幻想転生記   作:黒崎竜司

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第8話

どうも皆さん、最近独り言が多くなった気がする臨人です。あれから俺は、ちゃんと軍にはいることができました。そのことを永琳さんと輝夜に報告に行ったら、

 

「軍に入ったのですか。臨人さんなら大丈夫でしょう。とういうか職探しをしてたのなら、頼っていただいてもよかったのですが…」

「臨人が軍に入ったなら安心だね。」

と、二人とも俺が軍に入ったことについてうれしいお言葉をくれた。でも、永琳さんは職探しのときに少しでも頼ってほしかったようで、ちょっと不満がもれている。

 

「今日はその報告に来ただけですので、失礼します。」

そういって、俺はいったん家に帰った。

 

報告した日から数ヶ月が過ぎて、侵入してきた妖怪を一人で撃退し続け軍の大将になり、都で安定した暮らしをしていたときに、永琳さんに呼び出された。どうやら、とても大切な話があるようだ。階級が高いって辛いな…こういう会議に出なきゃいけないし…

ちなみに、俺はこういう会議は好きじゃない。結構雰囲気が硬いし、その癖に議論が何も進まないからである。面倒だな…と思いつつ会議の場所へと向かう。

 

 

数十分で会議場に着いた。会議場は、ドームみたいな形をしており、中にはかなりの人数が入れる。会議場の中に入り、いつも通りテキトーに聞き流そうと思って席に着いたが、今回は会議の出席者の顔つきが違う。どいつもこいつも真剣な顔つきで入ってくる。そうして数分間待っていると、参加者が全員揃い会議が始まった。

 

「今回の会議では、月移住計画について話そうと思う」

議長がそういうと、会場内は呼吸の音が聞こえるのではないかというくらい静まり返った。その静寂を破るように、議長が計画の説明に入った。

 

「今回の計画は、妖怪の持つ穢れが人間の寿命を創り出すものと考え、穢れの無い月に移住すれば人間は寿命を恐れずに生きていけると思い、決行するものである。」

月への移住か…酸素とか大丈夫なのか?

 

「今回の計画を実行するに当たってこのように作戦を展開する」

議長が話を続けつつ、立体映像で街の地図を出す。

 

「ここにロケットを置き・・・」

立体映像を用いて、どこへ住民を誘導するか、また、もし妖怪が攻めてきたらなどを解説する。

 

「以上が本作戦の内容だ。何か申し立てのあるものはいるか?」

解説を終えて、議長が意見を求める。

「議長。」

「何だね?」

 

俺の後ろのほうに座っていた軍部の奴が質問する。

「妖怪が来た場合、住民の誘導は誰がやるのですか?」

 

そんな質問をする。そういえば、軍の人間が妖怪の対策に駆り出された場合、住民の誘導は誰がやるのだろうか?どうせお偉いさんは保身のためにすぐ逃げるだろうし。

 

「それは、妖怪の侵攻が来てから決める。」

「そうですか…」

議長にそう言われて、そいつは引き下がる。おいおい、決まってないってどういうことだよ…それに、来てから決めたら遅い気がするんだけど…まぁいいか。もし来たら俺以外の軍人を誘導に回して、俺一人で妖怪を無双するだけだし。

 

「ほかに何かあるか?」

議長が再び回りに確認をする。ほかに質問のある奴はいないようだ。

「ならこれで会議を終了する。では、解散!」

議長が号令をかけると回りの人間が一斉に立ち上がり、それぞれ帰っていった。

 

「はぁ~疲れた。」

会議場を出て、軽く伸びをする。やっと終わったよ…

「お疲れ様。それにしても、何故妖怪の対策について発言しなかったのかしら?軍の大将様なら軍の行動については気になるんじゃないかしら?」

永琳さんがそんなことを言いながら近づいてきた。やっぱりおかしかったか…軍の行動がはっきりしてないのにそれをほっとくなんて…

 

「退屈すぎて忘れてただけですよ。」

軽い口調でそう答える。さすがに、「俺が一人で無双して、ほかの人を誘導に回す」なんていえないからな…

「そう…ならいいわ。でも、少しは軍のことも考えておいて頂戴。もしものことに対応するのが軍というものですもの。」

永琳さんからそう言われる。

「まぁ、その辺はちゃんと考えておきますよ。」

えぇ、ちゃんと考えますとも。どうやってほかの奴を住民の誘導にやらせるかをね。

 

「でも、無茶はしないで頂戴。もしあなたがいなくなったら輝夜様に綿月姉妹も悲しんでしまうので。」

永琳さんに無茶しないように釘を刺される。

「善処します。」

お茶を濁すような回答をする。

 

ちなみに、綿月姉妹とは都の名家の娘さんで、輝夜の友人である。姉の豊姫は頭がよく、妹の依姫は運動神経がよい。また、姉はボードゲームで、妹は剣術で腕比べをする。二人とも俺に勝とうと躍起になっている。どちらも戦歴は俺の全勝です。やっぱこの体すごいわ。転生前だったらきっと、どっちも全敗だもん。

 

「あなたはいつも無茶をするから釘を刺しておこうと思ったけど、善処するならいいわ。ではまた。」

そういって永琳さんは帰っていった。いつも無茶をする…か。さすがに仲間を一人も連れずに妖怪の巣に突っ込んだのはまずかったか…

 

「さて、俺も帰りますかね。」

そう独り言をこぼし、家に帰った。

 




突然ですが、シルバーウィークが終わったら少しリアルが忙しくなるので、しばらく投稿できないかもしれません。もし、この小説を楽しみにしている方がいらっしゃられるのであれば、少しだけお待ちいただけると幸いです。申し訳ございません。

追記:10月5日 いろいろ訂正

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