「なあ、ラン」
「…………」
「そろそろ口を利いてくれよ」
「…………」
「なあってば~」
「ああもう、うっさいな!なんだよ男の癖にしつこいんだよ!」
「だったら仲直りしましょうよ!」
「ッ!……べ、別に元から仲が良い訳じゃねーだろ!」
「でも、普通に話すくらい仲が良かっただろ。少なくとも俺はそう思ってるぞ」
「ッッーーー!きゅ、急に何言い出すんだよオヤジ!」
「あ!」
「え?あっ」
「またオヤジって呼んでくれたな。嬉しいねぇ」
「いや、これは!…………はぁ、もういいよ。これまで通りにするからどっか行ってくれよ」
「マジで!?やったー!」
シンの行方を捜索中にキサラギ達のバックアップもあり、ランと二人きりで話す機会を得た俺は、ここぞとばかりに関係の修復を図る。結果、元通りになりそうだ。
「センセ!こっちにはおらんかったよ!」
「おう、わかった。行くぞ、ラン」
「へいへい」
俺達はトモエ達に合流して再びシン捜索を続けた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「う?この音は……」
歩いていると突然聞こえてきた地鳴り。ここで何度も何度も聞くたびにトラブルに巻き込まれるため、俺はこの音がトラウマになっている。
「また何処かの扉が閉まったな。……もしかしてシンか!?」
「とにかく向かぞ!」
俺達は音のした方に急いだ。暫く進むと案の定、閉まった扉があり、向こう側からドンドンと扉を叩く音が聞こえる。
「やっぱりか……。お~~い、シンさ~~ん。大丈夫っすか~~?」
「その声!ちょうど良いところに来たわね。この門を開けるから、協力しなさい」
「さっきはサコたちといっしょにいきたくないっていったじゃないか!!」
「それはそれ。これはこれよ」
なんと自分勝手な考え方をお持ちで。
「私の記憶が正しければ、近くに四つスイッチがあるはずよ。当たりは北東のスイッチのはずだから押してきてくれる?」
「それが当たりって……なんで分かるん?」
「人間は行動学上、T字路では左折しやすいの。だから、正解は右側に配置するのがダンジョンの定石ってわけ」
「なるへそ」
「さ、わかったら早く行って!」
と言うわけで俺達は北東のスイッチを押しに向かうのであった。
「ったく……閉じ込められてるくせに偉そうなんだから……」
「言ってやんな。あの子はああいう人間なんだって思っとけ」
ぼやくキサラギを宥めながら進み目的の場所に到着した。遠くではあるが、シンがいる場所がよく見える。
「んじゃ、押すね」
俺はさっさとスイッチを押す。カチッと音を立てたるだけで扉は開かず反応がない。
「おかしいな?」
何も起こらないことに首を傾げていると、シンの叫び声が響いてきた。
「なななななんでよ!!おかしいじゃないのちょっとーー!!」
「ん?」
見てみるとシンのそばにクリミナルが出現していた。
「貴女達、しっかりやりなさいよ!!」
「……言われた通り……押しただけなのに……」
「大丈夫だ、アリス。俺達は少しも悪くない」
「わわわわかったわ!裏をついて逆よ!逆!北西のスイッチが正解よ!」
また、指令が飛んできた。我々一同は呆れてため息を吐きます。
「ハァ……仕方ねえな。行くか」
「そうだな」
次の場所へと歩を進める。そのスピードはかなりゆっくりで、一人の女の子の危機なんてないと思えるほどだ。
「あ、貴女達!急ぎなさい!」
シンから渇が飛んできた。仕方ないと言わん表情で、少しだけ歩く早さを上げた。
……着きました。ではスイッチを押します。
カチッと言う音の後、扉が開くときの地鳴りが響く。遂に、閉まっていた扉が開いた。……シンが閉じ込められていたのとは別の扉が。
「ハァ!?意味わかんねー!!誰だよこのダンジョンの設計者!GM出てこいやゴルァ!!」
「ッ!?」
シンの口から博識そうな彼女からは出ないであろう罵倒が飛び出し、俺は心底驚いた。
「おい、オヤジ!開いた扉の部屋にスイッチがあるぞ!」
ランに言われて確認すると、確かにスイッチがある。
「あれだ!あのスイッチが正解じゃないとかありえねーから!!とっとと押してこい!!」
「あわわわわ……はいっ!!」
シンの変わりように驚き隠せない。サコもその気迫に押されて気合いの籠った返事をしてしまう。
これ以上待たせると、また何かが起こる気がするので今までは段違いの早さで次の場所へと向かった。
「着いた!押すぞ!」
息も切れ切れの状態になるまで全力で走った俺は急いでスイッチを押す。
今回も扉が開く地鳴りの音が聞こえた。開いた扉は、シンの閉じ込められた扉……の向こうにある、その先に続く扉だった。そこからもう一体のクリミナルが飛び出しシンに狙いを定めた。
「ちょ……どうなってるんだよ!!この状況で2タゲとかマジありえねーっつの!!」
一般的な女子がしないキレかたをするシン。初めて対面した時の頭がキレて周りを見下すような鼻につく印象は欠片も残っていない。
「……で、次はどうしたら良いわけ?」
「んなもん、残り二つのどったかが当たりに決まってんだろ!とにかく早く押せって!!」
でも、強気な態度は変わらない。
とりあえず、スイッチを押しに行きます。俺の勘は南東のスイッチだと訴えてるのでそっちに向かいます。
体力の回復も兼ねて、軽く走って遂にスイッチの場所に到着。
「んじゃ押すね」
スイッチを押すと再び地鳴りの音が響いた。何処が開いたか確認しようと辺りを見回すと、遂にシンが閉じこめられていた扉が開いた。
「おし!みんな、行くぞ!」
俺はみんなを引き連れてシンの元に向かった。
到着すると、右に左に逃げ惑う、なんとも情けない姿のシンを発見。
「おーい!大丈夫か?」
俺は一応、安否を確認してみる。すると、シンは俺の存在に気付き、俺目掛けて逃げてきた。
「ちょ!おっと、大丈夫か?」
シンは俺の服にしがみつきながら、荒くなっている息を整える。すぐに落ち着きを取り戻すと、異性に抱き付いていると言う状況に気まずくなったか、赤面のまま俺から離れて、コホンと誤魔化すように咳払いをして話始める。
「ふっ……ご苦労様。ずいぶん時間がかかったけど貴女達、レベルじゃ仕方ないか」
さっきまでのことが無かったかのように話すシン。強気な態度も相変わらずだ。……隣でキサラギがキレそうな顔してる。キサラギだけではなく、他のみんなも微妙な面持ちだ。
そんなことにも気付かないか、シンは変わらずに話を進める。
「何ボーッとしてるの?早くこいつらを何とかしなさいよ」
「うへっ!?サコたちがたたかうのか!?」
「当たり前でしょ。貴女達がスイッチを押したから出てきたのよ?」
「そ、そーなのかなー……ん……なら、いくぞーーー!!」
サコの声が合図に戦闘がはじまった。
敵はお馴染み『ドレッドアイ』が二体。簡単に終わらそう。
「アリス、ユコ、魔法攻撃」
俺の指示に二人は軽く頷き、集中して目の前に光球を作り出す。それはドンドン大きくなりバランスボール大の大きさにまで至った。
「痛いの……!」
「ライトボール!」
掛け声と共に放たれる二発同時の魔法攻撃はドレッドアイに向かって飛んでいく。ドレッドアイ達は勿論これを左右外側にそれぞれ避ける。そこに、本命をぶつける!二匹のドレッドアイがそれぞれ逃げた先に待ち伏せしていたキサラギ・サコとラン・トモエ。
「サコ、行くわよ!」
「おう!」
「火炎!」「ばくれつけん!」
飛ぶように逃げた相手の体にタイミングよくキサラギとサコの攻撃が入る。炎の拳と素早い斬撃のコンビネーションが相手の体を一瞬にして焼却していく。一体撃破。
「おら!トモエ、後は任せた!」
「はいな!」
もう一体も逃げたところを待ち伏せされていたランに地面に叩きつけられる。その場所のすぐそばに立っていたトモエが構えていた刀を抜く。
「さいなら……」
刀の刀身は地面に這いつくばるドレッドアイの体をを通りすぐに鞘に納まる。チンッと音が聞こえたときにはドレッドアイの体は縦半分になって裂かれていた。二体目撃破。
「はい、終了」
「す、すごい……」
安全な場所で俺の隣からみんなの戦いを見ていたシンは無意識か称賛の言葉を呟く。
「別にすごいってほどじゃないだろ。一撃目は基本的に陽動。二撃目が本命。この作戦は基本中の基本。あまり知性のないクリミナルはこの作戦でボコスカ倒せるから本当に楽で助かる」
「貴方、戦わないくせに偉そうね」
「お互い様だろ?」
「…………」
黙ってしまったシンと睨み合っているとキサラギ達が戻ってきた。
「へぇ……貴女達、そこそこ戦えるんじゃない」
また、シンが上からものを言ってくる。ランがそれを「まあ、な」と素っ気なく返す。
「ギリギリだけど……合格よ。これなら、まあ私が仲間になってやっても良いかな」
「はいぃ?誰があんたに仲間になれって頼んだりしたっけ??」
「ふう……単細胞な人って目先のことしか考えられないから困るわ」
うわ、キサラギ相手に言うなこの子。キサラギもそろそろ我慢の限界っぽい。
「いずれ貴女達には私の力を必要とするときが来るの。その時に泣くはめにならないよう、私が提案してあげてるわけ。わかるかしら?」
「はぁ……どうするオヤジ?」
「……いいんじゃないか」
少し考えてから答えた俺の言葉にシンは勝ち誇った顔になり、キサラギは心底嫌そうな顔になる。
「じゃ、そう言うことでよろしく」
「ああ、よろしくな」
数名、嫌そうな顔で俺に抗議の目を向けている。このままじゃ腹の虫が治まらないって言いたいんだろ?まあ、任せな。とウインクをする。みんなのゾッとした顔になった。ぶっとばすぞ。
「じゃあ、まずはキャンプに行こうか、シン」
「キャンプ?そこが拠点なのね。いいわ、行きましょう」
「ああ」
シンの押すような形で俺はキャンプに向かった。後ろからついてくるみんなも俺の考えを理解したのか、ニヤニヤと笑っている。そう、俺らの仲間になるってことはあれからは逃げられないと言うことだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
《おしおき開始》
「ちょっと!なんなのよこれ!」
「なにって、おしおきですけど?」
「お、おしおきなんて暴力で訴えるだけの意味の薄い行為だわ!時代錯誤よ!」
「ところがぎっちょん、こと地獄では違うんだなぁ。まあ、お前から仲間に入るって言ったんだから大人しく受け入れろ」
「こんなの聞いてないわよ!」
「そりゃ言ってないもん」
このままお話ししてもつまらんのでさっさと始めることにする。何時ものように目の前でムチを鳴らす。
「そ、それで叩こうって言うんじゃないでしょうね?」
「言いません。やるだけです」
「そう言うこと行ってるんじゃないのヒッ!」
シンが喋り終える前にムチで叩く。どんどん回数を重ねていく。
「いっ……あっ……やっ……ダメっ、くぅ……」
やたら甘美な声を漏らすシン。なんかエロい。
「さあシン。俺の要望は以下の通りだ。一つは俺の言うことを聞くこと。二つ、みんなと仲良くすること。三つ、諦めず塔を上りきること。以上だ!これを守ると約束するなら止めてやる」
「お、お尻ぃ……や、……太もも叩きながら、あっ……そんなこと要求する、うっ……変態なんかの言うことなんか、聞くもんですか!」
「ならば止めない!」
俺はペースを上げて更に激しくシンを攻める。
「痛いッ……や、……ッ!」
「ほらほら、さっさとゲロって楽になっちまいなよ!」
「うっ、うるさい!なんで私が!」
「ヒャッハー!!新鮮な少女の生パンだぜ!」
「キャーーーーー!!」
こんなことで屈するとは端から思ってない。やはり、女の子は羞恥にまみれさせてこそなのだ!信頼はその後だ!と言うわけでパンツを出現させます。
「あらあら、可愛らしいパンツっすね、シンさ~~ん?」
「こ、こんなことして良いと思ってるの!?貴方、仮にも教職者でしょ!PTAに訴えるわよ!」
「俺は指導教官。ここは地獄で、現世の法律なんて意味なんですよね~~?」
「くっ!」
「ほらほら、言っちゃいなよ。でないと尻揉むぞ」
「やめなさいよ変態!」
「なら、臭い嗅ぐぞ!」
「もっとダメよ!」
「少女のパンティーくんかくんか」
「ぎゃあああああ!よるな!わかったから、言うこと聞くから!」
「え~~つまらんな」
「なんで残念がってるのよ!貴方の目的は私の屈服でしょ!」
「いや、次はブラでも見ようかと」
「変態!」
「いや~~、溜まってるんですよね(笑)」
「この状況でそんなこと言われたら笑えないわよ!」
「冗談だよ、冗談。んじゃ、終わるぞ」
「私、今かなり後悔してるわ」
《おしおき終了》
オッスオッス、私だ……DAMUDOだ。
どうですか?クリミナルガールズ2、プレイしちゃってますか?
私は楽しくて色々と喋りたいが簡単に二個だけ言う。
ミズキとクロエが可愛すぎて死ねる!
ボスの強さが前作に比べて格段に上がったな!
それではまた……。あ、兄妹プレイ。楽しいですよ。