クリミナルガールズ ~時給3000円~   作:DAMUDO

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もう少しで発売!買わなきゃ買わなきゃ!




準備=おしおき

「ねぇ~いつまで歩かせる気ぃ~?」

「……あのね、キサラギ。文句言う元気があるならもう少し早く歩いてくれ」

 

試練は早くも難航し始めていた。

俺の後ろを歩いているキサラギが文句をたれるが、甘やかす気はない。

 

「俺はさっさと行きたいところをお前達にあわせてやってんだ。文句を言われる筋合いはない」

「ざけんな!こっちは女の子だぞ!歩幅の差ぐらい考えろよ!」

「そーだそーだ!」

 

後に続けとばかりにラン、サコも文句を言う。

 

「ざけんなはこっちのセリフだ。そのことを考慮して、一番歩くのが遅い、アリスを俺がおぶってんだろ」

「……らくちん、なの」

 

背中からご機嫌なアリスの声が聞こえる。

アリスは他の三人より、かなり体力がない。力もない。そうなると、これからの旅路の効率にも支障が出るので背負うと言う策に出たのだ。

 

「ずるいぞー!サコもおんぶしろ!」

「やだね!」

「なんでだよー!」

「お前何かと「ユコ!ユコ!」騒いで暴れるもん。痛いのはゴメンなんだよ!」

「うるさーい!おんぶしろー!」

「うわっ!疲れるからこっち来んなぁああ!」

 

サコが獲物狙う猛禽類の如く飛び掛かってくる。

俺は捕まらないように走る。

 

「…………!!」

 

落ちないように、肩を掴んでいるアリスの手にも力が入る。

 

「ちょっと、なんで走るのよ!?私はいやよ!」

「おい、待てって!」

「え!?お、おいてかないでよ!!」

 

走ることを拒否するキサラギだったが、三人をランが追いかけていってしまったので、一人になるまいと嫌々走り出した。

早くも前途多難です。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

″バチンッ″

 

「待たせるなって言わなかった?」

「はい、言いました」

「反省は?」

「ごめんなさい」

「よろしい」

 

俺が悪い訳ではないのに、なぜ毎回俺が叩かれるのかわからない。

俺も頑張ってるんですけどねぇ。

 

「早くこっちに来なさい。キャンプの説明をしてあげるわ」

「キャンプ?」

 

ミウの後をついていく我ら一行。

 

「これがキャンプよ」

「これがっすか?」

 

そこにあったのは紫色の光の球だった。これのどこにキャンプ要素があるのだろう。……ランプかな?

 

「とにかく、触れてみなさい」

「はい」

 

言われるがまま光の球に触れてみると、瞬間、光の球は光の渦となり、俺達を呑み込み目の前が真っ白になった。

……

………

…………ん。

光が止み、目がなれる。

 

「……え?」

 

そこはキャンプと言うにはほど遠い空間が広がっていた。

壁は煉瓦製で丸く部屋を囲っている。真ん中には大きな丸い形のベット。その上には沢山の枕が用意してある。部屋を明るく照らしているのは円柱型のランプ。光には妖艶なピンクが混じっている。幾つかの扉、変な機械が一つ、机一つ。

以上がこの部屋の内装である。ぶっちゃけ……

 

「ラブホみてぇ」

「ラブホじゃなくてキャンプよ」

「本当かよ?」

「本当よ。それを証拠にここにはラブホじゃ考えられないような機能があるわ!まずあの機械、あれはSHOPと言って物を買うことはできるわ。品揃えは少ないけど……。次にあの扉の向こうはおしおき部屋、おしおき専用の部屋よ!他にも、大円型ベット!どうかしら?ラブホじゃこんなのありえないでしょ?」

「……うん、スゴいっすね」

 

まだ納得できんが、ミウさんが必死になって言うならそうなんだろう。うん。

 

「気に入ってもらえてよかったわ。試練中の休憩は全てここで行うように」

「わかりました」

「じゃ、次いくわよ。ついてらっしゃい」

「え!?もう行くんですか!?」

「まだ、そんなに歩いてないでしょ!あの程度の距離でいちいち休息なんてしてたらいつまでたっても頂上にはつけないわよ!」

「いや、歩いてりゃいずれ着くし」

 

″バチンッ″

 

「なにか言ったかしら?」

「滅相もございません……。ほら、皆行くよ」

 

ミウに続いて再び渦の中に渡った。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

四人を連れて歩く。たまに、クリミナルが現れるが、キサラギと協力してなんとか撃退する。やっぱり他の三人は積極的に攻撃をしてくれない。キサラギだけに頼るわけにもいかないしな。

悩みながらも歩みを進めているといつの間にか門の前に立っているミウの姿が見えた。

 

「やっと着いたか」

 

達成感を胸にミウの所に向かって行くと突然、

 

グゥオオオオオオオ!!

 

門の向こうから猛獣のような、恐ろしい叫び声が響いてきた。

 

「おかしい……どうなってるのよ……」

 

その音を聞くなり、ミウは呆然と門を見て呟いていた。

 

「どうした?この叫び声に問題でも?」

 

″バチンッ″

 

「うるさい!ど素人は黙ってて!」

 

心配して声をかけたのにこの対応。いい加減ほっぺが裂けるんじゃないかと思う。

そしたら、この仕事訴えるのに。……地獄っていくら資産があるんだろう。

 

「この声聞いてわからない?」

「……スラッグよりは強そうなのが居そうだな」

「この階層でこのクリミナルが出るなんてあり得ない。どういうことか委員会に連絡しても音沙汰ないし……」

「……」

 

ミウの表情からよほどの事態だと想像できる。

 

「ん~……強行突破しかないんじゃない?この状況じゃ」

「確かに。でも、今のままなら戦っても死ぬだけね……」

 

俺は後ろを振り返る。

キサラギ、アリス、サコ、ラン。この中でまともに戦ってくれるのはキサラギだけ。

確かに。どうしたもんかな~?

頭を捻っているとミウから提案を受ける。

 

「キミ、キャンプに戻って、おしおきしてきなさい!」

 

その言葉聞いて、キサラギだけお尻を押さえて一歩さがる。

 

「全員やるきになってくれないと、とても切り抜けれるものじゃないわ!」

「わかった」

「あと……これを渡しとくわ」

「こ、これは!!」

 

少し光沢がある黒くて長い。固さはあるが、先の部分と持つ部分をつなぐ場所はよくしなる。

ゴム製のそれは、適度な痛みを与えるのに適した形状していた。そう、『やわらかいムチ』だ!

 

「使い方……わかるわね?」

 

ミウが聞いてくる。答えなんぞわかりかっているだろうに……。

 

「おしおき部屋でスパンキングですね♪」

「上等♪」

 

俺は四人を引き摺る勢いで、キャンプへと足を急がせた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

《おしおき開始》

 

「いや……、やめて……」

「ごめんねぇ、アリスちゃん。これはおしおきだから、一人だけ特別扱いはできないんだよね~」

 

最初のおしおきはアリスだ。

怯えた小動物のように縮こまっている姿がとてもそそられるが、アリスの更生のためのおしおきなんだ。アリスのことを第一に考え、邪な感情は排除しなければ。

 

「んじゃ始めるよ?」

 

俺はミウからもらった、やわらかいムチを取り出し、アリスに近付く。

叩く場所は……まあ、お尻でいいでしょう。

 

″バチンッ″

 

「ィッ!」

 

ミウの話では服の上からでも問題ないらしい。確かに、アリスはしっかりと悶えてくれる。

二発、三発とムチを小さなお尻へと叩き込む。

 

「ッ!ッ!」

 

地獄でのお仕置きはただ言うことを聞かせるためだけの暴力的行為ではないらしい。

うまくおしおきすることによって、悪い子の因子を消し、更生の手助けをする一環とのこと。そこら辺にあった説明書に書いてあった。

 

「───ッ!」

 

ただ、力まかせにムチを振るわないで、強すぎず、弱すぎず丁寧に振るうのだ。

ぶっちゃけ、自分でもよく分かってない。

 

「はい、終了……大丈夫か?」

「…………」

 

アリスは目尻に涙を輝かせながら頷いた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「このーーー!はなせーーー!」

 

次はサコだ。アリスと違って良心が痛まんな、こいつは。

じたばたと暴れて逃れようとするが、この部屋備え付けの拘束具はびくともしない。流石は地獄。

 

「サコ、これはおしおきだ。つまり、逃げてはダメなんだ……わかるかね?」

「うるさーい!サコはなにされたってへっちゃらだからな!おしりぺんぺんなんかきくもんか!」

「あっそ。んじゃ、最初っからとばすぞ」

 

″バチンッ、バチンッ、バチンッ″

 

「んにゃあッ!!」

「どうした声なんかあげて?へっちゃらじゃなかったのか?」

「べっべつにいたかったとかじゃないぞ!ただ、おどろいただけだからな!」

「そりゃすごい♪」

 

俺は休む暇なくテンポよくムチを振るう。ムチがサコの体を打つ度に肉が弾けるいい音を響かせる。まあ、音ほど痛くはないんだけどね。

 

「~~~~~ッ!!」

 

サコは歯を食いしばって声を殺す。それでも涙は浮かぶ。

割りと平気そうに見えるが、結構痛がっていると感じたので、そろそろ止めるか。

 

″バチンッ″

 

「はい、終了~」

「ふーッ……ふーッ……」

 

荒い呼吸を調えるサコは、やけに色っぽくみえた。

 

「あー……どうだった?」

「ぜ、ぜんぜん、いたく、なかったぞ……ッ!」

 

本当、負けず嫌いだと言うか、芯が強いと言うか。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「おいテメーッ!!今すぐ止めねぇと、ぶっ殺すぞ!」

「ハハハッ♪お願いと脅しは似ているが全然使い時が違うぞ、ラン」

 

お次はラン。〆でごさいます。

ランは他の三人とは違って、体だけは大人。精神的にも一番成熟してるだろう。すぐに手が出る短気なところもあるが。

 

「んじゃ、始めますね~?おしおき」

「おいふざけんな!やめろ!マジでやめろってぇ!!」

 

″バチンッ″

 

「んひぃッッ!」

 

お尻を叩くとランは上々な反応をしめす。

二回三回と数を重ねていくと、ランがムチから逃げるように腰を動かそうとしてるのがわかる。顔も紅くなり、かなり鋭い目付きになって睨んでくる。効果も上々か。

 

「ほらほらどうした?降参か?ごめんなさいって素直に謝ればやめてやるぞ」

「だ、誰が謝るか……ッ!あ、後でぜってぇ後悔……ッ!させてやるからな……ッ!ひぅッ!」

 

まあ、そう言う反応とるよね。どうしても反抗的な態度をとろうってんなら……

 

「なるほどなるほど。そんなに俺と遊んでたいのかぁ。ランは以外とMなんだな」

「はあ!?」

 

お、食いついてきた。

 

「テメーッ!変なことほざいてんじゃねーぞ!!」

「え?だってランはおしおきを続けて欲しいから謝らないんだろ?」

「違う!アタシは自分のプライドを守るために「ならこのまま男の俺に好き勝手させるわけにはいかないよなぁ?」

「ッ!!そ、それは……」

「ほら、簡単だろ。ただ『ごめんなさい』と一言いうか、このまま俺のいいようにされるか。二つに一つだぞ?」

「くっ……!」

 

ランは悔しそうに下唇を噛み、うつむく。明らかに悩んで顔だ。もう一押し。

 

「ほらほら、どうすんの?」

「……アタシは絶対屈しねぇ!」

 

ありゃりゃ、そっちをとったか。

謝る方を選んで欲しいんだが……よし、プランBだ。

 

「ふ~ん……なら、好きにやらせてもらうぜ」

「お、おう……!」

 

気前はいっちょまえだが、声が震えてるな。

 

「じゃあラン!どっちがいいか選んでくれ」

「はあ!?な、なんだそれ!?」

 

俺はランに二着の衣装を見せた。

一つは、白と紺が織り成す健康魂『体操服&ブルマ』

一つは、奉仕を追求した究極装備『メイド服』

 

「いや、囚人服は飽きたんで趣向を変更しようかと。で、どっち?」

 

恐らく、今の自分はかなり気持ち悪い笑顔をしているだろう。俺は結構、こう言うコスプレ好きだ。同意してくれる同志諸君も多いのではないかね?

 

「そ、そんなの着れるかぁ!!」

「あ、そう。なら、順番ずつ着ようか。安心しろ、ランは自由に動けないかないから俺が着替えさせてやる」

「やめろ!」

「なら言うこと……あるよなぁ?」

「うっ……」

 

ランはそれっきり黙りこんでしまう。

俺は、ランに手を伸ばし服を掴む。

 

「ま、待てよ!言うから!」

 

俺はランの言葉に耳をかさず、ゆっくりと服をあげていく。女の子が着せ替え人形で遊ぶ時ってこんな気持ちなのかな?楽しいぜ!

 

「ご、ごめ……ぃ」

「聞こえんなぁ?」

 

手を止めない。服は捲り上げて、背中を露出させる。

おおエロい。

 

「ごめん…さぃ……」

「ああ?」

「ごめんなさいぃいい!これでいいんだろ!離せよ!」

「はい、ええですよ~」

 

俺は服を戻してやる。あくまで紳士であるゆえ。

おしおきが終わった後のランは少し泣いていた。……やり過ぎたかな?

 

 

《おしおき終了》

 

罪悪感はあるが後悔はない!

 

「はい!お疲れ様~♪」

 

おしおき部屋を出ると、アリス、サコが暗い顔をしていて、キサラギが二人を慰めていた。

キサラギだけはこっちを向いて口を開く。

 

「……終わったの?」

「ああ。ミウも待ってるしさっさと出発するぞ」

「そうなのぉ?でも少し時間がほしいなぁ?」

「ど、どうした?」

 

なんだかキサラギの様子がおかしい。変に語尾を伸ばし、笑顔でこっちに近付いてくるのだ。

俺はこの光景に悪寒を覚えた。

 

″ガシッ″

 

「え?」

「捕まえたぜ~」

 

いきなりランに羽交い締めされた。顔は涙を流しながらもギラギラした目付きの復讐心に満ちた笑顔だった。

 

これはマズくない?

 

「え!?ちょっと待てよ!今はほら、忙しいから後で!後でな!」

 

いつの間にか、キサラギの後ろにグローブを装備しているサコと、かなり大きな本を抱えているアリスが立っている。

あかん!これ四人で復讐する気だ!四人で囲んで叩く気だ!

 

「言っただろ?後で後悔させてやるって?」

 

ヒックヒックと嗚咽をこぼしながらも不適に笑うラン。

 

「覚悟はいいな?皆ッ!殺れぇええ!!」

 

その言葉を聞いた後のことはよくわかってない。

剣の峰と分厚い本の角と硬い拳が飛んできて倒れた後、小さな悪魔たちが俺を見下ろしていたことだけは、鮮明に思い出せる。

 

 

 

 

 

 

 




他にもキャラもいるのに……いつなったらでるのやら?


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