クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 ジェミナライズ 作:オービタル
コマンダーパイレーツとシンの戦闘は激しく他のパイレーツをも巻き込んでいた。
ビームの刃が激しくぶつかり合いその反動で衝撃波が来て、機械や対空兵器が破壊されていった。
「中々、やるなぁ」
「お前こそ....」
二人は表情は何故か笑顔だった。
「何だろうかなぁ......」
「こんなに楽しい戦いをしたのは」
「「始めてだ」」
二人の意見が同じになると一端、二人は一歩引いた。
「そう言えばお前には聞きたいことがある......」
「何だ.....?」
「何故、アルベルト様を倒そうとしているのだ?」
「......前世の.....兄貴だから......」
「兄貴.......か.........フフフフ」
「おかしい.....?」
「いや、面白い事を言うんだなっと.....」
「別に......」
そして戦闘が再開されコマンダーパイレーツがビームソードを渾身で振り上げ、シンをパイレーツの司令タワーへ吹き飛ばした。
シンは司令タワーの最上階に飛ばされて深手をおった時、巨大な容器の中に白と黒の大剣が飾られていた。
「あれが.....ディメンジョン・ヴァルキュリアか......」
すると割れた窓からコマンダーパイレーツが現れた。
シンはビームセイバーを構えたが、コマンダーパイレーツがビームソードを収納した。
「止めた」
「!?」
「お前は面白い奴だから.....生かしてやる。」
「へ~....あんた意外と紳士なんだな.....」
「フフフフ.....我はこれまでの戦いでつまらなさを感じていたが、お前と出会えて気が変わった。ディメンジョン・ヴァルキュリアは持っていけ!」
「.......」
「大丈夫だ。罠なんて仕掛けていない。」
「そうか.....ペルシウス!」
「じゃあな!」
シンはディメンジョン・ヴァルキュリアをΝーアキュラに乗せるとペルシウスと共にウルトラガスを去った。
「さてと.....反抗作戦を開始するか.....」
コマンダーパイレーツが謎の微笑みと共に何かの作戦を開始しようとしていた。
惑星ウルトラガスを離れ、次の三種の神器「ゾディアック・ミラージュ」を手に入れる為に緑の惑星レゾナンスへと向かった。
「惑星レゾナンスとはどんな星だ?」
「森に満ちた惑星です。そこにはレゾナンス人が住んでおり、魔法を使用して生活をしております。文明レベルはローク人と同じで低く、レゾナンス人はいわゆるマスターの妹様の想像した架空種族『エルフ』と『ダークエルフ』『ハイエルフ』の3つの種族に別れています。」
「魔法にエルフかぁ.....ココがいたら大喜びだろうなぁ.....」
「そうですね」
「この戦いが終わったら連れていこうかな」
「間もなく到着いたします。」
次元を抜けると確かに緑の惑星だったが一つの大陸にポツンとドーム型の機械が見えた
「あれ......!?レゾナンスって.....あんな所にドーム?フェンリル...本当にレゾナンスか?」
「分かりません。只、分かることと言えば、現在レゾナンスは機械生命体に支配されております。」
「機械生命体.....?」
「えぇ」
その時、警告音がブリッジに流れた。
「どうやら警告を出してきたようです。」
すると今度は聞いたことのない音声が流れた
「何て言っている?」
「『ここは我々、アジマス連邦の殖民地である。警告だ惑星圏内に突入することは禁ずる!と......』」
「要するに入ってくるなと.....なるほど、そうか....彼らにこう伝えてくれ.......線を越えましたと!!」
シンはΝーアキュラの出力を最大にしてレゾナンスへ向かった直後惑星から無数のレーザーが飛んできた。
「おっ!早速、対空兵器が起動したか!だが!」
シンはΝーアキュラに装備されているペトルサイト粒子兵器『アークキャノン』を撃つとレーザーキャノンが蒸発し横のレーザーキャノンにも次々に感電し蒸発していった。
「俺を怒らせたら......こうなるぞと言っとけ.....それと三種の神器とこちらに渡し、レゾナンス人を解放せよ!さもなければお前ら機械生命体をアークキャノンとハドロンエンフォーサーとペルシウス・オーバーライズで皆殺しにするぞと.......」
その頃、アジマス連邦司令塔ではΣ司令官がレゾナンス人の奴隷をしておりレゾナンスを支配していた。そして今、司令塔の端末から通信がきて内容をみたアジマス連邦兵が報告する。
「っといっています!!」
「ふざけるな!!有機生命体の癖に舐めやがって!後悔させてやる!!我らアジマス連邦の力を思い知ることになるだろう!」
そしてΣはシンの要求を否定した。
「マスター、アジマス連邦の司令官 Σ(シグマ)と言う機械生命体がこちらの警告を否定しました。」
「あっ!.....そっ!」
シンはさらにアークキャノンを30%の威力で発射した。
アークキャノンが大きな建物に直撃すると緑の粒子が放出し、動く機械生命体が爆散していき連邦の被害は相当な大ダメージであった。
「Σ司令!また敵からの通信です!」
「また敵からのだと!」
「モニターに出します!」
アジマス連邦兵がモニター画面を出すとヘルメットを被ったシンが映った。
「ほぉ、お前がΣ司令官か.....結構なごついアーマーしてるなぁ.....」
「愚い!有機生命体の分際で!お前もレゾナンス人のような実験用のマウスみたいにしてやる!」
「なら....仕方がない!」
シンは通信を切ると速行でペルシウスに乗り込み出撃するとペルシウスの肩部と翼が露出展開した。
「これは使いたくなかったが!」
直ぐにチャージが始まり、シンは叫んだ。
「地獄に堕ちれ!」
ペルシウスの肩部と翼からハイパーディスコードフェイザーを放ち、アジマス連邦の司令塔に直撃した。
「何だ!?ああああああああああ~~~~~~!!!!!!!!」
司令塔が破壊した直後、奴隷を監視していた兵や対空防御体勢をしていた兵が脱力したように倒れ始めた。
「どうだ....」
そしてシンは焼け落ちた基地へと行き地下へ向かい廊下に並ぶ扉を開けまくった。
するとエルフやダークエルフ、ハイエルフがシンの周りに集まりお辞儀していった。
「ありがとうございます!神様~!!」
「神様~!」
「神様だ!」
「分かった!分かったから!」
「マスター!惑星レゾナンス圏外に複数のアジマス連邦艦隊がこちらに飛来したのを確認しました!」
「あの野郎....死ぬ直前に本部に連絡したな....まぁ良い!三種の神器の一つディメンジョン・ヴァルキュリアの威力を試す時とちょっとだけ.....ウォーミングアップにはちょうど良い!ゾディアック・ミラージュはその後だ!」
シンはペルシウスに乗り込みアジマス連邦艦隊へ向かった。
そしてアジマス連邦艦隊を指揮しているΩ(オメガ)は大気圏外で待機していたところ、アジマス連邦兵が報告してくる。
「Ω艦長!」
「どうした?」
「大気圏内から未知の機械、有機生命体反応がこちらに向かっております!」
「何!?何機だ.....!?」
「それが一機です!」
「一機だと!?」
「敵機!来ます!」
モニターにペルシウスが映り、Ω艦長は全艦隊に迎撃するように命令し、巡洋艦から粒子砲が飛んできた。
しかし、ペルシウスをハイパーオーグメントモードを使っているため粒子砲の弾道をかわし、ペルシウスはディメンジョン・ヴァルキュリアをソードモードに変形させ、巡洋艦の装甲にプラズマダガーを差し込みディメンジョン・ヴァルキュリアを突き刺し、切り裂きながら走り出した。
「うぉぉぉぉぉぉぉーーーーっ!!!!」
ペルシウスはディメンジョン・ヴァルキュリアを切り上げると切り裂いた装甲から爆炎が上がり巡洋艦は爆発した。
その光景を見ていたΩ艦長は驚いていた。
「バカなっ!?有機生命体をゴミのように扱い、これからの支配は我ら機械生命体のはずが.......!たった一匹の有機生命体に殺られるだと!?」
そしてシンは三種の神器『ペガシオーネス』を呼ぶ
「ペガシオーネス!!」
次元からやって来たペガシオーネスが変形し左右のウィングからライトソードビットとダークビットレーザーを展開し残りの艦隊に攻撃した。アジマス連邦艦隊が撃沈していきΩ艦長は疑問に思っていた。
「バカなっ!!?これだけの艦隊を......こんなに!?」
「艦隊!敵機から通信が来ています!」
すると艦橋のモニターにシンが映った。
「お前は.....何者だ!?」
「俺か?.....俺は.....只のヴェクタ人だが?」
「ヴェ!!ヴェクタ人だと!!!!????」
「そして.....今、お前らの艦に通信を入れたのはお前ら組織に.....メッセージを伝えに来たのだ!.......このレゾナンスは.....今日から俺の縄張りにする!もし文明レベルが低い惑星に武力行使での侵略や奴隷をしてみろ!?.......お前らの故郷に向かって収斂時空砲をぶっぱなすぞ!!!!」
するともう一隻の巡洋艦がペルシウスにターゲットするとペルシウスはそれに気づきディメンジョン・ヴァルキュリアをソードからライフルモードに変え、高出力アークビームを撃ち、巡洋艦は爆発した。
そしてアジマス連邦艦隊が尻尾を巻くように撤退した。
シンはペルシウスが持っているディメンジョン・ヴァルキュリアのメーターを見るとアークビームの威力が5.2%しか出していなかったのを本人は驚きを隠せなく、唖然していた。
「え........!?」
そのあとシンはレゾナンスに戻ると何人者のエルフやダークエルフ、ハイエルフに胴上げされていた。
「分かった!分かったよ!」
すると老婆のエルフがシンに近づいた。
「おお~!勇敢なる若者よ!我らを救って頂いたことを感謝しております~!」
「良いよ!お互い生きる者として当然の事をしたまでよ.....それよりお婆さん....」
「何でしょう.....若者よ?」
「助けたんだし手ぶらで持って帰る訳もないし.....ここに三種の神器の一つ『ゾディアック・ミラージュ』って言うのはないかなぁ......?」
「ありますとも!若者がヴェクタなら神様にお返しします~!」
「ありがとうございます!」
シンはエルフの老婆に連れられ大樹木に覆われている遺跡の中に入った。
中に入るとパラメイルが持つシールドでそれは月光のように美しく水面に月が写るような鏡であった。
「これが....ゾディアック・ミラージュ.....」
シンはゾディアック・ミラージュに近づき触れると何かが見えた。
「!?」
それは.....ミスルギ皇国であった。
「ミスルギ皇国......?」
その時、アンジュのヴィルキスとヒルダ達、サラマンディーネがラグナメイルクレオパトラ、レイジア、テオドーラ、百鬼、百魂、百霊、百妖、ヘカトンケイムに襲われていた。
「これは.....!?」
さらにミスルギ皇国が謎の磁気嵐に巻き込まれ人々の体の一部が石の中に埋まり全てを破壊していった。
「ひょっとしてこれ.....今から起こることを見せているのか.....?」
そして最後に破壊されてシャフトが見えているアケノミハシラから赤黒い触手が生えていき、大樹へと育ち、さらに実が生えその中から沢山のリーパーが生まれていき、ヘルガストやスペースパイレーツ、ミスルギ皇国の民の血を啜っており、最後に赤黒い巨星がミスルギ皇国の上空に飛来し、そこから禍々しい巨体と赤黒い翼、悪魔のような表情でミスルギ皇国どごろか偽りの地球を覆った。
そしていつのまにかあの光景が終わっており、シンは目を覚ました。
「何だ今のは!?」
「邪神じゃ.......!!!!」
「え......!?」
「かつて兄妹の神によって封印された邪神が甦ろうとしている!!あ~!なんと言うことだ!!!!」
「婆さん!今の見えたのか!?」
「あれはかつて二人の兄妹の神によって封印された邪神.....ドゥーム」
「ドゥーム『ロークでナンシーが言っていたことはこれの事だったんだ......』.........」
「邪神はあらゆる世界と別の世界を喰らおうとしたが五つの使徒と兄妹の神によって封印されたのだが......」
「今のでいつか.....甦ると.....?」
「そうじゃ.....ああ~!なんと言うことだ!」
「邪神.....ドゥーム.....ちょっと待て.....!」
シンは今まである言葉を思い出す。
『最後の晩餐.....前世の記憶.....』
「そう言うことだったんだ!」
「アルベルト.....兄さんは.....本当は優しい兄だった!でも変わった!何かに取りつかれてるみたいに!つまり.....今、アルベルトとして名乗っているのは.....」
シンは上にある壁画を見て言う。
「邪神ドゥーム!!!!邪神の皇と呼ばれた滅びの神!!あんたは俺らの世界と全宇宙を喰らうつもりだな!..........そうはさせんぞ!!!」
「若者よ行くのか!?」
「ああ!俺らの世界に戻って......邪神を倒す!!」
シンはゾディアック・ミラージュをΝーアキュラに乗せると直ぐに進路を偽りの地球へと設定した。
「マスター....もしかするとヘルガスト人は.....?」
「ああ!アルベルト...いや!ドゥームに騙されてるだろう」
シンはΝーアキュラでワープしようとした直前、謎の橙と翠の二つの光がΝーアキュラを包み込んだ。
「何だ!?」
シンは目を覚ますとそこは真っ白の空間にいた。
「ここは......!?」
「お久しぶりですね......」
「誰!?」
突然、どこからか女性の声に反応しシンは警戒体勢をした。
「怪しい者ではありません.....」
するとシンの後ろから月のように美しい女性が現れた。
「あんたは.....?」
「私はセレーネ........月の女神です♪貴方をこの世界に転生させた者です♪」
「え....セレーネ......はっ!セレーネ様!!?」
「ええ♪」
「え!?でもセレーネ様が何でここにいらっしゃるのですか!!??」
「はい♪今回は兄様が貴方と話したいそうなのでこの空間に連れてきました。」
「セレーネ!いい加減にしろ......!」
「あら、ご免なさい.....兄様♪」
すると上から灼熱の炎を纏った男性が舞い降りた。
「始めましてシン君......」
「始めまして」
「我はこの陽気な妹....セレーネの兄である太陽神.....ヘリオスだ」
「はい.....」
「それはさておき....君に贈り物を三つあげようと来たのだ。」
「え!?贈り物とは.....?」
「これだ......!」
するとヘリオスとセレーネが橙と翠の光へと変わり上へ舞い上がった。
「......え?」
その時、橙と翠の光が真っ直ぐシンの眼に直撃した。
「ギャーーーー!!??」
あまりの苦痛にシンは悲鳴を上げ、ようやく眼の痛みがはれると何も変わった様子はなかった。
「何なんだよ.....!」
「ご免なさい♪今、あなたの細胞をちょっと改造したのです♪」
「細胞を改造!?なんの為に!?」
「邪神とリーパーを倒す力へと変えたのだ....」
「邪神とリーパーを!?」
「奴等は無限に再生できる細胞を持つ....ならその逆だ!その細胞を破壊できる遺伝子なら奴等と対等に戦える!その証拠に....鏡を見てみろ!」
シンは落ちている鏡を持ち顔を見ると瞳の色が段々と色が変わっていき茶色だった瞳が黄色へと変わった。
「変わった.....」
「さらに....」
その時、ペルシウスがシンの目の前に現れた。
「ペルシウス!?」
するとペルシウスの色が赤と橙に変わり次に青と翠の色へ変わった
「これは.....!?」
「私たちの力が宿ったペルシウスです。兄様のヘリオスモード、私のセレーネモード、そして.....」
最後にペルシウスの装甲が虹色へと変わり頭部のフェイクが変形し人の顔へと変わった
「人の顔になった!?」
「ウフフ♪シン....」
「シンよ....」
ヘリオスとセレーネはお互いにシンの名を呼んだ
「はい!?」
「我々の変わりに邪神を葬ってくれ.....」
「.......分かりました!!」
シンは胸を張って大声で言った。
「「この者に太陽と月に光あれ!!」」
そう言いヘリオスとセレーネは消えた。
シンはようやくブリッジで目を覚ました
「!?」
フェンリルが必死にシンを呼んでいた。
「マスター!大丈夫ですか!?」
「......大丈夫!......大丈夫......」
「本当にですか......?」
「大丈夫だって!」
シンはΝーアキュラの進路を偽りの地球に変更させワープした。
「待ってろ!ヒルダ!!.....皆!!」