クリミナルガールズ ~時給3000円~   作:DAMUDO

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今日、発売日!
↑と思ったら二ヶ月も先だったよ!騙されたぁ!!



門の獣

「どうしたの……その顔は」

「いや~なんか疲れて少し眠ってたみたいで覚えてないんですよ。まあ、身体中痛いですけど支障はありませんのでご安心を」

 

おしおきを終えた俺たちは再び猛獣の叫び声が聞こえた門の前に集まっていた。

話は変わるが、なぜか体の所々が痛い。キサラギ達もなりやら気まずそうに俺から目をそらす。何かあったのか?まあ、今のところ問題は起こってないし、大丈夫だろう。

 

「んじゃ早速、ご対面といきますか」

「わかったわ。いい、今から門をあけるわよ」

 

ミウの言葉を聞いて四人が武器構える。

キサラギは大剣。アリスは本。サコはグローブ。ランは剣と盾。

そして俺は、四人の後ろに下がり、指示を飛ばすため構える。

 

「いいかお前ら。戦闘中はクリミナルを倒すことだけを考えろ。俺に敵意を向けても意味ないからな。皆、生き返りたいだろ?」

「それぐらい、わかってるわよ!バカにしないでよね!」

「アリス……がんばるの……ッ!」

「はやくたおせば、ユコにはやくあえるんだろ?なら、しぬきでがんばるぞ!」

「わかってるって!でも、テメーも下手な指示すんじゃねぇぞ!」

「まかせろ!」

 

皆、気合いは上々。いい傾向だな。これからも戦闘中だけは平和であることを祈るね。ん?矛盾してね。

 

「それじゃ、いくわよ。3……2……1……ッ!」

 

ミウが門を開けるレバーを下ろす。

門は低い地響きを轟かせ、ゆっくりと開く。すると、中から、一匹のクリミナルが飛び出した。

そいつは限りなく人形に近い形をしている。しかし、下半身は溶けている様に液溜まりになっていた。頭に卵の殻を被っており、顔には人としてのパーツはなかった。ただ、前側と思われるほうには、オレンジ色の線が一本入っている。

このクリミナル……資料によると『エッグシャドウ』と言うみたいだ。

 

「お前ら!自衛優先で走り回りながらチャンスをうかがえ!攻撃は基本、後ろからだ!ランだけは、敵の目の前を陣取れ!」

 

四人は指示通りエッグシャドウから距離をとる。そして、ジリジリと囲うよに移動する。

敵を目の前にして何もしないわけがなく、エッグシャドウは目の前にいるランに飛びかかる。

 

「は!おせぇえ!!」

 

ランは盾でエッグシャドウのタックルを防ぎ、その隙に剣を叩きつける。

 

ギュボアッ!

 

ランの攻撃は効いているようだ。エッグシャドウは地面で痛みにもがいている。

 

「スキありーーー!」

 

そこにすかさずサコが拳を放つ。

エッグシャドウもそれにあわせて腕を降り下ろすが、サコはヒョイっとかわす。

 

「うぉおおおりゃあああ!」

 

サコの拳はエッグシャドウの中心に突き刺さり、後方数m飛んでいく。落下地点に床はなく、そなまま奈落の底へと落ちていった。

 

「あら?案外たいしたことなかったな、あいつ」

 

簡単に決着がついてしまい、俺は拍子抜けした。

 

「アタシ達が強いだけじゃねぇか?」

 

ランが得意気に笑う。あ~そんな気もしてきた。

 

「ふぅ……まさか、あんな簡単にエッグシャドウを倒すなんてね。よくやったわ」

「やっぱり、あいつは強敵だったんですか」

「ええ、試練を始めたばかりの頃には出てくるはずがないほどに」

「へ~」

 

やっぱり、ランの言う通りこいつらが優秀なのか。

 

「ちょっと!私の分も残しといてよ!」

「しかたねぇだろ、殺っちまったんだし」

「サコがとどめをさしたぞ~♪」

「……バイバイ」

 

血の気は多いな。まあ、自分達の力を過信しないよう、俺が注意しておこう。ま、今はいいか。

勝利に浸っているキサラギ達を見ているとミウの言葉が耳に入ってきた。

 

「にして、今回のヨミガエリはイレギュラーが多すぎる。相変わらず、委員会にも連絡つかないし……」

 

あーあー、何やら不穏な空気。余計な面倒事はないに、こしたことはないんだがねぇ。

 

「ちょっと皆、聞いてちょうだい!私が先に行って様子をみてくるわ。あなた達はここで待ってなさい」

 

ミウの突然の言葉に、皆ざわめく。ここは俺が穏便に済ませよう。

 

「わかった」

「聞き分けがよくって素敵よ。それじゃ行ってくるわ」

 

ミウは門の先へと走っていく。

 

「絶対に待ってるのよ!」

 

最後そう言い残して消えていった。

 

「絶っ対!だからね!!」

 

はよ行けや。

今度はしっかりと通路の先の階段を上っていくの確認する。間違いなく行った。

 

「よし、待つぞ」

「よし!サコたちもはやくいくぞーーー!!」

「お前話聞いてたか!?」

「きーてたっつの!サコもそこまでバカじゃないや!」

 

え?バカだろ?

 

「でも、かわいいユコがあぶないめにあってるかもしれないんだぞ?あいつがかえってくるの、じっとまってろってのか!?」

 

あ~そっか~……こいつはユコが心配なのか。あれだけぞっこんなんだもんな、無理もないか。

しかし、本当にユコって誰だろ?このファイル、虫食いなんだよな。なのに、さっきまで載ってなかった『エッグシャドウ』の情報が記載されてるし。本当に不思議な道具だ。

まあ、直接聞いてみるか。

 

「なあ、ずっと気になってたんだがユコってのは誰だ?」

「ユコはサコのいもーとだ!このよでいちばんかわいいおんなのこだぞ!」

「お前、妹いたのか……」

「そのユコをほーっておけるか!」

「おいテメー、まさかそのユコって子を見殺しにするつもりじゃねーだろうな?サイテーだな!」

 

ランが乱入してきた。……わざとじゃないよ。

 

「安心しろ。妹を思う気持ちはよくわかる。俺にも三人、世話のかかる弟妹がいるからな」

 

なんだかんだで、放っておけないんだよな……。生意気だけど。

 

「この子の妹とかどーでもいいけど。あたし地獄逝きとかマジ勘弁だから」

 

続いてキサラギも乱入。

 

「ミウとか言う女も信用できないし、さっさと進もうよ」

「わかった……。アリスはどうだ?」

「……この先……誰か……呼んでる……」

「満場一致だな。先に進むぞ」

 

俺達はミウの言いつけを破り、先に向かうことにした。

また、殴られんだろうなぁ……。

 

 




買うよ!買えよ!楽しめよ!

追伸

ご迷惑を御掛けしました。すみませんでしたぁ!!

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