東方風天録   作:九郎

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1つコメントを頂いて狂喜乱舞しました。

また、アドバイスや感想を頂きたいものです。
本当に嬉しいですね。
私は、いつでも待ってます。


誤解

「で?何の用なの?」

チッと舌打ちしてオレは射命丸を睨んだ。

オレの舌打ちを聞いてニヤニヤしていた射命丸もムッとした表情になる。

 

「あははは、身投げしようとした少年を止めて偉そうに説教垂れるクロ君見てると滑稽で滑稽で……自分は、死んじゃってもいいやとか言ってる癖に偉そうに……フフフ……アハハハハ、吐き気がしますよホント」

 

あ〜面倒くさい……いつもの蔑んだ目だ……

ごもっともだよ……

 

「いや、止めてないじゃん?オレはあの子にどうぞ勝手に死んで下さいなって言った気がするけどなぁ、説教もしてないね……オレはこう言う話があるんだぜって言ったつもりだったんだけどな〜まぁ、どう解釈するのも人の勝手だけどね〜」

 

 

「素直にハッキリ言ったらどうですか?死んで欲しくなかったって……だって、あの少年目掛けて走って行くクロ君の目は……大蛇の妖怪と対峙した時に私を守ろうとしてくれた時の目と一緒でしたよ?」

 

「……………………」

 

「まぁ、貴方なんかに守ってもらう程、私弱くないですけどね〜まぁ、結局のところクロ君は、素直じゃないだけで本当は優しい人なんですよ……煽ってはいたけどあの少年が本当に身投げしたら確実に助けれる技術と知識はあったんでしょう?でも、クロ君は死んじゃってもいいやって思ってるから面と向かって死ぬなって言えない……偉そうな口叩けないから、あんな風に言ったんでしょう?」

 

ニヤ〜っと笑って射命丸は言う。

人間というものは真実を淡々と語られたら怒る、とても怒る。

オレだって例外じゃない。

 

「お前何しに来たんだよ!?」

 

 

「ん?嫌がらせに決まってるじゃないですか〜だって私……貴方のこと大っっっ嫌いですから」

 

 

「分かった分かった、どうぞ気が済むまで嫌がらせするがいいさ」

 

溜息をついていかにも面倒くさそうに頭を掻いた。

その様子をみてやはり射命丸はムカ〜っとしたのだろう

イラついてるのが手に取るよう分かる。

 

「その態度が気に食わないんですよ!!素直に怒ればいいじゃないですか!!なにクール気取ってるんですか!?それカッコいいって思ってるんですか!?めっちゃカッコ悪いです、正直、吐き気を催すんですよ!!!ホラッ悔しかったら何か言い返してきなさいよ、ホラッ、殴り掛かってくればいいじゃないですか!?返り討ちにしてあげますよ!!」

 

明らかに冷静さを欠いている射命丸を見て

心底、女の子って分からないなぁと思った。

 

だってそうだろ?嫌いなら関わらなきゃ良いんだよ、ずいぶん仕事熱心な天狗だな……

まぁ、オレもこいつにこれだけボロクソ言われたら、腹に据えかねるものがある……

 

 

「別にお前に対して怒ったりとかさ?憎いとか嫌いだ〜とかそんな感情は一度も抱いたことねぇよ……まぁ、面倒くさいとかは思ったりするけど……なんか、ごめんな……誤解させるような態度とっちゃって……別に、嫌とかじゃないんだよ……」

 

オレは、ニコッと笑っていった。

とびっきりの笑顔だ……

 

「えっ……そっそうなんですか、すいません私、取り乱して……ホントは私……」

 

アレ……なんでこいつ少し嬉しそうな顔してんだ?

おいおい、そこは下手に出たオレに対してつけあがって罵倒するとこだろうが…… 煽ったのお前だぜ?

 

「ど〜〜〜〜っっっでも良いんだわお前の事、目の前を飛ぶハエみたいなもんだよ、目障りだけど別にそれ以外に感情抱いたりしねぇだろう?それと一緒。マジでこの上なくどうでもいい、興味が湧かない、目に止まらない、無関心、無感情、それ以外の何物でもないんだよ……ばぁか」

べぇと舌をだして言ってやった。

あ〜スッキリしたわ。

ほれほれどうした次はどんな文句が出てくるんだい射命丸さんよぉ

 

「ッ!!!」

射命丸は、俯いてスタスタとこちらに向かって歩いてきた

そして、次の瞬間

 

パァンという音と共に

 

オレの左頬に衝撃が走った。

 

ピピッと顔に水滴が掛かった、おかしいな雨なんて降ってないのに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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