すいません、ちょっと無理矢理ですけど写輪眼渡す時みたいなイメージですかね?
分かりにくいかな?
「お願いだから……もう降参して……」
再び霊夢が青年に言った。
見ていられなかったからだ。
両目を潰され、ズタボロになりながらも幼子を守るその姿が、もう見ていられなかった。
すると青年は笑う。
ニッコリと笑う。
「それでも……それでもオレはあの子を守りたいんです……」
「なんで!?なんでよ!!なんでそんなになってまでアンタは!?」
金切声に近い声で霊夢は叫んだ。
青年にニッコリと笑って答える。
「愛しているんです……」
そこから青年の意識は虚ろになった。
しかし、真っ暗闇の中で伊織の声が聞こえた。
一瞬、気の所為かと思ったが、確かに聞こえた。
だから、青年はその声のする方へと歩く。
ヨロヨロと歩く、途中で躓いて転けた。
だから、這ってその場所へと言った。
「****!?」
「*○・4」2|¥!?」
誰かが驚いているような声が青年には聞こえた。
しかしながら、全く聴き取れないし、聴き取るつもりもサラサラない。
伊織の元へと行くことしか頭に無かった。
暫く這って、そして再び立ち、ヨロヨロ歩いてやっと伊織の声の元へとたどり着く。
「大丈夫だよ……大丈夫……例え世界が終わってしまっても……オレは君を離さないから……」
どうやら伊織は泣いている様だった。
だから青年は思い切り笑う。
ニッコリと笑う。
そして………………
気がつくと青年は、妖怪の山に居た。
目が見えないのに、なんとなく匂いと頬を撫でる風が青年にそう教えてくれた。
「うろっ、うろっ!!」
青年は、伊織がぎゅっと自分を抱き締めていることに気付く。
もう泣いてない様で、青年はホッとする。
とてもとても優しい声だった。
そして、とても儚い声……
だから、青年は心配になった。
このまま伊織が何処かへ行ってしまうんじゃないかと思ったからだ。
「あい……あと……あい……あと」
必死に伊織は、青年にありがとうと言った。
青年はますます不安に駆られた。
スッと伊織は、青年の手を開かせる。
そして、丸い球状の物を2つ渡した。
青年は、ゾッとする。
まさか……まさかまさかまさか!?
青年は、ガタガタと震え、冷汗を垂らす。
オレは妖怪だ……骨が折れたって内臓が逝ってても時間が有れば治ってしまう。
たぶん、これがそうだとしたら。
そうであって欲しくないけれど……
これがそうだとしたら……
見えるかも知れない。
青年は、祈る様にその2つの球体を、自分の両の目に当てがった。
そして、暫くして……
青年は、最悪の光景を目の当たりにし、そして青年の慟哭が辺りに響き渡った。