PSO2 マイキャラ達のちょっとした日常   作:ひかみんとかカズトとか色んな名前

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あけましておめでとうございます(激遅
令和入って一ヶ月経っちまったよ…

とりあえずEP6に入ってからのお話になるかなと、シバが仕掛けてくる前ぐらい?
あの人が帰ってきます、イヤードコニイッテタンダロウナー


影は英雄の背を守り、託す

「不審な戦闘跡、ですか?」

「はい!アークス達からの報告です!」

 

アークスロビー、ゲートエリアにて。

終の女神シバに対抗すべく皆が奮闘する日々の中、ストラトスから守護騎士(ガーディアン)である白蓮に報告が来た。

 

「その戦闘跡がキョー君が担当するクラス…あ、ファントムって言うんですけど!その戦闘跡に似ているらしくて!」

「…キョクヤさんは何か?」

「相変わらずこちらに関わろうとしないので何も…」

 

キョクヤという人物を中心に新たなクラスとして広がろうとしているファントム。

そのファントムの戦闘した跡が各地に残っており、各ファントムが出撃した時間などとは合わないのだとか。

 

「ふむ…私も調べて見ましょう。ありがとうございます。」

「いえいえ!頑張りましょう!!」

 

元気なストラトスに見送られ、白蓮はその不審な戦闘跡を調査すべく惑星ナベリウスの遺跡エリアへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

惑星ナベリウス、遺跡エリア。

 

そこで一人のアークスらしき人物がカタナを振るい、ダーカーを殲滅していた。

だがブレイバーとは違う構え方、攻撃、PAを振るうそのアークスは、前述のファントムであった。

 

 

 

「あなたですね、所々に残る戦闘跡は。」

 

と、ダーカーを殲滅しきったファントムに声をかけたのは調査に来ていた白蓮。

声をかけられたファントムは何も発言することなく、カタナを手に持っていた鞘に納める。

その間、白蓮はソード─光跡剣ディメシオン ─の切っ先を向け警戒したままそのファントムを観察する。

 

頭は黒い帽子、髪は前が長く目が見えづらい上に赤いマフラーで鼻の近くまで隠している。服装はファントムの衣装として用意された女性用の物…それを黒く染めた物だろう。

 

「あなたの出撃記録はありません…何者ですか?」

 

白蓮が淡々と問うも、ファントムは何も発言することなくただただ視線を白蓮の方に向けたまま微動だにしない。

一体何者なのか。だがダーカーを容易く蹴散らし、守護騎士(ガーディアン)である白蓮を見ても微動だにせず、冷静に隙を伺っている。

それだけで、このファントムは相当な場数を踏んだ強者であることは容易に想像出来た。

 

「…何も言わないのなら、不確定要素として排除させていただきます。」

「…。」

 

排除、という言葉を聞いた瞬間。ファントムは無言でカタナをほんの少しだけ、カチリと動かす。

 

「(──来)」

 

来る、そう思った白蓮は咄嗟にファントムに向けていたソードを盾として構えた。

その瞬間に、それなりに間合いは離れていたファントムが白蓮に向けてカタナを抜刀、高速の突きを繰り出していた。

 

「(早い…っ!!)」

 

突きの勢いもあったせいか殺しきれず、軽くノックバックする白蓮。次の手は─

そう考えた白蓮はファントムの方を見ると…

 

「(いない…っ上!!)」

 

一瞬の隙をついて上から強襲してきたファントムのカタナの振り下ろす突きを、白蓮は自身が持つソードの突きで迎えうつ。

当然ぶつかり合えばパワー負けしているカタナ側が吹き飛ぶのは当たり前の事だった。

 

「(…?!今の感覚…!)」

 

今のぶつかり合いで何かを感じ取った白蓮を余所に、ファントムはその吹き飛ぶのを利用し距離を取ると、突然遺跡エリアの奥へ逃走しだしたのである。

 

「…!待ちなさい!!」

 

当然今の感覚…懐かしい感覚(・・・・・・)がした相手を逃がす訳もなく追っていく。

 

 

 

 

 

 

 

遺跡エリア3、所謂最深部。

 

逃げ出したファントムの後を追った白蓮だったが、相手の逃げ足は想定より早く見失ってしまった。

最深部であるこの場所にも見当たらず、白蓮は周囲の警戒し始める。

 

「(どこに…ッ!)」

 

警戒する白蓮の正面に出現した水棲系ダーカーの大型種、ゼッシュレイダ。

ドスン、と大きい音を立てて降り立つ亀型のダーカーであるが、見慣れた白蓮は怯む事なくソード時のみ放つことが出来る気弾をチャージ、真正面からぶちかました。

 

「(こんなことをしている場合ではないのに…!)」

 

先ほどのファントムを追わねばならない。

その事に意識が集中していた白蓮は焦り、視界が狭まっていた。そのせいか、気づけなかった。

後ろから張り手で迫りくる中型ダーカー、ヴォルガーダの存在に。

 

「(!しまっ…)」

 

回避は間に合わない、そう直感した白蓮は背負っていたソードを手に取り盾として構えた。

その瞬間。

 

「《シフト》、ローゼシュヴェルト。」

 

白蓮とヴォルガーダの間に突然振り下ろされ、停滞(・・)した斬撃。

突然の事にヴォルガーダは張り手を止め距離を取り、白蓮は呆気に取られるも上空を見ると…

 

「ヴォルケンクラッツァー…!」

 

白蓮が追っていたファントムが、自身のカタナを持って地面へ突き刺すように落下してきたのである。

地面に当たった瞬間衝撃波が走ったが、白蓮はその程度で怯まなかった。むしろ、わざわざこのタイミングて現れた事に不信感を持っていた。

 

「…貴女は一体…」

 

白蓮に背を向け、ヴォルガーダと向かい合うファントム。ヴォルガーダも警戒しているのか構えたまま仕掛けてこない。

 

「…答えてください、何者なんですか…!」

「……影よ。」

 

ファントムはヴォルガーダへ殺気を飛ばしたままようやく声を発した。

白蓮の視線に折れた様子はないが、そのファントム─声からして女性─が小さく囁くように口を開いたのだ。

 

「え…?」

「私は(ファントム)英雄(ヒーロー)である貴女の背を守る影。それ以上必要?」

 

声は小さくもはっきりとした声でそう言ったファントムはヴォルガーダを討たんと構えた。

その声を聞いた白蓮の心情は様々な事で一杯だったが一旦止め、ゼッシュレイダに向き合う。

 

「それに…()の成長を見るのに理由がいるかしら?」

 

その一言にファントムの方を向きかける白蓮。

しかしそれは許さないと、白蓮の背にファントムの方から背を押し当ててきた。そのために白蓮は仕方なくゼッシュレイダと改めて向き合う。

 

「──行けるわね?白蓮。」

「──!!」

 

自分の名を呼ぶ、厳しくも暖かな声。

白蓮がずっと追い求めていた一人の姉(palse)の声であった。

 

「勿論です、お姉様──!」

 

このファントムの正体がわかっただけでなく、迷いなどの自身のマイナス要素の原因であった自分の望みも叶った白蓮に最早ゼッシュレイダなど敵ではなかった。

ファントムである彼女もまたそれらしいトリッキーなカタナ捌きでヴォルガーダを一蹴した…。

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

二体の殲滅を終えた二人は静かに納刀し、向き合うことなくお互いに背中を向けたままだった。

 

「…お戻りになられないのですか?」

「言ったでしょう?今の私は影。貴女達の背を守るための影であり、表舞台に出る立場じゃない。」

「でも…!!」

 

マトイが、家族が、アークスが、みんなが貴女を待っている。

そう伝えようと振り向く白蓮。

 

「…このクラスを伝授した男からある程度は聞いた…それでも私は戻れない。私には、私の成すべき事がある。」

「──…そう…ですか。」

 

振り向くとファントム─palse─の視線が合った。だが彼女の決意は堅く、揺らぐ事は微塵もなかった。

白蓮もその目を見て揺るがぬ事がわかると大きく落胆していた。

 

「…確かに今の貴女の居場所は私の戻るべき居場所なのかもしれない。でも、それでも。今の私には守るべきものが増えているの…だから、貴女に託したい。」

「…でも、私では…!」

 

久しぶりの、しかも行方不明で死亡扱いになりかけた姉に再会した白蓮は他には滅多に見せる事のなかった弱音を吐くようにすがりつく。

 

そんな彼女を、palseは優しく抱きしめた。

 

「しっかりしなさい。貴女は私の後を継いだ守護騎士(ガーディアン)なのでしょう?」

「でも、でも…!!」

「…気持ちはわかる、でも…下手に戻ったとしても、私はアークスにずっと落ち着く事はない。そうして私が消えたり戻ったりを繰り返せば、それはアークス全体の不信の種になりかねない。……それだけ私の身も今落ち着かない事になってしまっているの。」

 

ずっと感じる事の出来なかった姉の温もりを、もう離したくないと我が儘を言うようにpalseを抱きしめる白蓮に、彼女は額をコツン、と合わせてから少し離しつつ子供をあやすように優しく語りかける。

 

「それに…私がいない間に、私が知らない世界で、負ける事なく折れる事なく成長した貴女を、信じてみたい。」

「…!」

 

信じる。

かつて他人不信となり、その闇を抱え込みすぎたが故にDFとなりかけた過去を持ち、未だにその傷跡として彼女の中に【不信】(Distrust)を飼うpalseからの言葉。

 

「…私で…いいん、ですか。」

「ええ。」

「私は、未熟者です。」

「それはないわ。」

「皆がいなければ何も出来ません。」

「そんなこともない。」

「…何より、貴女より弱いんですよ…!!」

「…そんなこと、絶対にありえない。」

「何が──!!」

 

ネガティブになり喚こうとした白蓮の額に、そっと指を添えるpalseは続ける。

 

「ずっと私の後ろを迷いなく付いてきた貴女が、一人でオメガという世界で守護騎士(ガーディアン)という名前を背負って戦いきったのに、私より弱いなんてありえない。貴女はもう、私と同じくらい強いのよ。」

 

だから、私は貴女を信じたい。

 

「───。…お姉様、ずるい、です…!」

「…許して白蓮。こんな姉を。」

「許しません、だから─いつか、絶対に、帰ってきてもらいますからね…。」

「…ふふ、血が繋がってないはずなのに、どうしてこう変に似るのかしらね。」

 

 

抱き合う形から離れたpalseはポンポンと白蓮の頭を撫で、マントを翻す。

離れたお互いの表情に、もう迷いはなかった。

 

「いってらっしゃいませ、お姉様。」

「…!“また”ね。白蓮。」

「はい、“また”…」

 

迷いなく見送る(白蓮)に、(palse)は一瞬驚くように目を見開くも、微笑んでそう返した。

さよならではなく、また会おうと互いに決意して。

 

 

 

 




palse、帰還。
まぁどこに行っていたかはいずれ。

とりあえず更新はやはりどれも遅くなりそうです。
意欲がわかなくて。
申し訳ない

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