虚・女神転生   作:春猫

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間が空きました、ここで「ま、いっか」とやると他でやってる執筆と同じ状態に:(;゙゚'ω゚'):


Devil Speak

 

 中野駅前でアキラと待ち合わせをしたタケルは、合流を果たすとブロードウェイへの道を共に進んでいく。

 

 タケルがバイトをしているコンビニチェーンを元にした様なお店もあり、普通のアルバイト店員が接客している姿に「昔はこうだったんだよな」などと思ったりもしている。

 

 アキラは今日はタンクトップにジーンズ。

 コウモリ要素のある悪魔人のアキラの場合、この格好が偽装を解いた時にいいらしい。

 

 仮想のブロードウェイはサンプラザもそうだったが、ほぼ現実のものと同スケール、その分他の建物にしわ寄せが行っている。

 

「まあ、なんというか、言われてみれば納得なんだが、ブロードウェイに固まってるとは思わなかった。普通に街中にいねーなぁって不思議に思ってたからな」

「雰囲気としては『らし過ぎる』よねブロードウェイって」

「逆にメガテンショップのアイコン表示が無い店を不自然に感じるもんなぁ」

「全部の店が裏の顔あってもおかしくない感じ」

『タケルー! タケルー!』

「コンプの中? フィーネちゃん」

「そ! 街中はやっぱ出して歩くとね?」

『なんかおいしそうな物がある気配がする! 私のレーダーにビンビン反応してるよ!』

「ん? 豆腐か?」

『ち~が~う~! 出して、出して!』

「平気そうじゃね? 出してあげれば?」

「ん~、ま、いっか…召喚フィーネ」【Summoning O.K?】

「じゃじゃ~ん! こっちこっち!」

「ん、下の階?」

「まあ、フィーネのことだからお菓子かなんかだと……」

 エスカレーターまで先導すると最近の定位置タケルの頭の上に陣取るフィーネ。

 さして重くも無いのでそのままにしているタケル。

 アキラは物珍しそうに周囲の店を見ている。

 

「クレープ?」

「おいしそうでしょ!」

「安っ! うそ、マジかってくらい」

「飲み物付けて400円以下って……」

「「でかした!!」」

「えっへん!」

 胸を張るフィーネ、ドヤ顔だが、それも許される。

 

「私、チョコバナナってやつ!」

「何気に俺、リアルでクレープ食ったことないんだよねぇ……クリームカスタードにしとくわ」

「じゃ、俺はこのソフトクレープ……これソフトクリームだよな、じゃ、これにしよう」

 注文をし、お金を払う。

 

「……そう言えば今の店の人、普通にフィーネに対応してなかったか?」

「え? ショップのアイコン出てなかったよな?」

「え? なに、おいしいね、これ!」

 フィーネは食べるのに夢中で全く聞いていない。

 

「慣れてるってことかね?」

「あちこちサマナー御用達? 仲魔向けのアパレルショップとかあったりして?」

「ここだと現実の方でもそんな店あってもおかしくない感じだよなぁ」

 伊達にカオスの城とは呼ばれていない。

「まあ、ブロードウェイだから」で納得してしまう独特の雰囲気を持っているのだ。

 

「おお、ピクシーだぁ……すいません、スクショ撮っていいですか?」

 そう声をかけてきたのはストリート系のカジュアルな服装にクラシカルなモノクルという、微妙に狂ったファッションをした青年だった。

 

「もしかしなくてもプレイヤーの方ですか?」

「はい、異能者やってます、ウシロとイイマスです!」

「えっと、俺は悪魔人のバスターでアキラ、でこっちが」

「サマナーのタケルです、でもってこの子がフィーネ」

「おおおおっ! やっぱ仲魔にするのには何かコツが?」

「フィーネに口止めされてんで……スンマセン」

 みっともないからなのだが、そうは取らずに真剣に「そうですかぁ」などと頷くウシロ。

「フィーネ、この人が写真撮らせてほしいんだって!」

「ん? まあ、最強な私に目をつけるとはなかなかやるね、チミは! いいよー! あ、タケル、これ持ってて、食べちゃダメだかんね!」

「なら2ショットの方がいんじゃね? 俺が撮るよ」

「あ、すみません、お願いできますか?」

 タケルはクレープで両手がふさがってるため、アキラがウシロに声をかける。

 フィーネもいい笑顔だが、ウシロも非常に嬉しそうだ!

 今にも飛び跳ねそう……撮った写真を確認して飛び跳ねてる。

 

「ありがとうございました! あのフレもお願いできますか?」

「いいですよ!」

「いいよ!」

「おっけー!」

 そういう「機能」は無いのにフィーネまで返事をし、フレ登録。

 

 ウシロはこの後、サンプラザで経験値稼ぎを友だちとするのだそうだ。

 自分らの経験をタケルやアキラは軽く話して別れを告げる。

 フィーネはバイバイと手を振りながらもクレープを食べ続けている。

 自分の分を食べ終えると物足りなさそうにタケルのものをじとーっと見ている。

「食うか、これ?」

 最初から全部食べる気は無かったタケルは、フィーネの食べ具合を見ながら自分の食べる速度を調整していたのだ。

「食べる、食べる! うわっ、これアイス?」

「ソフトクリーム、まあ、やわらかいアイスって言ってもいっか」

「これもおいひぃ!」

 何気に視線が時々来ている。

 先ほどのウシロの様に話しかけてくる訳ではないが、プレイヤーがかなり居るのだろう。

 

 取り敢えずはフィーネも満足したため、ブロードウェイ内のそれっぽい店を回ることにする。

 

「にゃんだらけへようこそ!」

「隠す気無いだろ、おい」

「これは、アリなのか?」

「うわあ、人間のお店で働いてるんだ、凄い凄い!」

「これはコスプレだにゃん♪」

 ブロードウェイをある意味代表するお店、漫画古書専門店では予想外の光景が待っていた。

 

「店員」としてネコマタが働いていたのだ。

 

「お金を稼げば生体エナジー協会でMAGが買えるのにゃ? 寝る時は猫の姿になればいいのにゃ。自分の食い扶持は自分で稼ぐ、私は自立した悪魔なのにゃ!」

「あ、これ高級ネコ缶です」

「良かったら、これ使ってください!」

「ありがとにゃん!」

 

 プレイヤーによる貢物もしっかりと獲得している模様。

 

「まあ、百歩譲ってネコマタはいいとしよう」

「なんで、こんなのまで歩いてるんだ?」

 アキラが指差す先にはリトルグレイ。

 

「……そう言えば、プレイヤー種族で造魔っていたな」

「あー、そっか、造魔……あれで日常過ごせるのか?」 

「ここの中ならまあさほど違和感無いが、東中野の商店街とかだと浮きまくりだぞ?」

「それでも中野なら雑司が谷に比べればまだ……」

 

 その後ショップをいくつか覗き、傷薬をタケルは買い足し、アキラは防具ショップで安全靴を買った。

 帰り際、ブロードウェイ前で解散とはならず、その足でサンプラザに。

 レベル上げの戦闘を行ってからの現地解散。

 

 ホームへの帰宅途中でコンビニに立ち寄り、更に「たまには」とホカ弁屋へ足を伸ばして食事を買う。

 今日も戦闘はダーク悪魔中心だったため「なんか臭くなってる気がする」と文句を言うフィーネのために洗面台にお湯を張り、ペットボトルの蓋を複数使って「シャンプー」「リンス」「ボディソープ」を小分けにする。

 ハンドタオルをバスタオル代わりに置いて「覗かないでよー! でもドアは閉めちゃだめだからねー!」とフィーネが言って来るのに返事をしつつ、ベッドに横たわり、軽くログアウトするタケル。

 すぐに再度ログイン。

 まだ、フィーネは鼻歌を歌いながらパシャパシャとやっている。

 

 テレビをつけると、まあ、現実と同じ程度につまらない番組だらけ。

 スポンサー提供に佐伯エレクトロニクス・バイオロジカル&エネルギーコーポレーションとかアルゴン社とか流れているが、今更騒ぐほどのことではない。

 

「タケルー、居るー?」

「居るよ! どうした?」

「また行こうね、さっきのトコ!」

「サンプラザか?」

「ちーがーううぅ!」

「分かってる分かってる、ブロードウェイだよな?」

「そう! クレープ全種制覇が待ってるの!」

 

 その後もフィーネとおしゃべりをしてからコンプにフィーネを戻してログアウト。

 

 今日はコンビニのバイトが無いため、少しネットを見ようとパソコンを起動する。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

【魔獣も夜魔も】お前らの仲魔を紹介すれ! その17【みんな天使!】

1:吉祥寺のサマナー

 ここは『女神転生Ruina』プレイでの仲魔をサマナーが自慢・羨望するスレです。

 スクショは歓迎ですが、リンク先へのアクセスは自己責任で!

 煽り、荒らしは華麗にスルーしましょう

 愛情の無いコメント、貶しはNG

 和気藹々、マターリ進行でいきましょう

 

 過去スレ:お前らの仲魔を紹介すれ! その1~16

 

______(中略)__________

 

172:雑司が谷のバスター

>>155

勝てば仲間になるかと思ったら余計に嫌われたでゴザル

 

173:中野の異能者

ピクシー キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!

 

174:鶯谷のサマナー

>>173

もちつけ つΩ

 

175:田町の異能者

>>173

いや、戦闘相手なら出てくるよ?

 

176:中野の異能者

控えおろうっ!

つ【スクショ】【スクショ】

 

177:御徒町のサマナー

フォトショ加工乙

 

178:千駄ヶ谷のバスター

一緒に写ってるのが176か?

その服にモノクルは合わねえんじゃね?

 

179:中野のバスター

あー、一緒に写真撮ったんだ、羨ましい

私もにゃんだらけ詣での道中で見かけたよ!

 

180:赤坂の異能者

にゃんだらけってことはブロードウェイか!

 

181:水道橋のサマナー

ネコマタさんが働いているというあのにゃんだらけか!

 

182:品川のバスター

いやいや、話がそれてるから!

>>176

で、詳細キボンヌ

 

183:中野の異能者

>>177

そんな加工してる暇ありゃログインしてレベル上げるわい!

>>178

初期装備で異能者向けのアイテムだからね!?

>>182

ブロードウェイでクレープを食べてるピクシーたん発見→契約してるサマナーにスクショ撮影許可を取る→一緒に居たバスターっぽい人が「一緒に撮った方がいんじゃね?」と撮影を申し出てくれる→フレ登録して約束があったんで別れる→掲示板に書き込む←今ココ

 

184:大久保のサマナー

で、で?

どうやって契約したって?

 

185:代々木上原のサマナー

βプレイヤーじゃね?

 

186:中野の異能者

>>184

ピクシーに口止めされてた、あれ、ふりとかじゃなく、ホントにピクシーが口外されること嫌がってたみたい

 

187:淡路町のサマナー

(;゚д゚)ゴクリ…も、もしかしてエロゲ的展開?

 

188:千駄木の異能者

>>187

ネ~よ!

 

189:西日暮里のバスター

>>187

それはない(;^ω^)

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「うえっ、ここまでピクシーって仲魔にならないの?」

 書き込みを見て猛は引きつる。

 

 ちょっと過去ログを見ると板が少し荒れていた時期もあったようだ。

「ちょっとヤバいかも」と思いつつ、気になっていたことを書きこんでみる。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

193:東中野のサマナー

 あの? ピクシーにアイスとかねだられたりした人居ます?

 

194:大森のサマナー

>>187

ねーよ!

 

195:目黒のサマナー

>>193

アイス? ないんじゃない?

 

196:浅草のサマナー

>>193

そもそもが何かねだられるトコまで行ってないよね

 

197:神保町のサマナー

>>193

マグも魔貨も通じないでござる

 

198:東中野のサマナー

ウチの子(スクショの子です)はコンビニのシュークリームで釣れて

その後、ピクシー仲間に遭遇した時は

買ってあげたアイスの自慢をしてですね

一部のピクシーが「サマナーと契約をするとアイスがもらえる」

などと言っていたもので……

 

199:目黒のサマナー

ガタッ……ちょっとコンビニ行って来る!

 

200:大久保のサマナー

ガタッ!

 

201:恵比寿のサマナー

ガタッ!

 

202:神保町のサマナー

>>198

もしかしてピクシーの契約サマナー降臨でござるか?

 

203:原宿のサマナー

キタ――(゚∀゚)――!!

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「ふう、えらいことになっちゃったな……」

 加速するスレッドにさらに猛は引きつる。

 

 その後も質疑応答は続き、タケルも落ちるに落ちれなくなる。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

517:目黒のサマナー

今までの苦労はなんだったんだ……orz

 

518:大久保のサマナー

ヒャッホい! ピクシーたんが我が家に!

 

519:浅草のサマナー

なんという物欲無双……今までのメガテンの感覚でプレイしたらあかんかったんや……

 

520:初台のサマナー

有難う! ピクシー最高! このVRやって良かった!

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「……なんとか成功したみたいだな。これでフィーネを連れ歩いても悪目立ちしなくなるな、良かった、ホント、うまくいかなかったらどうしようかと……」

 ほっとしてブラウザを閉じ、パソコンの電源を落とすと猛はベッドに横たわり、本当に眠るのであった。

 

 

 




真面目にスキルとか、経験値計算して作中のレベルアップとかやって、小説にしてる人たちは凄いですねぇ……(つまり自分はやってない)

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