どうも臨人です。前回俺は、侵入者が都に入ったという放送を受けて、撃退しに行こうとして、挑発されたので、思いっきり戦闘しています。戦闘開始から数十秒くらいたって、
「なかなかやるわね。」
そういってきたので、
「こんなん小手調べにもならねぇよ。」
軽い挑発を入れてみる。これで冷静さを欠いてくれればラッキー、といった感じだ。
「へぇ、言ってくれるじゃない。だったらこれならどうかしら?」
そう女性が呟くと、女性の持っていた黒い剣の大きさが一回り大きくなり、背中からこれまた闇のように真っ黒な羽が生えてきた。
「さぁ、遊びは終わりよ。ここからは本気で行くわ。」
なんて言ってきた。
本気になるの早すぎませんか…まぁいいか。早く本気になってくれればそれだけ消耗も早くなる。
「なら、こっちも気を抜けないな。」
しっかり本気だというアピールをする。実際はぜんぜん力入れてないけど。
なんて思ってたら、向こうは武器をこっちに向けて振り下ろしてきた。
「甘い」
なんていいながら軽く躱す。躱した後、自分がさっきまでいたところを見ると、軽い地割れが起きていた。
「あれを躱すなんて…やるわねあなた。」
女性がそんなことを呟く。え?あれくらい簡単によけられますけど…
「これならどうかしら?」
そういって、剣を二本に増やしてこっちの急所を狙い、神速の如く攻撃を仕掛けてきた。
このぐらいならまだ避けれるけど、少しやりたいことがあった。俺は相手の攻撃をすべて弾けそうだと思い、攻撃に対応する。そうすると、思ったよりも楽に動き、相手の攻撃を全て弾いた。
「まさか全て弾かれるなんて…予想外だわ…」
女性がそう呟く。結構向こうは力を入れてたみたいで、弾かれたことに驚いている。
「今度はこっちの番だぜ?『無双連撃』!」
相手の攻撃を全て弾いた後、今度はこっちから攻撃を仕掛ける。無双連撃といっているが、単純に連続で動きが見えないくらい速い斬撃を加えているだけである。これといって特別なことはしていない。ただ、これは疲れる。なぜかというと、両手持ちの剣で高速の動きをしているため、体全体が動いてしまうのである。
「くっ…キツイわね…」
向こうは結構ギリギリの様だが、容赦はしない。
「さぁ、速度を上げさせてもらうとするか。」
さらに攻撃速度を上げて、こっちの剣筋が完全に見えなくなるくらいまで動作速度を上げる。
「まだまだ…」
もう剣筋はこっちからすら見えていないのに、それでも相手の女性は八割ぐらい防いでいる。そろそろこっちは決めたいので、相手の剣めがけて大きく武器を振った。
「キャァァァ」
相手は防ごうとして両手に持っていた剣を構えたが、俺の攻撃の威力で二本とも吹き飛んでいった。そして、
「降参か?」
俺は剣先を女性に突きつけ、降参を促す。
「降参よ…煮るなり焼くなり好きにすればいいじゃない…」
女性はあっさりと降参の意を示す。
「そうか。なら速く逃げな。俺は挑発にイラついて戦っただけだしな。」
俺は女性に逃げるように促しつつ、建前を言う。本音は口が裂けても言えない。
「あら、何もしないのね。ならお言葉に甘えさせてもらうわ。」
そういうと女性は都の外に行こうとする。都から出る前に、こちらに振り向き、
「あなた、名前は?」
と聞いてきたので、
「川神臨人だ。」
と軽く答える。
「そう、臨人ね。私はルーミア、妖怪よ。戦えて楽しかったわ。じゃあね。」
と言い残して去っていった。やっぱり進入してきた妖怪だったか…にしても、妖怪の中にも人間そっくりなのがいるんだな…と思った。
「ふぅ~疲れた。」
とりあえず、一息ついて、武器を消す。にしてもあれ、一目じゃ妖怪とわからんだろ…これじゃ妖怪と人間を間違えそうだ…なんて思考を巡らせていると、軍隊の人たちが起き上がり、
「妖怪はどこへ行った!?」
「街の中を探せ!」
と妖怪を探す声がした。この人たちが軍か…不安だな…なんて考えていたら、隊員の一人が、
「ここは妖怪が来ていて危険だ。街の避難所へ」
と言ってきたので、
「その妖怪なら俺が片づけておきましたよ。」
と答える。すると、その隊員が、
「本当か!?我らが束になってもかなわない妖怪を一人で!?」
といってうろたえる。その隊員をほっといたら、別の隊員が
「妖怪はどんな奴だった?」
と聞いてきた。
こいつ…敵の姿も見れずにやられたのか…弱いな…と思いつつ見た通りの姿を説明する。すると、
「あんたスゲェな!あのルーミアを一人でやっちまったのか!」
と賞賛してきた。
どうやら、ルーミアは俺がこの街に来る前にも何回かこの街を襲撃したことがあるらしい。今までは、住民が避難所に逃げてる間に軍人が足止めする。という形で被害を食い止めていたという。
「あんた軍に来ないか?もし来るなら、俺が推薦してやるぜ。」
と軍人さんが勧めてきた。これでやっと職に就ける…
そう考え、
「なら、よろしくお願いします。」
こうして、俺はやっとの思いで職に就けたのである。
戦闘描写難しい…