PSO2 マイキャラ達のちょっとした日常 作:ひかみんとかカズトとか色んな名前
まぁあんまり気にしない方向で←
いつもシャイナとアンジュはどうしてるのか。その一部となる感じですねー。
一人、ロビーを歩く女性がいた。
褐色肌で、ある程度伸びた白い髪を後ろで纏めており、黒いオラキオドレスを着て赤いペレー帽を被った女性、シャイナだった。
腰には自分が得意とする銃の種類の一つ、アサルトライフルの中でもレアランク高めであるリフォルスを下げていた。
「あ!シャイナさんこんちわー!」
「こんにちは、シャイナさん。」
「ん…こんにちは。」
「シャイナさんシャイナさん!今度ちょっとだけでいいから取材させて貰ってもいいかな!?」
「いいよ…私でよければ…」
「すみません、バカ姉がいきなり…」
「いいの、気にしないでティアちゃん…。」
情報屋でお馴染みのパティエンティアに挨拶され、シャイナは口数少なく応え、そのまま歩いていった。
「くーっ!やっぱシャイナさんかっこいいなー!!あんなクールに一度なってみたい!!」
「パティちゃんじゃ無理だね。」
「そこまでストレートじゃなくてもよくない…?」
「だってパティちゃんだし。」
「ぐはっ!」
パティエンティアでいつもの姉妹漫才が繰り広げられてるとは知らない、無表情を崩さないシャイナではあったが…
「(うふふふ、パティエンティアと話しちゃった…♪しかも取材ってことはもっと話せるのよね…あの子達可愛いし…うふふふふふ…)」
その脳内は、残念なほどにおかしかった。
その脳内を先ほどのパティエンティア…いや、誰が知っても、どう見ても変態の思考としか考えないであろう。それほどの女性好きであった。
「あらあら~、また変なこと考えてるの~?」
壁に寄りかかり脳内お花畑になっているシャイナに、一人の女性が話しかけた。
赤いアイハットにアークスコートを着用し、背には並のアークスは持つことの出来ない最高レベルランクの大剣、アーレスソードを背負っていた。
「……アンジュ…いや、パティエンティアに取材の誘いを受けてさ…」
「あらあら~よかったわね~♪」
アンジュと呼ばれたその女性は、ニコニコとした笑顔を絶やすことなくシャイナと話していた。
アンジュとシャイナは幼い頃からの親友であり、どんなときも常に一緒だったほど。
シャイナも無表情から少し笑みを浮かべ、彼女と話していた。
「どうせ相手が女の子だから、取材に応じるつもりなんでしょ~?」
「勿論。」
「ふふふ♪シャイナったらわかりやすいわねぇ~。」
シャイナがアンジュの質問に、親指を立てながら即答する。
その図にアンジュは微笑みを浮かべていた。
「ところで…アンジュはなんでここに…?」
「ん~、そうねぇ。ナベリウスの森林エリアにでも日光浴に行こうかなぁって♪」
「待って。」
どこかに行こうとしたアンジュをシャイナは即座に止めた。なぜなら、彼女は壊滅的な方向音痴だからである。
迷ったり入り口と出口を間違える等はまだ序の口、惑星に着いても降りる先を間違えたり、惑星自体を間違えることすらあるほど。この場合、下手をすればナベリウス森林の日光浴がアムドゥスキアの火山でのほほんと日光浴しかねない。
そういった事態を防ぐため、シャイナはほぼ常に彼女に同行している…しているものの、アンジュの自由気ままな行動に振り回されることもしばしば。
一緒にいたはずが一瞬目を離した隙にどこかに行ってるというのは日常茶飯事であった。
「大丈夫よ~、今日は迷わない気がするのよ~。」
「それを言って…向かった先はどこだった…?」
「惑星リリーパの磁気嵐真っ直中の砂漠でしたー……」
おろろと泣くフリをするアンジュ。どうやら、天気運も味方しないらしい。
「…まぁ、私もやることないから…ついてく…」
「あら?ありがと~♪」
「(アンジュと一緒……うふふふ……♪)」
シャイナの発言に喜ぶアンジュと、彼女にその喜びを現さんばかりの抱擁を受けて脳内お花畑になったシャイナであった…
「アンジュ、そっちじゃない。」
「あら。」
早速ゲートとテレポーターを間違えている辺り、不安しかないのだが。
その後、シャイナがパーティーのリーダーを務め、アンジュを連れて惑星ナベリウスの森林エリアへ降り立った。
「…いつ来ても、穏やかな所ね…」
「天気もバッチリ。これはいい感じねぇ~♪」
「あ、待ってアンジュ…」
ルンルンとスキップしながら進んでくアンジュ。それを見失わないようにシャイナもしっかりとついていった。
ついて行ったのだが…
「………」
少しして、浸食されていた原生種を少数見つけたため、シャイナはアンジュと共に殲滅したのだが…その僅かな時間…せいぜい1、2分だろうか。その間にアンジュが消えていた。
気楽すぎるその性格に頭を抱えるが、そうしてても仕方ないと割り切り、アンジュを捜索し始めた。
だが、今回降りた場所は相当複雑なマップだったらしく、何回か同じとこを通るハメになったシャイナは自分の運の悪さを呪った。
「…発信機でも付けておこうかしら…」
流石に毎度毎度迷子になられたりするのもまいってしまう。
そう思ったシャイナは、通信を始めた。
《シャイナさん、どうされましたか?》
通信に応答したのはブリギッタ。比較的冷静に対処してくれる女性オペレーターである。
「アンジュが、またいなくなった。」
《………また、ですか……》
「それで、次から発信機をお願い。…あと、今のアンジュの位置はわかる?」
《わかりました。…アンジュさんは……あ。》
「どうかした?」
ブリギッタが、何かヤバいものを見つけたような声を漏らす。
すかさずシャイナはそれに対し問う。
《いましたが……エリア2をくまなくばく進中です……》
「………わかった、すぐに行く。ありがとう。」
アンジュの場所を知ったシャイナは、今自分がいるエリア1の出口へ早急に向かい、エリア2での捜索を開始した。
エリア2につくと、濃い霧が立ちこめていた。
濃霧といわれる天気で、霧で視界が狭めに遮られてしまう。
「……参ったわね…。」
はあぁ…と大きな溜め息をつきながら、仕方なく濃霧の森林エリアへと走っていった。が。
「(…?この気配…ダーカー…)ブリギッタ。近くにダーカーの反応はない?」
《ダーカー…ですか?今のところは…》
「そう…それならい」
《ッ…!いえ!待ってください…アンジュさんの反応付近に強いダーカーの反応があります!》
「…場所と状況を。」
ダーカーが、アンジュの近くに。
それを知ったシャイナの表情は苦笑いから一気に真剣なものとなり、先ほどよりも速く走り始めた。
《シャイナさん、そのまま進めばアンジュさんと合流出来ます!アンジュさんは只今強いダーカーの反応から逃げているようです!》
「了解…!」
通信を聞いたシャイナは即座にアサルトライフルーリフォルスーを腰から取り、特殊弾のリロードを行う。
シャイナが今設定しているクラス、レンジャーにはアサルトライフルとランチャーそれぞれに特殊弾と呼ばれる弾を数発詰めることが出来る。ただし、最低でも90秒のクールタイムは発生するデメリットはあるが。
ランチャーはジェルンショット、ミラージュショット等。前者はジェルンと呼ばれる相手の攻撃力を落とす特殊弾であり、強大な敵との戦いで重宝する。
そして今、シャイナがリロードしたアサルトライフルの特殊弾、ウィークバレットと、他にもバインドバレットなるものも存在する。
ウィークバレットは、打ち込んだ部分の防御力を下げる特殊弾であり、これもまた強大な敵に重宝するし、硬い敵、厄介な敵にも使える。
これらだけの理由でも、レンジャーは重宝されているクラスである。
そして、今シャイナがリロードしたウィークバレットは4発。撃ち尽くすか何かしない限り、その間はPA(フォトンアーツ)を除いた攻撃は出来ないが、そのデメリットが覆るほど効果が大きいのがウィークバレットである。
少し進んだ先、開けたところに出るとシャイナが来た方とは逆から気配が迫ってきた。
銃口を向け、警戒するシャイナ。向こうから現れたのは…
「あら~、シャイナ~♪」
全く息を切らすことなく笑顔で手を振りながら走ってくるアンジュと、
「…ゲッ…」
その後ろにいたのは、昆虫系ダーカーの中でも巨大なダーカー、ダーク・ラグネであった。
しかし万全な様子ではないらしく、いくつかの足にはヒビが入っていた。
「ごめんねぇ、歩き回ってたら遭遇しちゃって。何とか戦ってたんだけど狭くてやりづらかったから逃げて来ちゃった☆」
アンジュはへらへらと語るが、シャイナは色んな意味で呆れていた。
まず、アンジュは無傷なのである。ダーク・ラグネは雷とカマイタチによる広範囲攻撃を得意としていた、しかも遭遇したところは恐らく森林エリアのあの狭い通路。この次点でアークスなら彼女がどれだけ異常かわかる人はわかるだろう。
しかもその状態で、動き回る武器ではないソードで対応し、かつ足のいくつかにヒビを入れた。
しかもソードの方もガードをした痕跡はあまり見られない。
「…相変わらずね。」
「どういう意味でかしら~?」
「色んな意味で。…行くよ。」
「ふふ、はーい♪」
アンジュはソードを構えて、こちらから見て左側へ突っ込む。シャイナは右に回り込み、ヒビの入った後ろ足にウィークバレットを撃った。
すると、当たった足にロックオンのようなマークが現れる。そのマークこそ、ウィークバレットの効果が出ている証拠だった。
それを感じたダーク・ラグネはシャイナの方を向く…が、逆方向から強い気配を感じ、半ば強制的にシャイナとは反対の向いた。
そこにはアンジュがソードを構えており、何かのスキルを使った後なのか、赤い球体がいくつかぐるぐるしているようだった。
これはハンターが持つスキル、ウォークライ。
周囲一定範囲に気配を強く振りまくことで、相手の意識を自分に集めるスキルである。
相手を後ろへ逃がすことなく、パーティーの盾となるハンターにはもってこいのスキルであり、それ以外にも様々な使いようがある。
ダーク・ラグネの注意を引きつけたアンジュは、あまり動くことなく攻撃もせずに、敵の様子を伺うだけであった。
そして、ダーク・ラグネが両手で切り裂こうと振り上げた時、左後ろ足に上空からの細く強い光が降り注いだ。
シャイナの放った、サテライトカノンである。
アサルトライフルのフォトンアーツであり、一定の溜め時間で威力と範囲が変わる。
今シャイナが撃ったのは、威力を重視させた最大チャージであった。
その高い威力を、ウィークバレットを付けられかつ元からヒビが入っていた足に打ち込まれ、その足を覆っていた殻が破壊される。
すると、ダーク・ラグネは左後ろ足から力が抜けたように倒れ込んだ。
その隙を逃すまいと、アンジュは既に元いた場所から移動し、ダーク・ラグネの弱点である後頭部のコアに肉迫する。
そしてアンジュが攻撃を始める直前に、シャイナがコアへウィークバレットを撃ち込み、その場に屈んで銃口をコアへ向けた。
アンジュはそのまま、フォトンによって巨大化させたソードを体全体を使って振るう。
「オーバァァ~エンド~!♪」
左右へ振り抜いたあと、思い切り上から叩きつける。剥き出しの上にウィークバレットを撃ち込まれたコアからは鮮血が吹き出す。
オーバーエンド。
ソードのフォトンアーツの一つであり、フォトンによってのばした巨大なソードを振るい切り裂く、単純かつ強力な技であった。
そして、コアに狙いをつける一つの光の柱…
「アンジュ…!」
「はいはーい♪」
「サテライトカノン…!」
オーバーエンドを放った後、アンジュは素早く後退、そこに降り注ぐ光。
それは先ほどと同じ、最大チャージしたサテライトカノンであった。コアに容赦なく降り注ぐ光は、あっという間にダーク・ラグネの体力を奪い去ってしまった。
一瞬で活動出来るだけの体力を奪い切られたダーク・ラグネは天を仰ぐように、空をひっかくように手を伸ばし、そのまま力なく倒れ、霧散していった。
「んっん~♪やっぱりシャイナは流石ね~♪」
「アンジュ、嬉しいけど…先行は止めてって、言ってるでしょ?」
「……ごめんね~!」
「…アンジュ…!!」
アンジュがニコニコと親指を立てた先のシャイナは、イライラしてると言わんばかりにむすっとしてアンジュを睨みつけていた。
その様子を見たアンジュは笑みは浮かべているものの、殺意を感じたため全力で逃走。それをシャイナは今度こそ逃がすまいとアンジュを追いかけた。
しかしやはりアンジュ。逃げ足は速くシャイナは見失ってしまった。
「(…もう諦めるべきなのかしらね…)」
はぁ…と大きく溜め息をつきながら、シャイナはアンジュの迷子癖に諦めがついた表情だった。
《…大丈夫ですか?ダーカーの反応がなくなってから大分経ちますが…》
「あっ、ごめん…」
と、そこに心配になったブリギッタが通信を送ってきた。アンジュを追いかけるのに必死になっていて忘れていたようだ。
《無事ならいいんです。…ところで、アンジュさん…》
「うん。逃げた…」
《でしょうね…アンジュさんは先ほどの交戦後にいらっしゃいますね。》
「そう…ありがと。」
《はい。ではまた何かありましたら連絡をください。》
そういってブリギッタは通信を切った。シャイナは先ほどダーク・ラグネと交戦したところへ歩いて戻って行った。
シャイナが交戦場所に着くと、小広い空間にある岩に寝転んでのんびり日向ぼっこをしているアンジュがいた。
さっきまでの怒りはどこへやら、苦笑いを浮かべながらシャイナはアンジュの元へ近寄り、そばに座った。
「…あら?シャイナ~♪」
「アンジュ。さっきのこと許したわけじゃないからね?」
「あぁん、酷いわぁ…」
シャイナが寄ってきたことを感知したアンジュが起き上がり、彼女の腕に抱きつく。が、シャイナはそれを拒絶し全く反省してない彼女に冷たい視線を送る。
「ふふ、でもさっきより怒ってないわね~♪」
「だって…昔からだもの、飽きちゃった…」
「ふふふ~♪」
しかしアンジュはシャイナが怒ってないことを見抜き、ニコニコした表情を変えなかった。シャイナもまた、苦笑いしながら呆れていた。
「ほらほら、早く日向ぼっこしましょうよ~♪」
「あ、アンジュ。あぶな…痛っ……」
「あら。」
「…………。」
アンジュが寝転び、シャイナをその勢いで引っ張ったため、シャイナの後頭部が岩に激突した。
後頭部を抑えて、アンジュを睨むシャイナ。
「ふふ、ごめんね。」
「…もう、アンジュだしいいよ。」
「何よそれー。」
全く反省の色が見えない笑顔に呆れたシャイナが適当に流すと、アンジュがムスッとしながら寝返りをうって、シャイナの半身に引っ付く形になる。
「ふふ…やっと表情変えた。」
「むー。」
「まぁ、もういいでしょ…日向ぼっこでしょ?」
ふくれっ面のままのアンジュを、仕返しできたと満足げなシャイナは涼しげな表情で流し言う。が。
「ふふ、そうね~♪このまま寝ちゃうわね~」
「…え」
アンジュの発言に、言葉が詰まるシャイナ。
文にはないが、そばに座ってから現在進行形でシャイナの脳内は大半がお花畑の状態である。
そこに、アンジュはシャイナに抱きついたまま日向ぼっこしつつ…すでに寝ていた。
「(……私が持つかしら……)」
シャイナの唯一冷静な部分が残した考えは、それだけだった。
シャイナは女の子相手だとすぐにお花畑に突入してしまう重い欠点があります(´・ω・`)
ネタとしては非常にオイシイ
しかし、逆にウチの子の中では一番おっぱいのついたイケメンになれる可能性も秘めているある意味オイシイ子ですねー。
どうしてこうなったのかはワカラナイ