スノーフレーク   作:テオ_ドラ

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ちょっと本編周りの話題が出ましたが、
基本的には直接関わることはしません。
アークス本部が隠している事、
それは本編のストーリーモードで明らかになります。
(まあwiki見れば全部載ってますけど)

ちなみにネタで書いた変態【仮面】の話の方が
一日のアクセス数多くてショックのテオドラさんでした。



【挿絵表示】


表紙を描いてくれたRimiQwiさんのページはこちら
http://www.pixiv.net/member.php?id=10995711

登場人物紹介はこちら
http://novel.syosetu.org/61702/1.html

ファンタシースターオンライン2、通称「PSO2」を舞台にしたオリジナルの話です。
本来のストーリーモードの主人公とは違った視点で、
PSO2の世界を冒険していくという内容となります。
気軽に感想とか要望を書いてくれると作者喜びます


034.「できることをすればいいと思う」

「凍土?」

 

「……うん、

 最近なんか本格的な調査するって」

 

スノーフレークは

砂漠でグワナーダを倒してから、

資源回収や地表の調査などを何回か行っていた。

今は調査が落ち着き

チームルームへ帰ってきたところ。

ルーム内のバーカウンターで休憩していた

ウェズとレシアのところへ

トゥリアがやってきて話をしてくる。

 

「しかし惑星ナベリウスは

 既に調査はほとんどして

 あまり価値がないとは聞いていましたが」

 

レシアが疑問に思うのは当然である。

アークス本部から惑星ナベリウスは

重要度が低い場所と設定されているのだ。

ゆえに主に新米たちにクエストが回りやすく、

研修生の修了研修の場としても使われるくらいだ。

 

「……うん、私もそう聞いてたけど」

 

そこで隣に腰かけ小声でひそひそ話しだす

 

「……なんか、探してるみたい。

 ……杖?

 私もよく知らないけどその部品みたいなのを」

 

「つまり、調査ってのは名目でそいつを

 ローラー作戦で探させているのか?」

 

「……多分、そう。

 指示書に明記はされてないけど、

 何かを見つけたら必ず本部に

 報告するように繰り返し書かれてる」

 

「最近、仮面をつけたアークスらしき存在が

 各地でうろついていると噂で聞きましたけれど……

 それと関係があるのでしょうか」

 

三人は顔を見合わせて首を傾げる。

彼らは知らない、

オラクルにとって非常に

重要な事案が進行していることを。

けれど白錫クラリッサを巡る

事件は彼らの物語ではない。

 

「あまり考えても仕方ないわ。

 アークス本部にも何か考えがあるのよ」

 

カウンターの中にいた車いすのミミが

トゥリアにも飲み物を出してくれる。

いつも彼女が飲むのは牛乳だった。

大きくなりたいらしい、色々と。

 

「私は貴方たちより先輩ではあるけれど、

 それでもアークス本部のことで知らないことも多いの。

 ……ううん、もっとベテランの人でも

 知らされていないことがある気がするわ」

 

「えっ?

 例えばどんなことだ?」

 

彼女はうーんと指を唇に当て考える。

 

「例えば今、凍土の話が出たじゃない?

 あれは40年前に三英雄たちが

 ダークファルスと戦った時の影響で

 極寒の地になったと聞いてるわよね」

 

「私たちもそう教わりました。

 そのダークファルスが使うのが

 凍結の力だったからと聞いてます」

 

そのダークファルスは

初代クラリスクレイスが

滅ぼしたと研修生の時に習った。

その時に凍土に関しても少しだけ記述があった気がする。

 

「じゃあ今もどうして凍土の雪は消えないの?

 ダークファルスは倒したはずじゃない」

 

「……余程、力の影響が強かったとか?」

 

トゥリアの疑問にミミは首を振る。

 

「環境に関するデータが実はないのよ。

 何故凍土になったか、

 それはダークファルスのせい……

 それしか調べてもわからないの。

 今なお白銀の世界であり続けることは、

 誰も触れない……」

 

当たり前だと思っていたが、

確かに凍土になってしまったのは40年前。

よく考えるといつまでもそのままなのも変だし、

当然環境に関する調査はされて然るべきだ。

 

「……今回の調査内容も、

 広域のダーカー調査くらいしか書かれてませんね」

 

レシアがトゥリアの持ってきた指示書に目を通す。

 

「そういった色々とわからないことが多いのよ。

 他には10年前のあたりの記録もほとんど白紙だわ」

 

先輩アークスに言われると、

ウェズもレシアも確かに気になりだしてしまう。

アークス本部は何を抱えているのだろうか?

 

「ミミ、あまり滅多な事を言わない方がいい」

 

そう言ったのはやってきたライガン。

 

「大きな声では言えないが、

 そのあたりの疑問を大手チームのマスターたちも

 『あえて気付かない振り』をしていると、

 グレイシールドのマスターも言っていたことがある。

 ……つまり、深入りはタブーということやもしれん」

 

彼の腰には新しい武器が下げられていた。

 

「お、それはワイヤードランスか?」

 

「ああ、槍以外にも武装を持とうと思ったのだ。

 ワイヤードランスは使い辛いが、

 役立つ場面も多い。

 今後の戦いに必要ではないかと考えた」

 

まるでアンカーのような

濃い藍色の鋭角的なフォルムに

黄色いフォトンの刃。。

ラムダハイペリオンと呼ばれる、

汎用性に優れたワイヤードランスだ。

彼の愛用のラムダパシレイオンは無骨だが、

これは装飾も施されて美しい武器だった。

 

「凍土は視界も悪いし、

 魚?みたいなダーカーが増えてるって聞くから

 準備は万端にしていかないと!」

 

続いてメディリスもチームルームに入ってくる。

二人で武器ショップに行っていたのだ。

彼女は武器は変わっていないけれど、

腰にはスタングレネードをつけていた。

ポーチにもレンジャーが使える

便利なアイテムが詰まっているのだろう。

 

「私は難しいことはわからないけど。

 できることをすればいいと思う」

 

メディリスの言葉にウェズは頷く。

 

「そうだな。

 まだ俺たちは駆け出しだしな。

 そのあたりのキナ臭い話は、

 追々わかってくるかもしれねーし」

 

レシアは立ち上がり

 

「では凍土へ行く用意をしましょうか。

 出発は2時間後です。

 みんな、準備をお願いします」

 

いそいそとどこかへ行こうする。

 

「マネージャー?

 随分と準備に時間がかかるのだな。

 いつもは10分くらいだろう?」

 

その言葉にミミは苦笑いをする。

 

「レシアは、寒がりだから

 きっと凍土に行くのに防寒具を用意したいのよ」

 

「ミミさん、どうして言うんですか!」

 

顔を真っ赤にしたレシアの言葉に

ウェズも笑いながらも後ろ手で端末を操作し、

カイロやらの寒冷対策用品を申請していた。

 


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