寧ろ無い方が彼らしいかもしれないかな。
能力あったらもう少し爽快感も出るだろうけど……
どんな能力が良いでしょうかね?
みんなの意見を聞きたい。
では、本編入ります。
体中が痛い……呼吸もし辛い……肋骨が肺に刺さってるのかな?
やっぱり、暴力はいけないよ……オレは他人にこんな思いさせたくないもの……
「ガハッ……」
血を吐いた。
死ぬんだろうかオレは?
………………悪くないな。
「うわぁ〜カッコ悪〜い」
空から声が聞こえた。
あの娘だ……
スタッと射命丸は、倒れてるオレの目の前に着地した。
また、ニヤニヤ笑ってる。
いくらでも笑えよ…………無様だろう?
「馬鹿ですねクロ君は……弱い癖に自分より強い相手に喧嘩売って……ボロボロの小便まみれで死にそうになってるなんて、正直、幻滅したなぁ〜」
「強いって何さ?ただ闇雲に弱い相手に暴力を振るう人間が本当に強い人間なのかよ……それは、違うと思う。」
「アハハハハ、その様で何言っても説得力ないですよ〜」
射命丸は、ニヤニヤしながら屈んでツンツンとオレの頬を指でつついた。
ムカつくけど、その通りだよ。
「何しに来たの?また、嫌がらせかい?本当に性格悪いなお前……」
「そうです、嫌がらせです!!アハッ、今なら何でもやり放題ですね!!」
射命丸は、ケラケラと笑う
なんて女だ……本当に嫌な女……
「とまぁ、冗談はさておき……クロ君、暴力はいけないってずっと言ってましたね、どれだけ殴られたってやり返さなかった……自分の意地をこんなになるまで通したんですよね。ホントに意地っ張りだなぁ……いったいクロ君は……どういう神経してるのかしら……」
「イカれてるんだよ」
ぶっきら棒に答えた。
こんな姿をこの女に見られたのが、この上なく悔しい……
「ほんの少し……ほんの少しだけ……カッコよかったかな……」
聴こえないように射命丸は呟く
また、意識が朦朧としてきた………
気をしっかり持たなきゃ。
「クロ君は、強くなりたいですか?何なら修行に付き合ってあげても……」
「余計なお世話だ!!帰れよ今すぐに!!」
「ッ!!何よ……人がせっかく親切にしてるのに……」
「…………強くなりたいというより…………強くありたい。」
「意味一緒じゃないですか?」
「全然違うよ」
「ふぅ〜ん、まぁいいや、このままだとクロ君死ぬかも知れないから、私の家で手当てしますね」
少し考え込んで射命丸は、オレの手を掴もうとする。
「触るな!!!」
思わず叫んでしまった。
口の中が痛いし、さっき以上に呼吸がし辛い……
「ッ!!何よさっきから人が親切にしたらそれですか……貴方はいつもそうです……ハリネズミみたいにツンツンして人を寄せ付けない……ハッキリ貴方に言わないと分からないですか?このまま野垂れ死んで欲しくないって……」
俯いて射命丸は言う。
悲しい顔をしていたので心が痛んだ。
「お願いだからオレに触れないでくれ……」
「何でよ!?私、貴方のそういった所、大ッッッ嫌いです!!」
「小便にまみれて汚いから……臭いだろ?お前も汚れる…………」
「な〜んだそんな事か…………」
フウッと息を吐いて、射命丸はオレの右腕を肩に掛けた。
「やめろって……汚い……」
「汚くない!!」
射命丸は、大声で叫んだ後に、ニコっと笑う
「やっぱり、クロ君は優しいですね……」
「うっせぇよ馬鹿女………………」
「まぁ、これも嫌がらせの一環って事で」
優しく微笑む射命丸に、オレはこれ以上は何も文句を言うことができないと悟った。
「ありがとう…………」
悔しいので聴こえないように呟いた。
ああ、もう限界かな……意識が……
自分の意識が真っ暗闇に落ちていった。
「…………どうしたしまして」
射命丸は、クスッと笑って飛び立った。