朱雀とともに白虎を住処に連れて行って白虎が目を覚ますのを待っている。
「しかし…容赦の無い一撃であったな…」
「容赦とかしても相手のプライドとかが崩れるだけだからな。必要無いと思った」
「そうではあるが…白虎が気を失うとは思わんかったぞ…」
そうこう話しているうちに白虎が目を覚ました。
「む…」
「お、やっとお目覚めかい?」
「何故我の住処に?」
「朱雀に頼んで運んでもらった」
「あのまま放っておけばよかったものを」
「ほっとくのも申し訳ないし、それに俺はまだあんたに認められてないからな。認められるまで勝負に勝ったとは言えんのよ」
「人間…貴様は不思議だな」
「不思議でもないさ。『英雄』なんて呼ばれちまってんだから、目の前の危機を救うのは当然だろ」
「我を打ち倒すほどの膂力とその器量の広さ…貴様が『月の英雄』であることは真であったか」
「まぁ見た目普通の人間だしな」
「よかろう、貴様のことを認めてやろう」
「よかったぜ。これで認められないとか言われたらどうしようかと」
「正面から戦って打ち合った相手を認めぬなど性根が曲がってる者のすることであるからな」
「じゃ、俺たちに協力してくれるってことでいいな?」
「うむ、我の力存分に役立てよ」
現在、朱雀とともに白虎と別れて朱雀の住処に向かっている。
「なぁ朱雀、四神ってみんな血の気が多いのか?」
「本来はこのようなことはありえぬのだが…復讐者に警戒をしているせいであろうな…」
「復讐者…復讐…か」
「む、どうしたのだ?」
「いや、俺も復讐関係は嫌な思い出があってね…てか、今回の復讐者はなんとなく予想がついてるし」
「本当か?」
「あぁ。きっとそいつの狙いは俺だろう」
「英雄を狙う復讐者…か」
「確定したわけじゃないからはっきり言えないけど、もしあいつだとしたらあまり悪く言わないでくれ。あいつだって譲れないものがあったんだ」
「人間も楽ではないのだな」
「あぁ、人間も楽じゃねぇよ」
話しながら飛んでいるうちに朱雀の住処にたどり着いた。
「臨人よ、貴様に復讐したものは何故その行動を起こしたのだ?」
朱雀に聞かれ、答える。
「…本当は、あいつが俺の立場に立つはずだったんだ」
「どういうことだ?」
「俺は、本当は古代都市の外の人間だった」
「なんと、古代都市の外で生きておったのか…」
それから、過去の話を話し始めた。
「それで、外を歩いている間に古代都市の名家の娘を救ったんだ。そしたら、古代都市に住むことになって、そっから妖怪を倒し続けたら都市の重役についてたんだ。俺は自分のことばっか考えて生きてた。でも、それでそいつの立場を脅かしてしまった」
「立場など、気にするものなのか?」
「人間、そういうのを気にする奴もいるのさ」
「そ…そうか」
「今度はしっかり向き合って全力で戦ってやらねぇと…」
せめてものけじめだ。
「優しいのだな」
「優しくなんて無いさ」
「優しい。優しすぎる。己に楯突き、不相応な野心を持った者に向き合うなどと」
「俺のせいでそうなったんだ。俺が終わらせてやるのが筋だろ」
「ふ…やはり貴様は英雄よ」
「そ、そうか?」
「うむ、我が保証しよう」
「…ありがと」
「気にするで無い。それより、次は玄武と青龍どちらを認めさせるのだ?」
「どっちにしようか…」
玄武は明らかに堅いし、青龍は朱雀以上に突っ込んでくるとかなさそうだからな…
「まぁ、ゆっくり決めるが良い」
「わかった」
朱雀はそういうと住処の奥に入っていった。
「さて…どっちと戦おうか…」
そう考えながら、意識が闇に落ちていった。
恥ずかしいけど自分の作品読み直してストーリーをもう一度立て直さなければ…