今は葛藤するクロの内面を書いてるつもりです。
やっぱり、思い悩んだりしない主人公の方が良いんですかね?
結構、クロが嫌いな人が多いみたいですけど
では本編です。
ある程度商品探しをした後、霖之助と別れた。
今は湖の近くを散策している。
今回の商品探しは不作だった様で、霖之助は溜息をついていた。
香霖堂で何か買い物でもした方が良いかなぁと思ったけれど、外の世界の物にはあまり興味無いし、あいつ、気に入ったものはみんな非売品にしてしまうからなぁ……
あいつの水煙草……一回吸って見たいんだけどなぁ〜
ドッカーン!!!
「ッ!?」
爆発音がして反射的に身構えた。
空を見ると黒煙が見える。
不安になって全速力でその場へ飛んだ。
「あはははは〜すご〜い!!」
「やめなよチルノちゃん、危ないよ……」
そこにはケラケラと笑うチルノとそれを諌める大妖精がいた。
「これは一体なんの騒ぎ?」
大体予想がついて腕を組んでチルノを見る。
「あっ、クロ〜見て見て、凄いでしょこの花火、空に放り投げて弾幕を当てるとドッカーンってなるんだよ!!クロも一緒にやろ〜」
どうやらチルノは、爆弾を花火と勘違いしてオモチャにしてる様だ。
大妖精は、それを止めようとしてるけどチルノは気にせず遊んでる。
「もう一回やろっと」
チルノは、懐から爆弾を取り出してまた空に向かって放り投げようとする。
なので、ボカッと手加減してチルノの頭にゲンコツを入れた。
「痛った〜い!!何すんだバカクロ!!」
プンプン怒ってチルノはこちらを見る。
「アホ!!これは花火なんかじゃなくて爆弾っていう、ものすっごく怖いものなの!!オモチャにして遊ぶ物じゃない!!」
「だから危ないよって言ったのにチルノちゃん……」
ハァと溜息を吐く大妖精を尻目にチルノに延々と説教した。
「う〜分かったよ、これは爆弾っていう怖い花火なんだね」
分かってんのかコイツ……
小一時間ほど説教したのにチルノは爆弾がどんなに恐ろしい物なのか理解してない様だった。
けれど、オレに怒られたのは堪えた様で、持っていた爆弾は全てこちらへ渡してくれた。
「ホントはこの花火を独り占めしたいんじゃないの〜?ホラッ、ものすっごく速い天狗の記者と一緒に遊ぶんでしょ〜」
ジト〜ッとチルノはこちらを見る。
もう一度ゲンコツ入れてやろうかと思ったが
大妖精が何度もごめんなさいごめんなさいというのでよしておこう
「まぁ良いや、これ使って仲直りしろよ〜」
「は?仲直り?」
なんの事だか、検討もつかなかった。
けど、少しして分かった。
オレと文の事か……
「知ってるんだぞ、クロが天狗の記者と喧嘩してるの!!喧嘩ダメだよ!!ちゃんと謝って仲直りしなくちゃ、あたいだってクロと仲直りしたくて謝ったんだから……だから、クロもちゃんと仲直りしなきゃ」
「うん……」
遠い目をして答えた。
今更何をどうやって謝れって言うんだ……
子どもの喧嘩じゃないんだぞ……
「約束だよ!!」
そう言ってチルノは飛んでいった。
その後、ビュウと風が吹いたので、オレは逃げた。
また逃げた。
翌日、久し振りに文々。新聞が発行された見たいだ。
外を歩いてると空から頭にベチッと投げ付けられるように落ちてきた。
少し痛い……
記事にはオレがチルノにゲンコツ入れている写真とそれを非難する記事、そして、爆弾の遊びをオレが教えたと言う出鱈目な事が書いてあった。
あいつ……全部見てたな……
事の顛末も知ってるだろ。
「うわぁ……超ムカつく……」
ムカつくと口に出したけれど、何故か口角が上がっていて。
文と会ったばかりの頃を思い出してフッと無意識に笑った。
とりあえずチルノから没取した爆弾は全て処分した。
チルノの手に渡る程にこれは、この世界に広まっているのか?
結構大量に流れ着いてしまっている様だ……
他に流れ着いた物は無いだろうか?
あったら処分しなくっちゃ……
だって、あれは人を殺す為にある物だ。
ただ純粋に人間を殺す。
それが、兵器だ。
「…………」
ふと考えた。
じゃあ……ただ純粋に悪い人間を殺すオレの存在って……
兵器と一緒じゃないか……
オレは……処分された方が良いのかもな……
里の人間を襲って、攫って……博麗の巫女に危害を加えて、みんなを敵に回して、守りたかった物も守れない。
無様だ……
ヘヘッと自嘲気味に笑う
空を見上げると曇ってた。
ポツポツと雨が降ってきて、傘を持ってきてないことを後悔する。
別に気にすることないか……
今は雨に打たれたい……