クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 ジェミナライズ 作:オービタル
これはnewエピソードに繋がる話にもなります。
暖かい目でご覧になってください。
救難信号
ドゥームの戦いが終わり、シンとヒルダは育児生活をしていた。母親アリアは軍の中でも優秀な提督に昇進した事により、シン達はアリアの大豪邸で住むことになった。そして時は流れて4年後.......大豪邸の廊下でヒルダは走り回っている陽弥とルナを追いかけていた。
「コラッ!陽弥!ルナ!待ちなさい!」
「「キャハハハハハ!!」」
「アイツら!やっぱり速すぎる!」
陽弥とルナは、はしゃぎながら豪邸の廊下を走っていおり、ヒルダでも中々追い付けないスピードであった。すると別のドアが開き、中からシンが現れた。
「何だ?うるさいなぁ、」
「シン!そいつら捕まえて!」
シンはこちらに走ってくる陽弥とルナを見て通せんぼのポーズをすると陽弥とルナがシンに抱きついてきた。
「コラコラ!」
「「パパ~♪」」
シンは陽弥とルナの頭を撫で、ヒルダの所に行き陽弥とルナを降ろし、状況をヒルダに問う。
「何が起こったんだ?」
「陽弥とルナ...お義母さんの家が広いからって遊びまくりなんだよ....お義母さんの家だからって探検ごっこしたり、かくれんぼしたりして、メイドの邪魔になってるんだよ!」
「アハハハハ....無理もないよ、ここ無駄に広いから」
「もう!」
ヒルダが頬を膨らますとシンのデバイスから通信音が鳴る。
「はい、こちらシン..........分かった直ぐに行く....」
「どうしたの?」
「アンジュが緊急命令だって....残念な事にエルシャとカズは幼稚園の都合で来れないって......バンロザリー...サイとクリスも任務中で無理って.....」
「それより、緊急命令って?」
「大破した世界で連合のブラボー中隊との連絡が4時間前に途絶えたんだ。」
「何があったんだ?」
「分からん....だけど嫌な予感がするんだ.....」
するとヒルダは陽弥とルナを抱き抱える。
「また.....あの世界に行くの?」
「.....心配するな、必ず帰ってくる!」
「いってらっしゃい......シン.....」
「ああ、行ってくる」
「「いってらっしゃい!パパ!」」
シンとヒルダは口付けをしてコードアースへと向かっていった。
シンはタスクと共にΝーアキュラでコードアースへ向かい、森林の中でΝーアキュラをステルスモードに切り換え、着陸した。シンとタスクはコードアースの大地を再び踏み込んだ。
「また.........この地球に来てしまったなぁ.......」
「ああ、急ごう!」
シンとタスクは互いのARSスーツを装着し、ミスルギ皇国
の廃墟へと向かった。
「タスク、ブラボー中隊のビーコンは特定できたか?」
「今、座標を縮小中........場所は........!」
「場所は?」
するとタスクがビーコンの座す方向を見た。シンもタスクが見ている方向を見ると、そこは何と大破したアケノミハシラだった。
「アケノミハシラからだ.......!?」
「アケノミハシラ!?何かの間違いじゃ?!」
「だけど!確かにブラボー中隊のビーコンがアケノミハシラから座しているんだ!」
「どうなってるんだ......?とにかくアケノミハシラへ向かおう!」
「分かった!」
シンとタスクは直ぐ様、アケノミハシラへと向かい、大穴がある場所にいた。
「この中からだ.......」
シンとタスクはビーコンが大穴から出ていると分かり、ジェットパックで降下した。
最下層へ着陸すると確かに連合の中型艇の残骸があり、連合のブラボー中隊が倒れていた。
「いた!」
シンとタスクは倒れている。ブラボー中隊の隊員に近づき、揺すった。
「しっかりしろ!」
シンが大声を出しても返事はなく、シンは隊員の首を指で触れた。
「脈動が停止している!」
「こっちもだ!」
タスクも報告すると、シンは疑問に思う。
「何があったんだ!?.....ここで..........、ん?」
するとシンは何かに気付く。
「これは!」
倒れている隊員の手元にデータデバイスらしき端末が落ちていた。
「シン!何か見つけたの?」
タスクがシンの所に駆けつける。
「ブラボー中隊の隊長キャプテン・α・エグゼクターが残した.......レポートだ。これをアンジュの方に送信してくれ!」
「分かった」
早速タスクはアンジュの所に通信をする。
『分かったわ、タスク......無茶だけはしないでよ』
「ああ!」
タスクは通信を終えた直後、シンが大声で呼ぶ。
「タスク!」
「どうした!?」
「これ.....!?」
「!!」
それは何と小型のリーパーの死体があちらこちらに転がっており、
「「リーパー!?」」
「多分、リィボラが破壊される前に脱出して、さ迷っている所をブラボー中隊に発見されて、逃げて来たんだろう......だけど」
「だけど?.....何?」
「変わった死にかたなんだ.....見ろ」
シンの指差す方向を見ると小型リーパーの胸に青白く輝く苔が穴がある胸から出ていた。
「これって........フェイゾン粒子!?」
「そうなんだ.....フェイゾン粒子は普通俺らARSを着た者しか発動できない粒子なんだ......だけどこれは......膨大な量のフェイゾンなんだ......!」
「つまり?」
「ああ、間違いなく.....これは.....フェイゾン貯蔵タンク無しで.....しかも....」
シンがフェイゾンに触れるとかすかだが、フェイゾンが動いた。
「このフェイゾンは天然なんだ....さらに言うとこのフェイゾンは自ら生成出来るフェイゾンなんだ...」
「自ら生成出来るフェイゾン......?!」
「考えられないんだ......意思を持つフェイゾンがブラボー中隊やリーパーの残党を蹴散らすなんて.....」
すると二人の通信機からアラームが鳴る。
「どうしたたんだアンジュ?」
「タスク!大変よ!エグゼクターのファイナルレポートをヒカリとパメラとヒカルに解読した結果!跳んでもない物が映っていたの!」
「「え?!」」
アンジュが言うには、ファイナルレポートの中身は一つの映像らしくその内容は、大破したコードアースの軌道上でパトロールしている最中、煙を上げているリーパーの残党兵のアルマダ級の小型艦と遭遇し、戦闘が開始された。戦闘後、リーパー残党兵の小型艦が大破し、コードアースに墜落、ブラボー中隊は殲滅の手段に出て、リーパーが墜落したと思われるアケノミハシラの最下層へ追跡した。しかし、そこにいたのは.......黒く青白い発光をしたARSスーツを着た人物とリーパー残党兵の死体が転がっていた。我々は彼との接触を試みようした直後、その人物がフェイゾン粒子へと変貌し、隊員に寄生した。寄生した隊員に攻撃を許可した直後、寄生された隊員が突然我々に襲いかかり、我々ブラボー中隊に攻撃してきた。結果、ブラボー中隊は全滅し、黒く青白い発光をした人物は飛び去っていった。エグゼクターは死ぬ直前にこのファイナルレポートを映像記録として、4時間前に連合や共和国に送信していたと......
「何だあれは......?!」
『さらに映像にはあのシンと同じARSスーツを着た人物が映っていたの!』
「見せてくれ......」
シンが言うと黒く青白く発光するシンと同じARSスーツを装着した人物が映っており腕のアームキャノンからフェイゾン粒子ビームを撃っていた。
「.......俺!?!?」
「まるで.....闇のシンだ......ダーク・シンだ.....」
「俺を闇化するなタスク!」
「ゴッ!ゴメン!」
「でも.....確かにそれは言えるな......もう一人の俺.....ダーク・シンか..........悪くないなぁ」
「え?」
「どっからでも来い!ダーク・シン!俺の似たような姿で悪さしやがって!会ったときは絶対に倒してやるからな!」
「シン!それ彼に喧嘩売っているような感じだよ!?」
「悪い....?」
「え!?」
「それに.......まだいるんだろ.......?」
するとシンはタスクにビームアサルトライフルを向ける。
「え?」
「何で連合の部隊も殺した?.........お前は一体誰だ?」
「ちょっとシン!一体何を!?」
「いい加減、タスクに付きまとうのを止めろ!」
「え!?.......まさか.......?!」
「タスクから離れろ!!」
「はっ!」
タスクが後ろを見ると黒く青白く発光したダーク・シンがいた。
「ダーク・シン!」
するとダーク・シンが話しかけてきた。
「.......my......name.....i......is......s........da......rk.......dar.......k.......sin......? 」
「何故、連合の部隊も殺した.....!?」
「...........my.......kill.....?......」
「........you....are .....kill..........」
「仕方ない!全力で倒す!タスク!お前はΝーアキュラに戻ってろ!」
「え!でも.......」
「早く行け!!」
「..........分かった!」
タスクはジェットパックを展開し、アケノミハシラから脱出した。するとダーク・シンが脱出しようとしているタスクにアームキャノンを向けた直後、シンがビームアサルトライフルでアームキャノン目掛けて射ち、アームキャノンに直撃し、方向をそらした。
「さぁて、俺とお前だけだ!存分に戦おうじゃないか!」
「........my..........you.....fight........」
ダーク・シンはアームキャノンをシンに向け、シンもビームアサルトライフルをダーク・シンに向けた。
「行くぞ!」
お互いはビームを乱射し、爆発が起こり、煙が晴れるとシンとダーク・シンが突撃し、走りながら、鏡のように両者は同じ動きで戦っていた。
「コイツッ!俺と同じ動きで!.......こうなったら......マテリアライズ!ビームセイバー!!」
シンの手のひらから二本のビームの刀が現れ、ダーク・シンに斬り付けた。
「さらに!モードチェンジ!デュポン・モード!」
シンのアーマーが赤黒く変色し、2倍速くなった。
「こんなときのために........制御出来るように改良しとって正解だった!.........ハイパーオーグメントモード発動!!」
ショルダーに装備されているPEDシステムを発動させ、3倍の速さになり、ビームセイバーを振り回した。
「おんどりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
ダーク・シンが退けぞった直後、シンが渾身の一撃でダーク・シンを蹴り上げ、アケノミハシラの外へ飛ばした。
「Wha....t........!?」
アケノミハシラの外へ飛ばされたダーク・シンは体制を整えたその時、物凄い速さでシンがダーク・シンの後ろに回り込み、ダーク・シンは後ろに回ったシンを見た。するとシンは手に持っていた閃光玉をダーク・シンの目に向けて投げつけた。
「フラッシュバン!!」
眩い閃光がダーク・シンの目を焼き付けた。
「eye.......!!」
ダーク・シンが怯んでいる隙にシンは踵落としをした。
「くたばれっ!!糞がっ!!」
シンの踵がダーク・シンの頭部に直撃し、地面へ叩き落とされた。
「マテリアライズ!ビームガトリング!アークキャノン!グレネードランチャー!ミサイルランチャー!タイフーンマシンガン!ENPグレネード!」
シンの背部からビームガトリングとアークキャノンが現れ、ビームアサルトライフルにグレネードランチャーを装備し、左手にENPグレネード装備のタイフーンマシンガンを持ち、ミサイルランチャーは脚に装着され、フル装備で地面に叩き落とされたダーク・シンに向けて一斉射撃をした。
「ウオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ~~~~~~~~!!!!!!!!マテリアライズ!!!プラズマダイバーミサイル!!」
シンは装備を全て外し、手からロケットバズーカらしき重兵器が現れ、パラメイルの腕くらいある高さのミサイルを装填し、ダーク・シンにロックオンした。
「これで終わりだ!!」
シンがプラズマダイバーミサイルのトリガーを引くとプラズマダイバーミサイルが発射され、ダーク・シンに直撃した瞬間、とてつもない爆音と爆風が起こり、キノコ雲が出来た。
シンは疲れきった体で降下した。既にデュポンモードは解除されており、息切れが激しくなっていた。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ...........これで終わりか.......?」
すると煙が晴れると中から無傷のダーク・シンが現れ、シンは驚きを隠せなかった。
「!!!!!!!!..........ちょっと待てっ!........今の本気だったのに......何もなかったかの様に......ピンピンしてやがる.......もうダメ.....スタミナが.......」
シンは疲れきった体で倒れてしまった。
「You.......strong.......」
ダーク・シンはアームキャノンをシンに向けた直後、上空からΝーアキュラが飛来し、急いでトラクタービームでシンを回収した。
「!?」
タスクはΝーアキュラの出力を最大に上げ、急いでトゥルーエデンへ帰還した。
そしてダーク・シンはコードアースから去っていくΝーアキュラを見ながら独り言を言う。
「シ.....ン.......you....ワスレ......ナイ.......ソノ.....カオ......ソノ......ツヨサ......イツカ.........コロス......イツカ...........」
ダーク・シンはそれを言うとコードアースから飛び去っていった。
タスクに回収されたシンはトゥルーエデンに帰還し、後で愛する妻.....ヒルダに怒られまくられた事になった。
どうでしたかな?
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