ソードアート・ボッチ   作:月見桜

11 / 11
久々ですね。アクセス記録見るとちょくちょく見てくれる人がいる事にビックリです。


そして、彼は黒猫団と出会う

夢を見るんだ

 

真っ暗でなにも見えない空間にただ一人佇む俺がいる。

その暗闇をずっと進むと淡く儚げな光があるんだ。

一つ一つが集まって光を増すんだ。でも、俺が近づくと光は陰り、消えてしまう。

それを繰り返し、繰り返し、繰り返し…………

 

 

 

デスゲームが始まって五ヶ月ほど経っただろうか。最前線より十層近くも下の階層でとあるパーティに出会った。

五人編成にも関わらず、前衛を任せられそうな盾役一人。あとは、アタッカーだが全員腰が引けている。

あれじゃ、前衛のHPが減り続けて後退するだけだな。などと思いながらその場を離れようとした。

だが、見えてしまったのだ、その後方から迫るモンスターの姿を。

このままでは倒しても連戦、後退してもモンスターの追撃となる可能性が大きいだろう。

 

「……仕方ない、か」

 

そう呟き、面倒臭げにそのパーティに近いた。

「少しばかり手を貸すが、俺は奥にいる奴を殺る。」

そう告げてから奥にいるモンスターに突っ込んだんだが、うん。団体さんだった。近づくにつれて、索敵スキルにどんどん引っかかるわ。

結局、その団体を片付ける頃には向こうも片付いていた。

 

「あ、ありがとごさいます!ほんとに、怖くて、助けに来てくれて、ありがとう。…ありがとう」

そう言いながら半べそをかいているのは、紅一点の黒髪の槍使いだった。

そう、これが〈サチ〉、そして〈月夜の黒猫団〉との初めての遭遇だった。

 

 

 

それから、俺は黒猫団と一緒に主街区まで戻り、助けてくれた御礼にと酒場に連行された。

「なぁ、ハチマン。俺たちのギルドに入らないか?」

「はぁ?」

言ったのはこのパーティのリーダーである〈ケイタ〉である。

何を抜かしてるんだこいつは?

 

そう思いながらも、事態の急展開について行けずにいると、ケイタが手を上げて黒髪の槍使いだった少女を呼んだ。

「こいつ、サチって言うんだけどさ。メインスキル両手用長槍なんだけど、スキル値低いんだよ。だから、今のうちに盾持ちの片手剣に転向させようと思うんだ。」

そう言いながらサチと呼ばれる少女の頭をグリグリしている。

「なによ、人をみそっかすみたいに言って」

と頬を膨らまし、そっぽを向いている。

「そこで、ハチマンに片手剣のレクチャーを頼みたいんだよ。」

 

気がつくと他のパーティメンバーも近づいており、「お願いします!」と頭を下げて来た。

 

なんだ、この空気。マジでやめて!人目のある酒場で晒し者とかバツゲームだろ!

と思いながら、早く抜け出すためにも

「し、指導だけにゃら」と噛むのであった。




次回は2話に分けるか1話に纏めちゃうか分かりませんが文字数しだいです。はい

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。