付き合って下さる読者の方に申し訳ないです。
文章能力低いですし、そのせいで更新が遅くなってますし
まぁ、ゆっくりと読んで下さい
では、本編です。
馬鹿なことをしたな……
オレらしくない、あんなしょうもない罵り合いなんかしてさ〜
ふふっ、楽しかった。
青年は、ニッと笑って歩く
足取りはとても軽かった。
「やっと見つけた……」
背後から声を掛けられた。
女の声。
唐突だった。
それに、全く気配を感じなかったんだ……
「誰です?」
少し冷や汗をかいて青年は言った。
「ん?アタシかい?死神……」
ニィッと不気味に女は笑った。
青年は、振り返って女の笑みを見る。
意外だった……死神っていうものだからとても恐ろしい奴だと思っていたのに……赤い髪の綺麗な女だった。
「で?死神さん、オレに何か用ですか?もしかして殺しに来たとか?」
「いいや、殺す必要ないからその気は無いよ、大体あたいは彼岸の水先案内人だしそういったのは専門外だ、どっちかというとアンタの方が死神っぽいけどな……人喰いのクロ……アンタに一つ言うことがあるんだよ」
何故この女はオレの名を知ってる?
死神だからなのだろうか?
怪訝な顔をして青年は、自身を死神と言う女を見つめる。
「おっと、名前言うの忘れてたな、あたいの名前は、小野塚 小町ってんだ……」
怪訝な顔で見つめる青年に、小町はニッと明るい笑みを浮かべて返す。
だからますます青年は、怪訝な顔をした。
「で、小町さん?言いたいことってのは?」
「悔いの無いように生きろって事かな?」
「は……はぁ」
予想外な言葉に青年は、目が点になってしまう。
そりゃそうだろ?
死神だぜ?鎌だって持ってんだぜ?
もっとさぁ、こう……おそろしい事でも口走ると思うじゃないか!!
「困るんだよな〜今のままじゃアンタ絶対成仏できないんだよ〜悔いる事ばっかりしてるだろ?自分を押し殺してさ〜自分は幸せになっちゃいけないとか訳のわからない御託を並べて……ど〜でもいいけれどあたいの仕事が面倒な事になりそうだから釘を刺しとこうと思ってな?」
「幸せがなんだかオレには分かりません、分からないものになれる訳ないでしょう?まっ、死ぬまでに理解できりゃ良いと思いますけど……」
「呑気なもんだねぇ……アンタにそんな時間あるとおもってんの?」
はぁ〜と面倒くさそうに小町は頭を掻いた。
それを見て青年は、首を傾げる。
「ないんですか?時間?」
「さぁ?どうだかね〜アンタの残った時間は見えてるけど教える訳にもいかないしね……それに、どんな風に死ぬのかなんて分からない……でも、ちゃんと生きろよ!!言いたいのはそれだけだ……じゃっそういうことで〜」
ヒュッと小町は、何処かへ消えてしまった。
「…………死ぬんだ、オレ……」
思ったより動揺しなかった。
今まで生きてこれたのが不思議なのだから……
死ぬ時はいくらでもあった。
でも、オレが死んだら……あの子は泣くかな?
みんな……悲しむよね……
かと言ってオレがみんなに
「オレ、もうすぐ死にま〜す!!」
なんて言っても取り合っちゃくれないし
これはこれでオレの望んでた形かな?
消えるように死んで、みんなの記憶からも直ぐに消える。
オレの存在が……
これで良いのさ。
完全なる死だな……
これで良いのさ。
これはオレのワガママだ。
ふふっ、アホだ……
オレはアホだ。
でも、許してくれよ。
オレはあんましワガママ言わなかったんだから……
残った心配事は……
「八雲さん……見てるんでしょう?出てきてくれます?頼みたい事があります。」
青年は虚空を見つめて言った。
すると直ぐにスキマが現れ中から紫が顔を出した。
「驚いた、気付いてたの?」
目を見開いて紫は、青年を見た。
青年は、目を合わせずに言う。
「いつも監視してる癖に……」
「ふふっ、バレてた?流石と言いたいわね……金の卵なだけあるわ……で?頼みたい事ってあのシリアルキラーの始末の事でしょう?
」
ニコッと紫は、笑う
しかし、目は一切笑っていない
どことなく悲しそうな……それでいて少し怒っているような目である。
「話が速いですね……すいません、オレじゃきっと……」
「いいわよ、貴方は無理しないの!!私に任せなさい……私は貴方に後めたい事が多いから、それくらい任されて当然なのよ……」
「ありがとうございます……」
少し戸惑って青年は、微笑む。
どことなく儚げな笑みだと紫は、思った。
「貴方はもう少しワガママで良いわ……自分の事を考えなさい、それじゃ私は消えるわ……時間が勿体ないもの」
意味ありげな言葉を残して紫は、スキマに消えてゆく
そんなに時間がないのかな?
オレの体調は万全だからオレとしては結構時間があると思ってるのに……
それとも?
他に理由があるのかな?
「ク〜ロくん!!」
空から少女が降りてきた。
「おっ!!」
無意識に顔がほころんでいた。
「うお!?どうしたんですかそんな顔して……そんなに私に会いたかったのかな?」
ニヤッと笑って少女は、青年を茶化す。
「うん、会いたかった……」
目を合わせずに青年は、言う。
「あやややや?いつもなら、別に会いたくね〜し、とか、ウザい……とか、帰れよ……とか言うのに、今日は素直ですね〜なんだか、気持ち悪い……」
少女は、目を細めてジトーっと青年を見つめるが
青年は、少し困った顔で笑っていた。
「まぁ……別にオレはお前の……こと、嫌い……じゃないし?まぁ、別に好きでもないけれど……」
嘘を吐いた。
ダメだな……オレは嘘つきだ
もし明日死ぬってなったら……
オレは君に素直に自分の気持ちを伝える事ができるだろうか?
どうなんだろうな?
伝えるだけなら、良いのかな?
「おお!!私はてっきり嫌われてるものだと思ってましたよ!!ちょっと嬉しいかなぁ〜まぁ、私も貴方の事、別に好きでもないですけどね〜あははは〜」
笑いながら少女は、思った。
嘘を吐いた。
恥ずかしかったから……
ダメだな私は……私は嘘つきだなぁ……
まぁ、チャンスなんていくらでもある、時間だってたっぷりある……
そうだ、そうです……ゆっくりとクロ君を振り向かせれば良いんです。
「で?何の用?」
「あのですね、近々お祭りがあるでしょ?その日に……その、私と……一緒に……その〜」
少女は、顔を赤くして言う。
恥ずかしいので上手く言葉にできないようだ。
「あ〜、あの話か!!良いよ!!一緒に祭り回ろうぜ」
ニッと青年が少女に笑いかけたので、少女は、パァッと明るくなった。
「良いんですか!?やった!!じゃ、その日まで待ってて下さいね〜」
そう言って少女は、飛び去った。
正直、もっと色々と話をしていたかったのだけれど……
これ以上話をしていたら、頭が沸騰してしまいそうだったのだ。
変だなぁ……素直になるって難しいです。
でも、約束は取り付けました!!
あとは、祭りの日に、攻めるだけですね!!
奥の手もある事ですし……
あれさえあればクロ君もイチコロです!!
うしししし
と少女は、ニヤニヤとして飛んでゆく。
ポツンと青年は、取り残され
「もっと……話していたかったな……」
と静かに呟いた。
祭りの日か……
本当にオレに時間が無いのなら……
伝えないとオレはきっと後悔する。
覚悟……決めるべきなのだろうか?
伝えない方が良いと思ってる自分もいるけれど……
ジレンマだ……