スノーフレーク   作:テオ_ドラ

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連結してチャージしてるところを殴れよ、
とか作者も書いてて思っているので、
そっとしておいてあげてください……
あとフドウクチナシに敵を攻撃する機能はありません まる。
ちなみに戦闘はあと1回続きます。


【挿絵表示】


表紙を描いてくれたRimiQwiさんのページはこちら
http://www.pixiv.net/member.php?id=10995711

登場人物紹介はこちら
http://novel.syosetu.org/61702/1.html

ファンタシースターオンライン2、通称「PSO2」を舞台にしたオリジナルの話です。
本来のストーリーモードの主人公とは違った視点で、
PSO2の世界を冒険していくという内容となります。
気軽に感想を書いてくれると作者喜びます。
感想欄でなくてもメッセージ機能なり
ツィッター(@neko_neko_xojya)でお寄せ下さい。
なおイラストとか挿絵書いてくれる人は万年募集中です。


090.「俺は、お前を信じている!」

ファルスアームがデコピンをしてくる。

見た目こそ冗談めかした攻撃だが、

力を貯めてから放たれる強烈な一撃は

アームからすればちっぽけなアークスにとって

凄まじい破壊力となって襲い掛かる。

 

「ちっ……!」

 

レシアを狙った攻撃を

ウェズはスサノグレンの鞘で防ぎつつき

器用に力を逃がして

逆にカウンターで指を切りおとす。

 

「ワンポイント!」

 

その傷に的確に後ろからメディリスの

フォトンの弾丸が狙う。

押されるように後ろに下がったアームを

 

「ウェズ、腕上げたね」

 

まさに神速、残像を残して移動したアザナミが

背後から一気に切り裂いた。

 

「グレンテッセン!」

 

さすがウェズの師というべきか、

同じカタナとは思えないほどの

凝縮されたフォトンによる一閃。

彼女が持つのは刃の広い曲刀だった。

まさに「刀」といったスサノグレンとはまるで違い、

「シャムシール」とでもいうデザインだろうか。

鞘に大きくドクロのマークが施された

この武器の名前をカルネサスという。

アザナミの衣装もお揃いで、

海賊をモチーフにしたものだった。

 

「アザナミさん、後ろ!」

 

後ろから彼女を掴もうと大きく広げていた手。

 

「ふっ……」

 

それを彼女は振り返りもせず笑う。

深く腰を落とし、

体に蓄積されたフォトンを解き放つ!

 

「フドウクチナシ!」

 

居合いと同時に放たれたフォトンは

全周囲に及びその衝撃波が敵を弾き飛ばす。

 

「マスターシュート!」

 

そんな彼女を支援するのは、

ウェズと同じくアザナミの弟子、イオ。

ホーミング性能のある5発のフォトンの矢は、

正確にファルスアームを狙っていく。

倒すほどの威力はないが、

それでも攻撃の手を止めさせるには十分の威力。

 

「アサルトバスター!」

 

ライガンの槍がその怯んだ隙を逃さずに貫いて、

ファルスアームを霧散させた。

 

「ありがとね、イオ」

 

「アザナミさん、無茶しすぎだ!」

 

「こうして弟子たちと一緒に戦うのが憧れだったんだよ。

 だから少しくらい、格好ところ見せようってね」

 

先ほどから休む間もなく

襲い掛かってくるファルスアーム。

そんな中でもアザナミは余裕の表情を崩していなかった。

ここに援軍に来るまでの間にも

彼女はいくつもの場所で連戦しており、

本当は体力的にもフォトン的にも辛いだろうに、

それでも辛い表情を浮かべないのは

師としての意地だけだった。

 

「……ん」

 

そんな戦いの中、

最初に違和感に気付いたのはアンジュ。

 

「なにか、するつもり」

 

ファルスアームたちが中央に集まっていく。

どういうつもりなのか合体をしていっていた。

 

「ちょうどいい、まとめて叩き斬るか」

 

kが紅葉姫をぶんっと振る。

 

「いや、ちょっとこれは……ヤバいんじゃない?」

 

見上げながらケーラがぽつりと呟く。

腕は集まって連なり、

そう、見上げなければいけないほどの高さになっていた。

 

「……ダーカー因子の増大!

 なにかしてくるつもりだよ!」

 

メディリスが悲鳴のような叫び声をあげる。

反応ははるか頭上の腕の先、

広げた手にはまるでボールのような塊。

そこに凄まじい力が集中しているのだ。

遠くからも腕が集まってきて

更にその体積を増していく……。

 

「我々に叩きつけるつもりか!」

 

ライガンが槍を構えるが、

誰の目から見ても殴って

どうにかできるようなものではない。

純粋な質量の前には小細工は通用しないだろう。

その力の前にどうすべきなのか……

 

「レシア……!」

 

ウェズは最も頼りにしている少女を呼ぶ。

 

「いくら形を変えても

 あれはファルスアームに違いない……

 なら雷に弱いはずだ!」

 

彼も何をどうすべきかわかってはいない。

けれど、彼女ならば

何か打開策を思いつくのではないかと考えたのだ。

 

「ウェズ……」

 

彼の期待に……彼女は一度目を瞑ってから、

 

「うまくいくかわかりませんが、

 私に任せてください」

 

力強く頷いた。

セラータクレインを取り出す。

 

「私も力を貸します」

 

そんな彼女にこの場にいるもう一人のテクニック職、

キルシェがロッドを手に傍らに立つ。

レシアは頷いて空を見上げた。

 

「……くる」

 

アンジュの呟き。

それと同時にファルスアームは

巨大な塊を空から投げつけてきた。

 

「……っ!」

 

レシアが持つタリスの残数は4。

そこに彼女が持つ全てのフォトンを込める。

マスターである彼に任されたのだ、

応えるためにこの一撃に全力を賭けていた。

フォトンは意思の力に反映する……

強ければ強いほど、輝きを増す。

今まで「落ちこぼれ」とされていた彼女、

だがまるで星のように

強く、眩く、輝いていく様は

とても力強く美しい。

 

ありったけの力を込めて

彼女はタリスを放り投げる。

 

「ゾンディール!」

 

アークスたちを守るように

タリスが青白いフィールドを展開する。

それは濃密な帯電された雲。

 

「頼みます!」

 

彼女の声に応えて

キルシェはロッドを掲げて

 

「ギ・ゾンデ!」

 

凝縮された雷を放った。

指向性の雷は次々とタリスに伝播していく。

そして同時に……

 

バババババババハッ!

 

雷のフィールドが着火し、

激しい轟音を立てて空を覆った。

本来は足止め程度にしか使えない

ゾンディールの爆雷だが、

強力なフォトンにって発動されたそれは

まるで分厚い光の天井のように姿を変えていた。

 

ドオンッ!

ドオンッ!

 

降り注ぐ塊となった腕が

フィールドを貫こうとするが、

強烈な雷の嵐を突破することは適わず、

次々と溶けて行く。

塊だけでなくそれを投げた

連なっていた腕たちまでもが、

一斉に突っ込んできていた。

 

「くっ……!」

 

キルシェはひたすら雷を頭上に撃ち続ける。

レシアもフォトンを送り続けていた。

タリスに凄まじい圧力が

彼女に伸し掛かっているのだ。

 

「レシア!」

 

彼女が掲げる手に、

ウェズは手を重ねる。

 

「ウェズ……!」

 

「俺は、お前を信じている!」

 

テクニックの素養のないウェズが

一緒にフォトンを送ることはできない。

だが、彼にだって

彼女を支えることくらいならできるはずだ。

 

「……はい!」

 

時間にすれば恐らく30秒にも満たないだろう。

だがその場にいる者たちにとっては

永遠にも等しい時間だといえた。

 

シュゥゥ……

 

雷のフィールドが消える。

レシアのフォトンが尽きたのだ。

爆音の後で耳がまるで馬鹿になったように

耳鳴りが止まない。

アークスたちが恐る恐る周囲を見回す。

 

――そこにはファルスアームの姿は

  影も形もなくなっていた。





最終的にはアークスは根性論

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