幻想転生記   作:黒崎竜司

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第2話

「うわぁぁぁぁぁぁ」

 

 どうも臨人です。ただいま落下中。

 

「落ち着いてる場合じゃねぇ!このままだと死ぬ!」

 {転生後の死因:落下死}とか笑えねぇよ。

 

「ダメ元で…」

 

 転生特典に期待するしかない。頼む…丈夫な体であってくれ…

 

「ぐっ…」

 

 体勢は悪いが、一応体が地面についた。

 

「よっ…と」

 

 とりあえず立ち上がり、周囲の状況を確認する。

 

「森…か。」

 

 どうやらここは森らしい。周囲の状況確認が終わったので自分のことを確認しようとする。しかし、

「自分がどういう格好なのかわからん…」

 

 森の中なので、鏡の代わりなどない。しかし、もし何も着てない状況で森の中を歩き回ったとしたら、もう変質者だ。そうはなりたくない。

 

「とりあえず、触って確認してみるか…」

 

 自分の体に触れてみる。そこにはちゃんと布の感触があった。

 

「よかった…」

 

 とりあえずこれで、変質者のようなことをしなくていいと分かり安心である。

 

「ん?何だこれ?」

 

 服の中に入っていたものっぽいな…とりあえずとりだしてみる。

 

「手紙?」

 

 一通の手紙だった。

 

「宛名は…俺宛か。」

 

 俺宛であることを確認して開く。そこにはこうあった。

『元気にしとるか?わしじゃ。神じゃよ。今のお主の状況をまとめておいた。今のお主の状況は物語開始の数時間前じゃ。特典は

・筋力と戦闘力はほぼ最強クラス

・不老不死

・能力は『出す程度の能力』

・家事スキルMAX

の四つじゃ。技はお主が記憶していた物をほぼすべて使えるようにしてある。

まぁ、今は生活に慣れてくれ。じゃあの。

P.S親友の件は任せておけ。』

「なるほど…転生特典を伝えたのか…」

 

 しかし、俺の見た目が分からん。さっきから独り言をいろいろ言ってるから、声で男というのは分かる。というかもうガチートやないかい。

 

「まぁいいか。とりあえず、拠点を探そう。」

 

 森の中では生活するのは厳しいから、どこか水のあるところに行こう。そう思って移動を開始すると、

 

「グルルゥゥゥ」

 

「ん?」

 

 気になって後ろを振り返ると後ろの茂みから虎の頭、熊の体、鎌のような手、節足動物の足と、合成生物みたいな生物が出てきて、こちらに襲い掛かってきた。

 

「マジかよ!」

 

 

 どうしよう…

 

「ガァァァァ」

 

 こっちがどうするか考えてる間にも相手は攻撃を繰り返してくる。

 

「やるしかない…か」

 

 戦闘は慣れてないが、やらなきゃやられる。

 

「とりあえず剣を出すか」

 

 俺はそう呟き、剣を出現させる。

 

「やってやる!」

「ガァッ!」

 

化物はどんどん鎌で攻撃してくる。それを避ける。

 

「そこだっ!『帰燕』!」

 

 化物の隙を突いて燕返しの反対の順番で斬りつける。

 

「グギャァァァ!」

 

 それを喰らい、化物は断末魔をあげ、倒れる。

 

「ふぅ…何とかなったな…」

 

 この戦いを経て学んだことは、この体のスペックがえげつないということだ。もしさっきの戦いを生前(?)の体でやったら1秒もしないうちに負けてただろう。

 

「まぁいっか。とりあえず拠点探しをしよう。」

 

 また拠点を探し動こうとした。だがその時、

 

「キャァァァ」

 

 遠くのほうから、女の人の悲鳴が聞こえた。

 

「人の声!?助けに行こう!」

 

 

 俺は声のするほうへ走った。

 


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