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移転したばかりで色々と不安はありますが、とりあえず、プロローグです。
どうぞ。
序章 関ヶ原
どうぞ。
時は戦国乱世、そして此処は天明・関ヶ原、東と西が衝突する終焉の場。
石田三成率いる西軍と徳川家康率いる東軍との決戦が行われていた。
「ハァ…ハァ…ハァッフゥゥゥッ……!!」
西軍の総大将である石田三成の補佐を務める大谷吉継|(おおたに よしつぐ)は東軍の総大将、徳川家康と戦国最強の武将、本多忠勝との戦闘で疲弊していた。元々、大谷は病に冒されており、明らかに苦しんでいる様子だ。
「刑部!! 無事か!?」
そこへ石田三成が駆け付ける。
「…!!」
三成に気が付いた忠勝が起動音と共に動き出し、自身の武器である機巧槍を三成目掛けて投げた。
「…!?」
三成がそれに気付いた時には、機巧槍は目前まで迫っていた。
しかし、機巧槍が三成に突き刺さることはなかった、大谷が咄嗟に三成を突き飛ばし、代わりに自分が機巧槍に刺されることで三成を守ったのだ。
「グハァッ……!!」
―――ドサッ、大谷はそのまま地面に倒れ、苦痛の声を上げる。
「ガァッファァ……!!」
大谷は辛うじて意識はあるものの、もう指一本動かせない状態だった。三成は大谷の名を呼びながら、駆け寄った。だが、大谷は三成の呼び声に答えることはできない、視界が段々暗くなってゆく。そして、自分を呼ぶ友の声も聞こえなくなり、大谷は意識を失った。
(三…成…)
心の中で友の名を呼びながら。
こうして、大谷吉継はその生涯を閉じる。