クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 ジェミナライズ 作:オービタル
アルベルトが消えた後、タスクはリュウガの兄、スメラギに話があると同盟国軍の基地に向かい中に入るとスメラギとリュウガがいた。
「リュウガにスメラギさん?」
「よく来たなタスク.....」
「スメラギさん話と言うのは?」
「その事だ...まず君のDNAを採取し調べる。」
「え?」
すると機械の体である種族、ゲスがきてタスクの腕を掴み注射器を腕に射し血を抜き取り直ぐに研究所へ持っていった。
「しばらく、お茶を飲んで待っておこう。」
スメラギとリュウガとタスクは茶の間でお茶を飲んで待つこと20分後・・・・・・DNA鑑定が終わりあることが分かりタスクは驚いた。
「俺、古の民じゃないの!?」
「4分の1(quarter)ね......」
「4分の1(quarter).....?」
「君のDNAを調べた結果、微かだが、古の民とノーマ、そして.....ムーアの血が流れていたのだ。」
「ムーア.....」
タスクはアルベルトが言った事を思い出し、スメラギが話を続ける。
「タスク殿のお父上は古の民、でも、お母上は......ノーマであり、ムーアなんだ。」
「母さんが.....ムーアの末裔......」
「ムーアとはかつて数千年前の地球に存在した人類なんだ.....その頃の地球人は原始的な文明を持っていたが、ムーアは違う....既に我々の技術と文明を築き上げていたんだ。」
「...........」
「しかし、ムーアの文明は大規模な大地震と火山の噴火で大陸ごと、深海へ沈んだのだ。そして長い年月が達、地球人はそれを調べごく一部の地球人がその脳と技術力を持ち、ヴェクタ人となった。」
「全ては......ムーアから始まった......」
するとタスクは深く落ち込んだ、自分の母親が古代種族の末裔だと言うことに、
「そう落ち込むのではありません。お主の一族はきっとお主に未来を託したのかもしれません。そしてあちらの世界にいるシンは一族が滅んでも生きようと必死になっている。心を決めて生きるか?」
「.............俺は.....古の民のイシュトバーン....ムーアの末裔でありメイルライダー バネッサの子! アンジュの騎士! タスクだ!絶対に生きる!」
タスクは決心し、スメラギとリュウガが微笑む
「そうだタスク」
「はい?」
「次の作戦だが......」
その頃アンジュはサラマンディーネと温泉に浸かり次の作戦の事を話した。
「ミスルギ皇国に侵攻.....!?」
「リザーディアより、報告がありました....ミスルギの地下、最新の機密近くにいて、アウラを発見したと.....」
「皇国の地下に.......!?」
「私達は明朝、朱雀の虚空、特異点を解放、アウラを奪還すべく同盟国軍と総力を持ってミスルギに侵攻します!」
「それを聞かせてどうするの....!?、私に宣戦に加われって言うつもり?」
「.......まさか、貴女は自由ですは、アンジュ この世界に暮らす事も、あちらの地球に戻ることも、もちろん、私たちと共に戦ってくれるのなら、それほど心強いことはありませんが、明日の出撃前に貴女の考えを聞いておきたくて.....」
「私の?」
「貴女には民を救っていただいた恩があります。出来ることなら、何でもお手伝いしますわ.....」
「......」
夕暮れになり外でヘラクレスを修理しているタスクとアンジュがいた。
「そっちもその話をしてたんだね」
「『そっちも』ってタスクの方も?」
「ああ、スメラギさんが教えたんだ.......悪くないと思うよ、ドラゴンと一緒に戦うのも....アウラを救い出せば、エンブリヲの世界に大打撃を与えられるのは、間違いないからね」
「それでいいのかしら....」
「え?」
「信じられないのよ」
「サラマンディーネさん....かい?」
「何もかもが、ドラゴンが人類世界に侵攻、敵だっての嘘......ノーマの戦いが世界の平和になるってのも嘘......あれもこれも嘘ばっかり、もう...ウンザリなの......ドラゴンと一緒に戦って、それが間違いだとしたら、代々、元皇女がドラゴン達と一緒にミスルギ皇国に攻めいるなんて、悪い冗談よ......分からないわ、何が正しいのか........」
「誰も分からないよ....何が正しいのかって」
「え?」
「大切なのは、何が正しいのかじゃなくて君がどうしたいか、じゃないかな?」
「......」
「君は自分を信じて進めば良い、俺が全力で支えるから.....」
「......バカね、そんな自分勝ってな理屈が通じる分けないでしょ!?」
「え...そう?」
「でも、救われるわ.....そういう能天気な所」
「お褒めに預かり光栄で...す!?ああああーー!!」
するとタスクの足元にドライバーが転がっており、タスクはそれを踏みアンジュを巻き込み、倒れてしまい、運悪くそこへリュウガとヴィヴィアンとナオミが来てしまった。
「アンジュ!アンジュ!お母さんがお礼したいって!」
「アンジュ!今日はバーベキュー........!!!?」
煙が晴れるとアンジュの股にタスクの顔があり自分の股を頭に当てており、ヴィヴィアンは頬を赤くして「いやん♪」と可愛らしいポーズで、ナオミは顔が真っ赤になり、両手で顔を隠しており、リュウガは唖然していた。
「ふごっ~~!!」
「くっ~~~!!この!永久発情期がっ!!!!!!」
「あ~~~~~~!!!!!!」
アンジュの鉄拳がタスクを吹き飛ばしそのまま場外を越えて崖の下の川へ落ちていまいリュウガが慌てる。
「タスク殿~~~~~!!!!」
そして夜になり街の人々がアンジュ達にお礼のバーベキューとドラゴレイド人伝統の神楽や踊りを人々に見せており、ラミアがアンジュにお礼を言っていた。
「本当にありがとうございました。街と私たちを守っていただいて、」
「私はサラ子......サラマンディーネを少し手伝っただけです.....それに助けられなかった人も.....たくさんいます......」
アンジュは戦場になった街の廃墟を見て辛い表情をした。そして同盟国軍に救助されたタスクはあちこち包帯を巻いていた。手が使えなかったがアウラの民の女の子達がタスクにお肉を食べさせていた。
「はい、あーん♪」
「あ~む!」
「ひや~!食べてくれた!」
「やっぱり男の人って可愛い~!!」
「え?そ、そ、そ、そ~?」
「楽しそうね?」
するとアンジュがその場に来てタスクは固まり、そしてアンジュの手元に見覚えのある形をしたバーベキューのお肉串を持っており、アンジュはその先端のキノコをガッツリとかぶり付きタスクは思わず股を抑えた。
「痛い!!!???」
アウラの民の女の子達は悲鳴を上げて逃げていった。
「フンッ!」
アンジュは鼻で笑い飛ばし、タスクの傍まで行き隣に座り、お肉を差し出す。
「はい、あーん」
「え?」
「何?...いらないの?」
「えっ?、いや.....な、何で?」
「手.....使えないでしょ?.....ちょっとやり過ぎたわ、」
「これくらい何ともないさ!アンジュの騎士は不死身だからね!」
「はむっ.......うま~い!アンジュに食べさせて貰うと格別だね!」
「バカね.....」
アンジュは呆れ、街を見渡しタスクが言う。
「良いところだね」
「モテモテだもんね」
「ええ!?そんなぁ~!!」
タスクは慌てて言うが、アンジュはそう言いながらも、タスクの言葉に同意する。
「でも、本当に良かった.....良いところ、辛い事があっても、マナなんて無くても、皆生きてる.......力一杯」
「はっ!!.....そっか!」
「え?」
すると風が吹いた。
「アルゼナルみたい.....なんだ..............」
そしてアンジュは立ち上がる。
「私......帰るわ......モモカが待ってるもの!」
「アンジュ......」
タスクが頷くとサラマンディーネ達がやって来る。
「そう.....それが貴女の選択なのですね.....」
「また、戦う事になるのかもしれないのですね.....貴女と」
「サラ子......」
するとナーガが前に出て二刀流の小太刀に手を持ちアンジュとタスクを警戒し、カナメが止める。
「やはり危険です!この者は我々の事を知りすぎました!あちらに帰せば、どのような脅威になるか!」
「でも、アンジュさんは都の皆を救ってくれたは!」
「それでも、この間まで殺しあっていた相手だぞ!拘束すべきだ!今すぐ!」
ナーガとカナメが言い合いをしていたとき、アンジュが決意する。
「私はもう.....貴方達とは戦わないは......」
「ほら!やっぱり私たちと.........え!?」
ナーガがアンジュの言葉に思わず驚いた。
「貴方達とはもう.....戦わない」
「.......では、明日開く特異点より、あちらにお戻りください。必要ならばカナメとナーガを護衛につけましょう。」
「サ!?サラマンディーネ様!」
ナーガは問うも、サラマンディーネが言う。
「友を信じることに何の不思議が?」
「サラ子」
「お達者で、アンジュ.....戦いが終わった暁には、今度こそ....決着をつけましょう!」
「次はカラオケ対決ね!」
「そう言えば、リュウガ殿はいらっしゃらないのですか?」
サラマンディーネがリュウガを探していた。
「トカゲに何かようなの?」
アンジュが質問するとサラマンディーネの頬が少し赤くなった。
「ええ、実は.......」
その頃、リュウガは寝ているカヤの所にいた。
「カヤ.....」
その時、そこへサラが来た。
「ここにいたのですね.....」
「サラ殿......」
「カヤ殿....まだ、目を覚まさないのですね......」
「ええ........」
するとリュウガは突然、歌い始めた。
「♪~♪~」
その歌はサラの歌と似ているが綺麗な歌だった。心の中で風が吹き、草原を走る馬達、水が流れる音と空に鷹が飛びながら鳴いていた。
「綺麗な歌ですね........」
「拙者が幼少の頃、母上が歌っていた......ヴェクタ人からの伝承歌を貰ったとサラ殿の歌と少し違うが間違いなく永遠語りだった.....」
「え?」
「けど拙者にはヴェクタ人が何者か知らなかったが、十の時に知ったんだ........どうしてこのように綺麗な歌を兵器の鍵に使うのかをと........」
「リュウガ殿.......」
「けど母上は、言ったのだ......『どんな辛い事や強大な山が合っても.....諦めなければ未来がある!諦めたら地に落ちると!』と.....だから拙者はこのような事があっても諦めなかった.......」
「絶望と哀しみ、故郷のような地獄にしたくないと......私達の都を守ったのですね」
そしてリュウガは決意する。
「.........サラ殿!」
「はい?」
「拙者は......貴女の事が......」
「私も......貴方の事が好きです。」
「え!?」
「来る前に、リュウガ殿に告白をしようとアンジュに言ったのです.....私も貴方と共に歩みたい....文化を見てみたい.....」
「サラど.....サラ」
「リュウガ.....」
二人とも互いの顔を近づけキスをした。扉の外では暴走しているナーガが小太刀を持ち殴り込みをしようとしているが、カナメとヴィヴィアンとアンジュが止めていた。