能力の解説は後ほどやる予定ですんで、やってね〜じゃん!!
ってのは無しでお願いします。
では、本編です。
モクモクと煙が上がる。
フランはにっこりと笑った。
確実に決まった、確かな感触があった。
だから、もう邪魔する奴なんて居ないんだ。
フランはそう思った。
「イイ 加減 ニ シテヨ……」
フランの背筋が凍る。
「なっ、なんで?壊したのに!?」
突然目の前に現れた青年にフランは震えながら言った。
パァン!!
「ッ!!」
青年は無言でフランの頬を引っ叩く。
「なっ、何すん……」
パァン!!
間髪入れずに青年は、氷のような目でフランを引っ叩いた。
「フランちゃんさ?こんな風に引っ叩かれたことないだろ?」
「……?」
赤く腫れた頬を押さえさがらフランは怯えつつ青年を見る。
「誰も彼もがフランちゃんの思う通りになるとおもうなよ、オレ達は人形なんかじゃないんだ」
青年は、冷たく言い放った。
フランは、状況を飲み込めずにオロオロした。
青年は、そんなフランを気にも止めずに背を向け出口へと向かった。
「文、帰ろ?」
「…………」
青年が少女を呼ぶと少女はとても不機嫌そうに青年についていった。
「???」
フランは、まだ状況が飲み込めなかった。
引っ叩くかれたことは彼女にとっても初めての経験で、物凄く痛かったし、それ以上になんだか、胸が痛かった。
気がつくとポロポロと涙が出ていたけれど、何故こんな物が流れるのかさえ、彼女には理解できなかった。
その間にも青年はフランに背を向けて去って行く。
嫌だった。
フランは、青年に行かないで欲しかった。
寂しかったから……
ピタリと青年は足を止める。
「フランちゃん、なんで引っ叩かれたかよ〜く考えな?誰かと関わりを絶ってたってのが主な原因なんだろうから、フランちゃんだけが悪いとは思わない。だからまた来るよ。」
ふぅ、と青年は息を吐いて去って行った。
フランの涙はまだ止まらなかった。
引っ叩かれたのがショックだったからだ。
けれど、不思議と寂しいという気持ちは消えていたのだった。
そして……
妖怪の山の麓にて……
「何カッコつけてるんです?」
不機嫌そうに少女は青年に言った。
「別に……」
そっけなく青年は答える。
「大体、わざわざ身を挺して私を守ってくれなくても良かったんですよ?ナメてるんですか、私の事?やろうと思えば私だって……」
「分かってるさ……」
青年が面倒くさそうに答えたので少女の頭に一気に血が上った。
「ハァ!?分かってないからそんなにズタボロにされてるんでしょう?この際ハッキリと言っとくけど私がその気になれば、貴方だって直ぐに殺せますよ?私より弱い癖に私を守る?ハッ、滑稽ですね〜」
「うん、強いんだと思うよ?それでも、反射的に身体が動いたんだ……」
困った顔で青年は、笑う。
その顔を見て少女は呆れ果てた。
「ド阿呆ですね?」
「うん……」
「で?大丈夫なんですか、体の方は?」
ムスッとして少女は青年に問う。
青年は、それを苦笑いで返した。
「右腕の感覚が無い、内臓もどっか逝ってんのかな?さっきから吐き出しそうな血をずっと飲み込んでるんだ……」
青年は、困り顔で感覚のなくなった腕をプラプラと揺らしていた。