俺だ。臨人だ。絶賛ルーミアと戦闘中だ。
「やぁぁぁぁぁ!」
ルーミアが闇の剣を両手に持ち、突撃してくる。
「うらぁぁぁぁ!」
それに対して鉄騎尖を構えて突っ込む。槍の届く範囲になったら、一撃を狙い鋭い突きを繰り出す。ルーミアは楽々躱して俺を振り払うように剣を横に払う。俺はそれに対して出していた槍を引いて剣を阻む。
「やるわね…」
ルーミアが何か言っているが、無視して槍を突き立て、それを中心に回転蹴りを繰り出す。ルーミアはそれを飛んで躱し、後頭部を狙って剣を突き出してきた。
「危ねぇ!」
間一髪で避けて突き立てていた槍を抜いて剣を弾く。それを読んでいたかのように、ルーミアはもう片方の腕に持っている剣をこっちに向けて振り下ろしてくる。それを槍の石突きを使って弾く。
「弾いてばっかじゃ勝てないわよ?」
「うるせぇ…なっ…と」
前回に比べてとんでもなく強くなっている。
「ちょっと本気で行くか…」
少し危なくなってきたので、今までつかってなかった連続技に手を伸ばす。
「行くぜ?気を抜くなよ?」
「いいからかかってきなさいよ。」
ここからは一気に決めさせてもらう!
「オラオラァ!」
槍の穂先で斬るように払ってからその勢いを利用して突きに続けて、石突きを使って打ち上げるように殴りつけ、上にある石突きを落とすように突き出しその勢いのまま穂先を振り下ろす。振り下ろした後、少し穂先を上に上げるように突く。
「くっ…やるわね…」
ルーミアはギリギリで防いでいたが、連続で来る攻撃の対応が厳しくなってきたのか、幾つか傷ができる。
「まだまだぁ!」
「くっ…」
槍を上に投げ飛び上がり、それを取って叩き付けるように振り下ろし、着地と同時に槍を少し前方に突き立て、槍のしなりを利用して後ろに回る。
「かかったわね…」
「何だと?」
後ろに回った瞬間、ルーミアの背中から闇の翼が出てくる。間一髪で避けたが少し左腕が触れてしまった。最初から出してなかったのを忘れてた…
「くそっ…」
「ふふっ、触れたわね?」
闇の翼に触れただけでえらそうに…
「何だ…腕が…」
「これでしばらく腕は使えないわね…」
どうやら、あの翼には動きを封じる力があるらしい。
「さて、まだ戦えるというのかしら?」
「当然だ。」
片腕が封じられたぐらいで戦えなくなるわけが無い。鉄騎尖を消し、
(出てこい!暁!)
そう念じると、片腕で扱えるような一本の刀が出てくる。右腕でそれを持ち、鞘から出し、鞘を落としルーミアに向ける。
「槍はもういいのね。」
「片手じゃ使えないからな。」
ルーミアの問いかけに答え、再びルーミアと戦う。片手が使えない分、さっきまでよりだいぶ苦戦させられる。
「これで終わりにしようかしら?『宵闇演舞』!」
ルーミアが剣舞を舞うように近づいてきて、一瞬の隙もない連続攻撃を繰り出してきた。右へ左へと翻弄される。
「もう厳しいんじゃないかしら?」
「何言ってんだか…」
少し見栄を張る。実際のところを言うと結構キツイ。もうこれ以上はヤバイかな…と思っていると、余裕を持ちすぎたのかルーミアに一瞬だけ隙ができた。
「そこだっ!『帰燕』!」
一瞬の隙を突き、自慢の剣技『帰燕』を両手の剣に向けてお見舞いする。
「きゃっ!」
ルーミアの悲鳴と共に両手に持っていた剣が吹き飛ぶ。それを見逃さず、すぐにルーミアに接近し、前に戦ったときと同じように剣先を突きつける。
「くっ…」
ルーミアが悔しそうに小さく声を漏らす。
「勝負あり…だな。」
「そうね…」
危なかった…あの一瞬の隙が無かったらまだ続いてただろうな…
「私の負けね…いいわ。私の知ってることを教えてあげるわ。」
「やけにすんなり教えるんだな…」
「他の妖怪がどうなろうと知ったこと無いもの。」
「良いのかそれ…」
「私は強い奴と戦えて、人間を食べられればそれで良いもの。」
「そういうもんなのか…」
ルーミアは他の奴を気にしないタイプらしい。
「実は…」
「なっ…」
俺はルーミアから聞かされた真実に度肝を抜かされた。
ルーミアの戦い方が分からん…