スノーフレーク   作:テオ_ドラ

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最近更新頻度が下がっていてすいません。
リアル事情で年末くらいまでは頻度が下がりそうです。
こっそり楽しみにしてくれている方々、ご了承頂きたく。
というわけで久々ですが、こっそりゲストキャラ登場しました。
彼の詳細なプロフィールについては次回紹介の予定です。


【挿絵表示】


表紙を描いてくれたRimiQwiさんのページはこちら
http://www.pixiv.net/member.php?id=10995711

登場人物紹介はこちら
http://novel.syosetu.org/61702/1.html

ファンタシースターオンライン2、通称「PSO2」を舞台にしたオリジナルの話です。
本来のストーリーモードの主人公とは違った視点で、
PSO2の世界を冒険していくという内容となります。
気軽に感想を書いてくれると作者喜びます。
要望などは個別にメッセージ機能なり
ツィッター(@neko_neko_xojya)でお寄せ下さい。
※感想欄に書くと規約に引っかかるため
※要望は全てに対応できるわけではないのはで予めご了承ください。


082.「後は任せておけって!」

メディリスは慣れない

戦闘機の操作を必死に行う。

本来はある程度は自動で動くのだが、

惑星ナベリウスの異常気象により、

大気が非常に乱れてしまい

安定を保つことが難しかった。

 

「……お願い、落ち着いて」

 

ガタガタと振動する戦闘機を

操縦桿で必死に抑え込む。

何故正規のパイロットではなく

メディリスが運転しているかというと、

アークス本部から無断で拝借したからだ。

撤退命令は出たものの、

「取り残された者」に対してのフォローは

本部からはないので

彼女たちの独断である。

 

「……」

 

開いた扉からガトリングを撃っているのは

前髪で顔を隠している男のアークス。

ライトオレンジのコートと

白いマフラーが風でなびいていく。

 

ダダダダダダッ!

 

寝そべりながら彼は愛銃で地面を掃討する。

それは巨大なガトリングのようなアサルトライフル。

容赦なく凶弾を吐きだすそれは

いかなる対象であっても

血で真っ赤に染め上げるという。

「復讐者(アヴェンジャー)」と呼ばれる長銃だ。

しかもそのただでさえ扱い辛いそれを

4丁合体させた凶悪なシロモノ……

完全に固定砲台となってしまっている。

それを扱うアークスの名前をリコットという。

 

「……うるさい。

 もっと静かにして」

 

4つのガトリングが激しい爆音を立てる。

隣りに立つアンジュが顔をしかめながら、

バウガーディンで射撃していた。

 

「それは無理だよ!!!」

 

せっかく援軍に来たというのに

悪態をつかれたリコットは

射撃音に負けないくらい叫ぶ。

 

「文句は後でいくらでも聞くから!!!」

 

揺れる戦闘機の中から、

しかも長銃も動かし辛いシロモノだというのに、

地上で激しく回転する

ゼッシュレイダの装甲を正確に狙い削っていく。

 

「……!」

 

甲羅から生えていた突起、

それが2つ吹き飛ぶ。

ダーカーの因子の弾を吐きだす

射出口であると同時に、

弱点にもなっているのだ。

それをアンジュとリコットは

正確に撃ち貫いて行く。

ゼッシュレイダは回転を止め、

苛立たしげに立ち上がり

 

ブォォォォォォ!

 

口から炎を吐いて来た。

慌ててメディリスの操作する

戦闘機は回避をしていく。

 

「後は任せとけって!」

 

その声は戦闘機にのる三人、

メディリス、アンジュ、リコットとは別の声。

搭乗する最後の一人。

 

まるで狼を思わせる髪型、

銀のショートウルフに

何処か幼さを残す顔立ち。

けれどこんな状況下でも

自信に満ち溢れた表情は

彼が手練れであることの証明。

前が開いた黒いコート、

シズル・レプカからから覗く体は

決して筋肉質ではないが、

無駄のない体つきをしていた。

 

「衛宮、頼みましたよ!!!」

 

リコットの声を背中に受け、

衛宮と呼ばれた彼は

荒れ狂う空へと身を投げだした。

腰のバレットベルトから

2丁の赤く染められたマシンガンを取り出す。

 

「ショウタイムだ!」

 

ブロンズ色の瞳が獲物を睨みつける。

すぐさまゼッシュレイダが

彼に向けて砲弾を飛ばす。

放物線を描き落下する彼を正確に狙うが、

 

ヒュッ!

 

まるで壁を蹴ったかのように、

空中でクルリと回転して避けた。

そしてお返しとばかりに

赤のマシンガンが火を噴く。

 

ダダダッ!

ダダダッ!

 

正確に顔についたコアに当てて行く。

空を鮮やかに駆けるそれは

スタイリッシュロールと呼ばれる技術、

ガンナーというクラスが

空の覇者と言われる所以となるもの。

 

「エルダーリベリオン!」

 

圧縮されたフォトンの弾丸による乱舞。

巨大な体のゼッシュレイダからすれば

あまりにも小さい存在だが、

決して引きを取ってはいなかった。

 

「出し惜しみはなしだ、

 こいつも持っていきな!」

 

衛宮は懐からタリスを取り出す。

マシンガン同様に真っ赤に染められたソレは

固有名を持たない試作品であるタリス。

赤のタリスを空中で

器用に4発投げつける。

 

「ナ・ゾンデ!」

 

それを器用に赤のマシンガンで撃ちぬいていく。

そのことでフォトンが溢れだし、

雷の障壁が発生した。

体を囲むように出現した雷のテクニックに、

意表を突かれたゼッシュレイダは感電し、

膝をついてしまった。

 

「おい、キミたち!

 今のうちだぞ!」

 

それは物陰に隠れていた

ウェズたちに掛けられたもの。

 

「ライガン!」

 

「うむ!」

 

ウェズの叫びに

ライガンはラムダハイペリオンを取り出し、

 

シュンッ!

 

空に向けて射出した。

それを器用に衛宮は空中で掴む。

 

「……待ってて!」

 

メディリスが器用に戦闘機を寄せて

 

「……ん!」

 

アンジュが衛宮の手を掴み、

引き寄せて戦闘機の中に押し込む。

 

「レシア、ケーラ!」

 

「わかっています!」

 

「っと!」

 

三人はライガンにしがみつく。

そしてワイヤーを巻き上げて行き、

ゼッシュレイダのいる地表を脱出した……

 


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