PSO2 マイキャラ達のちょっとした日常   作:ひかみんとかカズトとか色んな名前

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今回は新しい女性キャストの紹介も兼ねたものとなります。
主に白蓮や赤莟と関わりのあるキャラクターです。

厨二病って狙ってやってみると難しいんだなって思いました(KONAMI


厨二病系メカ娘、コンタクト!

「不可解な反応?」

「はい。最近、浮上施設に出るそうです。時折その場にいた目撃者によれば、よくわからない台詞を言ってエネミーを倒していたり、その攻撃の一部がこちらに飛んできたり…だとか。」

 

艦橋にて。

シエラに呼び出されたpalseは、彼女にそう告げられていた。

 

「ふぅん…それで、その人をどうすればいいの?」

「そうですね、意志疎通が出来れば一番いいのですが…最悪の場合、駆除せざるを得ないかもしれませんね。」

「…ねぇシエラ。それは、キャストではなかった?」

 

一つ、思い当たる節があったpalseはシエラに問いかける。

 

「キャスト…恐らく、外見がパーツのように見えたとの報告もあるのでその可能性はありますね。」

「…わかったわ、ありがと。」

 

シエラの返答に礼を言いつつ、palseは艦橋を後にした。

 

 

 

 

 

 

浮上施設。

ルーサーが残したとされるウォパルの施設が突然浮上した物であり、人工的な手が加えられた海王種や鳥系のダーカーがちらほらといた。

 

今回報告のあったそのエリアに、“二人”降り立っていた。

 

「…あの、お姉様…?」

「どうかした?」

「何故私もなのでしょうか…?」

 

そう、palseの他に彼女を姉と慕う白蓮も同行していた。

今回はハンター武器を背負ってきた白蓮は詳細を聞いていないようで、疑問を持ったままpalseについてきていた。

 

「単刀直入に言うとね、あなたの知り合いがここにいる可能性があるの。」

「私の…私のですか!?」

 

ズバッと言われた言葉に一瞬冷静に聞いていたが、内容を理解した白蓮は驚きの表情でpalseの方を向いた。

 

「あくまで予想だけど…正体不明のキャスト、と言われると気になってね。」

「…ありがとうございます、気を効かせていただいて…。」

「いいのよ。さ、行きましょう。」

 

準備が済んだ二人は、浮上施設の奥へと進んでいく。

 

 

 

 

しばらく見回っていた二人であったが、海王種にダーカー、加えてバル・ロドスや船など…いつもと変わらぬ浮上施設であり、特徴的なキャストは見当たらなかった。

 

「ふむ、ここまでやって見当たらないとなると…少々タイミングが悪かったかしら。」

「そうですね…あれ?」

 

ふとキョロキョロと回りを見渡す白蓮。その彼女の視界に、ある物が映る。

二人からそれなりに離れた場所に沸いている海王種とダーカー、それらと対峙する一人の“キャスト”。

 

「…!お姉様!彼方を!」

「ん…あそこか、急ぐわよ!!」

 

見える距離ではあるものの、遠回りせざるをえない場所であったため、見失わないように二人は走りだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「燃えよ業火!我に仇なす敵を焼き払うのだ!!」

 

palseと白蓮がみた海王種とダーカーが群れている場所。

そこでは一人のキャストの少女が何かの台詞を言いながら周囲にいるエネミーを焼き払う。

 

「唸れ風よ!我を脅かす者共を吹き飛ばせ!」

 

またダーカーにはサ・ザンを乱れ撃ち、次々と切り裂き、

 

「吹雪け氷柱の雨よ!我が敵を穿て!!」

 

そしてさらにサ・バータで次々と沸くエネミーを貫いていく。

 

「フッハハハハハ!我が力を見よ…あれっ?」

 

最後にラ・フォイエを放とうとしたタイミングでフォトンが切れたのか、軽い爆発だけが小さく発生した。

 

「わ、我が力を見るのだ!!」

 

改めて再び放とうとするが、やはりフォトンのチャージが間に合わず、足りないため小さな爆発が起きるだけ。

 

「え、えっと、あ、はははは…」

 

乾いた笑いを浮かべる少女。

ふと、エネミーの一匹が少女へと攻撃を仕掛ける。

 

「ヒィッ!」

 

攻撃が飛んできた瞬間、さっきまでの言動が嘘のように慌てて後ずさりしていく少女。

それをみたエネミー達は好機と見たのか、一斉に襲いかかってきた。

 

「…あ、ぅ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

尻餅をついてしまい、頭を抱え死を覚悟し絶叫する少女。

 

「ノヴァストライク!!」

 

だが、そこに乱入した少女がそれを許さなかった。

ソードのフォトンアーツ、ノヴァストライクで襲いかかってきたエネミーをまとめて吹き飛ばす。

 

「…へ…?」

「……やはり、貴女でしたか…」

 

 

 

 

 

 

palseと白蓮が着いた時、少女は怯えた足取りで後ずさりをしていた。

遠目で既に確認していた白蓮がすぐさま飛び込み、襲いかかっていたエネミー達を一掃した。

 

尻餅をついている少女は、ボディと髪が青、というより水色を強調した配色であるが、月日が経っているせいかどちらも色褪せていた。

髪は右目を隠すように前髪が伸び、ツインテールで後ろを纏めていた。

そんな彼女に、白蓮は恐る恐る尋ねる。

 

「…青芽(セイガ)さんで、間違いないですか…?」

「へっ!?なんで…あ…まさ、か…びゃく、れん…?」

「…青芽さん!!」

「白蓮っ!!」

 

懐かしの再会に、二人は抱きしめ合った。

話すことは山ほどあるだろう、それでも二年以上ぶりの再会に、二人はお互いの存在を確かめるように抱き合っていた。

 

 

 

 

「……えーと、いいかしら。」

 

が、そこで待っていたpalseの声で二人は我に帰る。

 

「しっししし失礼した。懐かしい者と再会出来たのでな。」

「そこまで背伸びしなくていいのに。」

 

青芽と呼ばれたキャストの少女の態度にpalseは苦笑いを浮かべていた。

 

「予想通り、ということでいいのかしら?白蓮。」

「はい。彼女は赤莟(セキガン)さんや私の知り合いの青芽さんです。」

「何、もしや赤莟もいるのか!…というか、貴様は何者だ?」

 

ビシッとポーズを決めるようにpalseを指でさす青芽。そうだったと思い出したように白蓮は教える。

 

「この人はpalse。二年近く前の“あの時”に失ってしまった、私の心を取り戻してくれた人です。」

「そうか…palseよ、我が妹のことを見守り続けてくれて、感謝する。」

「…それはいいのだけれど、そのくどい喋り方はどうにかならないのかしら?」

 

礼を言う青芽に対し、palseは先ほどから続く彼女の喋り方に少々困惑していた。

 

「えっ…むぅ、この喋り方ってかっこよくないのかな…うぅん…」

 

しかしそのことを指摘された青芽は、素と思わしき表情と態度でなにやらぼそぼそと呟いていた。

 

「普通に話せるのなら普通に話してくれた方がいいのだけれど…」

「うぅ…ダメかなぁ白蓮…?」

 

palseが苦笑いを浮かべつつ青芽に告げ、それに狼狽える彼女は白蓮に恐る恐る聞いた。

 

「ダメではないですが…時と場合を考えた方がよろしいかと。」

「時と場合?」

 

その白蓮から返ってきた返事に青芽は首を傾げる。自分がどう見られているかの状況がわかっていない青芽に、二人が説明を始める。

 

「今、貴女はオラクル内で警戒対象になりつつあるの。正確に貴女、と指定されてない分まだ公開されてはいないけれどね。」

「それに、他の人…赤莟さんはリリーパの環境を始めとした悪影響を受けた上に、それを長く放置されたせいで精神面に異常をきたしてしまい、リリーパの生物やエネミーの虐殺、私達へ襲いかかったりもしてしまったんです。」

「その前例に加え、貴女は意図的ではないにせよ目撃者へ攻撃が飛び火したという情報もあってね。」

「ふぅん…つまり私も赤莟と同じように精神面が異常化しているのではないか、と思われちゃってるのね。」

「察しがよくて助かるわ。」

 

二人のテキパキとした説明に、青芽も理解し先ほどの厨二まがいの態度ではなく、普通の態度で対応していた。

 

「そうかぁ…あの冷静沈着な赤莟が、かぁ。となると、もしそちらに戻るとしたら私はしばらく監視監禁の状態になるのかな?」

「…私個人の意見だけど、今のところは特に異常も見られないし、情報の攻撃もわざとではないことは理解できる。貴女も貴女なりに生きてきた結果なら…いやでも、メンテナンスやその他諸々があるのは覚悟しないとダメね。」

「ふーむー…でも折角白蓮に会えたし、私の体も体でボロボロだし…うーんー…」

「大丈夫ですよ青芽さん、私や赤莟さんからも言いますから。それなら皆も受け入れてくれるでしょう。」

 

palseの意見を聞くも中々決意が固まらない青芽を後押しするように白蓮がそう告げる。

 

「…ん。じゃあ戻ろうかな!懐かしのアークスに、オラクルに!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…って言ったのは良いけどさ…まさか来て早々少し喋っただけでメンテナンスに放り込まれるとは思わなかったわ…」

「そりゃそうだろう。二人が連れてきたと思ったら、最初っからあんな口調で喚けばな。」

 

アークスシップ内、メディカルセンター前。

円を描くように置かれたイスにもたれ掛かるように力尽きている、ボディが新調されピカピカとなった青芽と、その横に表情は見えないものの呆れた態度で接する赤莟がいた。

 

「何ていったか、お前。来て早々我が名は~とか何とか意味わかんないことをベラベラ語り出せばそれは叩き込まれるに決まっているだろう。」

「うぅ、白蓮達に認められて慢心してた…あ。」

 

オロロ…とイスに泣きつく青芽。

と不意に何かを思い出したかのように顔と体を起こし、赤莟に向き合う。

 

「縁葉(エンヨウ)はまだ見つかってないの?」

 

縁葉。

白蓮達と同じキャストの仲間の一人である。

 

「縁葉はまだだ。だが、あのジジイもバカじゃない…どこかで生きているはずだ。」

「ふむ…じゃあ私はしばらく縁葉を探してようかな。」

「何?」

 

青芽の発言に、赤莟は驚きの声でそちらを見る。青芽も決意の表情で赤莟の方をみる。

 

「だってここまで揃ってるんだもの、後一人くらいは探してあげないと。仲間外れなんて寂しいじゃない。」

「その決意を否定する気はないが…目星は立っているのか?あのジジイ、無駄に面倒な性格なんだぞ?」

「大丈夫よ。…あの子や私達が受けたあの時の仕打ちと比べれば1からの捜索なんて屁でもないわ。」

「…そう、だな。」

 

青芽の変わらぬ決意の表情と発言に、何かを思い返すように短く返す赤莟。

 

「…ところで赤莟。」

「なんだ?」

「他のアークスの着るあの服はなんというの?」

 

突然青芽が指さした先に赤莟が視線を向けると、そちらには黒い服“カースドコート”に身を包んだアークスがいた。

 

「…確か、カースドコートだったか。男物と女物の二種類があったはず…お前まさか。」

「ふふ、あの服こそ我に相応しい!!」

 

赤莟が服の説明途中で嫌な予感がし、青芽の方を向く。が、すでに手遅れであった。

青芽はカースドコートに興味津々であり、厨二じみた台詞を言いながら隙あらばそのアークスから奪わんとしていた。

 

「止めてくれるなよ赤莟よ!我にはあの服が必要なのだ!!」

「たかが服にそんなに必死になるなよ…」

 

赤莟の制止を全く聞いておらず、彼自身もかなり呆れていた。

 

「ふふふふ、あの服さえあれば…Σウゴォッ!?」

「正気になれバカ野郎。」

 

だが赤莟はその暴走を止めるために容赦なく青芽の脳天に拳骨をお見舞いしていた。

キャストのあの拳で容赦なく振り下ろされ、青芽は頭を抑えしゃがむように悶えていた。

 

「うごぉぉぉ…!」

「…ったく、迷惑かける性格はちっとも直っちゃいねぇな…」

「…も、もう少し加減しなさい、よぉぉ…!」

「お前が人の話を聞かないからだろう。」

 

頭を抑えた状態で、赤莟を睨むように見上げる青芽。やれやれと体全体で呆れを表現する赤莟。

 

「うっさい!このっ…このっ…!ハゲ!!!」

「お前目をもっかい洗って貰え。」

 

青芽の精一杯絞り出した罵倒すらもしれっと流し、逆に挑発の言葉を投げかける赤莟。

 

 

 

 

 

「…いつもあんな調子だったの?」

「はい、よく見る光景でしたね。どうも子供っぽい一面がある青芽さんと、冷静沈着な赤莟さんとはどこか合わないみたいで。」

 

ぎゃあぎゃあと言い争っている二人をpalseと白蓮が遠目から見守っていた。

メンテナンスが済んだと連絡を受けてきたのだが、ロビーについた時には既に言い争いの真っ最中だったこともあり、そこに混ざらず止めることもなく二人を見ていた。

 

「今度、青芽さんにカースドコートを買ってあげてもいいかもしれませんね。」

「そうね…考えておきましょうか。」

 

終わりの見えない言い争いを放置し、二人は新たな服のためにロビーを離れていった。

 

 

結局、しばらく経った後にフィリアが仲裁に入ったことで一応終わりを迎えた。

が、その後も度々衝突があり、他の人達を悩ませていたそうな。

 

 

 

 




厨二病系残念キャストの青芽でした。
普通の生活している時は大体真面目な態度になっていますが、クエストが始まったり初見の他人がいると厨二病が発症する変わり者というポジションとなります←

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