PSO2 マイキャラ達のちょっとした日常   作:ひかみんとかカズトとか色んな名前

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今回はまさかのお方から、キャラをお借りすることが出来ましたので書き上げました!
S氏、この場を借りて感謝いたします…!!


今回はpalseとアンジュが中心です。でわ、とうぞ。


町の中の邂逅

「姉さーん!アンジュ姉さーん!どこ行っちゃったのかしら…」

 

アークスシップの一部に広がる居住区。そこで一人、名前を呼ぶ女性がいた。

彼女の名はpalse。

今日はローゼントライムという、いつもとは違う服装で出かけていた。

 

「もう…久々の買い物とはいえ、元気すぎるのも困りものね…。」

 

事の発端は出かける時からだった。

姉であるアンジュと久々に買い物として出かける予定で、一緒に家を出たのだが…

少々palse自身も舞い上がっていたのか、アンジュは壊滅的な方向音痴だったことを忘れていた。そのため、少し目を離した隙にいなくなってしまい、今に至る。

そんなに多くない人の波の中、すたすたと歩みを進めるpalse。と、不注意だったのかすれ違った人と肩をぶつけてしまう。

 

「あら、ごめんなさーーー」

「あ、はわわ、あうっ!」

「えっ、だ、大丈夫!?」

 

肩をぶつけただけ。そう思った彼女の耳に飛び込んだのは慌てる少女の声と、転ぶ音。

palseは慌てて少女に駆け寄る。

金色の長い髪、赤と青のオッドアイに執事服を着た少女であった。

 

「だ、大丈夫です…ごめんなさい。」

「こちらこそごめんなさい。怪我はない?」

「はい…えっと…」

「ふふ、私も大丈夫よ。ありがとう。」

 

金髪の少女を助け起こし、palseはつい癖で少女を観察していた。

 

「…貴女、デューマン?」

「ふぇっ?は、はい…」

 

体はそれなりにしっかりしており、かつ目がオッドアイという点で、palseは彼女がデューマンであることを見抜いた。

当の本人は急に指摘されて抜けた返事が出ていたが。

 

「やっぱり…。私の身内にも一人いて……あ、忘れてたわ。」

「…?人探しですか?」

「ええ。貴女と同じデューマンの人をね…」

「私も手伝いましょうか?」

 

やれやれと呆れたように話すpalseは、すぐさま捜索を再開しようとしたが、金髪の少女はそれを止めて提案した。

 

「……いいの?といっても呼んでるだけになると思うけど…」

「ちょっとご迷惑かけちゃったし、私でよければ…!」

「…ふふ、そう…ならお願いさせてもらうわね。…そういえばまだ名乗ってなかったわね…私はpalse、よろしくね。」

「私はシャレット、とある屋敷の執事です!よろし…」

 

金髪の少女ーシャレットーが元気よく自己紹介したときだった。

 

ぐうぅ~。

 

と、いきなり情けない音が響く。

palseはふとシャレットをみると、顔を赤くして俯いていた。

そんな彼女に、palseは苦笑しつつ話しかける。

 

「まずは腹拵え、ね。」

「すみません…」

「いいのよ。今は出店もちょこちょこあるし、手伝ってくれるお礼に奢ってあげる。」

「え、いいのですか…?」

 

確かに道の途中の所々に出店があり、食べ歩きには困らない。だが、シャレットは出会ったばかりの人に奢ってもらうのは多少の抵抗があったのだろう。

 

「遠慮しなくていいわ、むしろこっちが感謝したいもの。……それに、我慢出来ないでしょ?」

「うっ……すみません…遠慮なくいただきます…」

 

だがpalseに見抜かれるとあっさりと折れ、彼女と一緒に出店へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…まさかラーメンの出店を見つけるとは思わなかったわ。」

「嗅覚は伊達じゃないっ!」

 

あの後、出店の多さに迷っていたシャレット(とpalse)だったが、僅かに香ったラーメン特有の醤油の匂いを逃がさず、その出店を見つけたのである。

その道中で色々と会話を交えていた。

 

palseがアークスであるという紹介から始まり、シャレットはアルネヴェール財閥、そのお嬢様であるシルフィという女性の執事であり、アークスと兼用していること。その女性の元、日々頑張ってることやその仕事の愚痴など。

palseは自分のアークスということだけ伝えると、しれっとタメ口に切り替えて話し始めたシャレットに苦笑いを浮かべていた。

 

「…でね、こういうことで…」

「シャレットちゃん、お話しもいいけど…ラーメン。」

「………あっ。」

「いらないなら食べちゃうわよ?」

 

palseは普通に話を聞きながらラーメンを食すという器用なことをやっていたが、シャレットは喋っている間完全に手が止まっており…

 

「たっ、食べるよ!!」

「フフ、冗談よ。ゆっくり食べなさい。」

 

量を少な目に注文したpalseは既に食べ終わり、若干慌てつつも幸せそうにラーメンを頬張るシャレットを見て微笑んでいた。

 

 

 

 

 

「そういえばpalseさん、アンジュさんってどんな人?」

 

ラーメン出店での食事を済ませ、アンジュの捜索を再開してから少しして、シャレットが唐突にpalseに尋ねた。

 

「そういえば話してなかったわね。まぁ一言で言うなら………」

「言うなら……?」

 

うーんと少し悩んだpalseが、アンジュを現した一言を言った。

 

「壊滅的方向音痴な天然トラブルメーカー。」

「……酷い。」

 

ずばっとそう言い切ったpalseに、それを聞いたシャレットは困惑やら何やらが入り交じり、ぼそりと呟いた。

 

「…まぁこれを聞いたときの印象はそんな感じよね。でも、あの人はあの人で話は分かる人だし、考えが回る人でもある。伊達に姉じゃないって感じかしら。」

 

しかしシャレットの呟きを咎めることなく、palseは苦笑いを浮かべたまま一応のフォローを入れた。

 

「じゃあなんでその人と出かけたの?」

「…まぁ、一緒に出かけるの自体久しぶりだったから、買い物ついでにって行こうとしたらこの有り様だからね……」

「……なんか、凄いね…」

「…褒め言葉として受け取らせて頂戴。」

 

ひきつった笑みを浮かべるシャレットに、アンジュの事でため息をつくpalse。

と、不意に通信が入る。

 

「通信?」

「ちょっとごめんなさい。……白蓮?」

 

シャレットが首を傾げ、palseが確認した通信相手は…彼女の妹、白蓮であった。すぐさま何かあったのか、palseは確認のため白蓮との通信を繋げる。

 

《お姉様ですか?》

「ええ、そうよ。どうかした?」

《はい。実は、勝手ながらお姉様達が出かける前に、二人の服につけておいた発信器の反応が離れているのが気になったので……》

「……あなたは本当にいい子ね…」

 

優秀な妹の対応に、palseは彼女と共に生きててよかったと心から思った。

 

《ありがとうございます。…それで、アンジュ姉様の場所ですが、少し離れたところにいるようですね。反応がゆっくり動いています。データを送るので、そちらを見てください。》

「ありがとう、助かるわ。」

 

送られてきたデータによると、アンジュとの距離はさほど遠くなく、軽く走れば追いつくだろう。

 

「このデータの所にアンジュさんがいるんだね?」

「ええ、早く行きましょうか。」

「うん!」

 

二人は小走りでアンジュの元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふわぁ…」

 

アンジュの反応が近い場所、そこに黒い髪をポニーテールにまとめた小さめの少女があくびをしながら歩いていた。 少しツリ目気味な彼女の名は桔梗。

シャレットの相方であり、今回の彼女の目的である。とある事情により、シャレットの元から逃げ出していた。

 

「……暇だなぁ。」

 

誰に聞かれることもなくぼそりと呟く。

 

「ちょっといいかしら~?」

「……?」

 

桔梗は声を掛けられ、そちらを向く。そこには、赤いアークスコートに身を包み、アイハットを被った赤縁メガネの女性がいた。

服からしてアークスということはわかった。後服の上からでもわかる豊満さに桔梗は内心舌打ちした。

 

「(…嫌みか)…何、どうかしたの?」

 

桔梗としては早く動きたいのに呼び止められ、その上呑気な声でへらへらっとしてる女性がうざったらしく感じたのだろう。口調を若干荒くし女性に言った。

 

「うーんとね、ここってどの辺りー?」

「……は?」

 

だが桔梗は、女性が言い出したことに呆気にとられてしまった。突然アークスの女性が呼び止めたと思ったら、ここはどの辺りだと言う。

 

「他の人に聞いたら?…私はやることあるし。」

「あらあら、教えてくれないの~?」

 

困ってるのにな~。とわざとらしく困った表情で唸る女性。その表情はどことなく煽っているようにも見えるが、女性からしたら素であった。

 

「……ああもう!どこに行きたいのさ!」

「いいの~?そうねぇ~…」

 

あんまりにも呑気すぎるその性格に、半ば折れた桔梗は苛立ちを露わにしつつ女性に怒鳴る。回りの人達の一部も何事かと振り向くが、女性はそれすらもしれっと流し悩み始めた。

 

「…はぁ…せめて移動しながらでいい?私は動きたいの。」

「あら、いいわよ~。」

 

とにかく止まっていてはいつか捕まる。

そう考えた桔梗は女性に動くよう促し、彼女もまた桔梗についてくようにゆっくりと歩き始めた。

 

「あ、聞き忘れたわ~。」

「…何。」

「貴女、アークスでしょ?」

「…ッ!?」

 

そんな素振りは見せていなかった筈…と驚きつつ、反射的に距離を置く桔梗。それを見て満足げにうんうんと頷く女性は続ける。

 

「やっぱりね~、後はー…嫌な事から逃げてるって、とこかしら~?」

 

ウフフフ、と笑いながら指摘することは、どれも桔梗に当てはまっていた。

彼女は定期的にある身体検査が精神面的に苦手であり、それをサボるために逃げていた。そこを彼女に捕まり、今に至る。

 

「…あんた…一体何者?」

「私?私はアンジュ、デューマンのアークスよ~。」

 

Vサインを控えめに出しながら自己紹介する女性ーアンジューに、警戒心を丸出しにしてる桔梗。と、そこに…

 

「あれ?桔梗ちゃん…?」

 

後ろから聞き慣れた声がした。

 

 

 

 

 

 

時間を少し遡るーー

 

 

palseはシャレットに目的を聞いていた。palseと同じく、人を探しているのだという。

シャレットの方は時間の制限もあるためpalseはやはりと遠慮しようとしたが、彼女が大丈夫だと言って聞かなかったため了承していた。

 

「もしかしたら、途中で見つけるかもしれないし…」

「そうね。…その子の名前は?」

「桔梗ちゃん。ちょっとツリ目で身長小さめのポニーテールの女の子なんだよ~。」

「ふんふん…桔梗、桔梗ちゃんね…」

 

シャレットの言葉をしっかりと刻むように脳内で復唱し記憶するpalse。

 

「そうだ、palseさん。アンジュさんの反応は?」

「そうね、もうすぐのはず……いや、噂をすれば、といったところかしら。」

 

データを開こうとしたpalseは、何かに気づいたように前を見た。そこには、ポニーテールの少女がこちらに背を向け、まるでアンジュと対峙しているかのようだった。

 

「あれ、桔梗ちゃん…?」

 

 

 

 

 

 

 

見つかったーー

桔梗はそう悟った。前にいる女性、アンジュに構っていたせいで相方であるシャレットに見つかってしまった。

しかも誰なのか、見知らぬポニーテールの女性と一緒だった。

 

「もー!やっと見つけた!!また逃げるなんて!!これはお仕置きしなくちゃ。」

「…ま、まぁまぁシャレットちゃん、落ち着いて…」

「落ち着いてられませんっ!」

 

桔梗をみるや、眉を少し釣り上げ女性(palse)の制止を押し切りずいずいと近寄っていく。

お仕置きと言っても軽いもので済ませるつもりのシャレットだったが、本気で怒ってるようにも見えたため、桔梗は勿論混乱し、palseも大丈夫かと心配していた。

 

一旦逃げるしかない。

そう考えた桔梗は、逃げるルートを思考した。シャレットから逃げるにしても、palseの力は未知数、なら全く反対側に行けばいい。アンジュはいくら鋭いとはいえあの性格、こっちなら逃げれるはず。

そう考えた桔梗はシャレットとは反対方向を向いた。

 

「【加速(アクセラレーション)】」

 

フォトンの奔流をまといながら、音速を超えるスピードでそこから飛び出そうとした。

だが、その彼女の前に現れたのは何もない空間ではなく、赤く豊満な体の女性という“壁”だった。 勿論そんなものが現れると思わなかった桔梗はその“壁”に正面から突っ込んでしまう。

 

「Σ!?!!?!??」

「ふふふ~捕まえたぁ~♪」

 

勢いよく吹っ飛びながら、桔梗は混乱し、アンジュは全く変わらずのマイペースであった。

 

回りからみれば、僅か一瞬で唐突に黒いポニーテールの少女と赤い服の女性が弾丸の如く吹っ飛んでいったようにしか見えなかっただろう。

しかも、桔梗が踏み込んだ時のドンという音が遅れて聞こえるほどの早さだ。

近場にいたシャレットは風圧で髪がぼさぼさになり、palseも顔を手で覆っていた。

 

「…き、桔梗ちゃん!?」

「結構飛んだわね、急ぐわよ。」

 

吹っ飛んでいった二人を追うように走るシャレットとpalse。少し走った先に二人は倒れていた。

 

「桔梗ちゃん!」

「アンジュ姉さん!」

 

急いで駆け寄る二人、だが…

 

「きゅう………」

「あらあら~気絶しちゃって~♪」

 

勢いよく突進してしまった桔梗は混乱も相まって気絶してしまい、そのとんでもない突進をモロに受け止めたアンジュはケロッとしており、マイペースに桔梗のことを抱きしめつつ撫でていた。

その光景に唖然とするシャレットと、いつも通りだと呆れるpalseがいたそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んぅ……」

「あ、よかった。気がついた?」

 

桔梗が目を覚ますと、正面にシャレットの顔。つまり…膝枕。

 

「…!ッ!」

「あ、ききょ…あいたぁ!!」

 

膝枕とわかると桔梗は勢いよく起き上がろうとし、案の定シャレットの頭に自分の頭が激突し、お互い悶絶した。

 

「あらあら~、仲良しねぇ~♪」

 

そこをシャレットの隣でへらへらと笑顔を浮かべながら見守るアンジュがいた。

どうやら近場の公園にいるようで、そこに設置されたベンチで休んでいたようだ。

シャレットはまだしも、自分の加速を受け止めたアンジュに対しては警戒心が収まっていないのか、シャレットが間にいても距離を置いていた。

 

「あら、起きたのね。」

 

と別の方向からの声に三人はそちらを向く。そこにはpalseが飲み物を買ってきたのか、四つ持って歩いてきた。

 

「……」

「あ、桔梗ちゃん。この人はpalseさん。凄く良い人だよ!」

「ふふ、そうかしら?はい。」

 

palseはシャレットの評価に微笑みつつ、買ってきた飲み物を三人に渡す。桔梗も小さく礼わいいつつ受け取り、開ける。

 

「…さ、一休みしたら行きますよ、アンジュ姉さん。」

「えぇ~、せっかく仲良しになれたのに~。」

 

飲み物を飲みつつ、palseはアンジュにそう告げる。不満だらけなアンジュだったが、桔梗とシャレットの邪魔をするのはよくないと感じたpalseは引き下がらない。

 

「文句を言わないでください。ただえさえ時間がないというのに貴女は…」

「むー。」

「むーじゃありません。シャレットちゃん、色々ありがとね。……ほら早く、行きますよ。」 

 

palseはささっと半ば無理矢理アンジュを立ち上がらせつつ、シャレットに礼をいい立ち去っていく。

アンジュものんびり伸びしつつ、ゆっくりと歩き始めようとした。

 

「待って。」

 

と、座っていた桔梗がアンジュを呼び止め、自分の方を向かせる。

 

「どうかしたの~?」

「……あんた、さっきの加速(アクセラレーション)、どうして逃げる方向がわかったの…?」

 

そう、桔梗が疑問に思っていたのは先ほどの加速(アクセラレーション)を受け止めたこと。

あれだけのスピードを生み出すあの能力を受け止めるなら、発動する前に動かなければ間に合わないだろう。しかし、予測し動くとしても相手は全くの初対面である。性格も何もよくわかっていない筈なのだが。

 

「んー、そうね~。まず一つ、桔梗ちゃんは逃げるための思考をしてるのがまるわかりだったこと。二つ、加速しようとした際、こっちに踏み込もうとした足が見えた。三つ、私の方なら抜けられるというのを、刻みつけておいたから、それくらいかしらね~。」

 

だがアンジュは加速を受け止めた要素をしれっと話した。しかし内容はそう簡単には出来ないものばかりな上、初めからあらゆることに関して予測してなければ出来ないことである。シャレットも桔梗もアンジュの性格とは裏腹な思考力に驚いて固まっていた。

 

「ふふふ、凄いでしょ?もっと驚いても…」

「アンジュ姉さぁーーん!!!いきますよーーー!!」

「ああいけないいけない。palseを怒らせるとちょっと面倒だし私も行くわね~。それじゃ、またね~♪」

 

ふふんと胸をはるアンジュ。だが、palseの大声が聞こえるや否や、アンジュはすぐに話を打ち切り彼女の元に走っていった。

 

 

 

「……桔梗ちゃん。」

「何。」

「…世界って広いね。」

「…そうだね…」

「まぁ、何がともあれ…桔梗ちゃん、捕まえたっ♪」

 

シャレットは桔梗を優しく抱きしめながらそう言った。

桔梗は恥ずかしいのか、顔を赤くしたまま…

 

「…あぅ。」

 

小さくそう唸ったそうな。

 

 

 

 

 

 

 




オチは弱い(確信
今回は、しるひさん宅の桔梗ちゃんとシャレットちゃんをお借りしました!
口調とか合ってるといいなぁ……

もし違ってたり一部少し文が足りない部分があったらそれは私の文章力のなさが原因です()

もっと精進せねば

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