クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 ジェミナライズ   作:オービタル

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前編5

「あの子は?......」

 

「拙者の....妹だ」

 

「え!?」

 

タスクが驚きリュウガが過去を話す

 

「我らドラゴレイド人の母星.....惑星リィルスがエンブリヲに滅ぼされる前....父上、母上、兄上スメラギと妹カヤとドラゴレイドの民と共に穏やかに暮らしていた....ところがリィルスに奴が来たんだ......」

 

「........エンブリヲ」

 

タスクが答えリュウガも答える

 

「....そう、奴の狙いはリィルスに眠るドラゴレイドの秘宝であり、惑星のエネルギー.....ドラゴニウムを奪いに来たんだ....奴の機体から放たれる光学兵器によって民は死に衛兵、父上、母上もエンブリヲに殺された.....兄上はエンブリヲに立ち向かったが捕まってしまい生き残ったドラゴレイドを移民艦に乗ろうとした直後エンブリヲが現れ拙者を切り殺そうしたときカヤが庇い背に傷を得てしまった....カヤを乗せリィルスを脱出した直後、ドラゴレイドの母星リィルスが大爆を起こし消えた後、カヤの体に異変が起きたのだ.....体中からフェイゾンが出始め容態が悪化したのだ.....拙者はなんとか急いで妹を助けたく非加盟種族との同盟を結びなんとか妹の容態をとりとめたが今の技術では妹を助けることが出来ないと惑星エリシアへ向かったが....そこはもうエンブリヲによって占領され、ヘルガストに捕まりました......」

 

「それから!?」

 

「何日かたったある日、要塞の外壁で何か騒音が聞こえた.....敵の情報では古の民の襲撃だと」

 

「古の民!まさか!?」

 

「そのまさかだ....お主の友人.....ヴェクタ人のシン・ギムデンが来たのだ.....」

 

「シンが!?」

 

「そうだ....シンは危険をかえりみずヘルガスト兵を薙ぎ倒しエリシアの民を解放し助けてくれた....拙者にとって彼は恩人だ....」

 

「シンが....リュウガを.....」

 

「そして.....サラマンディーネ殿がカヤに治療薬を作ってくれた....彼女は妹の命の恩人ですからなぁ....あの異世界ののお姫様を止めて正解だった」

 

「アンジュの事?」

 

「御主はなぜあのような者を護るのだ?」

 

「.....15年前、リベルタスと言うノーマと俺の一族...古の民のエンブリヲから自由をかけた反乱があったんだ」

 

タスクはリュウガに自分の過去を話した。

 

15年前....エンブリヲに歯向かったが返り討ちにされ古の民は絶滅したその頃のタスクはアレクトラにヴィルキスを護る使命を託されたが

 

「俺は怖くて逃げていた.....誰かの為に死ぬことで....そんなときシンが来たんだシンはヴェクタ人である父が殺され俺が滞在している島へ....そこで特訓された強くなるため、大切な人を守るために.....それが終えシンはアルゼナルへ向いパンドラメイル...ヘラクレスを渡された...けど俺にはシンが去った後、アンジュが現れたんだ...彼女は生きようと抗っていた....その時、目が覚めたんだ....俺なにやってたんだ.....あの時、やっと騎士である意味を見つけたんだ!、押し付けられた使命じゃない!自分の意思で!.............」

 

「なるほど、要するに......お姫様に恋をしたのですね?」

 

「え!?」

 

「分かります.....実は拙者にも恋をした人物がいます.....サラマンディーネ、彼女の瞳は強い思いを持ち一族を取りまとめる素質があるまるで....兄上のように、拙者はそれに惚れたのだ」

 

「そっか.....」

 

「それよりタスク殿」

 

「何?」

 

「少し協力してほしいことがあります......」

 

リュウガはタスクを連れドクターゲッコーの所へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

その頃リュウガに眠らされたアンジュはうなされていた。

 

「トカゲ女目!.......!?」

 

アンジュが目覚ました時、タスクがココアが入ったカップを持ってきた。

 

「どうしたの?うなされていたけど.....」

 

「別に、ただ.....あのトカゲ女がムカつくのよ!」

 

「それって..........『私の事ですか!?』」

 

タスクがサラマンディーネに変わりアンジュは悪夢から目を覚ました。

 

「うわぁぁぁぁっ!!!!」

 

「「ひぃー!!?」」

 

横にいるヴィヴィアンとナオミがアンジュがいきなり起き上がり怯えた。

アンジュは横にいるナオミと元の人間姿のヴィヴィアンを見て驚いた。

 

「ナオミ!ヴィヴィアン!?」

 

「オイッス!」

 

「アンジュ!目が覚めたんだね!」

 

「それよりも、ヴィヴィアンあなたどうやって!?」

 

「さてここでクイズです!私はどうやって元に戻ったんでしょうか!?」

 

ヴィヴィアンがいきなりのクイズされたが時間切れになった

 

「ブー!残念!正解は!........何だっけ?」

 

するとドクターゲッコーが来て答えを言う

 

「D型遺伝子の制御因子を調整しました、これで外部からでの投薬なしでの人間の状態を維持出来る筈です」

 

「って事でした~♪」

 

「痛い所は?」

 

ドクターゲッコーが問う

 

「別に....」

 

「それは良かった、リュウガ殿が手加減して下さったからですね」

 

「手加減!?あのトカゲ男が!?」

 

「はい」

 

「タスク心配してたんだよ、アンジュ大丈夫かなって」

 

「タスクが?」

 

「助けて~!!!」

 

突然、別の病室から悲鳴が聞こえアンジュとヴィヴィアン、ナオミが駆けつけると全裸状態で縛られているタスクの回りにアウラの民とドラゴレイドの民に囲まれており体のあちこちを触っていた

 

「ちょっと!、これはダメ!、やめろ!やめるんだ!.....どわ~!?ちょっとそこは!」

 

「タスク!」

 

アンジュがアウラの民とドラゴレイドの民を払いのけタスクを助けようと向かった

 

「タスクを話せ!」

 

「アンジュ!」

 

「タスク!逃げるわよ!うわっ!?」

 

アンジュがタスクを助けようとしたときアンジュの足元にビンが転がっておりそれにつまずきアンジュが転倒しタスクのアウトゾーンに........

 

「何よこれ!?.....何で裸なの!?何でこんな!?」

 

「グゥレイトォ♪」

 

ヴィヴィアンが興奮しナオミが顔を赤くしており両目を隠していた

 

「違うんだアンジュ!これは!」

 

「御協力感謝いたしますMR.タスク、ドラゴレイド人の男性、女性の整体はほぼこちらとは異なっていましたが偽りの地球人の整体を見るのはとても勉強になりました....性教育の♪」

 

「性.....教育に協力?」

 

「はい」

 

「へー......人が大変目にあっている間に.....そう」

 

するとアンジュは床に落ちていたピンセットと猫じゃらしを持ちタスクが怯える

 

「待て!アンジュ落ち付いて!!」

 

「このケダモノがぁぁぁぁー!!!!!!」

 

病室からタスクの悲鳴と笑い声が鳴り響きアンジュは外に出て水で手と口を洗っていた

 

「アンジュ!落ちついた?」

 

ヴィヴィアンがタオルをアンジュに渡した

 

「私汚れちゃった....欲求不満ならトカゲでも何でも良いのね!あのバカタスク!!」

 

「その様子ならもう大丈夫のようですね?」

 

アンジュが振り向くとサラマンディーネとナーガとカナメと一人の女性がいた

 

「ラミア、彼女です....遺伝子称号で確認しました....貴方の娘....間違いありません」

 

「え?」

 

「行方不明になったシルフィスの一族....貴方の子、ミィ」

 

「ミィ!?本当にミィなの!?ミィ!」

 

知らない女性が突然ヴィヴィアンに抱き付いてきた

 

「いやだから、私はヴィヴィア....ん?、この匂い知ってる...エルシャの匂いみたいだ......あんた誰?」

 

「お母さんよ」

 

「お母さん....さん?なにそれ?」

 

「貴方を産んでくれた人ですよ」

 

「「ヴィヴィアンのお母さん!?」」

 

アンジュとナオミが驚きサラマンディーネが説明する

 

「ええ、彼女はお母さんを追ってあちらの地球に迷い混んだのでしょう....皆、祭りの準備を.....祝いましょう、仲間が10年ぶりに帰ってきたのですから、」

 

そして夜になりアウラの塔にランタンを持った民達が集まりサラマンディーネがアウラの塔の中から現れた

 

「姫様!姫様よ!」

 

「サラマンディーネ様!」

 

「何をするのこれから?」

 

ヴィヴィアンがラミアに質問する

 

「サラマンディーネ様の真似をすれば良いのよ♪」

 

ラミアは優しそうに答えサラマンディーネが民に演説する

 

「殺戮と試練の中、この娘を彼岸より連れ戻してくれたことに感謝いたします.....」

 

演説が終わるとサラマンディーネは持っていたランタンを天高くへ上げ祈りをした

 

「アウラよ」

 

《アウラよ》

 

民はアウラへ祈りをするとランタンを天高くてと上げヴィヴィアンもラミアの通りに真似をした

その光景を見ていたアンジュの所にタスクが来た

 

「不思議な光景だね....」

 

「ムゥ....」

 

アンジュはタスクが来ると怒っていた

 

「機嫌治してよ、本当になにもしてないんだから.....俺の心は君だけのものだ!」

 

「体は違うでしょ?」

 

「う.....だから、ハァ」

 

「バーカ」

 

その後、二人は笑っていてナオミが言う

 

「仲良くなって良かった......」

 

するとタスクが月をじっと見ていた

 

「同じ月だ.......もう一つの地球か.....」

 

「夢なのか現実なのか.....分からないわ」

 

アンジュが言うとヴィヴィアンとラミアを見た

 

「でも良かった.....」

 

「え?」

 

「ヴィヴィアンが.......人間で......」

 

「うん」

 

「これからどうなるの......私たち.....こんなもの見せてどうするつもり?」

 

するとカナメとナーガが現れカナメが問う

 

「知って欲しかったそうです......私たちの事を知りたいと、そして私たちの事を....それが、サラマンディーネ様の願い」

 

「知ってどうするの?私たちは貴方達の仲間を殺した.....貴方達も私たちの仲間をを殺した....それが全てでしょ」

 

「怒り、哀しみ、報復.....その先にあるのは滅びだけです.....でも人間は受け入れ、許すことが出来るのです.......その先に進む事も、全て姫様の受け入れですが.....どうか後ゆるりと後滞在下さいっと姫様より伝言です.....」

 

カナメが伝言をいい終えるとナーガと共に去ると小声でサラマンディーネの事を話していた

 

「全く、姫様のお人好しにも困ったものだ....」

 

「聞かれたら殺されるよ」

 

カナメ、ナーガが去るとタスクが戸惑う

 

「後ゆるりと....だってさ」

 

「信じるの?」

 

「どうかな、でもヴィヴィアンは楽しそうだ......変えるべきだろうか......」

 

タスクがヴィヴィアンとラミアを見ていた

 

「え?」

 

「アルゼナルに、リベルタス、エンブリヲ.......もし戦わなくて良いとしたら......」

 

アンジュとタスクとナオミが空高く舞い上がるランタンを見て考えていた

 

その頃、格納庫に収納されているヘラクレスの目がライトグリーンからライトイエローてと変わった




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