クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 ジェミナライズ 作:オービタル
では、どうぞ!
ラストリベルタスと邪神皇ドゥームの戦いから、6年・・・・・・今日はその戦いが終わった日を祝う特別な日、その日の名は「解放の日」とも呼ばれ、ノーマとアウラの民や全種族が地球に集まり、盛大に祝う事になる。しかもその日とシンとヒルダの子供、陽弥とルナの誕生日である。
そしてシンは部屋でパーティ用のスーツに着替えていた。
「おいシン!まだか?」
ドレス姿のヒルダがシンを呼ぶ。
「待ってくれ、このネクタイデリケートで結びにくいんだよ......!」
「アタシが結ぶから!ほらっ!リラックスして、」
シンはリラックスし、ヒルダがネクタイを結ぶとヒルダの胸が見えてシンが赤くなる。
「何?」
「いやっ、何も」
「出来た。」
「ありがとうヒルダ.....」
するとシンとヒルダが口付けをしようと唇を近づけるが陽弥とルナに邪魔される。
「「お父さ~ん!お母さ~ん!まだ?」」
「今行く!陽弥!ルナ!」
「続きはまた後でか.......」
「そうだね、」
シンとヒルダは部屋から出る直前、棚の上に置いてある写真の一覧、少年時代のシンと亡くなった父親のサムが一緒に写っている写真を見て微笑む。
「行ってくるよ......父さん.....」
階段を降りるとドレス姿のココとミランダ、着物姿のアリアが待っていた。
「ココ!ミランダ!そろそろ会場に行くぞ!」
「分かった!お兄ちゃん!」
「似合っているぞ、ココ、ミランダ.....」
「本当!?ありがとう!お兄ちゃん!」
ココは嬉しがっているがミランダは何故か顔を赤くしていた。
「どうしたんだ、ミランダ?」
「え!あ.....いえ、私たちこういうドレス着たことがないので.....」
「緊張してる....と?」
「ええ、」
「大丈夫よ」
「そうだよミランダ」
「うん!」
すると向こうから出迎え用のホバー式リムジンカーが待っていた。
「皆~!そろそろ行くよ~!」
「「はーい!お婆ちゃん!」」
「良し!陽弥!ルナ!行くぞ!」
シン達はリムジンカーに乗り、アウラの塔へ向かった。
そしてアウラの塔には連合、同盟国、共和国の種族の代表達が集まっていた。
「賑わっているなぁ.....」
「おーい!シン!」
突然の声にシンは振り向くとスーツとドレス姿のハンクとゾーラと四人の子供がいた。
「ん!....ハンク兵長!それとゾーラも!それと.....ネネちゃんとジョン君とヒロ君とシアちゃんも、」
「こんにちは.....」
「良い子だ....子育て大変でしょう?四人も、」
「まぁね、だろ?ゾーラ...」
「まっ、私は大変じゃないけど、むしろ幸せだよ、ダーリンとこの子達と一緒にいられるのがねぇ~」
「ハハハ、そっちも頑張ってる様ですね...さて、そろそろアウラの所に行きますか....」
「そうだな、」
シン達はハンクと一緒にアウラの塔へ向かった。
アウラの塔に着くとそこにドレス、スーツ姿のアンジュとタスクと二人の娘のソフィアちゃんがいた。
「アンジュにタスクにソフィアも・・・・」
「良く来たね、ヒルダも」
「当たり前だろ、ここの招待チケットを配付したのは誰?」
「まぁ、私だけど」
するとシンはタスクの顔に絆創膏が付けられている事に気付く。
「ん?タスク」
「何?」
「お前、その傷どうしたんだ?」
「え?!いや、これは......」
タスクが問うとしたときアンジュが代わりに問う。
「全く!タスクったら!また床の電話線に引っ掛かって、私の股に飛び込んできたのよ!一回だけなら許すのに!まただよ?!」
「ごめん!アンジュ!あれしょうがなかったんだ!?」
「うるさい!」
アンジュはタスクの頭に拳骨をした。
「あだっ!」
「ハハハ.....アンジュもタスクも元気そうで良かった......」
「シン殿....」
今度はリュウガ、スメラギ、カヤ、そしてサラマンディーネと一緒にサラマンディーネの裏に隠れる少年がいた。
「リュウガ!、久しぶりだな!.....髪伸びたなぁ!?」
「シン殿も.....立派な男になったなぁ」
「ハハッ、良く言われるよ.....」
「お久しぶりで御去る。シン殿」
「こんにちは、」
「スメラギさんにカヤちゃんも......サラマンディーネさんも......それとリョウマ君も」
「ほら、リョウマ.....御挨拶は?」
「初めまして!僕、リョウマです!」
「うん.......元気で良いなぁ....!」
「ほれ.....もうそろそろ、アウラ・ミド・ガルディアの演説が始まるぞ・・・・・・」
ホールのステージに大巫女アウラ・ミド・ガルディアが現れ、観客は盛大な拍手をした。
「皆様、本日はご来場、誠に感謝する。今宵は「解放の日」とも呼ばれ、6年前のラストリベルタスで偽りの調律者エンブリヲ、全てを滅ぼそうとした邪神の皇ドゥームに勝利した日でもある!皆の者!今宵は盛大に祝うのじゃ!」
大巫女の演説が終わるとシン達は皆のところに集まった。
「よう!シン!」
「ウィル!サリア!」
「久しぶりだな!」
「そっちも!元々、同じ種族だったから仲良くな!」
「そっちこそ!」
「順調か?俺が開発して送ったテラフォーミングマシーン『ユグドラシル』は?」
「ああ、お陰で惑星ヘルガーンの大気と環境も、ペトルサイトの炎が消えて、水と空気と緑に溢れる星になったから、息苦しかったガスマスクも付けなくて良いぜ!それとヘルガーンのど偉い方があんたに会って話したいそうだ」
「ど偉い方?」
すると、ウィルの後ろからヘルガストの御衛兵6人を連れた女性が現れた。
「こちらだ・・・・女帝ヘラ・ヴィサリ様.....初代ヘルガスト皇帝スカラー・ヴィサリの第一皇女様でもある。」
「初代!?貴女がどうして!?」
「ヘルガスト連盟帝国元偽帝ヴラド・タイランが......コールドスリープで幽閉させていたのです。しかし、ドゥームに騙され、ヴラド・タイランは仲間を死に追いやった大罪で処刑しました。安心してください。私達はもう貴方達を襲わないと約束しました。」
「そうですか......」
「では私はこれで.......それと」
「?」
「困った事があれば言いなさい.....直ぐに我々、新生ヘルガスト連盟帝国が駆け付けます。」
ヘラ・ヴィサリは無表情で別の場所へ移動した。
「ヘルガストにも良いやつがいたんだなぁ......」
「シンさ~ん!」
今度の声の主の正体はワイングラスを持ったフィーリだった。
「ん?お!フィーリ!」
「お久し振りです!」
「お前も久しぶり、って!冷たっ!」
シンとフィーリが握手をしようとした直後、シンは伸ばした手を引っ込めた。
「あ!ごめんなさい!故郷のフィリジス星に戻って久し振りの-5℃の気温を感じていましたので!多分、その気温と体温が合わさって-55℃の体温になっているのかもしれません。」
「早よ言え!!まだ冷てっ!あれ?て言うかお前の家族は?」
「向こうにおります。」
「そっか......パーティ楽しめよ」
「はい♪」
シンとヒルダは展望クラスで外の夜景を眺めいた。
「皆、元気で良かった~」
「そうだなぁ.....」
「それと......そろそろあの二人にもサプライズを......」
「そうだね......」
シンは展望クラスに陽弥とルナを呼んだ。
「陽弥!ルナ!ちょっと来て!」
「何、お父さん?」
「何なんだ?」
「ここでクイズです。今日は何の日でしょうか?」
「ん~.....解放の日じゃないの?」
「それもありだけど、今日は.....」
シンは陽弥とルナに袋に包んでいる箱を見せ、陽弥とルナに渡した。
「「これって?!」」
二人は渡された箱を開けると中に入っていたのは、陽弥は赤い宝石が付いたペンダントとルナには青い宝石が付いた指輪が入っており、シンが陽弥とルナに言う。
「今日は....陽弥とルナの6歳の誕生日だ。」
「僕はペンダント?」
「アタシは指輪?」
「「何で?」」
「それは......これから起こることからの備えだ。」
するとシンは向こうにいるジャヴィックに頷くとヒルダに言う。
「すまん、ヒルダ.....二人を見てくれ......」
「分かったわ。」
シンは陽弥とルナをヒルダに預け、ジャヴィックの所へ向かう。
シンは会場の外へ向かいジャヴィックと話した。
「渡しました。ジャヴィック提督.......」
「うん.....私が見た未来予知であの子達は運命を切り開く鍵になるだろう。そして12年後.......ある別の宇宙から姫君が来るだろ。」
「提督.....何なのですか?その姫君とは?」
「分からん、只.......私が見た未来予知は、我々全種族の存亡を掛けた戦いになるかもしれない。そのため.....双子達を来るべき者に備えて.....」
「強くすると......?」
「そうだ.......」
するとシンはジャヴィックに怒鳴った。
「あなたは正気ですか?!」
「...........」
「せっかくあの子達に平和の道を歩んでいると言うのに!戦争への道を歩ませるのですか!?」
「........じゃあ何なのだ?」
「え?」
「お前の息子がやらなくて、他の者に殺らせるつもりか?」
「それは..............クッ!」
シンは悔しがり、地面に膝を付き、拳を地面に叩きつけた。
「クソッ!」
「恨んでも良い.....だが......来るべき戦いは.......ドゥーム以上.......嫌!前回のラストリベルタスの戦況をよりも大きくなるかもしれない!」
ジャヴィックは不安な表情で夜空を見た。
そして・・・・・・別の宇宙で、ある低文明の惑星が機械生命体に侵略されていた。炎上する王国......沢山の人々が機械生命体に捕獲され、反抗するものは殺されて行く中......城壁の外の森に逃げ込む、男性と女性.....そして少女......
「ハァ!ハァ!ハァ!」
その時、機械生命体の追手が木を抜き取り、逃げている三人に向けて投げつけた。、女性は落下している木を見て、少女を押し出し、庇った。少女は起き上がると直ぐに木の下敷きになりかけている男性と女性を助け出そうと木を持とうとした直後、女性が言う。
「逃げなさい!エミリア!」
「御父様!御母様!」
「貴女は!私たちの希望でもあります!」
「だからエミリア!お父さんとお母さんを恨んでも良い!生きるんだ!」
その時、巨体な足で動いている機械生命体が三人をターゲットに入れる。それを見た少女は怯える。
「ヒッ!?御父様!.....御母様!........早く!」
「早く行くのだ!!」
「・・・・・・(コクリ)」
少女は涙目で唇を噛み締め、男性の言うことに従い、逃げた。
「『見ツケタ・・・・・目標確認・・・・・捕獲スル!』」
機械生命体は二人を捕らえ、真っ直ぐ少女を追いかけた。
少女は必死に逃げると目の前は弾丸絶壁....少女は引き返そうとしたとき森林から機械生命体が現れた。逃げ道を無くした少女はその場で腰が抜けてしまい動けない状態になっていた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~!!!!!!」
少女が叫んだ直後、崖の下から白銀に輝く宇宙船が現れ、機械生命体と少女は驚いた。
「『!?』」
「何?!」
すると白銀に輝く宇宙船は少女を球体の中に入れ、宇宙船の中に入れた。それを見ていた機械生命体は白銀に輝く宇宙船に向けて、ビームキャノンを撃つが弾かれ、白銀の宇宙船はそのまま、空へ向かった。
そして惑星軌道上に滞在している要塞の内部で白銀に輝く宇宙船が宇宙を出て行く映像を見ていた人物がいた。
「『逃ゲラレタ・・・・・?』」
「『ハイ・・・・逃走場所ハ恐ラク・・・・太陽系第三惑星トゥルーアースヘト・・・・・・』」
「『ソウカ・・・・・・何トシテデモ・・・・アノ御方ノ元マデドウコウシナケレバナラナイ・・・・・・追撃部隊ヲ送レ!』」
「『ハッ!!』」
兵は急いで追撃部隊を送り、上官らしき人物は黙り込んだ。
「『・・・・・・・』」