東方風天録   作:九郎

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ずっと出したかった子です!!

クロ君とこの子は多分相性良いんじゃないかな?

クロ君は子ども大好きですからね!!

あっ、そうそう初めて感想くれた人達ありがとうございます。
遅れながら御礼申し上げます。

疑問なんだけど、読者の方々は、暗いのが好きで読んでるんですかね?

それとも、人の内面抉った感じが好きとか?
自分としては突っ込みどころ満載で読めたもんじゃないと思うし、低評価されて然るべき物だと思ってます。


ただ……こうした方が良いんじゃない?とか、ここが気に入らないとか言ってくれたら、自分はもっと善処できるのになぁ……なんて思ってたり……

だから、批判とアドバイス募集ってタグ付けてるんですけどねぇ
あと、直でメッセージでも可ですって。
向上心はあるんですよ。

では、本編です。


フレールジャックを君と……

数日経ってから……

 

服を川で洗ったケドやっぱり消えない消えない消えない消えない消えない……

 

困っていたら、家の中に天狗の装束が畳んで置いてあった。

手紙も添えてあった。

 

『着ろ!!by文』

と書いてあった。

 

ちょっとムカついたので

 

『誰が着るかばぁか!!byクロ』

 

と手紙を書いて外に放り投げてやった。

あっかんべ〜と舌を出している落書きも一緒だ、うん、完璧だね……

 

だってそれ着ちゃったら……本当にそっちの一員になってしまう……

 

 

そりゃ色々とマズいんだよね……

 

だから……気持ちだけ受け取っとくよ。

 

 

青年は、初めて歩く道を歩いていた。

 

そこへスキマから紫が現れる。

 

 

「案外、ケロっとしてるわね〜忘れたフリ?それとも、吹っ切れてる?」

 

 

 

「何の事です?」

 

 

 

「喰ろうたんでしょう?あの殺人鬼を……頭の方を……ポリポリッと掻いてご覧なさいな……よ〜く思い出す。」

 

口元を隠して紫は言った。

 

あまり思い出したくない……

忘れたフリ……してたよ……自分を守る為だろうか?

 

忘れようとしている……

 

 

「ウッ……ウェッ……ック」

また吐きそうになった。

 

 

「どう?よ〜く思い出した?首元に噛み付いて食い千切り……ガツガツと獣の様に喰っていったでしょう?骨になるまで……骨は砕いたわね……みんなを守りたいからそうしたの?」

 

不気味に笑う八雲さん……

オレの返答によればまた、ボロクソに言う気なんだろうな

 

 

大丈夫ですよ、飾りません嘘吐きません……

正直に言いましょう。

 

 

「憎かったから殺したんです、殺したくて仕方ないから殺したんです……人が人を殺すなんて……単純な理由でしょう?あのクソ野郎が良い見本ですよ……」

 

 

 

「フフッ、またみんなを守りたいから〜とか言ったらどうしてやろうかと思ってたけれど……模範解答ね……そう、貴方は殺したくて人を殺した……憎いという黒い感情に心を支配されて殺した……それで良いのよ……貴方は人間だもの……」

 

 

 

「これで人間って言ってくれるんですね……人喰い妖怪とか罵ってくると思ってたのに……」

 

 

 

「妖怪が人間を喰うのは自然な事よ……貴方は優し過ぎた……貴方は何も悪くない……まだ人間だけど、あの時は貴方の中の妖怪の部分が飛び出てたもの……ホラッ、妖力だって前よりも格段に高くなってる……まぁ、それにしても妖怪にとっては少ないでしょうけど……」

 

 

 

「オレは人殺しです……罪を犯したんです、裁かれるべきだ……妹ちゃんを……守れなかった……オレは……オレは!!」

 

 

 

「クロ……良いのよ、貴方は沢山の人を守ったの、貴方がやらなかったらもっともっと人が死んでたわ……罪なんて犯していない……それに大丈夫、次があるなら……貴方は守る事ができるでしょうね、それほどまでに……貴方は高みへと行くことを許されている」

 

 

「なんのことですか?言ってる事の意味が……」

 

 

 

「まぁ、そんなに気に病む必要は無いって言っても貴方は気に病むから……これ以上は何も言えないわね……本当に消さなきゃならない奴も、暫くは大人しくしてるでしょうし……もう少し考えて、悩んで………前に進み続けなさい……」

 

スッと紫はスキマに消えた。

不気味に笑ってた癖に……途中から優しく微笑んでいた。

 

 

なんなんだよ……

 

暫く歩くと湖が見えた。

 

 

発作的に手を洗いたくなった。

 

 

ジャボジャボ……

 

 

消えない消えない消えない消えない……

 

「こら〜ここはアタイの縄張りだぞ!!勝手に入ってくるなぁ〜」

 

ッ!!!

妹ちゃん?

 

じゃ……なかった……そうだ

 

あの子はオレの目の前で芋虫みたいになって最後は頭を……

 

 

「無視するなぁ〜!!!氷漬けにされたいのかぁ!?」

 

プンスカ青い服の氷の羽を生やしたちびっ子は言った。

 

 

あまり見たくない……妹ちゃんを思い出す……

オレの……罪を……

 

「なんでお前そんなに悲しい顔してるんだ?あたいが怒ってるから?ああ……わっ悪かったよ……アタイの心は広いんだ!!お前は特別にここで遊んでも良いぞ!!」

 

ニカッとちびっ子は笑う

 

 

目を合わせられない……

 

辛い……

苦しくなってきた……

 

 

「まだそんなに悲しい顔して……アタイまで悲しくなってくるじゃないか!!そうだ、お前は今日からアタイの子分にしてやる!!今からアタイと遊べ!!」

 

 

マジかよ……

 

勘弁してくれよ……

 

辛いよ……辛いってば……

やめろ……オレに近づくな……

 

フラッシュバックするんだ……あの光景が……

あの子の悲鳴が……

 

 

うああああああああ!!!!!!

 

 

グイッと服を掴まれた。

 

「お前背が高いなぁ〜肩車してよ!!肩車!!アタイの子分だろ〜ねぇねぇ、肩車して〜」

 

 

どっかいけよ……いや、違うな……これは逃げだ……

罪の意識があるなら……取る行動としては間違ってるんじゃないか?

 

「わっ……分かったよ……ホレッ……」

 

 

「わぁ〜高い高い!!じゃあ、あっちに連れてって!!」

 

やはり子どもだ……飛べる癖に肩車なんかでこんなにもはしゃいでる。

 

可愛いなぁ……

 

妹ちゃんにも……こうしてあげたかったな……

 

「お前……名前は?」

 

 

「あたい、チルノっていうんだ!!アンタは?」

 

 

「クロ……」

 

 

 

「よろしくねクロ!!アンタは今日からアタイの子分だ!!」

 

ニカッと笑ったチルノの笑顔が……ずうっと頭から離れない

やっぱり辛い……

 

胸が張り裂けそうになる……

でも、この苦しさとも向き合っていかなきゃね

じゃなきゃ、あの子が浮かばれない気がする。

 

オレが腐ってくのも……あの子は望まないだろうし……

逃げちゃダメなんだ……ちゃんと向き合ってチルノちゃんの目をハッキリと見るんだ……

 

辛い……辛いさ、でもずっとこれと闘っていこう……

今までだってそうしてきた……

 

罪を背負って生きよう……

この大剣のようにな……

 

もう二度と……この笑顔を失うような事はさせない……

 

絶対にさせない!!!

 

その為なら、オレはまた人を殺せるだろうか?

 

いや……まだ分からない……

 

ただ、前向きな考えをするとしたら……

 

 

妹ちゃんの分まで……このチルノというちびっ子と遊んであげよう

やれなくて後悔してる事を……やってあげよう……

それが断罪になる……

 

 

ハハッ、馬鹿だな……断罪だなんて……

 

 

本当は囚われる必要も無いんだよ……

 

そんなに自分を責めることもないのだろう

 

でも、オレのせいだ……そう思う事で、楽になれた。

他人のせいと思ってしまうと……歪んだ気持ちを他人に向けてしまいそうで……

そっちの方がずっと嫌なんだ……

 

きっと……ある種の逃げなんだよ……これすらも……

 

 

「あははは〜次はあっち〜あははは!!楽しいなぁ〜」

 

ずうっとこの子の笑い声を聞いていた。

 

虚しかったのが、また満たされた。

 

「楽しいな……」

 

青年はフッと笑った。

 

暗い表情が、明るくなった。

 

チビ助クロ猫泣いた〜笑った〜♪

ラララララ〜ラ〜♪ラララララ〜ラ〜いつも〜一人〜♪

 

陽だまりクロ猫 友達できた〜ラララララ〜ラ〜♪ラララララ〜ラ〜ラッラッラ〜ラッラッラ〜た〜の〜しい〜なぁ〜♪

青年は、歌を口遊む

フレールジャックの替え歌である。

最後の方はちょっぴり無理矢理。

 

「ん?なにその歌?おもしろ〜い!!」

興味津々の様子でチルノは肩車してしている青年を見た。

 

「ふふっ、フレールジャックだよ……」

 

 

「ふえーるしょっく?」

 

「フレールジャックだってばww替え歌さ……ガキの頃よく口遊んでたのを思い出したんだ……」

 

 

「チビ助のクロ猫は、友達できたんだね〜良かったね!!あたいも歌う〜!!」

 

「そうだよ……クロ猫はいつも一人ぼっちで泣いたり笑ったり……すっごくすっごく寂しかったんだ……でもね、最後はポカポカの陽だまりで友達できて、とっても幸せになったのさ……あははは……」

 

青年のチルノは二人で笑いながらフレールジャックを歌った。

 

チビ助クロ猫泣いた〜笑〜った〜♪

ラララララ〜ラ〜♪ラララララ〜ラ〜いつも〜一人〜♪

陽だまりクロ猫 友達できた〜ラララララ〜ラ〜♪ラララララ〜ラ〜ラッラッラ〜ラッララッラ〜た〜の〜しい〜なぁ♪

 

あははは!!

楽しいな……

 

チルノちゃん……オレは、泣いて笑って……

 

最後は……どうなるのかな?

 

どうなったとしても……オレは……前を向かなきゃね……

 

口だけだな……頭じゃ分かってるんだ……

でも、そうできないから……

でもね、もうオレはチビ助じゃないから……

 

大人に……ならなくちゃね……

 

このチルノというちびっ子と会って、彼は一歩……前に進んだようだ。

 

陽だまりは……どこかにあるのだろうか?

 

 

 


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