はじめに・・・
お待たせして申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁ!!!
え~、実はリアルが忙しくなってしまったりスランプになったり鬱になりかけたりといろいろあって更新ができませんでした。予告もなしに停止してしまい、本当に申し訳ありませんでした。
ですが、これからは時間も取れるので、更新もやっていこうと思います。(更新ペースが上がるとは言っていない)
「はっ!てやっ!」
「ふんっ!このっ!」
俺は今、サラと交戦している。サラが出してくる拳を躱しつつ、隙を見つけて拳やトンファーを叩き付ける。
「なかなかやるわね…」
「君もね…」
サラの言葉に戦いながら答える。まだ喋る余裕があるのか…今の俺の力はルーミアより少し上ぐらいにしている。
「そらっ!」
トンファーを逆に持ち、腕を大きく振り払うように動かす。
「きゃあっ!?」
サラはいきなり放たれた大振りの攻撃に怯む。俺はそれを見逃さず、地面を蹴り飛ばすように走り出してサラに接近する。
「かかったわね…」
「何だと!?」
接近する俺の勢いを往なし、俺の動いている軌道から逸れて後ろに回ってきた。
「隙だらけよ!」
「くっ…!」
後ろから繰り出されたサラの拳をギリギリで躱し、サラの方を向く。
「あれでも駄目なの…」
サラは俺に躱された事に少し落胆しているようだった。
「ならこれでっ…!」
サラは俺に接近し、炎を纏った拳を放ってきた。
「はぁ!?マジかよ!?」
俺は人の手から炎が出てきた事に驚いてしまい、反応が少し遅れてしまう。
「しまっ…」
『ドスン!』という鈍い音と共に俺の左肩にサラの炎を纏った右手が突き刺さるようにヒットした。
「ぐっ…!」
俺は拳の勢いを利用し、回転してダメージを抑える。炎は弱いものだったらしく、回転している間に消えていた。
「お返しだ!」
回転の勢いのまま、サラに向けて右ストレートを放つ。
「なっ…!」
攻撃を喰らった直後に反撃に出る事を予想していなかったのか、サラの反応が遅れている。
「喰らえっ!」
そこを見逃さずに放たれた俺の拳は見事にサラの体に突き刺さった。
「カハッ…」
サラが咳をするように空気を吐き出す。
「ふぅ…ふぅ…」
「マジか…」
幾らルーミアより少し上の力に抑えていたとはいえ、クリーンヒットしたのに気を失わないどころか、立っている事に驚きを隠せない。
「キツイ一撃だったわ…」
サラが小さく呟く。もう立っているのも苦しそうに見える
「おいおい…完全に倒したと思っていたんだが…」
「馬鹿いわないでよ…。魔界の住人は地上の生物とは違って丈夫なのよ…。」
サラが俺の言葉に返す。
「それに…あたしは門番よ…?門番は万全な状態で来た侵入者を追い返さなきゃならないのよ…だから…この程度で倒れるわけ無いじゃない…」
息も絶え絶えになりながらサラが俺に対して説明する。
「そうか…」
「さぁ…かかってきなさい…!」
俺が小さく答えると、サラはまだ戦えると言わんばかりに戦闘体勢に入った。
「門番に苦しんでる場合じゃないんだ。一気に決めさせてもらう!」
俺はサラに応えるように攻撃の構えをとった。だが、それは意味の無い行動に終わった。
「あら、何してるのかしら?」
「え…」
サラの後ろに見覚えのある人が立っていた。
「神綺様!」
突然の神綺の登場にサラは非常に驚いていた。
「サラったら、熱くなりすぎよ~。」
「で…ですが…」
神綺は微笑みながらサラをからかっていた。
「サラがあの炎を使った気がしたから、見に来てみたらだいぶ無茶してるみたいじゃない。」
「そ…それは…」
「あれは未完成なんだから、あまり使っちゃ駄目よ~。」
神綺がサラにやんわりと注意する。あの炎…未完成だったんだ…通りですぐ消えるわけだ。
「あら、ルーミアちゃんに竜也くんじゃない~。それに、あのときのかわいい子まで一緒に。どうしたの~?」
神綺がこちらを向き、俺たちに問いかける。いくら名前も言ってないからってかわいい子って…
「そういえばあなた、ボロボロじゃないのよ~。何があったのかしら?」
神綺は俺の傷に気がつくと、意地の悪い笑みを浮かべながら何があったのか聞いてくる。絶対気付いてるだろ…何があったか…
「それについては私から説明します。」
サラが神綺の前に出て、説明を始める。
「この方たちはこの町に侵入しようとしていたのです。私は門番として止めようと交戦していました。」
サラはさっきのことを説明する。
「あら~、そうだったの。サラもただ戦うんじゃなくて、私に伝えてくれれば良いのに~。そうすれば貴女もこの子もこんなにボロボロになる必要なかったのに~。」
「神綺様…無茶です…」
サラの説明を聞き、神綺はかなり無理な事を言う。俺でもサラと同じ事するぞ…
「それはそれとして、三人そろってどうしたのかしら~?」
神綺が話を戻す。やっぱりこの人と話しているとペースが乱れるな…
「いや~、俺たちが寝泊りするところが無くってな(笑)」
竜也が今の俺たちの状態を一言で説明する。
「そうだったの~。なら、私のところに来ない?ちょっと働いてもらうけど、いいかしら~?」
神綺が俺たちに問う。
「神綺様、いいんですか?」
サラが神綺に問いかける。確かにそうだよな…来てすぐの、それもさっきまで侵入者だった奴をいきなり町に入れるのは抵抗あるよな…。
「いいのよ~。この子達、特にルーミアちゃんは私の友達だもの~。」
神綺はサラに対してそう答えた。
「で、どうかしら~?三人ともまとめてお世話してあげるけど?」
神綺は俺たちに対して、再度問いかけた。
「俺は良いけど。」
竜也は真っ先に了承した。
「私も良いわよ。」
竜也に続き、ルーミアも了承した。
「二人とも大丈夫みたいだし、これからよろしくお願いします。」
二人に続く形で、俺も了承した。
「わかったわ~。じゃあ、案内するわ。こっちよ~。」
こうして、俺たちは神綺の所に世話になるのだった。