GAMERA-ガメラ-/シンフォギアの守護者~The Guardian of Symphogear~   作:フォレス・ノースウッド

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今回の話は前回の37話が元のしないフォギア風短編なので、先に37話読んどかないと面白さは半減する仕様です(コラ
ただネタ優先で作った短編なので、本家しないフォギアみたいにきっちり本編に組み込まれているわけではないのであしからず。

基本しないフォギア風デフォルメ作画でイメージして読むのをお勧めしますが、一部リアル頭身逆作画崩壊場面もございます。

しかしまいったな……金子のおっさん、ここに来て奏さんとセレナの誕生日とスリーサイズ公表しやがった。
療養のためお祝いツイートを今までスルーしてきたことへのお詫びらしいのですが、なぜそこでスリーサイズッゥ!?

そしてなんでまいっているのかというと、朱音のスリーサイズ(登場人物欄参照)、自分の目測で当時公表されてなかった奏さんの数値をイメージして設定したからでして(コラ
劇中でも翼さんに『奏並みに大きい』と独白させてしまったし。
まあ身長は合ってたんですが……バストが95……95!?
二次元にはそんぐらいのサイズのキャラは結構おられますが、それでも17歳であのスタイルって(オソロシヤ


#37.5(?) - 三つの戦いの裏側

#37.5(?) in しないフォギア

 

 

その1 – 司令編~○○○○線受信(リディアンチャイム~♪)

 

 雪音クリスを発見、救助に向かう。

 朱音から司令部への報告を聞いた弦十郎は急ぎ車を走らせ、指定のポイントへと向かっていた。

 

「朱音君」

 

 フロントガラス越しに、常人より遥かに優れた弦十郎の眼は、上空を泳ぐように飛ぶ朱音の姿を捉え、急停車して降りた。

 地上へ、朱音は垂直に落下の同然の速度しながら降下しながら。

 

「新たなアームドギア………だと……」

 

 ここに来て、アームドギアの新たなる形態を具現化させた朱音に驚嘆した瞬間。

 

〝なんだ?〟

 

 弦十郎の胸(こころ)に、ある感情と、脳裏にはフラッシュバックが去来する。

 朱音が作り出した、三日月状の諸刃で、巨大な矛斧(ハルバート)を見た瞬間。

 

〝行くぜ! ――ッ! ――ッ!〟

 

 声が、響いた………自分によく似て、しかし自分ではない誰かの声。

 どこか、郷愁………懐かしさも混じったデジャヴを覚えた。

 そして、あのハルバードから――《トマホーク》と言う単語が浮かぶ。

 だがなぜだ? 同じ斧でも、元はネイティブアメリカンの武器であったトマホークは、斧としては小柄であり、長柄の槍との複合で、武器としては大振りであるハルバートとは、別物。

 なのになぜ? 〝トマホーク〟なのか?

 

〝ゲッ○ァァァァァァーーーートマホゥッ!〟

 

 疑念が拭えぬ中、次なるビジョンが、より明確に押し寄せ、思わず手で汗の流れる額を抱えた。

 鏡でもない限り、当人が気づけるわけもないが、若干弦十郎の黄色い瞳は、@(ぐるり)としていた。

 明らかに、ヤバい宇宙線を受信してしまっている。

 

〝今の声と……ロボットは……なんだ………覚えはないと言うのに………俺は知っている?〟

 

 自分であって自分でない声と、その声の主が乗る巨神とも言うべき深紅のロボットのビジョンに戸惑いながらも。

 

「っ!」

 

 朱音のハルバートが、ノイズを一体、一刀両断した様を目にしたことで我に返り、この後すぐに彼女の援護に入り、雪音クリスの救助にあたった弦十郎であった。

 

 

 

 

 

 その2 – 翼編~スーパーヒーロー着地

 

 

 現状の天羽々斬のレベルでは、長期間飛行できないゆえに頭上を取られておくれを取らされていた翼の下に駆け付けた朱音は、大地を轟かせて派手にかつ見事な、前世の自分――ガメラの片鱗を覗かせる着地を見せた。

 

「ま、まさか……あれは……あれこそが……」

 

 間近で目の当たりにした翼は、なぜか鳩が豆鉄砲をくらったような顔になっていた。

 彼女の意識は、自身の過去の一頁を再生させる。

 

 

 

――――――――

 

 

 

 それは、天羽奏がご存命で、アーティスト活動の傍ら、二人で特異災害を戦っていた頃のことだ。

 ある日の、快晴日和な海岸に面した公園で、訓練の一環な走り込みの休憩中。

 

「なあ翼」

「何?」

「スーパーヒーローの誰もが好んでやる着地法のこと知ってるか?」

 

 汗を拭き取りながらこんなことを聞いてきた奏に、水筒に入っている清涼飲料水で水分補給する翼は、首を横に振る。

 

「私、その手の話、全然詳しくなくて、ごめんね奏」

「いいってさ、そんぐらいでしゅんとすんなって」

 

 そして奏は、大まかな説明を経て、実演に移す。

 

 しれっと10メートルほど跳び上がり、一回宙返りし、前かがみになって、右足は膝を、左足は足裏で、そして握り拳にした右手を打ちこむような体勢で着地した。

 

「か……かっこいい」

 

 かなり感性にビビッと来たのか、実際にお披露目した奏を、翼は偉く潤いの満ちてキラキラさせた眼で見ていた。

 

「見たか、これこそが――」

 

 

 

―――――――

 

 

 

「スーパーヒーロー着地(ランディング)ッ!」

 

 実は実際やってみると膝にかなり負担がかかって非常に悪いと言う評判もありながらも、ヒーローがやらずにはいられないヒーロー独自の着地法。

 誰が呼んだか名付けたか―――《スーパーヒーロー着地(ランディング)》。

 

「what?」

 

 対して朱音は、司令とはオタ友な仲なくらい映画マニアであったので、その言葉そのものも、その意味も知ってはいたが、戦場(このじょうきょう)にていきなり口走った翼を前にして、頭の横に?を浮かべながら首をかしげていた。

 

 勿論と言うか、ノイズらは空気を読んで手を出さずにいた。

 

 

 

 

 

 その3 – オペレーター編~カメラワーク

 

 これまたある日の特機二課本部、司令室にて。

 

「はい、あったかいものどうぞ」

「ありがと」

 

 モニターに映るある映像とにらめっこしていた友里に藤尭はコーヒーを差し入れた。

 

「何を見てるんですか?」

「この間の朱音ちゃんと翼さんの戦闘記録映像なんだけど………一部のドローンが変な撮り方をしたのが気になって」

「変な撮り方?」

 

 彼の口からオウム返しが出た直後、友里は問題の映像を最初から再生し直す。

 

 映されたのは、二重奏を歌いながら、ノイズの群れを相手に数の差を全くものともしない獅子奮迅の活躍をする朱音と翼、二人の勇姿。

 確かに、流れる映像は、カメラワークがおかしかった。

 

「何か……司令が好みそうなアクション映画っぽいですね」

「そうでしょう?」

 

 いや………おかしいと言うより、やたら凝っていた。

 

 まず、キレッキレな二人の動きに合わせて、カメラもやたら動きまくる上に、カットが割りまくる。

 二〇〇〇年代のアクション映画に流行った手持ちカメラと目まぐるしいカット割り風にそれはもう。

 ところどころ、リアルタイムでコマ数をいじったとしか思えないスローモーションが入ったり、攻撃がノイズにヒットした瞬間をアップで撮ったのと、受けたノイズが吹っ飛ばされ、切り裂かれ、消滅する瞬間をご丁寧に捉えたのも挟まれていた。

 おまけに――

 

「ちょっと藤尭君」

「な、なんすか?」

 

 ジードっとしたジト目で藤尭の名を呼んだ友里は、自分の鼻の下部分を指さして〝伸びているぞ〟と釘を刺す。

 

「これは失敬」

 

 苦笑して謝意を示す藤尭が、思春期真っ盛りの年頃な男子中学生みたいな顔つきになってしまうのは無理なかった。

 なぜなら、場面(カット)の中には、なぜか………ただでさえボディラインが際立つほど体にフィットしたスーツとアーマーを纏ってある意味で扇情的な格好をしていると言うのに、主に太ももを中心に、胸、お尻、二の腕、うなじと、鍛えられた若く瑞々しく均整の取れた二人の女体が、やたらなまめかしくセクシーなアップで、喩えるならグラビアアイドルを嬉々として撮るカメラマンなくらいにノリノリに撮られたのも多く混じっていたからである。

 

 勘の良い特撮好きな方々はもう見当がついただろう。

 

 一部のドローンたちが撮ったこの映像は、スタントマン出身で、日本の三大特撮ヒーローを制覇し、業界屈指の女性好きのスケベもとい健全男子の精神を忘れぬ某映画監督の撮り方にそっくりだった。

 

 どうしてこうなってしまったのか………真相は永遠(エターナル)に解き明かされることはなかったとさ。

 

 

 

 

 

 おまけ・装者たちの暇つぶし。

 

朱音「翼、このサングラスを被って、この台詞を言ってみて」

翼「急に何だ朱音? まあ朱音の頼みとあらば仕方あるまい、どれどれ――」

 

 言われた通り、朱音じから渡されたサングラスを掛け、同様に彼女から指示された台詞を、先輩時よりもさらに倍増しのドスの利いて気合も入った迫真の声音で口にした。

 

翼「『私は風鳴――風鳴翼、今より貴様に、地獄を見せる者だ』」

朱音「うん、やっぱりぴったりだ」

翼「何がッ!?」

 

 妙に感心して得心したリアクションを見せた朱音に、一転奏が存命していた頃と言うか、彼女にそっくり通り越して分身または生き写しの域な某アーティストが弄られた時のトーンでリアクション返しをした翼であった。

 何がどう〝ぴったり〟なのかは、各々のご想像にお任せさせてもらいたい。

 

おわり。

 




朱音「〝様子のおかしいのが揃ってるシンフォギア装者〟(インタビュー記事を読んでいる)、凄いなこの創造主は、放映前に名言を刻み込むなんて、となると何の疑問もなく初陣から歌いながら戦っていた私もおかしい部類に入るのか」

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