東方風天録   作:九郎

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キャラ崩壊が、止まらない気がするなぁ。


なんかすいませんね、飽くまで二次創作物なんでそこの所はご容赦願います。

あっ、そうそう
最近、コラボしたい作品を見つけまして許可も取ったんですけど、更新が遅いのでかなり先の話になるなぁと思ってます。

その前に今の段階で一つコラボできるやつでも探そうかなって思ってるんですけどしたい人とか、この作風ならこの作品とコラボしたら面白いかもって作品ないですか?

私の作風だと相手を選びますけど、したい人居たら一報くださいませ。

作品読んでビビッと来て書きたいと思ったら私から書かせてくださいって頼むかもです!!


では、本編です。


親友と蛍と少しの変化

「おひさし〜」

 

ニッと笑って青年は、霖之助を見る。

 

すると霖之助も読んでいた本をパタンと閉じて微笑んだ。

 

「久しぶりだね、どうだい?調子は?」

 

 

「ん〜、普通の男の子になっちゃったよ」

 

苦笑いして青年は答えた。

霖之助は、それを聞いてニッコリと微笑む。

 

 

「それでいいんじゃない?今までが異常だったんだよ……下手に力があって、それをコントロールできていないから苦しむんだ……それに、君は他にも色々と背負い込み過ぎてるからね……もう、守りたくても守れないだろう?………………辛いかい?」

 

 

遠い目をして霖之助は言った。

 

やっぱり彼は青年の親友足り得るだろう。

 

 

何故なら、青年の気持ちを言い当てたのだから……

 

 

辛い、辛いさ……

 

誰かを守れないオレは……何のために生きているのか分からないんだ……

 

 

弱くなった、いや、オレはもともと弱いんだ。

 

それなのに色々な事に首を突っ込み過ぎたのだ。

 

 

これぞ、まさにガキのヒーローごっこだ。

 

オレはもうヒーローにならなくても良いのだ。

 

弱いから、守る力など持ってはいない、そして下手に守ろうとして傷付いたら……悲しむ人がいる……

 

 

でもさ、それでもオレは……

 

自分の中で答えを出すことはできなかった。

色々な感情がオレの中で渦巻く。

 

 

「辛いよ……オレは、何のために……」

 

暗い顔して青年は言った。

 

それを優しく霖之助は見つめている。

 

 

「出来ないことを出来ないと嘆くなんてナンセンスじゃない?出来ることを考えなよ君に出来ることをね」

 

 

「オレに……出来ること?」

 

 

 

「君は何故大切な人を守りたいの?」

 

 

 

「苦しんだり、悲しんだりするのを見るのが嫌だから……」

 

 

 

 

「笑ってて欲しいんでしょう?」

 

 

 

「うん、そうだねずっと、ずっと笑ってて欲しいんだよ」

 

 

 

「じゃあ、君が笑顔にしてあげれば良い……要するに君は人の幸せを切に願ってるんだよ、君は確かに弱くなった……でもね?誰かを幸せにする事って、力が無くたって出来ることなんじゃないかな?」

 

 

 

「誰かを……幸せに?そっか、そうだね……突き詰めた答えはそれだ、それなんだよ!!」

 

 

 

「でも、君は幸せになってはいけないと思ってる、それは君の呪いみたいなものだ……簡単には君はそれを解くことは出来ない、君と付き合っててそれは凄く思ったよ、いいよ、それは、それは良いんだ……まずは君の大切な人を幸せな気持ちにしてあげなよ……そしたら君も何か見えてくるんじゃないかな?」

 

ニコッと霖之助は、微笑む。

 

 

なんでコイツはオレにこんなにも優しくしてくれるのだろう?

 

 

分かってる、分かってるさ……

 

 

 

 

 

友達だからだ……

 

 

 

本当に……本当にありがとう。

 

 

 

「霖之助……オレは死んでも良いなんて思ってたけど間違いだったよ……オレは生きる、生きてたから霖之助に会えた……神様は、きっとオレに霖之助と会わせる為に、オレをこの世界に寄越したのかもね……」

 

フッと青年は、笑う。

 

 

霖之助は、照れ臭くて頭を掻いた。

 

 

「クロくん……そういう言葉は君の想い人に言ってごらんよ、僕に言う台詞じゃあない、君って本当に天然って言うか……ウブなんだね……」

 

困り顔で霖之助が言った物だから

 

青年は、首を傾げた。

 

素直な気持ちを言葉にしただけなのになぁ……

 

「そうそう、オレ、妖怪でもないのに無茶しまくってさ……身体が限界なんだってさ〜八意さんは、もう無茶しなければ寿命まで生きれるって言ってたけど……下手したらだよ?もしもだぜ?もう長く生きてられなかったら……ごめんね」

 

遠い目をして青年は言った。

 

言っておかなきゃいけない事だと思う。

 

だってお前はオレが死んだら泣く奴だ……

 

君はそう言った。

 

だからそうならないように生きる。

 

それだけで生きていたいと思える。

 

これも文に言えって言われるかな?

 

 

でも、あの子には言えないよ……

 

恥ずかしいし……きっとあの子は泣いたりしないよ。

 

 

 

「やっぱりそうか……良いよ、今の君は生きようとしてる、前の君とは別人だ……死んだりしないし無茶もしないさ、願わくば、長生きしてよね……僕のたった一人の男友達なんだから、居なくなったら寂しいもの……」

 

 

 

「大丈夫だよ、霖之助を放ってポックリ死んだりしないよ…………トモダチ…………だろ?」

 

 

 

ニコッと青年は、笑って香霖堂を後にした。

 

ふとあの子の事が頭に浮かぶんだ。

 

 

想いを伝えたいと思う。

 

だって好きだもん。

 

 

大好きだ。

 

 

でも、オレは君より長くは生きられない。

 

だったら、この想いは胸に秘めておいた方が良いのかもしれない。

 

霖之助は、オレに言った。

 

君は人の幸せを切に願ってるって。

 

 

そうだ、少なくともオレはあの子に幸せになって欲しいって願ってるよ。

 

良い天狗の男見っけてさ……そいつと幸せになりなよ。

 

 

それで良い。

 

それでオレは幸せだから……

 

オレの短い一生じゃあ君を幸せにする事はできないさ。

 

 

悔しいけどね……

 

 

 

やっぱり、身体が弱ってるなぁ〜

 

もう夕方になってしまっている。

 

帰り道に流れる小川にポツポツとホタルが見える。

 

 

「綺麗だな……」

 

 

「珍しいね、綺麗だなって言ってしみじみと眺めてくれる人……そんなに居ないよ?」

 

なんか、触覚の生えた女の子?

 

が、話し掛けてきた。、

 

 

「この世界ではこの光景も当たり前の光景なんだろうね……だから、みんな気に留めないんだ……でもね、その当たり前がどれだけ美しい物なのか、分かってる人って少ないのかな?」

 

 

「ちょっと嬉しいな……そう言ってくれる人って居ないから、この子達も喜んでるよ……短い命を燃やしてこうやって光ってるんだから、誰か一人くらい、そうやって見ていてくれる人が居たら……それが生まれてきた意味になるんだと思うよ、きっとその為に生まれてきたんだって思える……だから、誰よりも美しく光る事ができる……」

 

光ってるホタル達を優しく見つめて彼女は言った。

 

生まれてきた……意味か……

 

そんな事死ぬ時に考えりゃ良いんだと思う。

 

 

考え込む事は好きだ。

 

オレだってよくそれは考えてた。

 

 

でも、答えなんて出ないんだ。

 

きっとその時にならないと分かりゃしないんだよ。

 

 

だから、その時が来るまで生きなくちゃね。

 

 

「ねぇ、バッテン髪のお兄さん名前なんていうの?私の友達が言ってた人に似てるなぁって思って」

 

 

「クロ……」

 

 

 

「あっ、やっぱり!!貴方がチルノちゃんの言ってた子分かぁ……私は、リグル・ナイトバグって言います。」

 

 

「へぇ、チルノちゃんの友達かぁ、仲良くしてあげてよね……あの子、意地っ張りだけど純粋でさ?オレはもう守れない……情けない子分だ……」

 

 

「やっぱり、チルノちゃんの言ってた通りの人だなぁ……すっごく優しくってカッコよくって……チルノちゃんが困った時に駆け付けて守ってくれるヒーローみたいな人……」

 

ニッとリグルは微笑む。

 

「ヒーローじゃない……もうただの一人の男さ……」

 

 

 

「そうなんですか……あっ、そうそうクロさん……焦げちゃうよ?」

 

 

 

「焦げちゃう?」

 

 

 

 

「クロさん好きな人いるでしょ?そんな気がするってチルノちゃんが言ってた。でも、さっき歩いてきてるクロさんを見ていたら……どことなく辛そうに見えたんです。押さえ込もうとしてるんじゃらないですか?その人を好きな気持ち……だからそのままだと焦げちゃうって思ったんです。」

 

 

なるほど、ホタルだから……

 

 

「覚悟の上だ……」

 

 

 

「そっか……私が口を出すのも変だけど、辛いのを我慢し過ぎるのってダメだよ?」

 

 

 

「ありがとう、心配してくれて……リグルちゃんは優しい子だな、また、会おう」

 

青年は、ニコッと笑い。

ヒラヒラと手を振って去って行った。

 

 

「もう、焦げてる……ブスブス燻ってるよ……悲恋だよ、そんなの私は嫌いだ……」

 

リグルは、ポーンと道端の小石を蹴飛ばし呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 


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