ソードアート・ボッチ   作:月見桜

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書いてて思った

長っ!!今回長いわ!

書いててわけわからなくなってきたが、どうぞ


世界が違えど比企谷八幡は…

【Congratulation‼︎】

 

このメッセージが視界に流れた瞬間、その場にいた全員から歓声が弾けた。

 

互いに抱き合う者、両手を突き上げ叫ぶ者、メチャクチャな踊りを披露する者と様々だ。

 

俺は緊張の糸を緩め、その場に座り込んだ。と、その時、小さな白い手が俺の肩に触れた。

背後を振り返るとアスナとキリトが立っていた。

 

「「お疲れ様」」

 

「お、おう。お疲れ」

 

気が付けば、アスナはフーデットケープを剥ぎ取っており、栗色の長い髪を揺らしていた。そんな俺の視線に疑問を持ったのか「なに?」と小さく首を傾げた。

 

「い、いや、なんでもない」

 

なんで、こんなカースト上位者がネットゲームなんかしてるんですかね?……解らん

と、顔を背け座り込んでる俺にキリトが手を差し出してくる。

 

「立てるか、ハチマン?」

 

「ああ、問題ない」

 

キリトの手を掴み、立ち上がるとゆっくりとこちらに近づく大きな人影があった。さっき助けてくれたエギルだ。

 

「…見事な剣技だった。コングラッチェレーション、この勝利はあんたたちのものだ」

 

ニッと太い笑みを浮かべると、巨大な右拳をずいっと突き出してくる。

キリトと拳を合わせた後、俺の方に向き直り、同じように拳を出してくる。………あっ俺もやるんですね

 

少し照れ臭いながらも拳を固め、エギルを突き出そうとした。

 

その時

 

「—なんでだよ‼︎」

 

突然、そんな叫び声が響き、広間の歓声は一瞬で静まりかえる

声の出処を探すとC隊……つまりはディアベルのパーティーメンバーのシミター使いだった

 

「なんで、ディアベルさんを見殺しにしたんだ‼︎」

 

見殺し?こいつは何を言っているんだ?

キリトが「見殺し?」とシミター使いに尋ねると

 

「そうだろ‼︎だってアンタは、ボスの使う技を知ってたじゃないか‼︎最初からその情報を伝えていればディアベルさんは死なずにすんだんだ‼︎」

 

そんな叫びに、残りのレイドメンバーたちがざわめく。

「そういえばそうだよな…」

「なんで…攻略本にもかいてなかったのに…」

などという声が生まれ、徐々に広がっていく

 

1人がキリトを指差し、叫ぶ。

 

「お、俺知ってるぞ!こいつは、元ベータテスターだ‼︎だから、ボスの攻撃パターンや旨い狩場とか、全部知ってるんだ‼︎」

 

そんな中、最後まで壁役を務めたメイス使いが冷静な声で言う

 

「でもさ、配布された攻略本には、ボスの攻撃パターンはベータ時代のものだって書いてあるだろ?もしそうなら、彼の知識は攻略本通りなんじゃないのか?」

 

「そ、それは………」

 

押し黙った仲間の代わりにシミター使いが憎悪溢れる言葉を口にした

 

「その情報自体が嘘だったんだ!そのアルゴって奴も元ベータテスターだろ、タダで情報を売る気なんてなかったんだ‼︎」

 

……マズイな、このままだと全てのプレイヤーが疑心暗鬼に陥る。下手をするとベータテスター狩りが始まる可能性がある

 

この問題を解消する方法はある。だか、その選択肢を選ぶことによって、闇討ちで殺されるかもしれない……

 

ふとキリトを見ると、俯きながら何かを決めあぐねているようだった。そして、拳を強く握り締め決意を固めた目をした

 

ダメだ、お前がその選択肢を使うな…

現実でも仮想でも俺の持つ選択肢は同じだ

誰も傷付かない解決法が……

 

反論しようとしたアスナ、エギル、そしてキリトを片手で制した。

…そして、こっからは俺の役目だ

 

 

「臆病者共がよく言えたな」

 

ざわめくなか、俺の嘲笑を見たシミター使いが叫ぶ

 

「な、なんだと⁉︎」

 

「なにか間違ってんのか?ディアベルが殺されて、ビビって固まってただろうが。」

 

この言葉に多くのプレイヤーが口ごもる。

大きく溜息を吐きながら呆れたように言葉を紡ぐ

 

「情報が間違ってた?近くで戦闘しててボスの武器の違いすら分からないなんて、無能もいいとこだ。」

 

この場にいる多くのプレイヤーから敵意の視線が突き刺さる。その視線を無視し、2階層に続く大きな扉がある方に足を向ける。

 

「俺は次に行かせて貰う。役立たずは邪魔だからな」

 

ーーーこれで元ベータテスターに向けられる敵意は俺に向けられるだろう。少なくとも、見えない敵より見える敵の方が不満をぶつけやすい。

 

キリトとすれ違う瞬間、「……馬鹿野郎」という掠れた声が聞こえた気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で、なんでお前は付いてきてんの?」

 

螺旋階段を上がる途中、背後からアスナが付いて来ていた。あんだけ言って付いて来られると格好がつかない

 

 

 

「エギルさんとキリト君から伝言が…ってちょっと!」

 

「うえっぷ⁉︎」

 

そのまま、無視して行こうとしたら襟首を掴まれた。……殺す気かよ

 

「まずはエギルさんから『二層でも一緒にボス攻略やろう』って。キリト君からは『無茶すんな』だって」

 

「いや、無茶した憶えが…」

 

アスナが大きな溜息を吐く。おい、なんで呆れてんだよ

 

「それと…これは、私からの伝言」

 

「?」

 

「あなた、私の名前呼んだでしょ」

 

え?なに、俺に名前呼ばれたのが不快だから文句を言いに来たのか

名前呼んだだけで女の子に気持ち悪るがられる俺って………

 

などど目を濁らせながら遠くを眺めているとアスナが怪訝な顔をする。

 

「私、あなたに名前教えてないし、あなたのも教わってないでしょ?どこで知ったのよ」

 

「……………はぁ!?」

 

俺は視界の左上を確認する。そこには、はっきりと【Kirito】と【Asuna】の文字とHPゲージがあるのだが……

 

「…ずっと、表示されてるんだがな。自分のHPゲージの下になんか書いてあるだろ?」

 

「え…」

 

そう呟き、「は…ち…ま…ん?」と名前を呼ぶ。

 

「ああ」

 

今更、キャラネームの存在に気づいたのが恥ずかしかったのか、アスナは俺から顔を逸らした。

 

それから仕切り直すように咳払し、質問を投げかける。

 

「あなたは、これからどうするの?」

 

「そんなもん、決まってるだろ。今まで通り、ソロでやってくだけだ」

 

世界が変わろうと俺は変わらない

ならば、俺のやり方でやるだけだ

 

そして、ハチマンは階段を一歩ずつ進んでいった

 

 

 

 

 

 

メッセージログ

アルゴ:今回は迷惑をかけたナ。お詫びに、情報をなんでも1つタダで売るヨ

 

ハチマン:それなら、そのふざけた髭の理由を教えてくれ

 




そろそろ、階層を上げていきたいですな

色々なキャラ出したいし

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