この書き方やめようかな……
「なんとか四人の手綱を握れたようね。なら、さっさと出発しなさい」
「うえ~い……」
四人の説得を成功させたばかりなのに、休む暇もなく次の仕事が言い渡される。
「なら、私は先に行ってるから、きちんと四人を連れてきなさいね」
「わかりました」
「返事だけなら優秀ね。でも、」
″バチンッ″
「甘く見てると、痛いだけじゃ済まなくなるわよ?」
そう言ってミウは早足で行ってしまった。
「はぁ……んじゃ、俺達も行きますか」
「「「「…………」」」」
返事はなしか。
俺は足を前へと動かし始める。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
監獄部屋から出るとそこは、上も下も鉄の通路で要り組んでいる景色だった。重い。罪人を閉じ込めると言うことに重点をおいた場所だ。地獄と言うことだけはある。
「す、すげーな」
驚き隠せず周りの景色を見ていると、笛の音が響く。
音の方へと顔を向けると、ミウが合図を送っていた。あそこまで来いってことか。
「みんな、行くぞ」
返事はないが、ちゃんとついてくる。いつになったら会話が成立するようになるんだろうね。
通路を進んでいくと、広いスペースを横切るところで、異変に気付く。
「なんだ!?」
目の前に突如、紫色の煙が上がりボンッと膨張したのだ。すると、中から……
二匹の蛭のような生物が現れた。
「キャーーーッ!!なにこれ!?キモイ!」
それを見てキサラギが悲鳴をあげる。
悲鳴に反応したのか二匹の蛭の化け物は此方に飛びかかってきた。
口らしき部分には鋭い歯がびっしりと生えている。
「うぎゃーーー!!こっちくんなーーー、くんなってーーー!!」
サコも情けない声を上げながら逃げ惑う。
「なんだよこれ!?」
流石のランでも驚きは隠せないようだ。しかしさっきからこいつらは……
「お前ら~。コイツら近くの音に反応してるから、あんま騒ぐなよ~?」
「テメェ!!男なら、アドバイスなんてしないで何とかしろよ!」
「そうだそうだ!」
都合いいな。コイツら。
「……いや。……隠れるの」
アリスちゃんは最初から俺を盾にする気満々っすか。
そんな感じで謎の生物の乱入にてんやわんやしていると、
「遅いわよ!なに騒いでるの!!」
僕らの管理官が登場した。その顔は憤怒に歪んで赤くなっていたが、化け物のをみると途端に顔を青ざめ、「スラッグ……!?」とだけ、呟いた。
なるほど、この牙の一杯生えた蛭の化け物は『スラッグ』って言うのか。
動きは鈍いから、下手に近付かなければ被害はないと思うけど、皆がこれじゃあな。
「ど……どういうこと?ここはまだ、クリミナルの進入禁止領域のはずなのに……」
珍しくミウが混乱している。
「ミウさん、コイツらはどうすればいいですか?」
俺はさっさとこの場を納めたいので、ミウに助言を頼む。
″バチンッ″
痛い!なんで!?俺、なんか変なこと言った!?
「どうにかするのはキミの仕事でしょう!?」
「しょうなの!?」
「ふぅ……いい?キミがあの子達に指示を出して、あなた達があれを倒すの」
「倒すって、武器もなしにどうやって?と言うか、俺は戦闘に参加できないのか?」
「キミみたいな特殊な方法で地獄にいる者はクリミナルにダメージを与えることができないの。だから、あの子達は訓練を受けて戦えるようになっているわ。それに、武器もちゃんと持っているしね」
「え?どこに?」
俺の目がなにか異常をきたしていなければ、四人は誰一人として、武器のような道具は持ってないように見える。
「キミってバカよね。武器ってのは重いの。そんな物をずっと身に付けてちゃ、移動効率が悪くなるでしょう?」
そんな常識でしょみたいに言われても……ああ、ここ地獄だった。もう、俺の知ってる常識は効かないのね。
「と言うわけで……聞いたわね!貴女達がそいつを倒すのよ!」
「倒すって簡単に言うけどよ、そんなの無茶だぜ」
ランは乗り気ではないようだ。
「てゆーか、いきなり戦えとか意味分かんないし」
ランに続いてキサラギも拒否。他の二人もヤル気はないだろうな。
「ここで愚図っててもしかたないの。この先に進めばこんなのがわんさか出てくるのよ?それに、そのままだとクリミナルになぶり殺しされて、本当の無限地獄に堕ちることになるわ。いいの?」
「なっなんだよそれーー!?やだぞ!サコはユコといっしょにいきかえるんだからな!!」
「なら戦えよ!」
俺は無意識のうちに言ってしまった。突然、俺が叫ぶもんだから皆、俺を向いて固まっちまった。
でも、いいよな?流石にここまで我儘な奴等なんだ。ちょっと怒るぐらい、ね。
「お前らは生き返りたんだろ?なら戦え!一度失った命が与えられる。そんな大層な報酬が簡単に獲られる訳がないだろ!?それこそ、化け物と戦うぐらいのことはサクッとやってのけろよ!我儘言ってじゃねぇぞ!!」
「「「「…………」」」」
「ああん!?俺と初対面の時のお前らの方がまだガッツはあったぞ?なんか文句あるなら言ってみろよ!」
「ぅ、あ、あんたは戦わないくせに、偉そうに言わないでよ!」
「俺は別に死んでねーもん!はい、論破!」
「くっ!」
それ以降誰も、何も言ってこない。
「はぁ、キミ。このままじゃ埒があかないわ。一人選んでお仕置きしなさい」
「お仕置き?」
「そうよ。言うことを聞かない悪い子にはお尻をひっぱたくくらい当然よ。そうでしょ?」
「……せやな!」
と言うわけでお尻ペンペンします。被害者は……
「え!?ちょっと!なんでこっちくんの!?顔が怖い!来んな!変態!変態~!バカぁああああああ!!」
キサラギだぁ。
《おしおき開始》
と言う訳で捕獲!そして、膝の上に固定します。もちろんうつ向き。
「ちょっとぉ!離しなさいってば!」
好きなだけ吠えろ。俺はやめない。
すかさず服をめくりパンツを……下ろす!
「キャアアアアアアアア!!」
羞恥の悲鳴が響く。顔は真っ赤で明らかに怒っている。でも、ここまでやって何もしないなんて嘘だぜ?
露になったキサラギの生尻。小ぶりでも肉付きがよい印象だ。そこに、
″バチンッ!″
「~~~ッ!!」
手を降り下ろし平手打ち。
いい音を響かせ、微かに揺れる肉。まだまだ!
俺はまた、お尻を叩く。何度も何度も何度も!
「いっいい加減にィッ!やめッ、やめてってばぁあッ!」
うぬ、まだお仕置きが足りないようだ。ならばどんどん行くぞぉ!
俺は降り下ろす手を休めずバンバン叩く。キサラギの白かったお尻は羞恥に悶える顔と同じぐらい赤くなっていた。
「いッッ!んんッ!も、もう……やめてよぉ……」
泣きが入ってきた。もう一押し!
「わかったぁああ!わかったからもうやめてよ!」
「本当か?」
「本当よ……。約束するからぁ……ちゃんと戦うからぁ……」
「よし、信じよう」
《おしおき終了》
涙目になりながら立ち上がるキサラギ。まだ痛いようでお尻をさすってる。
「キミ、中々やるわね」
「やってるときは気にしなかったけど、捕まりますよね俺?」
「ここは地獄だから問題ないけど、次からは服越しにやりさないね」
「す、すみません」
「……楽しかったかしら?」
「それはスゴく!」
「その気持ち、忘れないように」
「はい!」
ミウさんの気持ちに共感を持ってしまう心を胸に、やるべきことに向かう。
「ぎゃーーー!やめろって!くるなってばぁ!」
「お前、自分で走れねぇのか!?」
「……いや……疲れるの」
一匹はサコと追いかけっこ。もう一匹はアリスを担いだランと追っかけこか。
あいつらが勝手に騒いでるのお陰でこっちは狙われなかったわけか。
なら、そろそろ助けてやりましょうか。
「おいキサラギ。準備できてるか?」
「う、うるさいわよ!今からやるってば!」
憎たらしく俺を睨むキサラギ。まあ、怒るわなぁ。
キサラギが手を開くと空中から剣が現れた。魔法のように現れた剣はキサラギほどの長さで、中々大きい。大剣と言うやつか。それをしっかりと握りしめ構えるキサラギ。
……見た目より軽いってことでいいよな?
「キミ、ぼさっとしてないで彼女に指示を出しなさい!」
ミウさんからの叱責。俺は義務的に返事をする。
「へいへい。キサラギ、サコが近くを走ってくるみたいだ。タイミング計って叩っ斬れ!」
「ふんっ」
キサラギは鼻を鳴らして走り出す。行き先はサコの後ろにくっつくように追っている化け物、スラッグ。
「はあッ!!」
気合いのこもった斬撃。
「キィエエエエエエエ!!」
スラッグが悲鳴をあけながら胴体が2つに裂けた。
「すげぇ……」
思わず漏れた誉め言葉。本当にスゲー強いんだな。
「キサラギ!もういっちょ!」
「わかってる!」
勢いそのまま、今度はランを追っているスラッグに狙いを定めて走り出す。
「もらいッ!」
完全な不意打ち。二匹目のスラッグも悲鳴をあげて煙のように消えていった。
「おお!勝ったあああ!」
「ま、ざっとこんなもんよ。どう?これで満ぞッうぐっ!」
「ははは♪すげぇや!キサラギ!お前本当にすげぇ!」
俺は初めての戦闘を乗り越えた喜びに我慢ができず、一番の功績者であるキサラギを思わず抱き抱えてしまった。
「よくやったぞキサラギ!ははは♪」
「ちょ、ちょっと!苦しいってば!離しなさいよ!」
「えーーー?もうちょっといいじゃん。喜びを分かち合おうぜ!」
「苦しいって、言ってんでしょうが!」
″ガンッ″
キサラギの剣の柄で目元を殴られた。
「ぐわぁあああああ!!目が~~~ッ!目が~~~ッ!!」
「ふん!調子に乗るからよ」
キサラギはさっさと離れていった。
ちくしょう……いいじゃん少しぐらい調子に乗っても。
「キミ、立ちなさい」
落ち込んでいる俺に掛かる慰めではない言葉。はいはい、ミウさんの言うことは絶対です。
じんじんと痛みが走る目を押さえながら、言われた通り立ち上がる
″バチンッ″
ッ!?なんで叩かれた!?
訳も分からず、叩かれたことに困惑する。
「スラッグごときのクリミナルに時間なんか掛けんじゃないわよ!!」
ええ~~~、俺のせいなの?
納得いかなくても、ミウの話は続く。
「それにしてもこの子達、すっかりサボり癖がついちゃってるわね。ちゃんとしつけておかないと、この先痛い目みるわよ」
手厳しい助言をもらう。確かに、なんとか戦ってくれたのはキサラギだけで、他の三人は逃げてただけだもんな。
「さてと、私は先に行ってるから。待たせるんじゃないわよ」
最後にドスの効いた声でそれだけ言うとさっさと行ってしまった。
ちゃんとしつけろ……ねぇ。
おしおきのシーンをもっとエロく書きたいなぁ……