PSO2 マイキャラ達のちょっとした日常   作:ひかみんとかカズトとか色んな名前

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タイトルに意味は(ry

今回は新しく制作した男キャスト、赤莟(セキガン)が私の中心メンバーと出会うお話しです。\ハコモアイシテ!/




試作品と完成品

「……」

 

惑星リリーパ、砂漠エリア。

そこに立つ、赤いキャスト。

その後ろには、惨劇の跡が残されていた。

 

 

 

 

 

 

 

「シエラ、何故私達を呼び出したの?」

 

二年の時を経てコールドスリープから目覚めたpalseは、艦橋と呼ばれる新たな場所を拠点として活動していた。

そこにいるpalse専属オペレーター、シエラに妹の白蓮と共に呼ばれたのである。

 

「はい、呼び出したのは地球と違う、気になることでして。」

「気になること?地球のことではない…どういうこと?」

 

今新たに道が開かれた惑星“地球”。

今も調査が続く中、二人はシエラの言う気になることで呼び出されたのである。

 

「はい。まずこちらをご覧ください。」

 

シエラが映し出した映像。そこには、惑星リリーパにおいてリリーパ族、機甲種共に無差別に殲滅された跡があった。

範囲的には狭いが、酷い状態である。

 

「…何これ…」

「酷いですね…。」

「はい、何故こんなことが起きたのか…わかっていることは、これはアークスが使っていた武器の跡であること。そしてその武器は痕跡から捜索すると、約二年以上前の物であること…なんです。」

 

険しい表情の二人に、淡々と話すシエラ。機甲種は的確にコアを狙われ、リリーパ族は急所を全て撃ち抜かれていた。その攻撃の跡は確かにアークスが使う武器種、アサルトライフルの物である。所々の爆破跡はおそらくランチャーだろう。

 

「この射撃の正確さからして、犯人はキャストであるだろうと予測されています。そして相当な手練れとも予想されるため、情報は最低限のみ公開され、リリーパへの出撃は控えられています。」

「その調査をお願いしたい、ということね?」

「はい、その通りです!」

 

状況を説明したシエラにpalseは依頼内容を予想、彼女は正解と言う変わりに親指を立てていた。

 

「でしょうね…まぁいいでしょう。射撃特化のキャスト…念のため少し対策も兼ねておくとしましょうか。行くわよ、白蓮。」

「はい、お姉様。」

「ありがとうございます!データは送っておきますよ~!!」

 

シエラのそんな声を聞きつつ、二人は艦橋からゲートエリアへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

惑星リリーパ、砂漠エリア。

砂漠の名の通り、見る限り砂だらけのエリア。一部建造物はあるものの、風化し一部ボロボロな部分もある。

 

「一応、周囲を警戒しながら進みましょう。どこからくるかわからないから。」

「わかりました。」

 

palseはゴッドハンドと呼ばれるナックルを腰に下げ、白蓮は最新のバレットボウ、ガイルズオービットを背負っていた。

調査場所はあの惨劇があった周辺のエリア。他も別のアークスが調査しているらしく、そこまで広い範囲ではないらしい。

 

「……キャスト、か…」

 

二年以上前、白蓮を助けた時のことを思い出すpalse。

あのときは自分も余裕がなく、彼女しか救えなかった。でも、他にもいたのだろうか?とふと思っていた。

 

「お姉様?」

「ん…あ、ごめんね。」

「どうかされましたか?」

 

考えに浸っていたpalseに、白蓮が声をかける。顔に出ていたのか、白蓮は少し心配そうな表情をしていた。

 

「二年以上前のキャストで、少しね…」

「…私のことですか?」

「そう。…あの時、他にもいたのかなって、ね。」

「……いろんな人達がいました…赤莟(セキガン)さん、青芽(セイガ)さん、縁葉(エンヨウ)さん…。」

 

palseがため息をつきつつ言いうと、白蓮が胸に手を当て、眼を瞑りながら呟くように言った。

 

「…でも、あの日…お姉様に救われた日。あの時にみんな散り散りになってしまいました。もし、生きているのであれば、会ってみたいですね。…なんと言われるか、わかりませんが。」

「…大丈夫よ。」

 

不安な表情を浮かべつつ語る白蓮に、微笑みながらpalseは彼女に言う。

 

「今の貴女は、私の自慢の妹なんだから。もっとシャキッとしなさい?」

「…はい!」

 

palseにそう励まされ、白蓮は満面の笑みを浮かべて返事をした。

 

「ッ!白蓮!離れなさい!!」

「えっ…?」

 

その瞬間、palseは白蓮を思い切り押し、自分は大きく後退した。それと同時に、ランチャーであろう大きな爆撃が起こる。

白蓮は混乱しつつも体勢を立て直そうと勢いを止め、起きあがる。そこには、爆撃跡とその向こうに見える起きあがる最中のpalseがいた。

 

「お姉様!」

「白蓮!前!!」

「…ッ!?」

 

駆け寄ろうとした白蓮にpalseは大声で指示をかける。白蓮はそちらを向くと、襲いかかってくる“赤い”何がが、先ほど撃ったであろうランチャーを振り上げていた。

白蓮はすぐにカタナーヤミガラスーに持ち替え、ランチャーの振り下ろしを防ぐ。

が、そこである驚くことに気づく。

 

「…赤、莟…さん…?」

「…」

 

そう、ランチャーで襲いかかってきたのは、白蓮の知り合いであるはずの赤いキャスト、赤莟であった。

しかし、ボディは廃れ、所々故障の跡も見られる。ランチャーもかなり使われたのか要所要所がボロボロであった。

 

「な、なんで…?」

「貴様は、きサまは…!何故、ナぜ!そんな笑っている…!」

「えっ…」

 

多少バグった声を上げる、赤莟と呼ばれた赤いキャストはまるで憎しみを吐き出すかのように、ランチャー再び振り上げつつ声を上げる。

 

「わたシは、わタしは!コれまデどレだけ生死ヲさ迷ったノかわからナイ、そレなのニ、何故、キさマは、笑っテ、生キていルのだ!!」

 

最早正気とは呼べないその狂気っぷりに白蓮は混乱し、振り回されるランチャーを凌ぐだけだった。

 

「赤莟さん、何で!あなたはもっと…もっと冷静な方だったでしょう!?」

「ダまれェぇェぇぇぇ!!!」

「くっ、あぅ!!」

 

ヤミガラスを弾かれ、転んだ白蓮に赤莟は思い切り振り下ろさんとランチャーを大きく振りかぶった。

 

「ウおオォォぉォオォォォ!!!」

「黙るのはあなたの方よ…ハートレスインパクト!」

「ッぐォ…!!」

 

赤莟が雄叫びを上げた瞬間、palseが横から乱入し、脇腹に右ストレートを叩き込んだ。

 

「バックハンドスマッシュ!!!」

 

その右ストレートに怯み、体勢が崩れた赤莟へ、palseは容赦なく腹へ会心の裏拳をぶち込んだ。

 

「ゴ!は…ぁ…」

 

palseの裏拳により大きく吹き飛んだ赤莟はボロボロと部品を散らし、岩に激突し動かなくなった。

 

「…赤莟さん!」

「待ちなさい白蓮。…まずほんとに止まっているかの確認が先よ。」

 

動かなくなった赤莟に駆け寄ろうとした白蓮をpalseは制し、慎重に近寄る。

だが、最早古びていたボディはpalseの二撃でひしゃげ、見るも無惨な姿となっていた。

さっきまでの彼を見て、危険と判断したpalseは拳を振り上げるが…

 

「お姉様…」

「…白蓮?」

「お願いです、どうか殺さないでください。……赤莟さんは、あの時まで私の事を気にかけてくれた人なんです…」

「…それを今言われて、行動変えると思う?」

「ありえません。ですから…」

 

そこまで語り、白蓮は赤莟の前に立ち、彼を庇うように両手を広げる。

 

「私は、あなたを止めます。」

「……やれやれね。」

 

白蓮の決意の眼を見て、呆れつつpalseは通信を繋ぐ。

 

「……シエラ、聞こえる?」

《はい、どうされましたか?》

「あの惨劇の犯人と思われるキャストを見つけ、止めたわ。だけど、ボディと恐らく思考回路もボロボロだから、一度回収して直した方がいいかもしれない。」

《ふむふむ。わかりました!人を回しますのでそのキャストの回収をお願いします!》

「わかったわ。……ということで良いかしら?」

「…!お姉様!!」

 

palseはすぐさまシエラに状況報告、救助要請し、白蓮の方を向く。それを察した彼女は嬉しそうにpalseにとびついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

メディカルルームに運ばれ長時間のメンテナンスを終えた赤莟が、今ようやく目覚めたと報告を受けた白蓮とpalseはすぐにゲートエリアへ向かった。

 

 

 

「体の調子は如何です?」

「問題ない。…むしろ、ここまでしてもらっていいのか?」

「それはあの人達の意志ですからねー。と、噂をすればなんとやら、ですね。」

 

二人がメディカルルームの前に着くと、そこでフィリアと話す赤いキャスト。昨日の古びきったパーツを全て替え、新品の体をした赤いキャストは、二人に気づくとそちらを向いた。

 

「あんた達が、俺を止めてくれたらしいな。」

「ええ、そうよ。…あと、修理を提案したのは彼女よ。」

「そうか…久しいな、白蓮。」

「赤莟さん…体の方は大丈夫なのですか?」

 

心配そうに白蓮は赤莟に尋ねた。赤莟は顔が生身ではないため表情を読みとることは出来ない。だが、彼は微笑みつつ言った。

 

「フッ…何、問題はない。心配など不要だ。」

「私の提供したパーツも問題なさそうですね、よかった…」

 

そう、彼が今つけているパーツーベイバレルーは全て白蓮が自分で用意したものであった。流石にボロボロのボディは見るに耐えかねたのだろう。

 

「お前も随分変わったな。」

「二年もあれば私も変わりますよ。」

「そうだな…まぁ、だいたいはそちらのお姉さんの影響だろう?」

「…はい。私の命の恩人であり、家族の温かみを教えてくれた…私の姉です。」

 

白蓮ははっきりと赤莟にそう言い切った。

赤莟は数年前散り散りになる前の白蓮と比べ、大きく変わったことに驚き…

 

「そう、か…羨ましい限りだ。」

 

微笑みつつ白蓮にそう言った。

 

 

「さて、精神面上は問題なさそうね、フィリア?」

「はい。メンテナンスしながらちょくちょくコミュニケーションをとっていましたが、特に問題ありませんでした。恐らく、二年以上もの間、メンテナンスも何もなしに惑星を彷徨いていたせいで精神面も不安定になっていたのでしょう。」

 

palseはフィリアに彼の状態を確認した。フィリアも微笑みつつ問題はないと言った。

だが、赤莟は少々俯きながら言う。

 

「…そう、だろうな。…幸せそうに生きている彼女を見て狂乱するなど子供や馬鹿者のすることだ。…恥だな。」

「誰だって、そんな長期間一人でさまよっていたらそうもなるわね。気にすることじゃないわ。」

「しかし…」

「確かにあなたは生死の境目を二年以上さまよい、その溜まった“負”を白蓮に向けてしまった。でも、彼女は傷つくことなく、あなたは生きて戻ってきた。…私は何も不満はないわ。」

「赤莟さん。私はあの時に一緒にいてくれた人が今戻って来てくれて嬉しいんです。だから大丈夫です、謝らないでください。」

 

palseと白蓮にそう言われ、赤莟も唸りながらまた俯いてしまった。真面目な性格故に、自分がやってしまったことに対し真面目に向き合おうとしていた。

 

「…ふう、ここまでお堅いとちょっと大変ね。」

「…何?」

「そうやって、いつまでも頑固にしている方が失礼なこともあるのよ?ね。」

「フフ、そうですね。」

 

いつまでも考え込む赤莟に、palseはフィリアに軽く振り、彼女もそれに苦笑いしつつ応えた。

だがそれでも納得しない赤莟に、今度は白蓮が提案した。

 

「じゃあ赤莟さん。これからも私達に協力してもらえますか?」

「協力…?何をすればいいんだ?」

 

白蓮の提案に、赤莟は興味を示したように彼女に向き合う。

 

「今、出土不明のアークスが多く出没しています。それと同時に、地球なる惑星も確認されました。ですが、その地球は他の惑星と決定的に違う部分があります。」

「ほう…それは?」

「他の惑星とは違い、次元の壁を越えている…つまり、私達の生きる“世界”とは別の“世界”らしいのです。」

「…次元の壁を越えた新たな“世界”か…」

「はい。…ですが、それを出土不明のアークスも共に確認したお姉様いわく、何らかの要因で向こうとこの世界が繋がり、そのアークスがこちらに来ているのではないか?と…」

「それで、調査が進められていると。それに協力すればいいんだな?」

 

赤莟のその問いに白蓮は頷く。勿論彼がそれを拒否するわけもなく。

 

「いいだろう。この赤莟、微力ながら手を貸そう。」

 

胸に手を当て、きびきびとした動きで頭を下げた。

 

「ええ。私はpalse。他にも人がいるから…白蓮、案内してあげて頂戴。」

「わかりました!さ、行きますよ赤莟さん!」

「む、待て待て。私は逃げんぞ……全く、あれでは元気盛りの少女そのものだな…」

 

palseに指示され、白蓮は気合いを入れて先に走っていってしまった。赤莟は呆れつつも、昔の彼女のことを思い返していた。

 

「(…立派になったな、白蓮…)」

 

 

 

その後、白蓮に振り回されつつもちゃんとついて行き、彼女を見守り続けた赤莟。

それはまるで、父親と娘のような関係にも見えたとか。

 

 

 

 

 




赤莟は長期間の心身のダメージにより不安定になっていたために普段の性格が引っ込んでいた、ということですな。

普段は冷静なレンジャーなイケハコです。

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