第一部のあらすじ これを見れば問題なく第二部から読むことができると思います
第一部のあらすじ
――――進退窮まった。
幾人もの大学四回生の心を折り続けてきた悪魔を前にして八宮岬は途方に暮れる。
その悪魔って言うのは何を隠そう、就活である。
無い内定。
数多の無慈悲のお祈り。
かすりもしないご縁。
彼のコミュ障が数多くの面接をおじゃんにしてきた故だった。
そんな彼がなんとか手にした就職先。
それは『界境防衛機関』からのものだった。
もっとも妹である八宮凪の助けが多分にあったからなのだが。
無事職に着いた彼は『副作用』の”睡眠不要体質”をいいことに、一日20時間働かされた。
ブラック企業も裸足で逃げ出す就労環境だったが、悪いことばかりではない。
今では家族同然のsAI(補助人工知能) を生み出すに至った。そのsAIの名前はクーちゃんと言う。クーちゃんは八宮岬と共に時間を過ごす中で、ドローンの躰を手に入れ、自我と感情を手に入れ、自らのありたい姿を定めた。人工知能としての特異点に達したのである。
八宮岬は企業人らしく、黒トリガー争奪戦や≪神の国 アフトクラトル≫からの大規模侵攻では、それなりに従順に戦った。
凪とクーちゃんの3人で隊を組み、共に戦い、技を磨きあう中で、絆を含めていった。
sAI(補助人工知能) と実妹に並々ならぬ好意を寄せられて、葛藤することもあった。自分の中にもどうにも割り切れない感情があることに気がついた。彼は未だに答えを出せないでいるのかもしれない。
それでも、時の流れは止まらない。
≪トロポイ≫の自律型トリオン兵、レプリカが残した言葉を頼りに、クーちゃんの躰を手に入れるため、ランク戦に臨む日常。
≪貿易都市国家 トランタ≫にヒントがある、レプリカはそう言っていた。
そこへ行くためにはA級入りして、遠征部隊に選ばれなければならない。
それを目標に、時にはグレーゾーンな戦術にも手を出して、ランク戦に挑み続けていた。
しかし、好奇心が八宮岬を窮地に追いやった。近界へ渡るため、かねてより調べていた鳩原事件を追っていく中で、『界境防衛機関』の暗部に触れてしまった。次は自分の番だった。
こちらの世界でやるべきことを、鳩原の跡を必死に追う二宮に託し、八宮岬は≪雪原の大国 キオン≫へ渡ることを決意する。
しかし、単身の渡航計画は凪にあっさりばれてしまい。更には『界境防衛機関』からの追っ手が彼を追いつめる。
結局は暗黒の海を渡り、≪雪原の大国 キオン≫へたどり着くことができたのだが、そこでも、種々雑多なトラブルに巻き込まれることになる。
辺り一面雪景色、あてのない旅。
国家権力に引き裂かれる兄妹。
緊急脱出がない。つまり、死と隣り合わせの戦闘。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
テンポの良い文章。
テンポの良い会話文を意識して頑張ります。