俺たちはこれからどうするかを決めていた。
「これからどうする?」
「そうねぇ…都もなくなっちゃったし、ぶらり旅でもしましょうか。」
ルーミアが提案する。
「それも良いかもな…」
小さく答える。
「神綺さんの所に行ってみないか?」
竜也が言う。
「え?神綺のところ?」
ルーミアが確認するように返す。
「あぁ。今の俺たちが頼れる人ってあの人ぐらいだろ?」
竜也が俺たちに確認を取る。
「そうだな…」
俺は確かにと思い、肯定する。
「ほんとに行くの?」
ルーミアが素っ頓狂な声を上げる。
「あれ?さっきまで仲良く喋ってなかった?」
竜也が軽く聞く。
「え?えぇ、まぁ…」
ルーミアはばつが悪そうにしている。
「どうした?なんかあるのか?」
俺も気になったので、ルーミアに聞く。
「い、いや、別に、何とも無いといえば何とも無いのよ?」
無理して隠すようにルーミアが答える。
「ただ…」
「ただ?」
ルーミアが何か言おうとする。
「あの子、すぐ私に『男出来た~?』とか『もうそろそろ恋だの愛だの考えても良いんじゃない?』とか言ってきて、苦手なのよね…」
あぁ、さっきも『いい男二人侍らせて・・・』とか言ってたな…
「私、戦い以外にはあまり興味ないんだけど、あの子は女らしくしろってうるさいのよね…」
「ルーミアは戦う事と食べる事以外は興味ないもんな。」
ルーミアが喋り終えた後、竜也が茶化すように付け加えた。
「う、うるさいわね!良いじゃない!楽しく生きられれば!」
ルーミアが照れ隠しをするように言い返す。
「まぁまぁ、落ち着け。」
俺はルーミアを止めるため、声をかける。
「とりあえず、俺らが他に知ってる人もいないし、神綺さんも悪い人ではないしな。」
竜也が確認するように情報を整理する。
「そうだな。」
ルーミアを止めた後、俺も同意する。
「だったら、頼ったほうが良さげじゃね?」
竜也が勧めてくる。
「ちょっと待って。神綺の居場所を知ってるの?」
ルーミアが聞く。
「知らね。でも、魔界っぽい場所なら知ってるぜ?」
竜也が答える。
「魔界の場所ですって!?」
ルーミアが驚いたように聞く。俺も驚きだ。俺がこの世界に来てから結構経つが、魔界のような場所なんて見当たらなかったからだ。
「いつ知ったのよ!?」
ルーミアが驚きのこもった声で竜也に聞く。
「この前神綺さんに会ったときに教えてもらった。」
「えぇ!?」
竜也が説明すると、ルーミアが更に驚いた。
「だからさ、行ってみようぜ。もし神綺さんに会えなかったらぶらり旅でもすればいいしさ。」
竜也がさらに押してくる。
「そうだな。」
俺はその意見に合意する。
「仕方ないわね…」
ルーミアも仕方なしに同意する。
「じゃあ行こうぜ。」
「道案内は任せたぜ。」
「任された。」
(懐かしいな…この感じ…)
(ほぅ…お主はこういう風に生きてきたんじゃな。)
(いつもはもっと酷いけどな。)
懐かしんでいると神が語りかけてきた。それを軽くあしらい、俺たちは魔界に向かった。