす。蹴り飛ばされた男は吹っ飛び、ビルの壁にめり込む

 

「く!この!!」

 

もう一人の男からナイフを出した

 

「危ない!!」

「!」

 

ナンパされた女の叫びを聞いて、ナイフだと俺も気づくが

 

 

「それだけか?」

 

「え?」

 

バキン!!

 

と俺は俺に刺そう迫り来るナイフを足でナイフの刃だけを蹴り、ナイフの刃だけが、吹っ飛んだ

 

「ひい!」

 

「さて?後はお前だ!」

 

「頼む!許してくれ!」

 

「ナンパしたお前らが悪い、恨むなら自分のやった行いを恨むん・・・・・・だな!」

 

「やめ・やめ!!・・(バコン!!)・・・・・がは!!」

 

俺はその男の首を掴み、先ほどの男と同じ、その隣の壁に男を投げて、またバコンと、壁にめり込んだ。

 

ナンパした男二人は壁に見事にめり込み

後は警察に通報したからなんとかなるだろ

 

「ふう、大丈夫か?」

 

俺はナンパされた女の人を立ち上がらせる

 

「は、はい!大丈夫です!」

 

「そうか、気を付けなどうやらあんな変な連中もいるからさ?」

 

「はい!どうもありがとうございます!」

 

「ああ、気をつけてな」

 

そうして去ろうとするが

 

「あ、あの!」

 

「ん?なに?」

 

「この後よかったら!お礼させていただけませんか真様?」

 

「・・・・・・はい?」

 

俺はナンパされた彼女にお礼させてもらうことになった。いいと言ったが

 

強引に付いてきてしまい、後に引けなくなってしまった。こういう時こそ魔法なのだが、そういう魔法は覚えていない

 

仕方なくお昼を奢ってもらうというお礼で一番安いファミレスにいる

 

「ふうん、米澤紗千子って言うんだ?」

 

「はい、中学生です」

 

「そうか、それよりなんであんな人気の無いところにいたんだ?」

 

「ええ、近道していたんです。そしたらあの人達が」

 

「なるほどな、この国って平和なのかわかんないや」

 

「そうですね、真様はそういう政治とかの仕事でもしているのですか?」

 

「ん?気になるか?俺たち王家の普段の生活?」

 

「あ、いえ!そんなプライバシーを侵害するようなことは!」

 

「まあ、いいさ、いいよ。俺の普段の生活しか話せないけど、それでもいい?」

 

「いいんですか?」

 

「ああ、どういう印象をもたれるのか?俺は聞いてみたいからね君に」

 

「わかりました。聞かせてください」

 

「うん、それじゃあ・・・・・・」

 

俺は今までの生活を全部紗千子に話した。そして彼女はそれを聞いてどう思ったか

 

 

 

「あの辛くないのですか?」

 

やはりそう言われるよな、今までもそんな生活話して、言われる言葉は皆『辛くないですか?』だ

 

「そうだな、辛くはない、だって、その犠牲があるから他の人は助かったんだ」

 

「でも、それって」

 

「ああ、その人に罪悪感を与えるようなものでもある。けどいいんだよ」

 

「どうしてですか?」

 

「俺がしたかったことだから、俺に他人の為にできることは自分のことを犠牲にしてその人を助けること、俺はただ他人が酷い目にあっているところを見たくない。人を助けるというのは、なにかを犠牲にしなきゃいけないんだ。だから自分を犠牲にした」

 

「そうだったんですか」

 

「君もそうだろ?何かを犠牲にしてでも、これだけはしっかりやりたいって?」

 

「!?」

 

「気づいていたさ、君?何か大きなことを普段しているだろ?」

 

「どうしてわかるんです?」

 

「わかるさ、だって君の手、何か頑張っているような手をしている」

 

「!」

 

「君の手は何か努力した手だ。いろんなものを犠牲にしてまで、やっとの思いで、到達した夢を手放すわけにはいかないと、そういう感じがするよ俺は」

 

「・・・・」

 

「だから、もう犠牲にするのはやめたら?」

 

「え?」

 

「夢には届いた。そして君のやりたい目標はまだ先にある。だがその先に俺のような犠牲をして行ったら、俺みたいに後悔するぞ?」

 

「・・・・・」

 

「話は終わりだ。話を聞いてくれてありがとう」

 

そういって俺は飯を済ませ、テーブルから立ち。俺はファミレスから出ようとする

 

「それと、やっぱり奢られるのは好きじゃないから、君の分も含め、俺が払うよ」

 

「ああ!でも!」

 

「君に話を聞いてもらったんだ。これは感想をくれたお礼だ」

 

「・・・・・」

 

「また会えたらね?米澤紗千子」

 

そういって俺は適当な分かれをし、会計を済ませ、ファミレスから出た。

 

ただ

 

あの彼女に言った言葉は、正直俺の言える立場で無い。味わった後悔は確かにあるその実感を他人に言うのは、結構矛盾もあるわけだ

 

だって、その言葉は先の目標に不安を与える言い方だからだ。

 

確かに犠牲無しで何かを得るのは、この世の不可能とでも言う

 

それは傲慢で、わがままでズルいであろう

 

だから

 

自分の事を犠牲にしてでもしたい。

 

それが間違いなら、俺はどうしたらよかったらだろうか

 

みんなが俺に言う『辛くないのか?』と

 

なら

 

犠牲に無しで何かを得る事はできるのか?

 

さっきのナンパをしていた男を見て俺はそう思ったよ

 

何がこの国が平和だ?まったくもって酷いではないか。平和ならあんなのはいないだろう

 

だが、国がではなく

 

人が(・・)だろうな

 

俺は人間関係そのものが俺の悩みなのかもしれないな

 

って

 

俺は何を言っているんだ?

 

今までの左腕の犠牲だって、後悔はしていない

 

ただ

 

俺はこの先も犠牲にして生きて行くだろうか?

 

そんな先々の事を不安になりながら、俺は夕方になるまで、俺はある人の墓にいた

 

それは

 

 

 

隣町に行き、海が見える崖の上である人のお墓に挨拶していた

 

それは

 

「あんたが朝比奈・薫か?」

 

アイギス師匠の夫、朝比奈薫の墓の前で、返事するはず無いその死んだ本人の墓に喋る

 

「あんたの息子さん俺が探すから、心配するなよ?」

 

なぜここに来て、俺はこの人に喋りに来たのだろう

 

「わからないまま来ちゃったけど、言う事がこれしかないな」

 

そこへ

 

「真?」

 

「ん?オヤジ!?おふくろ!?」

 

「真!?あんたなんで!?」

 

そうそこにいたのは、ここに居るはずの無い

 

櫻田総一郎と五月だった

 

オヤジとおふくろは朝比奈薫と高校の知り合いらしく、よく昔は一緒に遊んだと言った

 

「そうか、真のバイトの店長さんが、薫の奥さんだったのか」

 

「知らなかったのか?」

 

「ええ、そもそも結婚していたていう話自体私たちにはしなかったわ」

 

アイギス師匠は魔女だから、公表なんてできなかったのか

 

「それにしても、朝比奈燈か、薫に息子がいたなんて」

 

「薫くん、突然自衛隊やめて、実家の本屋をまたやるって言って以来、なにも連絡もしなかったものね」

 

「そうなのか?」

 

「ええ、それに亡くなったって聞いたのも、10年前だし、薫くんから何があって亡くなったのも誰も知らないみたいなのよ」

 

言えるわけないよな、魔女に殺されたなんて言えるわけないし、というかまず魔女自体信じられないだろ

 

「そういえば、なんか薫って真にそっくりですよね五月さん?」

 

「は?」

 

「そうね、どことなく似ていたわ。得に性格が」

 

「俺と朝比奈薫が?」

 

「うん」

 

「昔からいろんな人を助けて、いろんな人に慕われてた人よね?」

 

「ああ、ただいつも怪我をしながら、いつもいろんな人たちの為に喧嘩していたもんな」

 

「なんかそれ?どことなく俺の今までの人生にそっくりなんですけど」

 

俺も中学生の頃や今も、いじめられた奴を助けているし、そして今日もナンパされた女の子を守ったしな

 

「というと、亡くなった理由も俺と同じ守りたかったからか」

 

「!」

「!」

 

「だってそうだろう?そいつはみんなの為に喧嘩したなら、何かを守って亡くなったんじゃないのか?」

 

「後悔はあったんじゃないのか?」

 

「あったかもしれないな、もっと妻と一緒に子供が成長するところみたいとか?」

 

「そうね」

 

「でも」

 

「「??」」

 

「家族の為になれたなら、いいんじゃないのか?」

 

「「!!」」

 

「きっとその薫って人は誰かを守らずにはいられない人だと思うよ?なんかそんな気がするけどな」

 

「ふふ」

 

「ん?」

 

「やっぱり似ているな!お前と薫」

 

「そうか?」

 

「ええ、とことなく似ているわ。そういって救えたからいいじゃんみたいな言い方」

 

「ふうん、そうかね〜」

 

俺と薫が似ているか、なんか薫の気持ちがなんだかわかるような感じがしたから言っただけなのにな

 

そうして俺はオヤジ達と共に家に帰るが

 

家の前で

 

 

「光?遥?」

 

家の前で光と遥と眼鏡のスーツを着た人と会社の社長さんみたいな人と一緒にいた

 

「ま・・・・ま・・・真様!!」

 

「遥?これはどういうことだ?」

 

「えっと・・・・・実はね兄さん」

 

俺はどういう状況なのか遥に話を聞いた

 

どうやら光がアイドルになりたいとオーディションを受けたらしい

ところが、中学生ではないため、オーディションに身分証明書を見せたところ、小学生のため、受けられず

身長は能力で見られたため、違う芸能プロダクションにスカウトされ、光自身も大喜びで受けた

そして遂に光が夢に見ていたアイドルを目指すことができるのだが

 

「陛下!存じ上げんかったとはいえ光様には!大変失礼な応対をしてしてしまったことを!深く申しあげます!」

 

その芸能プロダクションの二人が土下座して謝っていた

 

親御さんの話を聞いてから受けられないからな、しかも、光の体は今中学生状態、あの王家の櫻田光だなんて、気づくはずもない。確かにこれは焦るな

 

「しかしながらこれも何かのご縁!アイドルとして光様には天性に素質を感じ得ずにはいられません!!」

 

ってことは、それだけ光も踊りや歌がうまいってことか、この松岡さんだっけ?この王様オヤジに強く頼むな

それだけ光が素質や才能があるってことか、そういや最近遥と一緒にカラオケ行ったりランニングしてたけど、あれってアイドルの練習だったんだな

松岡さんがここまで強く頼むのは、光を他の芸能プロダクションに取られないためか

それだけ光を大事に思っているのだろう

 

「真はどうする?」

 

「なんでそこで俺なんだ?そこは親であるあんただろ?」

 

「真の意見も聞かせて欲しい」

 

「ふうん」

 

俺は二人の前で正座し、芸能プロダクションの前に座る

 

「松岡さんですね?」

 

「は、はい!」

 

「光の事をお願いします。この子は目立ちたがりですが、真面目にやりますので、こちらこそよろしくお願いします」

 

「はい!ありがとうございます!!」

 

「やったー!!ありがとうお兄ちゃん!!」

 

「ああ、これでいいだろう?オヤジ?」

 

「ああ、真がいいならいいよ」

 

こうして体型は中学生状態ではあるが、光はアイドルとして活動することになった

 

正体は隠して新人アイドル 『桜庭らいと』としてアイドルデビューとなった

 

だけどさ、これさ

 

 選挙に向けて 支持率あげる為に始めたことだよね?

 

ってことは

 

 

 

 

正体隠したら意味ないわけだ

 

これは光の為になるのか?


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