東方風天録   作:九郎

46 / 213
ヤバい……急いで展開させ過ぎて無理矢理感が否めない……
こっから先も……クロ君の心理描写がキモだなぁ……
上手く書けるだろうか?

ここらがクロ君の人格に関わる一番大事なとこだから……
頑張って書きますね!!

では、本編です。


少女と霖之助と地獄の玄関口

たくさん死んでたな……

 

オレが遅いばっかりに……オレが悪いんだ……

みんなオレが悪いんだ。

 

なんで、文の事聞いてこんなにも胸が高鳴るのだろうか?

分かってる……分かってるさ……

 

分かってるけども……それじゃダメだから……

吹っ切れた筈なのに……

 

弱いな……オレは……

 

「クロさ〜ん!!」

向こうから男の子が走ってきた

 

 

「よぉ……」

ダメだ……どうしても作り笑いになってしまう

 

悩んでるからかな、笑えない……

 

「どう?みんなを襲ってる妖怪……見つかった?」

 

 

「大体、分かったよ……やっつけなきゃな……」

遠い目をして青年は言った。

 

証拠とか集めて里のみんなに裁いてもらうのが一番良いと思う。

でも、証拠を全て集めて突き付けて捕まえられるほどの実力が無いんだよ……

 

ダメだな……オレは……

 

「すっごいや!!やっぱりクロさんはヒーローだ!!」

 

 

「オレはヒーローなんかじゃない……オレが探すのが遅いから沢山死んだんだ……」

 

 

「違うよクロさん、クロさんは悪くない!!悪いのは妖怪さ!!許せないよ!!僕は強くなって妖怪を退治するよいつか、いつかきっと!!」

 

 

……子供は知らなくていい、恐ろしいのは人間だってことを

君も妹ちゃんも純粋で居てくれ

お願いだから……

二人とも……オレが守るよ……絶対に……

絶対に絶対に守ってみせる……

 

「お前、名前なんだっけ?」

 

 

「あっ、そういえば言ってなかったね……僕の名前は城太郎《じょうたろう》っていうんだ!!」

 

 

「城太郎……悪い妖怪は、オレがやっつけるから、安心してくれ……」

 

 

「うん!!」

 

 

「もしかしたら……お前がオレを……」

 

 

「ん?なんか言った?」

 

 

 

「いや、別に……」

 

 

「クロさん、クロさんはいつだって僕のヒーローだよ!!忘れないでね……クロさんは僕の憧れなんだ!!」

 

そう言って城太郎は去って行く

 

「そんなんじゃねぇつぅの……ん?」

まただ……またピキーンってなった。

 

「行かなきゃな……」

 

 

人里の外れにある民家にて

 

民家がある……

気が付いたらここにいたけど……

最近よくあるな……記憶が飛んでる?

違うと思うけど……

 

瞬間……移動?

馬鹿な……そんなことできるかよ……

 

んー!!んー!!

 

「うっせぇよ……」

男が幼女の口を布で抑えている攫って来たのだろうか?

 

いてもたってもいられなかったのですぐさま民家の中に入った。

 

「おい、あんた何やって……」

ガンッ

 

「グッ……」

 

後頭部を硬い棒状の物で思い切り叩かれた。

クソッ……もう一人……

 

上手く入れたな……

 

意識が………クッ……

 

青年の意識は闇に堕ちていった。

 

「来ると思ったよクロ君……君の苦痛に歪む顔……見てみたいけれど、もっと良いものが見たいから……僕はこれでさよならだ……阿武路さんは……ドSだから……きっと地獄を見るだろうけど……正気……保っててね〜」

もう一人の男が呟いた。

そして去って行く。

 

「この前の借りを返さなきゃなぁ……ククク……何して遊ぼうか……」

男は倒れた青年を見て不敵に笑う

 

「んー!!ん!!」

幼女は、バタバタと手足を動かすがそれを見て男は、バシィと幼女を思い切りぶっ叩いた。

 

「お前は煩いんだよ……これからオレの玩具になるのに、体力残しとけ……じゃないと楽しめない……」

 

 

香霖堂にて……

 

「射命丸……君の気持ちも分からないこともない……彼は鈍感過ぎるんだ……それに、自分は幸せになってはいけないと思ってるから素直になりたくてもなれないんだよ……」

 

真剣な顔で霖之助は射命丸を見た。

 

 

「私は最低です……でも、クロ君に幸せになって欲しいんです……どうすればいいでしょうか?貴方なら何か分かるんじゃ……」

射命丸も真剣である、こんなに他人の事を真剣に人と話す事なんてあったろうか?

いや、ないな……

そう思っていた。

 

「側に居てあげなよ……彼の……」

 

 

 

「だっ、ダメですよ私なんかじゃ……妖夢さんとかの方が……」

 

 

「君なんだよ……彼に必要なのは……彼は本気で君の事が……好き……なんじゃないかなぁと思うよ……」

 

 

 

「そんな、嫌われてますよ私なんて……」

 

 

「そうであろうと、なかろうと……関係無いんじゃない?」

フッと霖之助は笑う

少女の顔を見て 、直ぐに分かった。

この子は何か吹っ切れたんだ……だから……きっとクロ君を助ける事ができる……僕じゃできないんだよ……

悔しいけれど……僕じゃね……

だから……僕の分まで……君に託すよ……

 

 

 

「そうですね……私は、彼を助けたい!!それだけですから……」

 

 

「なんだか、大人びたね……これなら大丈夫そうだ……でもね、自分は最低だからクロの側には居てはいけないって考えは間違ってるよ……自分の気持ちに素直になりなよ、それで失敗したんだろ?もうさぁ……いっそのことクロ君を自分の物にしてしまえよ……それくらい攻めないとアイツは分からないんだよ馬鹿だもの……」

 

困った顔して霖之助は言う

何処と無く嬉しそうだ、それはそうだろう……目の前に希望があるのだから、彼の親友を救うことのできる唯一の希望が……

 

「素直に……ですか……私じゃクロ君を不幸せに……」

 

 

「あ〜!!うるっさいなぁ!!クロ君と思考が同じだ!!ダメなんだよそれじゃぁさ、幸せにするんだ!!クロ君の過去やら断罪やら知ったことか!!私に付いて来い!!って気持ちでグイグイいけよ!!それが一番君らしい……クロ君が靡かないなら靡くような強風を君なら起こせるだろう?思いっきり強風起こして無理矢理靡かせろ!!何言われたって気にするな……アイツは恥ずかしがり屋なんだ!!自分の気持ちを上手く表現できないから突き放すのさ……分かった?」

 

霖之助はダンッと机を叩いた。

 

もう!!焦れったいな〜ずっと思ってたけどウジウジ悩むのは君らしくないんだよ!!

いつもの君は何処へ行った?

記者と言うものはしつこくてナンボだろ?

クロ君と会ってから君は記者らしくなくなっちゃったよ……さぁ、いつもの君に戻るんだ……君は記者だろう?

 

取材拒否されたってしつこく食い下がってたじゃないか!!

 

 

 

「そうですね……そうですよね!!もう力付くでも私にゾッコンにしてやりますよ、靡かせてやります!!そうだ、それが私らしい!!女々しく悩んでたのがアホみたいです!!」

 

ニヤリと少女は笑って言った。

 

そうだ……私らしくなかった……

私は記者だ!!

記者はしつこい……しつこいからこそ真実を掴む事ができるんだ!!

しつこくないと真実なんて掴めない!!

 

もぅ!!クロ君の所為ですよ!!

さ〜て、この落とし前は……高くつきますよぉ〜

うししし(笑)

もう何を言われたって拒絶されたって怖くない!!

知ったこっちゃないです!!

クロ君が折れるまでどこまでも、付きまとってやりますもんね〜

覚悟しとく事ですよ〜!!

 

あ〜クロ君にこの台詞言ってやりたいなぁ……

クロ君に……会いたい……

 

その時彼らは知らなかった……

 

クロが……生き地獄にいる事を……

 

未だかつてない苦痛と、絶望を味わい

彼が完全に壊れる事になるのを知らなかった。

 

果たして……彼女達は彼を救えるのだろうか?

 

前までの彼は帰って来ないのかも知れない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。