PSO2 マイキャラ達のちょっとした日常   作:ひかみんとかカズトとか色んな名前

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依頼された日から1ヶ月以上経っている現実が私を襲う!すみませんでしたW氏。
モンハンXXとかアークスとか光の戦士やってた上に他にも書いていたら思いの外時間がかかってしまった…

今回のゲストはかなり人気のアークスです。正直許可降りたのが信じられないのが本心8割喜び2割ぐらいでした()
うまく書けてたらいいなぁ。

どうぞ


大きい者と小さい者

「…捜索依頼?」

「はい。アークスの…ウネさんからですね。知り合いである研修生のアトさんとはぐれ、探すにしても自分は手負いな上に捜索範囲が広くて探しきれないとのことです。」

「場所は?」

「んーと、惑星ウォパルの海岸ですね。ウネさんがまだ未探索のところをお願いしたいとのことです。」

 

場所は艦橋。

依頼が回ってきたとシエラから連絡が入ったpalseは、すぐに艦橋に向かい詳細を聞いていた。

 

「すぐに向かうわ。他に話は?」

「えーと…何でもこのアトっていう子は中々手のかかる子だそうで、13歳でありながら精神年齢は相応ではないようです。」

「…それが私を選んだ理由かしら?」

 

下手に怖い外見や内面を持つ人だと、対象に恐怖を与えてしまう可能性がある。

恐らく依頼主はどこからかpalseの情報を入手し、依頼したということだろう。最も、守護騎士(ガーディアン)という立場であるpalseを知らぬアークスの方が少ない気もするが。

 

「そうでしょうねー。palseさん、お姉さんで優しいですし。」

「保育士じゃないんだから…」

 

シエラのからかうような言葉に呆れながら、palseは艦橋から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり惑星ウォパル、海岸エリア。

美しい青い海と、時に赤く、暗く変わる青い空が特徴的な水の惑星のエリア。

ここで海水浴を楽しむパーティーもあるらしい。

 

「さて…どこから捜索しましょうか。」

 

海岸エリアに降りたったpalseが、ザッザッと砂浜を歩き周囲を見渡しつつ呟く。

降りた場所は岩影が多く、隠れる場所が豊富な印象を受ける。

palseは歩きながら、参考程度にと渡されたアトのプロフィールを見ていた。

 

「…………今は研修生とはいえ、よくアークスになろうと思ったわね…。」

 

だがそれを見て、個人的な感想をぼそりと漏らすpalse。それもそのはず。

まず第一印象として、若すぎるのではないか?ということだった。

自身も19歳─コールドスリープの二年も含めるなら今は21─と若い方だが、アトのプロフィールを見るに精神面もかなり幼く見えた。

それに加え、年相応の悪い部分というべきか。嫌なことからズルをしてまで逃げたり、ペーパーテストの成績を見ても良い印象はあまりない。

元気で素直な子らしいが…

 

「…一体どんな子なのやら…っと。」

 

砂浜を歩いていたpalseは、人の気配を感じ歩く方向を変える。すると、離れた岩影から誰かの泣く声が聞こえてきた。

 

「……すっ…ふぇ、ぐすっ…ウネぇ…どこ行ったのぉ…」

「…。」

 

先ほどのプロフィールに画像も載せてあったため、palseはすぐに理解した。

岩影で泣きながら依頼主(ウネ)に助けを求める、白髪のこの子がアトなのだと。

 

「ねぇ。」

「Σひゃあっ!?」

 

palseが声をかけると、彼女は全く気づいてなかったのか奇声をあげながら体ごと驚いていた。

そしてすぐにpalseの方を向く。

 

「貴女がアトで間違いないかしら?」

「ふぇ…?う、うん…。」

「ウネさんが探してたわよ。」

 

自分の知り合いが他の人に頼んでまで探してくれている。

そうわかった瞬間、アトはにぱーっと笑顔になる。

 

「ウネの!?」

「ええ。なんでも急におかしなことに巻き込まれてはぐれたと聞いたけど…っと。」

 

余程寂しかったのか、アトは突然palseに抱きつこうと駆け寄る。

palseもそれを察したのか体制を低くし、アトを受け止める。

 

「うぅ…怖かったよぉ…。」

「ん、よしよし。帰るまで一緒にいてあげるから安心しなさい。」

 

また泣き始めそうな様子のアトに、palseは頭を撫でて受け入れる。

 

「(予想はいたけど…大分喜怒哀楽が激しい。…大変ね、依頼主も。)」

 

 

 

 

 

 

「……落ち着いた?」

 

アトは大分長く泣き続け、声が収まり漸く落ち着いたのかとpalseは問いた。

 

「すぅ…」

 

しかしアトは泣き疲れたのか、安心したからなのかすっかり眠ってしまっていた。

 

「…やれやれ。」

 

若干呆れた様子のpalseは、ひょいっと軽々とアトをおんぶした状態で歩き始めたのである。

テレパイプを用意して帰っても良かったが、またすぐにわいわいと騒がしいところに戻されても可哀想だろう。

palseはそう判断して、来るときに使ったテレパイプへと歩みを進めた。

 

 

 

 

もうすぐテレパイプの場所という距離で、アトの体が背中でもぞっと動く。

 

「ん…あれ…?」

「あら、目が覚めた?」

 

palseの背中でぐっすりと寝ていたアトは、目を擦りながらキョロキョロとしていた。

palseも動くことなく、彼女の様子を見ていた。

 

「ここは…?」

「まだ海岸エリアよ。…もう少しでキャンプシップに戻れるわ…?」

 

もうすぐ帰れる。

そう分かった瞬間、アトの手に力がこもる。何故かわからないpalseは不思議そうにアトをみる。

 

「…海で遊びたい。」

「少し緊張感持ちなさい。」

 

ただ遊びたいだけだったらしく、palseにばっさりと切り捨てられていた。

 

「ダメ?」

「…はぁ、しょうがないわね。」

「…!わーい!」

 

背中のアトから懇願するように見つめられ、palseは渋々彼女を背中から降ろす。

許可され降ろされると、アトは元気よく海へと走っていく。

 

「怪我しないようにね。」

「はーい!」

 

海へと駆け寄ってく途中、アトは水着に着替えて飛び込む。ばしゃばしゃと元気よく泳ぐ姿を見て、palseは苦笑いを浮かべて砂浜に座る。

 

「…シエラ、聞こえる?」

《はい。どうされましたか?》

「アトちゃんは見つけたわ。でも、連れて帰るには時間かかりそう。そう伝えてくれる?」

《わかりました。》

 

恐らく長くなると判断したpalseはシエラと連絡を取りそう告げる。

シエラもまたpalseのことを信用しているからか、疑うことなく了承した。

 

「おねーさんも泳ごうよ!」

「私は今水着を用意してないわ、諦めなさい。」

 

そんな中海で泳いでいたアトがpalseを誘うも、彼女はそれをすぐに断ってしまう

 

「むーっ!ここなら大丈夫でしょ!?」

 

だがどうしても誰かと遊びたいアトは浅瀬でばしゃばしゃとはしゃぎ、ここならどうだとアピールし始める。

 

「……はぁ、しょうがないわね。」

「やったー!」

 

palseはアトの頼みに呆れつつ、靴と靴下を脱ぎ濡れない位置に丁寧に置き、彼女の元へ歩いて近寄る。

 

「おねーさん!早く早くー!」

「そんなに慌てなくてもいいじゃない、ほら。」

「ふぇ?Σぶえっ!?」

 

元気よくはしゃぐアトがpalseの声に振り返ると、顔面に水がぶっかけられた。

palseは手を銃の様に構え、フォトンを簡単に応用し簡易版水鉄砲のように打ち出したのだ。

 

「うぅ…おねーさんずるいー!」

「考えて使えばこんなことも出来るのよ。ほらほら。」

「きゃー!やったなぁ…このぉ!」

 

palseが簡易版水鉄砲でばしゃばしゃと遊んでいると、アトはただ水を掛け返す…のではなく、水面を思いっきり叩き津波…程ではないが小規模の波を起こした。

 

「わっ…ちょっとそれはやりすぎじゃないかしら…」

「おねーさんがフォトン使うから、私も使っただけだもん!」

「明らかに比が違いすぎるでしょう…」

 

その波をあっさりと拳で叩き割りながら、自身とアトのフォトン使用量の差に呆れていた。

palseはあくまで少しの水を少量のフォトンで手に宿し打ち出していた。反面アトは力任せにフォトンごと放出するように水面を叩き、波を起こした。

その差は言うまでもないだろう。その波をしれっと叩き割るpalseもpalseではあるが。

 

「むー…!」

「はいはい怒らないの。それで、まだ続けるの?」

「やるーっ!」

 

フォトンを使ったら何か言われると思ったのか、アトはひたすらにばしゃばしゃと水をpalseへと飛ばしまくっていた。

palseはそれを受けつつも自分の水鉄砲でアトに的確に打ち返していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…アトちゃん、体力凄いのね…」

「ふぇ?いきなりどうしたの?」

 

数十分後。

遊び疲れた二人は砂浜に座り、くつろいでいた。アトはpalseの足の間に座っていたが。

そうしてくつろいでいる最中、palseが突然口を開いた。

 

「だって貴女、見たところまだ疲れてないでしょう。あれだけ動き回ってたら普通は疲れ切ってる頃よ。」

「そうかな?私もわかんない!」

「…自分の体調ぐらい把握しておきなさい。」

「苦手!」

「…そう。」

 

最早言うだけ無駄か、と判断したpalseは思考を投げ捨て、ぼーっとし始める。

アトはpalseが動かないと見るや、彼女に更に抱き付き胸に顔を埋め始めたりする。

 

「ん、こら…」

「にひひ、おねーさん暖かい…」

「全くもう…」

 

甘えるように抱きついてくるアトを拒めないpalseは苦笑いを浮かべつつ、彼女の頭を撫でていた。

アトはそれも嬉しかったのか、笑顔で更に甘え始める。

 

「(彼女も、温もりを知らない子なのかもしれないわね…)」

 

そう思考するpalse。

アトもまた人の、親の温もりを知らぬまま生きて来たのだろう。palseはそう思うと、自然とアトを抱きしめていた。

 

「…おねーさん?」

「palseよ、私の名前。まだ言ってなかったからね。」

「…ぱるすおねーさん!」

 

不意に抱きしめたpalseを疑問に思ったアトが彼女を見上げるように顔を上げる。すると、そんな彼女にpalseは自分の名前を告げた。

それを聞いたアトはにぱーっと笑顔になり、早速名前で呼んだ。

 

「ふふ。…さて、帰りましょうか。」

「…もう帰るの?」

「そもそもあなたの捜索依頼で来たのよ?…まぁ、またいつか一緒になった時、遊んであげるから。」

「うん…あの、最後に一個だけ、いい…?」

「どうしたの?」

 

palseが帰ると言い出すと、アトはウネを始めとした知り合いに何か言われるのが不安なのか、暗い表情をしていた。

だが、palseの言葉にアトは一つお願いを言い始める。

 

「肩車してほしいなーって…」

「…はぁ、しょうがないわね…」

「わーい!早く、早く!」

「はいはい、ほら。」

 

何を頼まれるのか、そう思いアトに尋ねたpalseに返ってきた返答もといお願いは、肩車。

彼女の幼い欲にため息をつくが、断れないpalseは苦笑いを浮かべつつそれを承諾。アトは笑顔になり彼女に早くするよう急かす。

渋々といった行動をしつつも苦笑いを浮かべ、palseはしゃがんでアトを待つ。

 

「よ…こいしょ…」

「いい?立つわよ。」

「うん!」

 

アトがしっかり座ったことを確認し、立ち上がるpalse。彼女自身身長が高いこともあり、アトの視点は普段のそれよりも遙かに高い位置となる。

 

「ふおぉぉぉ…!」

 

自分だけでは見ることが出来ない高さの視点に、アトは感動した声を上げる。

palseは相変わらず苦笑いを浮かべたまま、楽しんでいるアトに好きにさせていた。が…

 

「すごーい!凄いよぱるすおねーさん!」

「わわっ、暴れないでアトちゃん…!」

 

その高さに興奮したアトが身振り手振りでその凄さを表現し始めたのだ。それに加え、アト自身の力もバカに出来るレベルではないため、彼女を乗せるpalseの体制も不安定になりつつあった。

 

「お、落ち着い…きゃっ!」

「すごー…い…わぁっ!?」

 

ついに体制を崩したpalseがアトごと倒れてしまう。だが足下は砂浜であるため、一応倒れても大丈夫ではあった。

 

「いたたた…」

「アートーちゃーんー…」

「あ、えと…えへへ…」

「えへへじゃないわよ全く…」

 

当然お願いされた上に倒された側のpalseからすれば怒って当たり前、説教ものではある。

だが、アトの困ったような…許してくださいと言わんばかりの笑顔にpalseも呆れていた。

 

「ご、ごめんなさ…あいたっ!」

「私はこれで済ましたげる。…でも、他の人にはこんなことしないようにね?」

「うう、わかった…」

 

流石に謝らないといけないと思ったアトの額に軽くデコピンしつつ、palseは軽くお説教した。自分に非があると認めたアトは額を抑えつつ頷いてそう言った。

 

「さて、それじゃ帰りましょ…ほら。」

「あ…うん!」

 

ぱっぱと服の砂をはたき落としたpalseが立ち上がり、まだ座り込んでいるアトに手を差し伸べる。

その意図を理解したアトはその手を握り立ち上がる。

そして二人はそのまま手を繋ぎ、テレパイプを使用し帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

その後、帰還が遅れた事に関して(主にアトが)色々言われたのは秘密、ということで一つ。

 

 

 




はい、なんと今回はわんこさん(@pso2_ato)の子、アトちゃんをゲストとして書かせていただきました!

とても元気な子という印象と、彼女自身の設定を生かした文章になってたらいいなーと思います。
palseもまたこういう妹系を拒んだりはしない…と思います。でもあまり我が儘がすぎるとキレます(謎の警告


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