クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 ジェミナライズ 作:オービタル
フェンリルが放った衝撃の言葉にシンはただ、呆然とするしかなかった
「本当なのか......?」
「はい.....残念ですが私たちは.....戻れる手段がありません」
シンは何も言えない状態になり赤く輝く海を眺めた
「そんな.......皆が.....母さん......ココ.....ミランダ.....ヒルダ......」
シンの目から大粒の涙が溢れその場で泣き崩れた。
「俺があの時.....アルベルトの話を無視していれば....こんな事には.....」
するとシンの所にクロウが来てシンを慰める。
「話は....イレーネから聞いた....俺と同じ....別の宇宙から来たって.....」
「......」
「俺と同じだ」
「え?」
「俺もお前と同じ別の宇宙から来た人間なんだ....」
「......」
「その時は悲しんだよ....死んだ仲間達のためにバロックダークと言う闇の天体に俺のスペースシップ アキュラと共に特攻したんだ....」
「クロウが.....?」
「ああ、これで仲間達の所に行けると思ったが....」
するとイレーネが言う
「この世界に飛ばされ助けてそして私と結ばれた......命は大切にしないと死んだ仲間の思いが無駄になる。お前は今.....生きることから逃げている。」
「けど.....」
「けど、ではない!」
「!?」
「今、お前が生きてなかったら....大切な人は.....一体誰が守るんだ?」
「はっ!」
シンは今までの事を振り替える。俺を守るために死んだ父親やエレナさんや俺を信頼している人達が....俺の帰りを待っていることに
そしてシンはペルシウスを見る。
「そう言えば....こいつにも守られていたなぁ......ありがとう...ペルシウス.....俺ってバカだな、何弱気になってるだろう.....」
「決心したか?」
「ああ.....何としてでも俺は元の世界に戻って皆を助けに行きたい!」
「それがお前の答えか.....フフフ....この若造は実に面白い...数ヵ月前に来た若者に似ている。」
するとイレーネが目でクロウにヂェスチャーする
「シンお前に頼みがある。ある任務を受けてくれないか?」
「任務?」
「そうだ。その任務はたぶんお前の次元の物かもしれないんだ。」
「何だって!」
「この港から西の方面にある砂漠があるんだ。先日そこから見たことのない遺跡が発掘されたんだ。パージ神殿とことなるがあれは間違いなく俺たちの知る技術ではなく」
「俺のいた次元の技術.....」
「そうだ....確証は分からんがその証拠に.....」
クロウが取り出したのは何かのIDカードでありシンはそれを見た時、思わぬマークがあった。
「これは!」
それはシンの種族 ヴェクタのマークであった。
「ヴェクタ!」
「「ヴェクタ!?」」
「え?知らないの?」
「ヴェクタ.....そんなものは俺たちの宇宙には存在しない」
「存在しない!?つまり」
「思い当たりは....お前の種族が建造したと考えられる」
「.....あの遺跡の最深部に.....ヴェクタ人の遺産が......!?」
「俺たちはそれしか考えられない.....どうかな?」
シンは深く考えたが.....
「.....行く!ヴェクタの遺跡に」
「なら準備をしておくのだ!」
「わかりました!フェンリル!」
「了解しました。」
シンは早速、遺跡調査の準備に取りかかった。
今回は短文にしました。