PSO2 マイキャラ達のちょっとした日常   作:ひかみんとかカズトとか色んな名前

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大分時間を食ってしまった…
外見おじさんなおじさんはね、女子同士のおでかけってわからないの(言い訳

この前のアプダクションのお話のちょっとした続編みたいなものです。



シャレットちゃんとおでかけ!

「まだかなぁ…」

 

アークスシップ内、市街地の道端。

白い執事服…ではなく、カジュアルな私服を着た金髪の少女、シャレットは回りをキョロキョロ見渡しながら人を待っていた。

 

「うーん…」

「シャレットちゃーん!」

 

どうしようかとシャレットが悩み始めた時、彼女を呼びながら駆け寄る女性が。

 

「あっ、palseさーん!」

「はぁっ、はぁっ…ごめんね、遅くなって。」

 

急いできた女性、palseは息を整えながら待たせてしまったシャレットへ謝罪した。

 

「大丈夫ですよぉ~…というか、palseの私服初めて見ました。」

「…私もシャレットちゃんのを初めて見たわ。」

 

palseの今の服装は、黒いボアジャケットとハーフパンツ空に加え、いつもの略帽と赤縁メガネとホワイトフェザーピアスの三つをつけていた。

 

「この服、妹に選んでもらったの。私、服とかはよくわからなくてね。」

「へぇ~…似合ってますよ♪」

「そう?ありがとう。」

 

服装を褒められたpalseは微笑みつつ、ニコニコしているシャレットの頭を撫でる。

 

「…ほぇ?」

「あ、ごめんなさい。ついクセでね…。」

 

突然の事に処理が追いついていないシャレットはとぼけた声を漏らす。

palseは白蓮やマトイなどと話してる時、相手を落ち着かせる、または感謝や褒める意味でよく頭を撫でている。

今回もそのクセでシャレットの頭を撫でた、ということである。

 

「ふふ、悪い気はしませんねっ♪」

「そういってくれると助かるわ…っとそろそろ行きましょうか。」

「そうですね!palseさんはどこかご希望はありますか?」

「いや、特にはないわね。シャレットちゃんに合わせるわ。」

 

palseがそう告げると、シャレットはうーんと考え始める。

 

「palseさんはご飯まだですか?」

「そうね…まだ食べてないわ。」

「じゃあ腹拵えから行きましょう!」

「ええ。」

 

少し考えたあと、元気よく提案するシャレットに、微笑みながら頷くpalse。

 

「…またラーメン?」

「ちっ!違いますっ!!」

「冗談よ、ふふふ。」

「むぅ~!」

 

palseの簡単な冗談に、少しむすっとした表情で先に進むシャレットであった。

一人にさせまいと、苦笑いを浮かべつつpalseも小走りでついていった。

 

 

 

 

 

 

「たまにはのんびりカフェも良いですねぇ…」

「ふふ、馬鹿にできたものじゃないでしょ?」

 

あの後、悶々として中々決められないシャレットを見かねたpalseが提案した、彼女お勧めの小さめのカフェへと移動し簡単な食事を取っていた。

 

「このカフェは私の密かなお気に入りの場所でね。あまり話題とかメディアに持ち上げられないけど、それが逆にこの静かな空間を作っているの。」

 

palseが自分で注文した、苦みを少し抑えたコーヒーを飲みつつシャレットへそう説明した。

 

「へぇ…でも確かにいい空間ですよね。勉学とかも捗りそう。」

 

そういってシャレットは店内を見渡す。

確かにそれほど大きいという訳ではない。だが小さすぎるわけでもないちょうど良い広さに加え、店内の全体的な色と構造は落ち着いた雰囲気を保つように整っていた。

二人は窓際にいるが、店は混雑している訳でもなくひっそりと不気味に静かな雰囲気でもない。

 

「何度か仕事で失敗した時とかは、たまにきてゆっくりしてたこともあったのよ。ここはほんとに迷惑な人でない限り警告しないからね。」

 

もぐもぐと美味しそうにサンドイッチを食べるシャレットに微笑みつつ、palseは淡々と説明を続ける。

 

「シャレットちゃんも、たまに誰か連れてきたらどうかしら?シルフィさんとか、この前の…桔梗ちゃんだったかしら?とか。嫌なことを忘れてのんびりするには向いてるわ。」

 

ただ、あまり大勢だと店の雰囲気が台無しになっちゃうけどね。と付け足し、palseもサンドイッチを口に運ぶ。

 

「うーん…考えてみます。」

「ふふ…無理にとは言わないわ。ただ、あまり広めすぎるとここの人達も困っちゃうから気をつけてね。」

「はーい♪」

 

palseの言葉に、もぐもぐとサンドイッチを食べ終えたシャレットが元気よく返事をする。

幸せそうな彼女の表情を見守りつつ、palseは微笑みを崩さなかった。

 

 

 

 

 

 

 

カフェでゆっくり食事を済ませた後。

二人は町並みをゆっくりと歩きながら、この後の予定を含めて話し合っていた。

 

「…それでですね、私だって頑張ってるのにお兄ちゃんったらまたバカにしてきて!」

「ふふ、大変ね。」

 

その話題の中には時折愚痴が混ざっていたが。

 

 

 

 

 

 

 

次に二人が訪れたのは、前にpalseがアンジュと詩姫[ディーヴァ]に連れてこさせられたあのデパートであった。

シャレットの日常品やpalseが見たい物などを見て回るために二人で歩き回ることにしたのだ。

 

「ふわぁ…やっぱ広いですねぇ~…」

「色んな店をとにかく詰めたって感じみたいだしね。広さは凄いと思うわ。」

 

デパートに入り、その広さに驚くシャレットと、淡々と返しながら地図を開くpalse。

 

「それで、何を買うんだっけ?」

「えっと…お洋服と、あと何かお土産みたいなのを買って帰れればいいかなって。」

「そう、じゃあまず服から見て回りましょうか。」

 

palseの広げた地図を見ながら回る店の順番を決め、二人仲良く並んで歩いていく。

 

「palseさんの方はどうですか?」

「私?」

「はい。クエストとかもそうですけど、他になにかあったりしたのかなって。」

「そうねぇ…」

 

店までの道を歩いてる間、シャレットが不意に問いかけた内容にpalseは思い出すように悩み始める。

 

「シャイナさんがセクハラ行為で返り討ちにあってるのは最早日常茶飯事だし…」

「シャイナさん?」

「こないだのダーカーの巣から帰った時、シャレットちゃんとシルフィさんのお尻触ろうとした褐色肌の人いたでしょう?」

「あぁ…」

 

それを聞いて思い出したシャレットは、遠い目で納得した。

(そりゃあ犬のようにハァハァいいながら目も顔も態度も欲望に溢れた状態で女性の尻に迫ればこうもなる)

 

「あの人は女性好きと同時に男が極端に苦手かつ嫌いでね。あの後あの人シャレットちゃんみたいな妹欲しかったって部屋で喚いてたのよ?」

「…えぇ…」

「レーツェさんのことが憎いとまで言う始末だったし。」

「ええぇ…」

 

あまりのシャイナの酷さにドン引きが隠せないシャレット。

彼女のその様子に、既にシャイナに慣れてしまったpalseは苦笑いを浮かべていた。

 

 

「ん…?女性好きということは…まさか?」

「そ。他の女の人にもセクハラして返り討ちにあうのが日常茶飯事ねー…。」

「…大変ですね…」

「その度にお仕置きしてるけど、最近はもう逆効果になりつつあるのよねぇ…」

 

どうしたものかしら…と呆れ顔で呟くpalseに、シャレットは引き気味の苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「どれを買うの?」

「んーと……これとこれと…」

「あら、この組み合わせならこれでも…」

「あぁー…ありですね…」

 

そうこうしている間にとある服屋へと着いた二人は相談しながら服を選んでいた。

シャレットがさささっと選んだ服のコーディネートに、palseのpalseなりの意見をあわせてアレンジしていくといった感じである。

 

「palseさんは買わないんですか?」

「…私はー…この間この服を含めて買わされたからいいわ。」

「…大変なんですね…」

 

この間の事を思い出すように話したpalseの遠い目を見て、シャレットは察したように心の中で合掌していた。

 

「服選びは、誰がやったんです?お姉さんですか?」

「いや、主に妹よ。…姉やそれこそシャイナさんがやったらまともな服が来ないからね。」

「なるほど…。妹…青い子で確か、白蓮ちゃんでしたっけ?……青いのに白…」

「触れちゃいけないわシャレットちゃん。…まぁあの子も自分ではセンスないですって言ってるけど、無難なチョイスをしてくれるからね。」

 

palseの自慢気な表情に、シャレットも少々苦笑いを浮かべていた。

と、不意にpalseがシャレットに聞く。

 

「シャレットちゃんは、他の人には何かあげないの?レーツェさんとか、桔梗ちゃんとか…」

「うーん…………palseさんはどうなんです?」

 

答えに悩んだシャレットは質問をそっくりそのまま返す。

その行動にpalseは驚きつつも苦笑いを浮かべ答える。

 

「そうね…白蓮、アンジュ姉さん辺りに何か買おうかしら…」

「シャイナさんは?」

「あれは後処理が面倒だから却下ね。」

 

哀れ、褐色肌。

 

 

 

 

 

 

 

 

服を購入し終えた二人は、ぶらぶらと歩き回っていた。

 

「意外とありませんねぇ…」

「正直ここまでないのは想定外だわ。…もっとバランスよく店を集めているのだろうと思ったんだけど…」

「アクセサリーの店、変に目立つような物の店しかないですしねぇ…」

 

そう、palseが探しているのはアクセサリーの専門店。

昔から世話になっている姉や、自分を慕いついて来てくれる妹にあげようと思ったらしい。

だが、先ほどから見える店はどれも姉妹二人…どころか女性にすら合わないであろう物ばかりであった。

どうしたものか、と地図と睨めっこしつつ悩み進んでいると…

 

「あれ、シャレットちゃんと…palseさんだっけ?」

 

不意に前から声をかけられ、二人は顔をあげる。そこにはシャレットの知り合いであり、この前にpalseとアンジュが出会ったポニーテールの少女、桔梗だった。

 

「桔梗ちゃん!こんなところでどうしたのー?」

「え?えっと…暇つぶしかな。シャレットちゃんとpalseさんは何してんの?」

 

シャレットの突然の質問にはぐらかすように答え、二人に聞く桔梗。

心なしか周囲を確認するようにキョロキョロしている。

 

「ちょっとした買い物をしたいのだけど、良いアクセサリーの店がなくって。」

「アクセサリー店?それなら確か、この先にぱっと見まともなのがいくつかあった気がするよ。」

「あらそう?ありがとね。」

「…別に。気にしなくていいよ。」

 

 

palseの話を聞いた桔梗は、自分が歩いてきた道中を適当に指しながら二人に教える。

それに対する礼に、桔梗はわざわざ目を逸らしつつ言っていた。

 

 

「ところで、桔梗ちゃんはなんでそんなにキョロキョロしてるの?」

「…だって、あんたがいるとあの赤い人もいそうで…」

 

桔梗の様子を見てpalseが聞くと、桔梗はめんどくさがっているような、少しビビってる表情でそう答えた。

どうやら、アンジュに対し少し苦手意識が出来てしまったようである。

 

「ああ、アンジュ姉さんのこと?あの人今日は仕事だからいないはずよ。」

「あれ、そうなの?ならまぁ…」

 

アンジュがいないとわかると、桔梗はすぐに警戒を解いた。

その桔梗に、palseはある提案をした。

 

「桔梗ちゃん。」

「ん、何?」

「アンジュ姉さんもいないし、折角だから一緒に回らない?」

 

偶然とはいえ、会えたのなら色々話を聞いてみたい。

そう思い、palseは桔梗に提案したのだが…

 

「んー…私はいいや。特に欲しいものもないし。」

「そう。」

 

少し面倒くささが見えている表情で、桔梗は手をヒラヒラさせてその誘いを断った。

palseもそうなると思っていたのか、苦笑いを浮かべていた。

 

「今日はもうここから出るしね。…でもま、お誘いはありがと。また今度にでも誘ってよ。」

「ん、わかったわ。」

「またねー桔梗ちゃん!」

 

二人と別れ、ゆったりとした歩みで去っていく桔梗。

その背中を見送った後、二人はまだ見ていない店回りを再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ふむ、結構あるわね…」

「目移りしちゃいますねぇ…」

 

漸く見つけたアクセサリー店にて。

いくつもあるアクセサリーの豊富さに二人は頭を悩ませていた。

ピアス、ブレスレット、ネックレス…

普通の物からちょっと変わった物、ラッピーやアイドル等のキーホルダーなど、この店だけで十分なのではないかと思わせるほど充実していた。

 

「palseさんは何か考えてました?」

「んーそうね…一応、特に邪魔にならないピアスでいいかな、とは考えていたのだれけど…。」

「ピアスかぁ…」

 

palseの考えを聞いたシャレットが何気なく視線を動かした先、そこにペアルックらしきピアスがあった。

 

「あ!palseさん!あれなんてどうです!?」

「えっ?ど、どれ?」

 

良さそうと思ったシャレットはpalseの手を引き、そのピアスの前まで彼女を連れてくる。

それぞれ白と青のピアスが一つとなって飾られており、今palseがつけているフェザーピアスとは少し違った、翼を模した物だった。

 

「ほら、白蓮さんって確かpalseさんのこととっても慕ってるって聞いたから、こういうのでもいいんじゃないかなって…」

「…これの片方を、白蓮に…か。」

「ど、どうでしょう?」

 

流石に姉妹にこういった物は合わないか、そう思ったシャレットが不安な表情でpalseの様子を伺うように聞く。

 

「悪くなさそうね、これにしましょう。」

「……えっ?い、いいんですか?!」

 

しかし返ってきたのはあっさりとした決定の返事。予想と全く違った返答にシャレットも慌てて聞き直す。

 

「だって、あの子はお揃いでも喜んでくれるから、こういう物ならもっと喜んでくれるかなって思って。」

「はぁ…」

 

想定してたよりも単純な考えに、シャレットも拍子抜けしたように、肩から力が抜けてがっくりとしていた。

 

「ん…そうだ、シャレットちゃんもいる?」

「へっ?」

 

palseが何か思いついたかと思うと、突然の内容にシャレットは変な声で聞き返す。

その声に微笑みつつ、palseはシャレットに再び告げる。

 

「これ、シャレットちゃんもいる?このピアスだと片方の耳に何もつけてない状態だから、シャレットちゃんとのもつけられるよ?」

「い、いやいやいや!何で私なんですか!?お姉さんとか…!」

「あ、いや…ほら、シャレットちゃんとはなんやかんやで縁があるじゃない?でも、今までお世話になってたのに何も返してなかったから…」

「う、うぅぅん…」

 

シャレットは深く悩み始めてしまった。

折角の提案ではあるのだが、これはあくまでpalseの姉妹へのプレゼントのための買い物である。その一つを自分が受け取ってしまってもいいのか?

うんうん唸りだしたシャレットに、palseは苦笑いを浮かべていた。

 

「そんなに悩まなくても…貴女が欲しいか否か。それだけでいいのよ?」

「うー…も、貰えるなら…頂きたいですけど…」

「ん。じゃあ買いましょうか。」

「ち、ちょっ!?」

 

うやむやな返事でスパッと決められ、慌ててpalseを止めるシャレット。

止められたpalseは少々不服そうにシャレットに視線を送る。

 

「まだ何かあるの?」

「だ、だって…お姉さんの分が…」

「…実はねシャレットちゃん。アンジュ姉さん、赤色が好きなの。アクセサリーも赤を多く好んで身につけてるから…多分これ買っても付けないと思うの。だから…ね。」

 

受け取ってくれると嬉しいな。

そう言っている視線に、シャレットも少し渋々と、だがやはりプレゼントを貰えるという喜びも含めた表情でそれを受け取ることにした。

 

 

 

 

「ありがとうございましたー。」

 

店員の見送りにpalseは軽く手を振って答え、彼女とシャレットは店を出た。

 

「…あ。」

「ぇひゃうっ!!?」

 

突然何かを思い出したpalseは隣のシャレットの髪を優しくかきあげ、耳を確認し始める。

余りに突然すぎる上にpalseの顔がすぐ側に迫ってきたのもあり、シャレットは悲鳴じみた声をあげて固まっていた。

 

「…シャレットちゃん、もしかして、ピアス穴ってない?」

「…あ、はい。…今更ですけどなんか、苦手というかなんというか…」

 

固まっていたシャレットは、palseの恐る恐るといった感じの問いかけで動き始める。

そう、ピアスを付けるためには大抵耳たぶに専用の穴が空いてなければならない。だが、シャレットは彼女自身があまり好んでつけないのだろう、彼女の耳は綺麗なままだった。

 

「…やらかした…」

「う、え、えっと…わ、私も黙っててすみません…。」

 

palseは顔を手で覆いながら、衝動買いの如く勢いで購入したことを後悔し、シャレットも突然の提案に慌てて大事なことを伝えるのが遅れたことを謝罪していた。

 

「でも、折角貰った物ですから大事にしますよ!大丈夫です!」

「うぅ、ごめんね…」

 

普段の彼女からは見ることが出来ないであろう、子供が悪いことをしてしまった時にするようなばつの悪い表情でがっくりと肩を落としていた。

 

「それにしても…palseさんもそういう失敗するんですね…。」

「まぁ、私も人間だからね…短所はあるわ。」

 

未だに表情は沈んだままではあるが、palseの体勢はしっかりと戻っていた。

 

「でも、その方がなんだか親近感がわくというか…もっと接しやすくていいですねっ。」

「それは…褒めてるのよね?」

「も、勿論ですよ?」

 

ニコニコと喋りつつ、前に躍り出るように歩くシャレットのフォローのような言葉に苦笑いしつつ、palseはその速さに合わせるように歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

用が済んだ二人がデパートから出ると、すっかり空は赤く夕焼けに染まっていた。

 

「わぁ…もうこんな時間かぁ…」

「やっぱり1日だけだと短く感じるわね。」

 

外を照らす夕日を見ながら、二人は呟く。

しばらくお互い黙っていたが、突然シャレットが口を開く。

 

「…また、今日みたいに遊んだり出来ますかね…?」

「そうね…予定が合えば、かしら。それと…」

 

何かを続けて言おうとするpalseに、シャレットは首を傾げて彼女の方をみる。

 

「私達アークスが、ここの平和を守っていければ…かしらね。」

「…そう、ですね…」

 

palseの言葉にシャレットはゆっくりと頷き、再び二人の間に沈黙が流れる。

 

 

「…さ、今日はここまでにしましょうか。シャレットちゃん、帰宅は一人で大丈夫?」

「わ、私は大丈夫ですよ!子供じゃないんですからっ!」

「そう…ごめんね。」

 

palseの心配がシャレットにはバカにされたように聞こえたのか、ぷりぷりと少し拗ねていた。

どうしたものか、とpalseが考えている中…

 

「お姉様。」

 

そこに響く、第三者の声。

二人がそちらを向くと、青いボディに身を包んだキャストの少女が。

 

「あら、白蓮。」

「それと…この間のダーカーによるアプダクション後以来ですかね?シャレットさん、こんにちは。」

「そうだね~、白蓮ちゃんこんにちわ!」

 

palseに軽く頭を下げると、シャレットに向き直りきびきびと挨拶する白蓮。

シャレットは何も変えることなくいつも通り返していた。

 

「貴女が来てくれたの?」

「はい。お迎えが必要かと思いまして。…不要でしたか?」

 

palseの問いに頷き。気を利かせる必要はなかったかと問い返す白蓮。

palseは微笑みつつ、首を横に振る。

 

「逆よ。貴女で良かったわ。」

「…私で、ですか?」

「そうよ。…どこにしまったかしら…っと、あったわ。」

 

首を傾げる白蓮に、palseは自身の荷物から一つの箱を取り出し、白蓮に渡す。

何が何だかわからない白蓮は、開けるように催促されていると思ったのか包装紙を丁寧に開けていく。

そこに入っていたのは、先ほどの白と青の翼のピアスであった。

 

「これ、は…?」

「指輪とかによくあるペアルックみたいよ。私と貴女でいいかと思ったのだけど…」

「私が受け取ってよろしいのですか…?」

「勿論。貴女にはいつも助けて貰ってるからね。…後、それを選んでくれたのはシャレットちゃんよ。」

「ふぇっ?」

 

姉妹が仲良く話しているのを眺めていたシャレットは、急に自分に話を振られ変な声が漏れる。

そんな彼女に、白蓮はきびきびと頭を下げる。

 

「シャレットさん、ありがとうございます。」

「い、いや、私はそんな大したことはしてないよ。買うっていったのpalseさんだし…」

「でも、これを見つけて勧めてくれたのはシャレットちゃんじゃない?」

「それはそうですけど…」

 

選んだだけなのに、といった表情で困惑するシャレットであったが、白蓮のどことなく嬉しそうな表情が視界に入ったのか苦笑いを浮かべお礼を素直を受けることにした。

 

 

 

 

 

 

「それじゃ…シャレットちゃん、またね。」

「はい!また会いましょう!」

「さようなら、シャレットさん。」

「白蓮ちゃんもまたね!」

 

別れを告げ、二人と一人になり帰って行く。

 

「また色々買いましたねお姉様…」

「そうね…日常品も割と買ったからね。」

 

palseが持っていた袋を白蓮が一つ持ち、ゆっくりと街を、帰路を歩いていく。

 

「お姉様。」

「ん、どうかした?」

 

突然palseを呼ぶ白蓮。

その声に彼女の方を向くpalse。

 

「ピアス、ありがとうございました。」

 

そう告げる青い少女の片耳と、

 

「…ふふ、気に入ってくれたのなら良かったわ。」

 

微笑む女性の耳に新品のピアスが付けられていた。

 

 




シャレットちゃんとのデートな感じでした。
シャレットちゃん可愛い。

なんか変に馴染んじゃってこれでいいのかという疑心暗鬼になるこの感覚よ…

しるひさん何度もありがとうございます(`・ω・´)

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